保健・化学物質対策

「令和8年度放射線の健康影響に係る研究調査事業」新規研究課題の公募のお知らせ

 

  令和7年8月21日

環境省大臣官房環境保健部

放射線健康管理担当参事官室

 

 放射線の健康影響に関する研究調査について、令和8年度より新規に実施する研究課題を、以下のとおり公募します(印刷用)。
 

1.背景及び本事業の目的

 原子力災害からの福島の復興及び再生に関する施策の総合的な推進を図るための基本的な方針として、平成24年7月に「福島復興再生基本方針」が閣議決定され、国内外の叡智を結集した放射線の人体への影響等に関する研究調査の重要性が指摘されています。また、同時期に公表された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会報告書や、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会報告書においても、健康影響に関する継続的な調査を行っていく必要がある旨の提言がされています。
 このような状況を踏まえ、環境省では、平成24年度より放射線の健康影響に係る研究調査事業(以下、「本事業」という。)において、帰還住民及び避難中の住民、並びに事故の間接的な影響を受けた福島とその周辺地域の住民を対象にした健康管理の推進及び安心につながる対策の充実・強化や、これらの推進に役立ち、住民の生活上参考となる基礎的な情報の収集を目的として、線量推計に資する研究、身体面・心理面の健康に関する研究、事故による放射線不安への対策に資する研究を実施してきました。

 また、東日本大震災及び事故から10年が経過した令和3年度以降は、本事業においては、福島の復興再生や風評の払拭等に留まらず、その教訓を活かし、我が国の社会全体への還元とともに、我が国における今後の環境保健行政での利用につながる成果をもたらすことも目的としてきました。

 令和8年度は、令和3年度以降の取り組みを更に加速させ、福島の復興再生や風評の払拭等の取り組みにより得られた教訓を活かし、蓄積された研究成果の更なる社会還元を図るために、環境保健行政の需要に直結したより具体性のある公募テーマを示すことにより、環境保健行政における知見の充実に即時に活用できる、あるいは、今後活用できる見込みがある課題を募集します。

2.公募テーマ・内容

 本事業では、環境保健行政の重要課題に対応すべく、学術的意義が高く、かつ行政の充実に確実に貢献できる研究を公募します。以下の各テーマにおいて、研究期間内に、環境保健行政に活用できる確実な成果を得るとともに、その成果を論文や学会発表を通じて広く発信することが求められます(10. 応募における留意点 参照)。
 

2.1 公募テーマ

 以下の5つのテーマの研究課題を公募します。いずれかのテーマに応募してください。
 今般、環境省が「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進していることを踏まえ(https://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html)、SDGsへの配慮を意識して研究課題の応募書類を作成してください。また、2.2 公募内容に記載されている想定される環境保健行政への活用の例を参考に、成果の社会実装につながる研究をデザインしてください。

【公募テーマ】

(1)甲状腺超音波検査者育成における教育用シミュレーターの開発と有用性の研究

(2)福島県内における住民の放射線不安対策に資する研究

(3)放射線健康不安に係る特定層の意識変容を促し行動変容に繋げるための、情報発信のあり方に関する研究

(4)原子力災害におけるリスクコミュニケーション知見の県外地域への適用に関する研究

(5)放射線健康影響に係る科学的根拠の構築に資する研究

 

2.2 公募内容

(1)甲状腺超音波検査者育成における教育用シミュレーターの開発と有用性の研究

【募集内容】
 福島県「県民健康調査」甲状腺検査においては検査施設ごとの検査数にばらつきがあり、症例数が限られる施設もあります。このため、甲状腺検査を希望する方が検査を受けられる体制を確保し、福島県内外の各検査施設の検査者の技能を維持する必要があります。環境省では、被験者の協力のもと、福島県内の検査者に対する実技研修事業を実施していますが、福島県外の検査者の研修機会の確保が課題となっています。
 福島県外における検査体制の維持ならびに検査者の技能維持に資するよう、甲状腺超音波検査の教育用シミュレーター(主に成人用)を開発し、学術的にまとめることを想定した検査者育成における有用性を評価する研究を募集します。
 

