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里海創生支援モデル事業の紹介 赤穂海岸及び相生湾における自然再生を中心とした里海づくり事業

このページは、里海創生支援モデル事業における活動内容の紹介を行い、これから里海創生活動に取り組もうとされている方々や、取り組んでいる方々との情報交流を行うことを目的としています。

クリックすると、各里海創生活動を見ることができます。
里海創生支援モデル事業名
赤穂海岸及び相生湾における自然再生を中心とした里海づくり事業
事業年度
平成20年度、平成21年度、平成22年度
里海創生支援モデル事業海域の概要

(赤穂)
対象海域の赤穂・千種川河口区域は赤穂市の南部に位置し,赤穂市を南北に流下する千種川河口東部の唐船地区および御崎地区を含む。
唐船地区地先には数100m沖合まで干潟およびアマモ場が形成されており,御崎地区にも小規模なアマモ場が形成されている。ただし、干潮時に底面が露出する範囲は千種川河口直近部分に限られ面積的には小さいため、干潟特有の多数の鳥類生息は見られない。このような景観から,唐船地区地先は「日本の重要湿地500」に選定されているが、近年、干潟が大きく減少しており、藻場についても数値的には明らかではないが部分的な劣化が指摘されている。

赤穂市地図

(相生)
対象海域の相生湾は相生市の中心部に位置し、大正のころから造船業が営まれ、湾奥部は埋立てが進められ、湾の海岸のほとんどが人工海岸となっている。しかし、湾口部から外側は雄大な自然海岸であり、金ヶ崎の万葉岬は眺望に優れ万葉集にも歌われた景勝地である。 相生湾に流入する河川としては東方の芋谷川と西方の佐方川であるが、いずれも流量は小さく、上流からの土砂の流入は少ない。

相生湾地図
類型区分
流域一体型、体験型
活動の目的

相生湾の那波港及び赤穂海岸の千種川河口干潟をフィールドとして、地元活動団体等の手によるアマモの増殖活動等を通じて「里海づくり」を推進するため、地域の活動団体等を構成員とする里海づくり地域協議会を開催し、海岸のごみ清掃、環境学習、意識啓発等の実践活動を行うとともに、「里海づくり構想」を策定することを目的とする。

主な活動内容

【平成20年度】

  • (1)播磨灘里海づくり専門委員会の設置・運営
  • (2)現地フィールド調査 ①水質・底質調査 ②藻場の状況調査
  • (3)里海づくりに向けた地元懇談会の開催

【平成21年度】

  • (1)里海づくり懇談会の開催
  • (2)播磨灘の里海づくり専門委員会の開催
  • (3)里海づくり活動発表会の開催
  • (4)里海づくりマニュアル(素案)の改善事項等の提案

【平成22年度】

  • (1)相生湾・赤穂海岸里海づくり懇談会の開催と里海づくり協議会の設立
  • (2)里海づくり構想の策定
  • (3)里海づくり実践活動イベント等の開催
  • (4)里海マニュアル(素案)の改善事項等の提案
  • (5)里海づくりに資する情報収集活動(里海関係者への聞き取り)
主な成果や課題

【成果】
相生湾、赤穂海岸の協力のもと懇談会を開催し、地元と意見交換することで里海づくりに向けての下地ができた。また、漁協、環境保全活動団体、企業、行政等が参画し、里海づくり協議会を開催することができ、「里海づくり構想」を策定することができた。「里海づくり構想」を策定したことにより、今後、地域の特性を活かした住民参加活動、漁業を中心とした地域の活性化などの地域の取り組みが一層活発化することが想定され、子どもに対する環境学習を中心とした里海づくりを進め、長期的な視点をもった取り組みを進めることができる。
また、地域住民の協力も得た一斉清掃の実施により、地域としての里海づくりへの取組への意識付けとなった。
このように、海を通した親と子の世代にまたがる活動を実践することで、持続的に海との関わりが続くと考える。

※里海関係者への聞き書きの結果は聞き書き事例のページをご覧下さい。

【課題】
里海は「人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域」とされているが、一斉清掃や環境学習によって得られる生物生産性、生物多様性は、直接的な成果を目に見えた形で表すことは難しい。
今後、その成果をどういった指標によって表していくか課題となる。

活動団体
兵庫県自然環境課(外部リンク) 印は実施主体を示す