日本・中国・韓国の三カ国は、地理的にも、歴史的にも緊密な関係を有しています。また、大気、海洋等を通じて環境問題も共有しています。この三カ国が、地域内のみならず地球規模の環境問題について、率直な意見交換を行い、協力を強化していくため、 1999年以来毎年日中韓三カ国環境大臣会合を行っています。
開催年 | 開催地 | 会議概要 |
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第1回 (1999年) |
ソウル | 北東アジア地域及び地球規模の環境問題に関する協力関係を強化するために率直な意見交換を行った。 |
第1回日中韓三カ国環境大臣会合 共同コミュニケ | ||
第2回 (2000年) |
北京 | 三大臣は、TEMMが、地域環境協力及び持続可能な開発を促進するための重要なフォーラムであることを再確認した。 |
第4回アジア太平洋地域の環境と開発に関する閣僚会議(MCED)、2002年に予定されているアジェンダ21の包括的レビュー会合(リオ+10)をはじめとした、今後開催される重要な地域及び地球規模の環境会議の成功に三大臣が積極的に貢献すべきとの意見で一致した。 | ||
第2回日中韓三カ国環境大臣会合 共同コミュニケ | ||
第3回 (2001年) |
東京 | 最近の各国及び北東アジア地域における環境への取組の進展について意見交換を行った。 |
2000年11月に行われた日中韓首脳会合において、TEMMの進展に高い評価が示されたことを歓迎した。 | ||
第3回日中韓三カ国環境大臣会合 共同コミュニケ | ||
第4回 (2002年) |
ソウル | 三大臣は、環境保全は21世紀の方向を形づくる中心的な推進力となると認識した。この意味で、国際社会が持続可能な開発を達成するために、多大な努力をすることへ期待を示した。 |
三大臣は、これに貢献する意思を共有し、TEMMに関する情報を他の地域的、世界的な環境会議に提供することは、国際的な環境への取組努力にとり、十分価値があるものであるということに同意した。 | ||
第4回日中韓三カ国環境大臣会合の結果について | ||
第5回 (2003年) |
北京 | 三大臣は、2003年10月バリにおいて三カ国の首脳によって調印された、三カ国間協力の促進に関する共同宣言に勇気づけられた。また、2001年の三カ国首脳会議において、地域的環境協力の分野でTEMMが果たす主導的役割が重視されたことを想起した。 |
三大臣は、宣言の内容を実現するために地域的及び地球的な環境協力を強化する上で、TEMMがより重要な役割を果たすべきであることに合意した。 | ||
第5回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について | ||
第6回 (2004年) |
東京 | 三大臣は、TEMMが、地域環境協力及び持続可能な開発を促進するための重要な会合であるとの共通の見解を改めて強調した。 |
最近の各国及び北東アジア地域における環境への取組の進展について意見交換を行った。 | ||
第6回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について | ||
第7回 (2005年) |
ソウル | 三大臣は、科学的発展観に基づく環境に優しい社会を構築するとの意思を明確に盛り込んだ中国の次期五カ年計画の骨子を歓迎した。 |
三大臣は、TEMMが北東アジア地域における地域環境協力の推進と持続可能な開発の達成に重要な役割を果たしていると認識し、三カ国が様々な地域の課題に対して、引き続き共同して対処していくことを確認した。 | ||
第7回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について | ||
第8回 (2006年) |
北京 | 三大臣は、中国の「三つの転換(three transformation)」、日本の「環境・経済・社会の統合的向上」、韓国の「国家総合環境計画」について、明確に環境保護を経済と社会の発展に統合していくものとして歓迎した。 |
各国の環境政策の進展の紹介、気候変動問題等の地球環境問題や、黄砂、酸性雨等の北東アジア地域の環境問題に関する意見交換を行うとともに、TEMMの将来のあり方について議論を行った。 | ||
第8回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について | ||
第9回 (2007年) |
富山 | 三大臣は、日本の「21世紀環境立国戦略」、韓国の「持続可能な開発国家戦略」、中国の「環境友好社会の構築のための科学的発展観」について、明確に環境保護を経済と社会の発展に統合していくものとして歓迎した。 |
