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省エネ改修の実践事例

ビルオーナーによる取組み事例/本郷 瀬川ビル

事例1本郷 瀬川ビル

省エネ改修によりエネルギー消費量半減、テナント満足度向上

省エネ改修 成功のポイント

  • トップランナークラスの省エネ設備を導入し、エネルギー消費量50%削減を達成
  • テナントとの積極的なコミュニケーション等により全国トップレベルのテナント満足度
  • 米国のビル管理の総合評価基準"BOMA360"を日本初導入し、最高水準のビル管理を実現
この写真は本郷瀬川ビル外観です。
この写真は本郷瀬川ビル内部です。
事業主体 株式会社昌平不動産総合研究所
ビル概要 東京都文京区本郷、1988年竣工、地上6F/地下1F、延床面積3,700m2
省エネ改修内容 照明FHF化、節電対策、デシカント空調、窓の断熱化、BEMS導入等
⇒ 改修前後でエネルギー消費量を半減

1. 改修工事の概要

1988年に竣工した本郷瀬川ビル(施主:株式会社昌平不動産総合研究所)では、築後25年程度が経過した2003年以降から継続的に省エネ改修に取り組み、照明FHF化、節電対策、デシカント空調、窓の断熱化、BEMS導入等の工事を実施した。これらの省エネ改修により、エネルギー消費量が改修前と比べて約半減し、(社)ビルエネルギー管理協会から省エネルギー管理向上ビルの認定・表彰を受けている。
また、省エネ改修工事等を進めるにあたり、入居テナントへの情報開示や関係構築にも積極的に取り組んでおり、年間エネルギー消費量等の情報を年間エネルギーレポートとしてテナントに積極的に開示しているほか、定期的なイベント開催を通じてテナントとのコミュニケーションや関係構築に努めている。

2. 省エネ改修成功のポイント

トップランナークラスの省エネ設備を導入し、エネルギー消費量50%削減を達成

  • 2004年に照明FHF化、2011年に節電対策、2012年にデシカント空調、窓を断熱化、2013年にBEMS導入しており、それぞれの改修時にはトップランナーの設備を導入するようにしている。これら取組みの結果として、2003年を基準で2013年にエネルギー消費量を半減した。
  • 2012年と2010年の月別電力量を比較すると、夏季のピークを大幅に削減し、年間平準化に寄与した。
  • 設備更新前と比べて年間400万円の電気代を削減した。削減分は、テナントの光熱費負担軽減というかたちで還元している。オーナーとしては、テナントの入居満足度を高め入居率をいかに維持するかという視点で取り組んでいる。

テナントとの積極的なコミュニケーション等により全国トップレベルのテナント満足度

  • ビル協会が実施したテナント満足評価「中小ビルのテナントはビルに何を望んでいるか」(2012年6月)では、本郷瀬川ビルのテナント満足度は92点と全国トップレベルの水準にある。
  • 本郷瀬川ビルでは様々な環境技術を導入したハード面の設備改修とあわせて、省エネデータを計測・把握し、前日のCO2排出量をエレベーター前に表示し、掲示板にビルの省エネ案内を設置するなど見える化して情報共有することにより、運用面での省エネ意識をビル全体で高めている。

米国のビル経営・管理の総合評価基準"BOMA360"を日本初導入し、最高水準のビル管理を実現

  • BOMA360は、米国のビルオーナー・管理会社から構成される団体BOMA(Building Owners and Managers Association)が2009年に開発した、ビル経営・管理の総合評価基準ツールである。具体的な評価項目は、下記の6つの大項目があり、ビル経営・管理に関するパフォーマンスを全方向(360°)から評価するものである。
    1. 建物の運営管理及び維持管理
    2. ライフセーフティ、セキュリティ、リスクマネジメント
    3. 運営管理、維持管理分野の実務教育、訓練
    4. エネルギー
    5. 環境、サステナビリティ
    6. テナントリレーション、地域コミュニティとの関わり
  • 日本国内では、本郷瀬川ビルが2014年3月に初めて取得した。このようなビル経営・管理を総合的・客観的に評価するツールを導入することにより、ビルの価値を中長期的に維持・向上させていくための経営・管理指針になるとともに、ビル管理の質の高さをテナント等に説明する際のコミュニケーションツールとしての役割が期待される。
この図はBOMA360のロゴマークです。

図.BOMA360のロゴマーク
出典:Building Owners and Managers Association International

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