2008年11月01日

菊花壇展が始まりました

ピンのアイコン新宿御苑 カテゴリのアイコン菊花壇展
新宿御苑では、本日11月1日より15日まで、日本庭園で菊花壇展を開催しています。

新宿御苑の菊花壇展の特徴は、回遊式の日本庭園内に上家(うわや)とよばれる建物を設け、特色あふれる花々を、独自の様式を基調に飾り付けていることにあります。それぞれの花壇は、順路に沿ってご覧いただくと、最も美しく鑑賞できるようにデザインされています。


中央休憩所そばの入り口から日本庭園に入ると、まず目に飛び込んでくるのが第一露地花壇です。
花壇の中心に配された大菊は、本来花びらが傷付きやすいものですが、露地花壇用に雨に当たっても痛みにくい品種に改良したものです。
赤い小菊が周りを囲み、色鮮やかな花壇になっています。




順路を進むと次に見えてくるのが、懸崖作り花壇です。
野菊が断崖の岩間から垂れ下がって咲いている姿を模して仕立てる技法を「懸崖作り」と呼びます。

民間の菊の品評会などに出展される懸崖作りは、豪華に見せるため八重の品種を用いることが多いのですが、新宿御苑ではあくまで野菊の趣を大切にするため、一重の品種を用いています。また同じ理由から、地面には乾燥させた松葉が敷き詰められています。



さらに進むと、伊勢菊・丁字菊・嵯峨菊花壇が見えてきます。


伊勢菊は、縮れた花びらが垂れ下がって咲くのが特徴です。
開花するに従って弁が伸び、長く垂れ下がるほど良い花とされています。

伊勢菊が伊勢地方で発達した当時は、座敷に座って鑑賞するのが習わしであったため、下方から見ても美しく見えるよう、しだれ咲きの花になったと言われています。


丁字菊は花の中心部が盛り上がって咲く菊で、アネモネ咲きともよばれています。


嵯峨菊は細長い花びらがまっすぐに立ち上がって咲きます。
京都の嵯峨地方で発達した菊で、屋敷の回廊から菊を眺めるため、上方から見て美しく見えるよう、上向きに咲く花になったと言われます。

次回は大作り花壇、江戸菊花壇をご紹介します。


新宿御苑の菊は、菊花壇展開催の11月1日から15日にみごろを迎えるよう、1年をかけて育成し、咲き方の調整を行っています。新宿御苑の菊栽培技術の集大成・菊花壇展にぜひお越しください。(期間中は休まず開園しています)

みなさまのご来園をお待ちしております。