各国の環境政策の進展の紹介、気候変動問題等の地球環境問題や、黄砂・光化学スモッグ等の北東アジア地域の環境問題に関する意見交換を行うとともに、TEMMプロジェクトのレビュー、TEMMの将来のあり方について議論を行った。 | ||
第9回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について | ||
第10回 (2008年) |
済州島 | 三大臣は、韓国の「グリーン成長とより質の高い生活のための環境政策の方向性及びその任務」、中国の「発展における科学的展望」による「汚染削減」と「生態系が脆弱な河川及び湖沼の回復」への努力、日本が推進する「クリーンアジア・イニシアティブ」と「低炭素社会に向けた行動計画」について、いずれも明確に環境保護を経済と社会の発展に統合していくものとして歓迎した。 |
三カ国の最新の環境政策についての情報交換、北東アジア地域の環境問題への対応と今後の協力の方向性についての議論、及び特別セッションで低炭素社会の構築に向けての討議を行った。 | ||
第10回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について | ||
第11回 (2009年) |
北京 | 三大臣は、本地域の環境協力の推進及び持続可能な開発の達成においてTEMMが極めて重要であるという合意に達し、過去10年間の優先分野における成果に対して感謝の意を表明した。 |
世界的な金融危機に直面する中での環境政策の方向性や、今後の日中韓三カ国の環境協力の優先分野、大臣会合の将来の役割等について討議を行った。 | ||
第11回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について | ||
第12回 (2010年) |
北海道 (千歳、苫小牧) |
三大臣は、TEMMが北東アジア地域の域内環境協力の促進及び持続可能な開発の実現に向けて重要な役割を果たすことを再確認した。 |
「環境協力に関する三カ国共同行動計画(Tripartite Joint Action Plan on Environmental Cooperation)」をとりまとめ、10の優先分野を決定し、今後5年間の優先協力分野として承認した。 | ||
TEMM12 開催報告 | ||
第13回 (2011年) |
釜山 | 三カ国の国内環境政策を紹介し、地球規模及び地域環境課題に関する主要政策についての議論を行い、共同行動計画の進捗の評価を行った。 |
TEMM13に併せて開催された産業フォーラム、学生フォーラムの結果について、意見交換を行った。 | ||
TEMM13 開催報告 | ||
第14回 (2012年) |
北京 | 三カ国の国内環境政策の進捗状況を紹介し、気候変動対策、黄砂等の越境汚染対策、東日本大震災の教訓も踏まえた災害による環境影響防止、TEMMフォーラム結果等について議論を行った。 |
震災に伴う環境対策の経験などを共有する自然災害対応セミナーを日本が開催すること及び日中韓環境協力功労者への表彰をTEMMの際に実施することを合意した。 | ||
TEMM14 開催報告 | ||
第15回 (2013年) |
北九州 | 大気汚染については、新たに三カ国による政策対話を設置することに合意した。また、三カ国は、日中韓のみならずアジア全体の持続的発展に対する大気汚染問題の重要性にかんがみ、既存の地域的取組を更に活用するべく協力を進めることにも合意した。 |
「環境市場の拡大とグリーン経済の促進に向けた国際協力」、「私たちの環境的に持続可能な都市」について活発な議論が行われ、日中韓環境協力功労者として、日本からは日本環境衛生センターの秋元肇氏が受賞した。 | ||
TEMM15 開催報告 | ||
第16回 (2014年) |
大邱 | 2015~2019年に三カ国で優先的に取り組んでいく9分野に合意した。また、大気汚染問題が最も重要な議題であるとして、協力を発展させていくことに合意した。 |
「北東アジア地域での環境協力における環境産業の活躍」、「持続可能性への若者の抱負-実行の率先」について活発な議論が行われた。また、日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは東京理科大学環境安全センター長西川雅高氏が受賞した。 | ||
TEMM16 開催報告 | ||
第17回 (2015年) |
上海 | 今後5年間(2015年-2019年)の「環境協力に係る日中韓三カ国共同行動計画」が採択され、それぞれの分野で活動を強化していくことに合意した。 |
「自然との関係の樹立」、「環境技術・産業に関する交流・協力の強化、地域のグリーン経済の推進・発展」について活発な議論が行われた。また、日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは立教大学社会学部・大学院異文化コミュニケーション研究科教授阿部治氏が受賞した。 | ||
