環境省では、瀬戸内海の底質と底生生物の概況について調査するため、「瀬戸内海環境情報基本調査」をこれまで4回実施してきた(第1回(昭和56~60年度)、第2回(平成3~6年度)、第3回(平成13~16年度)、第4回(平成27~29年度))。平成27~29年度に測定した瀬戸内海における底質(含泥率、化学的酸素要求量、強熱減量、全燐、全窒素、酸化還元電位)の分布状況と底生生物の分布状況(マクロベントス個体数、マクロベントス種類数)を示す。また、4回目の調査で、以下のように考察されている。
(1)底質
含泥率が低い海域(<10%)は豊後水道、伊予灘、安芸灘、備讃瀬戸、播磨灘東部であった。一方、大阪湾、播磨灘、備後灘、燧灘、広島湾、周防灘では含泥率が80%を越えていた海域がほとんどであった。
(2)底生生物
個体数は備後水道、伊予灘、安芸灘、備讃瀬戸や播磨灘の明石・鳴門海峡付近で高い傾向を示し、種類もこれらの海域で高かった。一方、大阪湾、播磨灘、備後灘、燧灘、広島湾や周防灘では個体数、種類数ともに低かったが、第2~4回調査間で上昇傾向であった。
第3回底質分布図
底質分布図(含泥率)

底質分布図(COD)

底質分布図(強熱減量)

底質分布図(全燐)

底質分布図(全窒素)

底質分布図(酸化還元電位)

第3回底生生物、 第4回底質、 第4回底生生物 の分布状況はこちら