北の丸公園カエル通信
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2016年03月04日啓蟄(けいちつ)から始める
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2016年02月19日雨水(うすい)の頃に
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今日は、二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」です。三寒四温という言葉のとおり、この頃になる春めいた日も少しづつ多くなり、春の気配を感じるような暖かな日も増えてきます。雨水の頃は、雪も雨に替わり、草木の芽が出始める頃とされています。北の丸公園でも早春を彩る花木がだいぶ咲き始めてきました。
<満作(マンサク)>
<シナマンサク>
<赤い花を咲かせるマンサクの園芸品種>
<ウメ>
北の丸公園では、ウメの花も見頃を迎え、野趣溢れる梅の木々の間を蜜を求めてメジロなどの野鳥が訪れています。
関東随一の梅の名所として名高い茨城県の水戸市では、1842年(天保13年)に水戸藩第九代藩主であった徳川斉昭によって造営され、金沢の兼六園や岡山の後楽園とともに「日本三名園」のひとつに数えられる庭園として知られる『偕楽園』などで、水戸の梅祭りが催されるそうです。
<河津桜(カワヅザクラ)>
みごろを向けたやや濃いめのピンク色をしたカワヅザクラの花は、桃源郷に咲く桃の花を連想させます。雨水の日におひな様を飾りつけると良い縁に恵まれると云えられている地方もあるそうです。子供たちを育む伝統的な行事は、大切に受け継ぎたいことのひとつですね。
<アズマヒキガエル(雄と雌の成体)>
北の丸公園の池では、数日前からカエル合戦が始まりました。日中も、池縁の浅瀬をよく観察すれば、産卵に集まってきたアズマヒキガエルたちに出会えます。
アズマヒキガエルは一昔前までは、東日本ではどこでも見かけるほどたくさんさん生息していたカエルですが、東京23区部では絶滅も危惧されるほど激減しているいきもののひとつです。かつて身近に息づいていた自然を代表するいきもののひとつとして"となりのトトロ"にもちらりと登場したカエルは多分この種類で、個人や学校ビオトープ等での保全活動が行われている例も多くあります。
一方では、東日本のアズマヒキガエルと西日本のニホンヒキガエルが、本来生息していない地域に人為的に持ち込まれ、元々その地域にいた在来種との雑種になってしまっている例も多数報告されています。減っているいきものを守ろうとした善意の放逐も含め、興味本位や無作為の行動による分布域外へのいきものの移入・放逐が、取り返しのつかない生物多様性の低下をもたらしています。
<アズマヒキガエルの卵塊>
北の丸公園の森や池は、東京都心に残された貴重な緑地となっている皇居周辺に生息しているアズマヒキガエルたちにとっても、命をつなぐために重要な生息地です。繁殖可能な成熟した大人のカエルになるには三年以上かかるため、無数に思える卵から孵ったたくさんのオタマジャクシも、産卵に戻ってこられるのはそのうちの僅か3%以下といわれています。たくさん生まれるオタマジャクシは、トンボの幼虫であるヤゴの食物としても重要で、アズマヒキガエルなどがいないとトンボもいなくなってしまいます。ようやく大きくなることが出来たカエルたちも、普段暮らしていた森から産卵場所の池に向かう途中に、車道でロードキルに遭ってたくさん命を落としています。
「採らない」こと、「放さない」ことの重要性をみんなが知ることが、野生のいきものを守るはじめの一歩です。北の丸公園の池で卵やオタマジャクシを見つけても、むやみに採ったり、どこかに放したりせず、生まれた場所で生きられるよう、みんなでそっと見守ってあげてください。
雨水の頃、奇跡のように受け継がれてきた小さな森のいきものたちを守るために。
2015年03月31日北の丸公園の自然
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3月29日、東京ではソメイヨシノの満開が報じられ、今日はお花見日和。朝早くから始まった人の波が一日中続いています。
3月30日の北の丸公園自然情報をお届けします。
北の丸公園乾出入り口、皇居乾門前のベニシダレです。
乾門前の交差点から代官町通りを眺める。色とりどりの桜が並びます。
千鳥ヶ淵。流れる様に枝垂れ咲くソメイヨシノです。
千鳥ヶ淵。ソメイヨシノです。
田安門前のソメイヨシノです。先週のブログでもお伝えしました。今日も大勢のお客様で賑わっています。
清水門の雁木坂を登った所のヤエベニシダレ。まだ2分咲きです。
花木園のアカミオオシマザクラ。奥にはソメイヨシノが見えます。花木園には他にも多くの種類の桜があります。
フォレスト北の丸(レストハウス)近くの大きなベニシダレ。身長と比べるとその高さが分かります。
中ノ橋付近のソメイヨシノです。池に映る姿が大変美しいお薦めスポットです。
中ノ池のオタマジャクシ。元気に泳ぐ姿が見られます。
2014年10月06日北の丸公園の自然
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台風18号の影響により、午前中は激しい雨で池の水位も溢れんばかりでした。午後になると強い日差しと共に青空が広がり、アブラゼミも鳴き出していました。
10月6日(月)の北の丸公園自然情報をお届けします。
(※画像をクリックすると拡大します)
台風一過の秋晴れ。
アズマヒキガエル
雨上がりの園内を散策していると、アズマヒキガエルがこちらをきょとんとした様子で見ていました。湿った空気に嬉しくなって飛び出してきたのでしょうか?
