南極キッズ

海域の生物

冷たい海の中にも、約280種の魚のいることが確認されています。南極海には海藻や小魚など、豊富なエサがあるからです。南極海には、アザラシやクジラ、イルカなど23種の哺乳類もくらしています。

アザラシとナンキョクオットセイ

南極でくらすアザラシはヒョウアザラシ、ウェッデルアザラシ、カニクイアザラシ、ロスアザラシ、ミナミゾウアザラシの5種で、オットセイはナンキョクオットセイの1種です。これら6種はアザラシ保存条約(ほぞんじょうやく)で守られています。世界中のアザラシの約60%が南極海にいます。ミナミゾウアザラシ以外の4種をナンキョクアザラシ族(ぞく)といい、氷の上で繁殖します。

ウェッデルアザラシ(Leptonychotes weddelli ) 食肉目アザラシ科

体長は雄が280cm、雌が330cmで、体重は400〜450kg。体色は季節的に変化し、春は全体的に茶褐色となり、斑紋が不明瞭になりますが、その他の時期は、黒褐色に淡黄白色の斑紋が全身に見られます。

体型は頭部が比較的小さく体幹部が大きく見えます。南極大陸の縁辺部に生息していて、その多くは定着氷域に分布しています。繁殖期である春・夏は氷上に出現しますが、冬期間は氷下で生活し、犬歯で海氷に呼吸孔を設けるなどして呼吸を確保するため、他種と比較して犬歯が激しく摩耗します。現存数は75万頭と推定されています。昭和基地付近で最もよく見られるアザラシです。

氷の上で気持ちよさそうなウェッデルアザラシ

氷の上で気持ちよさそうなウェッデルアザラシ

氷から顔を出すウェッデルアザラシ

氷から顔を出すウェッデルアザラシ

出典:南極海の海鳥類・鰭脚類・鯨類 国立極地研究所 1983年

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ヒョウアザラシ ウェッデルアザラシ カニクイアザラシ アザラシ保存条約

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カニクイアザラシ(Lobodon carcinophagus ) 食肉目アザラシ科

体長は雌雄とも200〜240cmで、体重は200〜300kgに達します。比較的細長い体型、ウェッデルアザラシより小さい体幹部、ヒョウアザラシより小さい前後肢、体色は個体変異が多くありますが、ウェッデルアザラシより明るい体色を示し、成長に従って明るくなります。

南極海のパックアイス域を中心に分布し、定着氷域や開氷域には多く出現しません。オキアミを捕食し、時にイカ、魚も捕らえます。現存数は2,500万頭と推定されています。

カニクイアザラシ

カニクイアザラシの生息数(推定2,500万頭)は、他の鰭脚類全種を合計した頭数に匹敵し、ナンキョクオキアミの最大の消費者である。カニクイアザラシと呼ばれるものの、主食はナンキョクオキアミである。

カニクイアザラシ

出典:南極海の海鳥類・鰭脚類・鯨類 国立極地研究所 1983年

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ナンキョクオットセイ(Arctocephalus gazella ) 鰭脚(ききゃく)類アシカ科

ナンキョクオットセイとアナンキョクオットセイの形態は似ていて、ナンキョクオットセイは体全体が黒褐色になりますが、アナンキョクオットセイは胸から顔、耳後方にかけて明るい黄色を呈します。ナンキョクオットセイの雄は体長180cm、体重130kg、雌は130cm、体重40kgで、雄が遙かに大くなります。アナンキョクオットセイは、やや小型です。ナンキョクオットセイは南極収束線以南、南緯65度以北の海域で見られ、アナンキョクオットセイは南極収束線以南には出現しませんが、一部の地域で両種の分布域が重複します。両種とも、オキアミ、魚類などを捕食します。

アシカ科の形態的な特徴は、

  1. 後ろ足が体の前方を向いていて、体の下に折りたたむことができ、外側に開いた前足と、その後足で体を支えて陸上を歩くことができること
  2. 耳介(じかい)というかざりのような耳がついていること

で、これらはアザラシ科との形態上の相違点です。

ナンキョクオットセイは18世紀後半に発見されて以来、良質な毛皮を目的とした乱獲にさらされ、19世紀末には絶滅寸前にまで追い込まれました。その後、完全な保護下におかれ、奇跡的な回復を遂げました。

デセプション島で撮影

デセプション島で撮影

ナンキョクオットセイの親子 アイチョウ島で撮影

ナンキョクオットセイの親子 アイチョウ島で撮影

出典:南極海の海鳥類・鰭脚類・鯨類 国立極地研究所 1983年

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ヒゲクジラ

ヒゲクジラ

南極海に分布するヒゲクジラの多くは繁殖域である暖かい地域(熱帯、亜熱帯)から餌のオキアミを求めて、夏期間だけ回遊してきます。
南極海にはたくさんの量のオキアミがいるので、ナンキョクオキアミを好んで食べるヒゲクジラの宝庫です。

 

南極の動植物はすべて国際条約によって保護されています。

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