瀬戸内海の水質を見ると、有機汚濁の代表的指標であり、また瀬戸内海においては総量規制が実施されている化学的酸素要求量(COD)について環境基準の達成状況(環境基準類型当てはめの水域数に対する達成水域の割合)は、令和2年度の瀬戸内海で76%となっており、概ね横ばいで推移している。
A類型水域での達成率(全国:64%、瀬戸内海:41%)はやや変動している。
■灘別水質の推移はこちら
■化学的酸素要求量、全窒素、全燐、塩分の水平分布(令和2年 夏季表層)は こちら(COD、T-N、T-P、塩分)
水質汚濁に係る環境基準(海域の生活環境項目)
類 型 | A | B | C |
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利用目的 \ 項 目 |
水産1級 水浴 自然環境保全 及びB以下の欄に 掲げるもの |
水産2級 工業用水 及びC以下の欄に 掲げるもの |
環境保全 |
水素イオン濃度 (pH) |
7.8 以上 8.3 以下 |
7.8 以上 8.3 以下 |
7.0 以上 8.3 以下 |
化学的酸素要求量 (COD) |
2 mg/L以下 | 3 mg/L以下 | 8 mg/L以下 |
溶存酸素量 (DO) |
7.5 mg/L以上 | 5 mg/L以上 | 2 mg/L以上 |
大腸菌群数 |
1,000MPN/ 100mL以下 |
- | - |
n-ヘキサン抽出 物質(油分等) |
検出されないこと。 | 検出されないこと。 | - |
備考)
|
- 自然環境保全:自然探勝等の環境保全
-
水産1級:マダイ、ブリ、ワカメ等の水産生物用及び水産2級の水産生物用
水産2級:ボラ、ノリ等の水産生物用
水産3種:汚濁に強い特定の水産生物が主に漁獲される - 環境保全:国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度
類 型 | I | II | III | IV |
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利用目的 \ 項 目 |
自然環境保全 及びII以下の欄 に掲げるもの (水産2種及び 3種を除く。) |
水産1種 水浴 及びIII以下の欄 に掲げるもの (水産2種及び 3種を除く。) |
水産2種 及びIVの欄に掲 げるもの(水産 3種を除く。) |
水産3種 工業用水 生物生息環境 保全 |
全 窒 素 | 0.2 mg/L以下 | 0.3 mg/L以下 | 0.6 mg/L以下 | 1 mg/L以下 |
全 燐 | 0.02 mg/L以下 | 0.03 mg/L以下 | 0.05 mg/L以下 | 0.09 mg/L以下 |
備考)
|
- 自然環境保全:自然探勝等の環境保全
-
水産1種:底生魚介類を含め多様な水産生物がバランス良く、かつ安定して
漁獲される
水産2種:一部の底生魚介類を除き、魚類を中心とした水産生物が多獲される
水産3種:汚濁に強い特定の水産生物が主に漁獲される
生物生息環境保全:年間を通して底生生物が生息できる限度
類 型 | 生物A | 生物特A |
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水生生物の \ 項 目 |
水生生物の 生息する 水域 |
生物Aの水域のうち、水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 |
全亜鉛 | 0.02mg/L以下 | 0.01mg/L以下 |
ノニルフェノール | 0.001mg/L以下 | 0.0007mg/L以下 |
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 | 0.01mg/L以下 | 0.006mg/L以下 |
類 型 | 生物1 | 生物2 | 生物3 |
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水生生物が \ 項 目 |
生息段階において貧酸素耐性の低い水生生物が生息できる場を保全・再生する水域又は再生産段階において貧酸素耐性の低い水生生物が再生産できる場を保全・再生する水域 | 生息段階において貧酸素耐性の低い水生生物を除き、水生生物が生息できる場を保全・再生する水域又は再生産段階において貧酸素耐性の低い水生生物を除き、水生生物が再生産できる場を保全・再生する水域 | 生息段階において貧酸素耐性の高い水生生物が生息できる場を保全・再生する水域、再生産段階において貧酸素耐性の高い水生生物が再生産できる場を保全・再生する水域又は無生物域を解消する水域 |
底層溶存酸素量 | 4.0mg/L以上 | 3.0mg/L以上 | 2.0mg/L以上 |
瀬戸内海におけるCODに係る環境基準類型指定状況

瀬戸内海における全窒素及び全燐に係る環境基準類型指定状況

三海域の環境基準達成状況(COD)の推移

出典:「公共用水域水質測定結果」(環境省)
環境基準当てはめ水域のCOD環境基準達成状況の推移(瀬戸内海)

出典:「公共用水域水質測定結果」(環境省)
瀬戸内海におけるCODの推移(全層)
