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受賞者紹介

第6回グッドライフアワード 環境大臣賞 優秀賞

有機栽培カモミール畑が広がる
日本初ビオホテルの
「オーガニック・ウェルネス・リトリート」

株式会社SouGo 八寿恵荘

第6回グッドライフアワード 環境大臣賞  優秀賞 株式会社相互 八寿恵荘

受賞者紹介

第6回グッドライフアワード 環境大臣賞 優秀賞

有機栽培カモミール畑が広がる日本初ビオホテルの
「オーガニック・ウェルネス・リトリート」

株式会社SouGo 八寿恵荘

『八寿恵荘(やすえそう)』は、長野県池田町、約42,000坪の高地に、広大な有機JAS認定のカモミール農園が広がる『カミツレの里』に建つ宿です。八寿恵荘では10年以上前からアレルギーを抱えた子どもたちのための「自然体験教室」や、乳がん体験者へのサポートを行う「乳がんサバイバーツアー」などを継続して実施。自然の循環を体感してくつろげる「オーガニック・ウェルネス・リトリート」を提言しています。

※受賞時の会社名表記は株式会社相互でしたが、レポートでは「株式会社SouGo」に統一いたしました。

どんな活動?

カモミール畑の中に建つ
オーガニックな宿を中心に活動を展開

例年6月には一面が花畑に!

「リトリート=Retreat」とは、「隠れ家」や「静養場所」を意味する言葉。株式会社SouGoと『八寿恵荘』が提言する「オーガニック・ウェルネス・リトリート」は、オーガニックを徹底した宿で自然の循環を体感する時間を過ごすことで、自然や環境と人間との共生について考える機会を提供し、人間本来の生命力や自然治癒力を高めることを目指した取組です。

信州の高原に建つ『八寿恵荘』は、2015年のリニューアルを機に日本で初めてビオホテルジャパン(Bio Hotel JAPAN)認証を取得しました。ビオホテルとは、2001年にヨーロッパで発足したビオホテル協会の認証制度で、フード基準(食べ物や飲み物など)、コスメティック基準(コスメ、石けん、シャンプーなど)、環境基準(CO2排出量削減への取組など)で協会が定める厳しいガイドラインをクリアすることが必要です。

敷地はおよそ42,000坪。宿の周囲には約8,000坪の有機栽培のカモミール(日本名はカミツレ)畑が広がり、そのカモミールを使った入浴剤をはじめとするスキンケアアイテム『華密恋(かみつれん)』シリーズを製造する工場もあり『カミツレの里』と名付けられています。

取材に伺ったのは、まだ雪が残る季節でした。

リニューアル以前から、オーガニックなライフスタイルや大自然の「癒やし」が、健康に生きるために大切であることを、たくさんの方に体験してもらえる場所であることを目指してきた『八寿恵荘』では、アレルギーを抱えた子どもたちのための「自然体験教室」や、乳がん体験者へのサポートを行う「乳がんサバイバーツアー」などを継続して実施してきました。

また、専門医を招いての健康セミナーや、農業を学ぶ大学生のファームステイ、たくさんの子どもたちが参加する環境教育プログラムのサマーキャンプなど、多くの人にオーガニックの可能性や自然と人間との共生について体感し、考える空間と機会を提供しています。

華密恋シリーズのアイテムを体験できます。

活動のきっかけは?

人間本来の生命力を引き出すカモミール。
自然や環境との共生への思いが原点

例年6月のカミツレ花まつりではカモミールの刈り取り体験もできます。

株式会社SouGoが運営する『八寿恵荘』があるのは長野県池田町。立山黒部アルペンルートへの玄関口である大町市と、わさび農場で知られる安曇野市の中間に位置する、北アルプスの雄大な景観を望む町ですが、もともと多くの人が訪れる有名観光地というわけではありません。

八寿恵荘を運営する株式会社SouGoは、東京に本社がある印刷会社です。この『カミツレの里』でカモミールを栽培するようになったのは、今から40年ほど前、現社長である北條裕子(きたじょうひろこ)さんの父(先代社長)が、がんの闘病をしたことがきっかけでした。先代社長は、ヨーロッパなどで古くから重宝されてきたカモミールの力に注目。この場所で栽培を行って抽出したカミツレエキスを製造する事業に取り組みました。

八寿恵荘への思いを笑顔で語る北條裕子社長。

数年後には、カミツレエキスを活用したブランド『華密恋(かみつれん)』シリーズを発売。平成17(2005)年には旅館業の許可を取り、八寿恵荘の運営が始まりました。

カモミールには、保湿、消炎、殺菌などの作用があるとされています。その力を、人間本来の生命力や自然治癒力を引き出すことに役立てるため、農薬を使わない農法で栽培したカモミールから、独自の非加熱製法でエキスを抽出し、そのエキスからつくられた『華密恋』アイテムを徹底的にオーガニックにこだわった宿で活用する。カミツレの里と八寿恵荘を、オーガニックとカモミールの魅力を一貫して体感できる場として完成させてきたのです。

エキスを抽出する前の乾燥させたカモミール。

成功のポイントは?