スズメ
江戸時代からそのままの姿を残す雁木坂(がんぎざか)で、普通のスズメよりも薄い色をしたスズメを発見。花木園などでたまに見かけます。見つけられたらラッキーかも?
ハシブトガラス
清水門広場ではカラスがピンク色のコブシの実を器用に割って、中の赤い種を美味しそうに丸呑みしていました。
雨上がりの芝生広場で、見慣れない姿が。正面に回って見てみると・・
「びっくりした!」のポーズで威嚇するアメリカザリガニでした。池の水位が上がって外に出されてしまったのか、なんだか不満げ。
フジバカマ
秋の七草の一つであるフジバカマが開花しました。近くに寄ると、桜餅の様な良い香りがふわっと漂ってきます。
2013年04月25日北の丸公園の自然
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2009年03月24日北の丸公園の春2009(サクラ二分咲き)
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2009年02月19日北の丸公園の冬2009(春の気配)
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暖かくなったり、かと思えば急に寒くなったりを繰り返しているこの頃ですが、例年より春の訪れが早いような気がします。そのように感じられる「気配」をいくつか。
池でアズマヒキガエル(ガマガエルの方がわかりやすいかも)の産卵に出会いました。
アズマヒキガエルの卵。10日程でオタマジャクシになります。
カンヒザクラが咲きました。以前、ご紹介したカワヅザクラなどと同様に早咲きの桜ですが、昨年は3月中旬に紹介しました。
カンヒザクラの花は垂れ下がっているのが特長です。これも比較的、花期は長いはずですが、今年はどうでしょう。
サンシュユ(ミズキ科の落葉小高木)の花も咲き始めました。これも昨年は3月中頃、紹介しました。
サンシュユの花のアップ。ちなみにサンシュユの実は漢方薬の八味地黄丸の原料のひとつとなります。
珍客をゲットしました。ノスリ(タカの仲間)です。冬鳥です。すぐ近くでカメラ目線で応えてくれました(あっという間に飛び去りこの1枚きり)。
桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。明日(3月5日)は、二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」です。啓蟄は、冬を越したいきものたちが、春の訪れとともに活動を始める頃とされています。北の丸公園では、早春を彩るサンシュユ(山茱萸)やカンヒザクラ(寒緋桜)の花々が見ごろをむかえています。
<サンシュユ(山茱萸)>
黄色い小さな花々を枝いっぱいに咲かせるようすから「春黄金花(はるこがねばな)」という別名で呼ばれ、浅春(せんしゅん)を彩る代表的な花木のひとつとして親しまれています。
<カンヒザクラ(寒緋桜)>
カンヒザクラ(寒緋桜)は、中国南部や台湾島などに分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では名前の由来の通り、まだ寒さが残る早春に緋色の花を咲かせ始めます。
<アセビ(馬酔木)>
本州、四国、九州地方に広く分布し、繁栄をあらわす"お祝いの樹"のひとつとして親しまれている地方もあるそうです。
<ふきのとう(蕗の薹)>
八百屋さんの店先に山菜が並び始めるのもこの頃からで、さまざまな草木が一斉に芽吹き始めます。山菜に代表されるその季節にしかとれない野菜や果物、お魚などの食材を"旬の恵み"として味わう、日本の家庭で育まれてきた伝統的な食習慣は、和食や食育という形で改めて注目されていますが、毎日の暮らしの中で子供たちに受け継ぎたい大切なことのひとつですね。
<アズマヒキガエルの卵塊>
寒い日が続いて少し心配でしたが、卵塊の中ではオタマジャクシになる準備も進んでいるようです。啓蟄を過ぎると少しづつ池の水も温みだし、都会の森で本格的な春が始まります。
☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。ふきのとうやアズマヒキガエルの卵塊は、興味本位で採ったりせずに、そっと観察してください。