TEMM19 開催報告

第19回日中韓三ヵ国環境大臣会合(TEMM19)が、8月24~25日、韓国・水原市にて開催されました。我が国からは、中川雅治環境大臣が出席しました。

会合では、三カ国の国内環境政策の進捗状況の紹介及びそれらに基づく意見交換を行うとともに、ヒアリ等を始めとした侵略的外来種、海洋ごみ、大気汚染、SDGs(持続可能な開発目標)について率直な意見交換を行い、共同コミュニケを採択しました また、日中及び日韓の二国間の環境大臣会談が開催され、環境協力の一層の促進に向けた議論が、それぞれ行われました。

開催概要

開催日程/開催地

平成29年8月24日(木)~25日(金)、韓国・水原市

主な出席者

日本:中川 雅治 環境大臣
中国:李 幹傑(リ・カンケツ) 環境保護部長
韓国:金 恩京(キム・ウンギョン) 環境部長官
(写真:左から順に李部長、金長官、中川大臣)


今回のTEMMのポイント

各国の環境政策の進展、地球規模及び地域の環境課題の紹介及びそれらに基づく意見交換を行うとともに、昨年採択された行動計画に基づき、各分野の活動の進展及び今後も協調的な取組を継続・拡大することを確認しました。

共同コミュニケの主な内容は以下のとおり。

(1)日中韓における環境政策の進展
・三大臣は、TEMM18以降の各国における主要な環境政策の最近の進展について意見交換を行いました。三大臣は、これらの環境政策が北東アジアの持続可能な開発に貢献し、地域及び地球規模の環境問題を解決する基盤となるという認識を共有し歓迎しました。

(2)地球規模及び地域の環境問題に対処するための主要な政策
・三大臣は、持続可能な開発目標(SDGs)達成のために、三カ国が持続可能な開発に係るハイレベル政策フォーラムの自主的な国家レビューに積極的に参加する確約を表明したことを歓迎し、持続可能な開発のための2030アジェンダ達成に向けた国際的な取組を促すよう三カ国が協力すべきであることを認識しました。

(3)環境協力に係る三カ国共同行動計画(2015-2019)の進捗のレビュー
・三大臣は、「環境協力に係る三カ国共同行動計画」の進展をレビューし、共同プロジェクトの進展を確認し、三カ国の協調的取り組みを継続していくことを決意しました。

[ 主要分野における協力について ]

大気環境改善について、

・三大臣は、地域の大気環境改善のため、現在進められている大気汚染に関する三カ国政策対話(TPDAP)を含めた三カ国の協調的活動による顕著な役割を認識しました。
そして、三大臣は、特にTPDAPの傘下で、優れた政策的取組や優良事例及び学術研究結果を交換することを通じて、地域の大気汚染管理のための三カ国間協力を推進することを再確認しました。

・三大臣は、黄砂分野での協力強化を奨励しました。二つのワーキンググループの開催とそれらによる黄砂共同研究のための第二回合同ワークショップの進展を評価しました。

生物多様性について、

・三大臣は、侵略的外来種対策が東アジアにおいて喫緊の課題であるとの認識を共有し、 既存の場である日中韓生物多様性政策対話を利用し、各国の侵略的外来種の現状、対策、効果及びそこから得た侵略的外来種対策のベストプラクティスの共有を進めることを確認しました。

化学物質管理と環境に係る緊急時対応について、

・三大臣は、化学物質管理に係る最新の国内政策や国際動向の意見交換を含め、第10回日中韓化学物質管理政策対話の成果を確認しました。三大臣は、化学物質管理分野における三カ国の活動を強化する2019年までの日中韓化学物質管理政策対話3カ国共同行動計画の採択を歓迎し、同計画に基づく取り組みを推進することとしました。

・三大臣は、水俣条約が発効したことを歓迎しました。

資源循環利用、3R、電気電子機器廃棄物の越境移動について、

・三大臣は、北東アジアにおいて、持続可能な生産と消費を推進し、循環経済/循環型社会への移行を追求することは、世界レベルでの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に大きく貢献するとの認識を共有しました。

気候変動対応について、

・三大臣は、地域レベル及び世界レベルで、気候変動について協調的に対応することが喫緊に必要であることを認識し、そのための協力を強化するという確約を再確認しました。

水及び海洋環境の保全について、

・三大臣は、第2回海洋ごみに関するTEMM-NOWPAP合同ワークショップにおいて、三カ国の海洋ごみ調査の結果と関連政策が共有されたことを歓迎しました。三大臣は、TEMMの枠組みの下で合同ワークショップや事務レベル会合を通じて、海洋ごみに関する各国の政策や関連研究成果の情報交換を加速することを決定しました。三大臣は、海洋ごみの効率的かつ効果的な解決策を模索するために、2017年に日本で第3回合同ワークショップが開催されることを確認しました。

環境教育、人々の意識向上及び企業の社会的責任(CSR)について、

・三大臣は、17回日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)シンポジウム及び第16回三カ国環境研修の成果を歓迎。今後、三カ国環境ビジネス円卓会議(TREB)で環境CSRへの協力を進めることに合意しました。

地方環境管理について、

・三大臣は、地方の環境の質を改善することの重要性を認識し、日本の地域創生モデル地域、韓国のエコエネルギータウン、中国のエコヴィレッジ等の現在実施されている三カ国の国内取組に着目しました。三大臣は、第2回地方環境管理に関する三カ国政策対話が2017年後半に日本で開催されることを歓迎しました。

グリーン経済への移行について、

・三大臣は、持続可能な開発のための2030アジェンダの重要性を認識し、環境側面からのSDGs達成のための三カ国共同研究を立ち上げることに合意しました。

次回の開催

次回のTEMM20は、中国で開催することを決定しました。

その他

・日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは岡山大学名誉教授・吉川賢氏が受賞しました。このほか、サイドイベントとして、ユースフォーラム及び三カ国環境ビジネス円卓会議が開催されました。

報道発表・配布資料

TEMMに関する報道発表・配布資料は、こちらからダウンロードして頂けます。また、今までに開催した TEMMに関する資料やTEMMプロジェクトに関する資料は、関連資料でご紹介しています。