オーガニックへの思いを軸に、
ビジネスとしても持続可能な取組に

カミツレの里で八寿恵荘が取り組む「オーガニック・ウェルネス・リトリート」の根底には、農薬を使わない有機肥料で育てるカモミールへの思いがあります。カミツレの里でのカモミール栽培をきっかけにして、池田町ではハーブ栽培が広がり、花とハーブの町としての地域振興が行われています。町内にある道の駅『信州安曇野 池田町ハーブセンター』のハーブガーデンでは、さまざまなハーブの苗を購入したり、ハーブを使ったグルメを楽しむことができます。

また、八寿恵荘の「オーガニック・ウェルネス・リトリート」をきっかけにして、池田町全体でハーブの癒し効果と自然療法を組み込んだ「ハーバルヘルスツーリズム」を推進することになりました。カミツレの里、そして八寿恵荘が貫いてきた思いが町全体に広がって、地域の魅力に昇華しつつあるのです。

今回の取材では、大葉ナナコグッドライフアワード実行委員とともに池田町役場を訪問。甕聖章(もたいきよあき)町長をはじめ、農業委員会の宮崎事務局長、教育委員会の竹内教育長といったみなさんと、池田町でのハーブ栽培や、「ハーバルヘルスツーリズム」についてお話しを伺うこともできました。

池田町の甕町長も環境大臣賞受賞を祝福してくださいました。

カモミールの花が咲く6月には、今年(2019)で31回目となる「カミツレ花まつり」を開催。毎年多くの観光客が長野県内外から訪れ、地域活性と観光客誘致の牽引役ともなっています。もともとは東京の企業である運営主体の株式会社SouGoですが、カモミール、そしてハーブへの思い入れを地元の人たちに伝えて理解を広げ、濃密な人間関係を構築してきたことが、活動の広がりに結びついているのです。

また、八寿恵荘が「ただ泊まるだけの宿」ではないことも、この取組が継続していくための力になっています。八寿恵荘は、客室数が8室という大きくはない、池田町の高原に建つ宿です。

でも、この取組の原点であるカモミール、そしてオーガニックへの思いを徹底して、日本で初めてとなるビオホテルジャパン認証を取得。八寿恵荘に宿泊することそのものが、基調な体験になる価値を構築しました。さらに、カミツレの里で抽出されたカミツレエキスから生まれる『華密恋』の入浴剤やスキンケアアイテムは多くのファンがいる人気商品に成長しています。

八寿恵荘ではカミツレエキスをたっぷり入れたお風呂を楽しむことができ、フェイスケアやヘアケア、ボディケアの華密恋アイテムを思う存分使うことができます。

カミツレエキスたっぷりのお風呂でくつろげます。

農薬を使わず有機肥料で栽培するカモミールとオーガニックへの思いを軸に、カミツレの里と八寿恵荘を徹底してオーガニックなライフスタイルを体験できる空間としていることによって、「オーガニック・ウェルネス・リトリート」の理念はビジネスとしても持続可能な取組となっているのです。

食事のメニューはもちろんオーガニック!

ワインやビールなどの飲み物もオーガニックを徹底しています。

レポート!

薪割りの難しさと楽しさを体感。
かまどで炊いたごはんをいただきます!

自分たちがかまどで炊いたご飯を夕食、朝食でいただきます。

カミツレの里、そして八寿恵荘へ取材に伺ったのは、まだカモミール畑が雪に覆われた2月末でした。宿の入り口には雪原の散策に使うかんじきが並んでいて、ここが自然と親しむための宿であることを感じます。北アルプスを遠望する信州の高原とはいえ、八寿恵荘やカミツレの里にはいわゆる観光的な施設などがあるわけではありません。

チェックインを済ませると、スタッフの方の案内でカモミール畑(この日はまだ雪原でしたが)を散策。畑の中の大きなくるみの木に作られたツリーハウスに上ったりする時間を楽しみました。くるみの木の周辺には、真っ二つにきれいに割れたくるみの殻が落ちていました。スタッフの方に伺うと、リスが上手に割って中の実を食べるそうです。

ツリーハウスも八寿恵荘のシンボルです。

リスが割ったクルミの殻。

夕食の際には、かまどで炊いたご飯をいただきます。ご飯を炊くための薪割りもスタッフの方のアドバイスを受けながら体験できます。かまどに火を起こし、竹筒で空気を送り込むのも最近の日本ではなかなかできない体験です。自分の足に当たらないように気をつけながら、斧を振るうのはとても楽しい時間でした。

おこげが美味しい!

薪割りも体験しました。

ビオホテルジャパン認証を受けている八寿恵荘では、食事のメニューやドリンク類、シーツやタオル、アメニティのコスメアイテムにいたるまで、衣食住、すべてでオーガニックが徹底されています。お風呂にはカミツレエキスたっぷりと入っていて、爽やかな香りに包まれてくつろげます。さまざまなこだわりはさり気なく提供されていて、静かな宿の空間で過ごすうちに、時間がゆったりと流れているように感じるのも心地いい体験でした。

一泊した翌朝は、宿に隣接したカミツレエキスの製造工場の見学ツアーに参加しました。工場といってもものものしい機械が並んでいるわけではなくて、乾燥させたカモミールから丁寧にエキスが抽出されている様子を見ることができます。

丁寧にエキス抽出されていることがわかります。

さらに、スタッフの方が運転する車で、近くの高原にある七色大カエデ(樹齢250年以上のカエデの木で池田町の必見スポット)や、北アルプスの眺望が見事な大峰高原を散策。体験教室などの際には座禅を体験することができる曹洞宗の古刹「成就院」にも訪れました。

池田町は、わさび農場で知られる安曇野や、黒部ダムへの玄関口でもある大町、長野オリンピックの会場ともなった白馬など、有名な観光地に囲まれています。池田町、そしてカミツレの里には、有名観光地のような見どころはありません。でも、徹底してオーガニックにこだわった宿で過ごし、畑や高原を散策する時間が、とても心地いいということを改めて教えられる宿泊取材になりました。

ハーブガーデンもある池田町の道の駅。

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