報道発表資料

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2023年11月06日
  • 地球環境

第24回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM24)の結果について

 第24回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM24)が、2023年11月3日(金・祝)~4日(土)に愛知県名古屋市にて開催されました。我が国からは伊藤信太郎環境大臣及び八木哲也環境副大臣が出席しました。
 会合では、気候変動、生物多様性、プラスチック汚染対策など今後の環境協力について意見交換を行い、共同コミュニケが採択されました。
 また、伊藤環境大臣は、中国及び韓国の環境大臣とバイ会談を行い、環境協力の一層の促進に向けた議論を行いました。

1.日程

2023年11月3日(金・祝)~4日(土)

2.開催場所

愛知県名古屋市 名古屋コンベンションホール

3.主な出席者

日本:伊藤 信太郎 環境大臣
韓国:韓 和真(ハン・ファジン) 環境部長官
中国:黄 潤秋(ホアン・ルンチウ) 生態環境部長

4.第24回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM24)の概要

・第24回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM24)は、日本の伊藤信太郎環境大臣が議長を務め、4年ぶりに対面で開催されました。三カ国の環境大臣の間で、各国の気候変動対策や気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)への貢献、PM2.5や黄砂等の大気汚染対策、昆明・モントリオール生物多様性枠組(KMGBF)の実施やヒアリをはじめとする侵略的外来種対策、プラスチック汚染対策や循環経済の取組など、各国の主要な環境政策について意見交換を行いました。また、TEMM22で採択された三カ国共同行動計画の進捗状況等について確認を行いました。その上で、共同コミュニケ(添付資料1及び添付資料2)が採択され、三大臣による署名が行われました。

・また、伊藤環境大臣は、八木環境副大臣とともに、中国及び韓国の環境大臣とそれぞれバイ会談を行い、気候変動、ヒアリ対策を含む生物多様性、プラスチック汚染等について意見交換を行い、引き続き、こうした課題に協力して取り組んでいくことを確認しました。

・ALPS処理水については、国際社会に透明性高く情報提供を行っていくという我が国の立場を、伊藤大臣より本会合やバイ会談の場において説明しました。

・そのほか、日中韓の環境協力に係る各国の功労者に対する表彰が行われ、日本からは黄砂の共同研究に貢献した国立研究開発法人 国立環境研究所 主幹研究員の清水厚氏が受賞しました。

・また、八木副大臣は、日中韓三カ国の若者の環境意識の向上、共通理解促進、パートナーシップ構築を目的とした「ユースフォーラム」に出席しました。本フォーラムの結果については、ユースの代表者が大臣会合に報告を行いました。

5.共同コミュニケの概要

〈環境危機への対応と課題〉
三大臣は、それぞれの国状に照らして、気候変動、生物多様性の損失、環境汚染への対策を強化し、ネットゼロ経済・社会/カーボンフリー社会への転換を加速するなどして、地球環境ガバナンスを改善する努力を追求するとの約束を再確認しました。
 
〈生物多様性〉
三大臣は、KMGBFの全てのゴール及びターゲットの迅速、完全かつ効果的な実施と緊急の行動をとること、また、生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAPs)を改定、更新及び提出する決意を示しました。また、侵略的外来種が及ぼす負の影響に対処するために協力を強化する決意を示しました。
 
〈気候変動〉
三大臣は、パリ協定の気温目標の完全かつ効果的な実施を強化することによって、気候変動に取り組むという三大臣の確固たるコミットメントを再確認しました。また、本年11~12月にアラブ首長国連邦・ドバイにて開催されるCOP28において、第1回グローバル・ストックテイク(GST)の完結及び適応に関する世界全体の目標(GGA)フレームワークの採択を含め、成功裏に成果を収められるよう貢献すること、パリ協定の関連規定に従い、次の国が決定する貢献(NDC)を2025年に提出することが奨励されるとしました。
 
〈プラスチック汚染〉
三大臣は、2024年末までに作業を完了させるという野心を持って、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた政府間交渉委員会(INC)において建設的な役割を果たす決意を示しました。また、科学的、技術的知見、特にモニタリングの方法論を強化し、利用可能な科学的データ等を共有することの重要性を認識しました。
 
〈地域大気環境〉
三大臣は、黄砂へ対処するためにモンゴルとの協力を強化するよう三カ国に奨励しました。
 
〈三カ国間協力〉 
三大臣は、気候変動及び海洋環境保護等の分野における「3+✕」協力の可能性を、引き続き模索する意思を示しました。また、COP28やG20等の今後の主要な環境会議において、三カ国の緊密な協力を促進することに意欲を示しました。
 
〈TEMM25〉
三大臣は、TEMM25を2024年に韓国で開催することを決定しました。

6.その他

これまでのTEMM の開催概要については、以下のウェブサイトを御参照ください。
 
TEMM 日本語解説サイト
https://www.env.go.jp/earth/coop/temm/introduction_j.html

連絡先

環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8248
参 事 官
水谷 好洋
推 進 官
須賀 義徳
参事官補佐
野々目 延浩
担   当
水野 眞子