人口増加・産業集積、埋め立て・開発等により、多くの自然海岸や藻場・干潟が消失しました。
高度経済成長に伴い大量の産業・生活排水が海に流れ込み、富栄養化による赤潮などが日本各地で頻発しました。特に、瀬戸内海は「瀕死の海」と呼ばれるほどに水質汚濁が進行してしまいました。


瀬戸内に広がる里海(さとうみ)と、
そこに暮らす人々の物語。
里海(さとうみ)とは、人の暮らしと自然の営みがともにある海辺のこと。
海にほどよく人の手や営みが加わることで高い生産性と独自の生態系が生まれ、そこから水産資源など豊かな恵みがもたらされます。
私たちは古くから、海との「ちょうどいい」関係を築き、心豊かな暮らしと文化をはぐくんできました。
いま、私たちと里海との関わりが失われつつあります。
埋め立てが進んだ海辺からは藻場や干潟が姿を消し、人は海を感じなくなってきました。
大きくなった人の営みによって、かつてはちょうどよかったそのバランスが崩れ、海には温暖化や海ごみが影をおとし、その豊かな恵みにかげりが生まれています。
里海とともにある心豊かな暮らしを、未来に引き継いでいきませんか。
人口増加・産業集積、埋め立て・開発等により、多くの自然海岸や藻場・干潟が消失しました。
高度経済成長に伴い大量の産業・生活排水が海に流れ込み、富栄養化による赤潮などが日本各地で頻発しました。特に、瀬戸内海は「瀕死の海」と呼ばれるほどに水質汚濁が進行してしまいました。
水質の改善を目指してこれまでに、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)に基づく対策に加え、瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和48年法律第110号)の制定や同法に基づく様々な対策を実施しました。
排出水の排出の規制、生活排水対策の推進、水質の汚濁の状況の監視などを行います
日本最大の閉鎖性海域、瀬戸内海において、富栄養化対策や自然海浜の保全などを行い、瀬戸内海の環境の保全を図ります
優れた自然の風景地を保護し、生物の多様性を確保します
人為的な負荷が軽減するなど、一定の成果がみられてきた
引き続き対策を進めていくことに加え、海洋プラスチックごみによる汚染、
気候変動に伴う影響など、新たに顕在化している課題への対応が必要になっています。
気候変動による水温上昇等の環境変化とも相まって、これまで削減してきた窒素や燐(りん)といった植物の栄養となる成分(栄養塩類)の不足等によるノリの色落ちが生じている。
藻場・干潟等の自然海浜が著しく減少したことから、残された自然海浜の保全が重要な課題となっている。
瀬戸内海の漂流ごみ等は、ほとんどが沿岸域の関係府県から排出されたものと考えられており、発生抑制や更なる連携の必要性が高まっている。
栄養塩類の不足によるノリの色落ちや、開発による藻場・干潟の減少等の問題は、気候変動による水温の上昇等の環境への影響も受けている。
里海を未来に引き継ぐには、どこかの誰かが一生懸命、環境を守り、藻場や干潟を保全・再生しているだけでは長続きしません。
みんなそれぞれが、自分の暮らしの中で“里海とのちょうどいい関わり’’をみつけ、楽しむこと。
そこから、令和の里海づくりが始まります。
その一つ一つの海との関わりが、大きなうねりとなって、人と海とのバランスのとれた共生の結びつきを取り戻し、未来へとつながっていきます。
里海とのちょうどいい関わりを見つけていく、里海を地域資源として利活用することで保全と利用の好循環を描く里海づくりを支援しています。