TEMM16 開催報告
4月28~29日、韓国大邱市において第16回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM16)が開催され、我が国から石原伸晃環境大臣、関荘 一 郎環境省地球環境局長、韓国から尹成奎(ユン・ソンギュ)環境部長官、中国から李幹傑(リ・ガンジエ)環境保護部副部長が参加しました。
会合の冒頭に韓国珍島で発生した海難事故に対して黙祷を捧げ、犠牲者への哀悼の意を示しました。会合では、韓国の尹長官が議長を務め、PM2.5を含む大気汚染問題が最も重要な議題として議論され、その結果、大気環境改善を今後五年間の三カ国協力の優先分野の一つとするとともに、今後の具体的な協力内容を含むコミュニケを採択しました。
また、韓国と二国間会談が行われました。
開催概要
開催日程/開催地
平成26年4月28日(月) 29日(火)、韓国大邱
主な出席者
韓国:尹成奎(ユン・ソンギュ)環境部長官
日本:石原伸晃環境大臣
中国:李幹傑(リ・ガンジエ)環境保護部副部長
(写真:左から順に)
議論のポイント
PM2.5を含む大気汚染問題については、都市間、研究所間、企業間での協力を歓迎するとともに、今後の協力内容(大気汚染政策、優良事例の交換、削減技術、評価手法等に関する協力、特に揮発性有機化合物(VOC)やオフロード車の排ガス規制に関する経験の共有)について合意しました。
水質汚染については、アジア水環境パートナーシップ(WEPA)第2期の活動を高く評価し、2015年以降の水に関する持続可能な開発目標(SDGs)の策定を見据えた上で、引き続きWEPA第3期の活動を継続することとしました。
海洋ごみについては、三カ国共同で地域の海洋や海岸の環境を守る共同活動の重要性を確認し、各国の海の海洋ごみの状態や原因を集積するデータベースを構築する為の会合開催や活動促進を行うことに同意しました。
黄砂については、PM2.5時間値等の関連データを交換することを奨励するとともに、早期警報のために三カ国の黄砂予報のウェブサイトをTEMMウェブサイトにリンクすることに同意しました。
電気電子機器廃棄物の越境移動については、廃棄物の違法な越境移動を抑制する為に三カ国のホットラインの円滑な運用に同意しました。
化学物質の適正な管理については、共同研究等更なる協力の必要性を認識しました。
環境産業とグリーン技術については、三カ国が持続可能な発展のための協力を促進する必要性があるという認識を共有しました。
環境教育、環境意識及び公衆の参加について、三大臣は推進を高く評価しました。
気候変動については、大気対策とのコベネフィット、短寿命気候汚染物質、CO2回収・貯留(CCS)に関する情報共有や共同研究を行う必要性を認識しました。
水銀については、「水銀に関する水俣条約」の批准に関する国内での準備を進めることを確認しました。
生物多様性については、2014年韓国平昌にて開催予定の「CBD/COP12」を成功に導くよう協力することに同意しました。
2015 2019年の優先協力分野として、9つの問題を採択しました。
次回TEMMは中国で開催されることが決定されました。
このほか、ビジネスフォーラムでは「北東アジア地域での環境協力における環境産業の活躍」、ユースフォーラムでは「持続可能性への若者の抱負 実行の率先」を テーマに、活発な議論が行われました。また、日中韓の環境協力功労者の表彰が行われ、日本からは東京理科大学環境安全センター長 西川 雅高氏が受賞しました。
報道発表・配布資料
TEMMに関する報道発表・配布資料は、こちらからダウンロードして頂けます。また、今までに開催した TEMMに関する資料やTEMMプロジェクトに関する資料は、関連資料でご紹介しています。