TEMM17 開催報告 | ||
第18回 (2016年) |
静岡 | 「持続可能な2030アジェンダ」及び「パリ合意」について、対策を実施すること及びパリ協定の早期の発効の重要性、大地震等災害時の廃棄物対策等における経験や政策の共有を図ることに合意した。 |
日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは独立行政法人国立環境研究所・菅谷芳雄氏が受賞した。 | ||
TEMM18 開催報告 | ||
第19回 (2017年) |
水原市 | 持続可能な開発のための2030アジェンダ達成に向けた国際的な取組を促すよう協力していくこと、昨年採択された「環境協力に係る三カ国共同行動計画」における共同プロジェクトの実施など協調的取組を継続していくことが確認された。 |
日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは岡山大学名誉教授・吉川賢氏が受賞した。 | ||
TEMM19 開催報告 | ||
第20回 (2018年) |
蘇州 | 20年間にわたる環境協力の成果、日中韓三カ国環境協力における最近の進展、TEMMの今後の展望について意見交換を行い、「環境協力に係る三カ国共同行動計画」に基づき、各分野の活動を進展し、今後も協調的な取組を継続・拡大することが確認された。 |
日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは横浜市立大学教授・井村秀文氏及び特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム代表理事・後藤敏彦氏が受賞した。 | ||
TEMM20 開催報告 | ||
第21回 (2019年) |
北九州市 | これまでの三カ国の環境協力を振り返り、三カ国の環境協力における最近の進展を確認するとともに、次期共同行動計画(2020-2024)に向けた新たな優先分野の設定に合意し、共同コミュニケを採択した。また、脱炭素都市構築に向けた日中韓共同研究の進展を歓迎するとともに、都市レベルで脱炭素化を促進することの重要性が認識された。次回のTEMMにおいて、2020年以降の次期共同行動計画(2020-2024)を議論することを確認した。また、日中及び日韓の環境大臣によるバイ会談を開催し、環境協力の一層の促進に向けた議論を行った。 |
第21回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM21)の結果について | ||
第22回 (2021年) |
オンライン (韓国主催) |
各国の環境政策の進展、地球規模及び地域の環境課題及び環境協力に係る三カ国共同行動計画の進捗状況等について意見交換するともに、「環境協力に係る日中韓三カ国共同行動計画」(2021-2025年)及び共同コミュニケを採択した。新たな共同行動計画(2021-2025年)では、SDGs、パリ協定等のグローバルな取組に貢献すること、各優先分野間のシナジーを拡大することなど、今後三カ国が協力活動を実施する際の原則を新たに定めた。 |
第22回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM22)の結果について | ||
第23回 (2022年) |
オンライン (ホスト国:中国) |
各国の環境政策、地球規模及び地域の環境課題及び環境協力に係る三カ国共同行動計画の進捗状況等について意見交換を行い、共同コミュニケを採択した。 |
第23回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM23)の結果について | ||
第24回 (2023年) |
愛知 | 伊藤信太郎環境大臣が議長を務め、4年ぶりに対面で開催された。三カ国の環境大臣の間で、各国の気候変動対策や気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)への貢献、PM2.5や黄砂等の大気汚染対策、昆明・モントリオール生物多様性枠組(KMGBF)の実施やヒアリをはじめとする侵略的外来種対策、プラスチック汚染対策や循環経済の取組など、各国の主要な環境政策について意見交換を行った。また、TEMM22で採択された三カ国共同行動計画の進捗状況等について確認を行った。その上で、共同コミュニケが採択され、三大臣による署名が行われた。 日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは国立環境研究所主幹研究員・清水厚氏が受賞した。 |
第24回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM24)の結果について |