絶滅危惧植物の保全

絶滅危惧植物の保全

 日本の維管束植物の約1/4が絶滅のおそれがあるとして環境省のレッドリストに記載されています。これらの植物は、本来、その自生地で保全することが原則ですが、生息域内での存続が困難な状況に追い込まれた種を一時的に保存する等のため、生息域外において保全することも重要です。
 新宿御苑では、社団法人日本植物園協会の植物多様性保全拠点園として、また、植物園自然保護国際機構(BGCI)が定める「植物園の保全活動に対する国際アジェンダ」の登録園として、絶滅危惧植物の生息域外保全に取組んでいます。
 「絶滅のおそれのある種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づく国内希少野生動植物種としては、ハナシノブの系統保存を行っている他、4種(アマミデンダ、オキナワセッコク、ムニンノボタン、ムニンツツジ)を栽培しています。その他にも、環境省レッドリスト記載種約170種(うち絶滅危惧種約140種)について、温室などを活用した栽培を行っています。
 また、平成20年10月から絶滅危惧植物の種子保存を行っています。種子は、少ないスペースで、長期間にわたって安定して保管できることから、絶滅リスクを低減するために有効な方法の1つであると言われています。日本植物園協会及び各植物園などと連携して、全国から種子とその自生地の情報を収集し、新宿御苑内の施設で長期保存を行っています。

  • * 種子収集・保存事業への参加は、絶滅危惧植物の生育への影響の回避や種の同定、自生地情報の記録等の専門的な知識、技術が必要となることから、原則として、植物園、大学、研究機関等の専門家、または、これらの専門家と連携・協力した団体に限定しています。

写真:絶滅危惧植物のハナシノブ
新宿御苑で栽培・保存している
絶滅危惧植物のハナシノブ

写真:種子の保存のための調整作業
種子の保存のための調整作業