2013年07月10日

〚母子森便り〛No. 8 羽のいろいろ

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母と子の森を散策していると鳥のさえずりが聞こえてきます。どこにいるのか見つけたくてウロウロしますが葉が茂っている今の時期では姿を確認するのは中々難しいものです。残念・・・・・・と気を落として下を見ると、羽が落ちていました。

種類にもよりますが鳥は年に一度は羽を落として衣替えをします。そのため時々地面に羽を見つけることができます。同じ鳥の羽でも付いている位置で役割が違うため、大きさや形は様々です。





(ドバトの羽)


羽先に付いている大きな羽は風切り羽で、名前の通り風を切って飛ぶために必要な羽です。尾羽は飛んでいる時にブレーキやバランスなどの舵取りなどの役割をします。他にも色々な羽がありますが、羽の生え換わり(換羽)で抜けたものは数枚だけ落ちているのが通常です。

しかし、たまに一羽全ての羽を集めたようにまとまって落ちているのを見かけます。

(一カ所に散らばるたくさんの羽)

“なんでここだけ?”と思われた方は鋭いです。

都会にある小さな森でも、鳥たちにとっては住処であり、出会いの場であり、渡りの中継地であり、狩り場でもあります。・・・そう、狩り場でもあるのです!
まとまって羽がある場合には、オオタカなどの猛禽類(もうきんるい)やカラスに襲われた事件現場と考えられます。実際オオタカやカラスがハトを捕らえているのが確認されています。彼らは捕らえた獲物の羽をむしりとってエサにするため、羽がまとまって落ちているのです。そのおこぼれをタヌキや他の鳥、虫なども頂き、命が繋がっていきます。




(木の上から下を観察しているカラス)

羽一つでも食べる食べられるという食物連鎖を見ることができます。姿は見えなくても生き物たちの営みを感じてみてください。