【想定される環境保健行政への活用】

  • 甲状腺検査者の技能の向上・維持に資するなど甲状腺検査者育成事業に活用できること

 

(2)福島県内における住民の放射線不安対策に資する研究

【募集内容】
 帰還困難区域に住民が帰還できるよう、各市町村が作成し内閣総理大臣の認定を受けた特定帰還居住区域復興再生計画に基づき、特定帰還居住区域内の除染やインフラ整備等が一体的に進めてられています。
 これにより住民の帰還及び居住が可能となることが見込まれる一方、住民の放射線に係る健康不安が生じることも考えられます。
 また、福島県内における放射線に係る健康影響等に関するリスクコミュニケーション事業においては、「移住する際には不安はなかったが、移住後に周りの人から放射線不安になるようなことを言われたことで不安になってしまった」等の意見が寄せられています。
 このため、特定復興再生拠点区域の避難指示が解除された町村及び特定帰還居住区域を設定している市町村を中心とした地域において、放射線に係る健康影響等に関する効果的なリスクコミュニケーション手法の開発及び有効性を検証する研究を募集します。
 

【想定される環境保健行政への活用】

  • 放射線への健康不安を抱えている方(県内住民、県内勤務者、避難者、国内外からの移住者)、特に特定復興再生拠点区域の避難指示が解除された町村及び特定帰還居住区域を設定している市町村を中心とした地域の住民の健康不安解消に活用できること
  • 福島県内の自治体の状況(復興のフェーズ、帰還状況等)に応じたリスクコミュニケーションに活用できること
  • 放射線リスコミセンターが実施している、住民へのリスクコミュニケーション活動に活用できること
※ 放射線リスコミセンター
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/shiencenter/

 

(3)放射線健康不安に係る特定層の意識変容を促し行動変容に繋げるための、情報発信のあり方に関する研究

【募集内容】
 環境省では、福島第一原子力発電所事故による放射線の健康影響等に関する誤解や偏見、差別をなくすことを課題として、正確な情報を国民に適切に提供するぐぐるプロジェクト等の取り組みを実施しています。昨年度のぐぐるプロジェクトフォーラムにおいては、放射線の健康影響に対する誤解を持つ比率が最も高い特定層へのリーチが重要であると言う発信を行うとともに、その特定層に対する放射線の健康影響等の正しい知識を普及するための活動のあり方を検討しています。
 本テーマでは、放射線の健康影響に関する誤解を持つ比率が最も高い特定層を対象に、意識変容や行動変容をもたらす情報・動機等を把握し、特定層に有効な情報発信のあり方をとりまとめるとともに、学術的に検証した上で、最終的には環境省の施策に反映できる研究を募集します。
 

【想定される環境保健行政への活用】

  • ぐぐるプロジェクトでの情報発信手法への活用
※ぐぐるプロジェクトフォーラム
https://www.youtube.com/watch?v=YAHQeSsuI7U

 

(4)原子力災害におけるリスクコミュニケーション知見の福島県外地域への適用に関する研究

【募集内容】
 環境省では、福島第一原子力発電所事故による放射線の健康影響等に関する誤解や偏見、差別をなくすことを課題として、科学的根拠に基づいたリスクコミュニケーション活動等※1※2を実施しています。
 これまで福島県内では、放射線の健康影響や原子力災害に関する情報の普及や、住民の不安解消のためのリスクコミュニケーション活動が進められてきました。
 一方、福島県外においては、実際に生じた原子力災害と健康影響の関連性や、福島県内における避難に関する情報に誤解が確認されており、その解消を進めることで、社会全体の誤解や偏見、差別等を払拭させていくことが求められています。
 これまで福島県内で行われてきたリスクコミュニケーション活動の成果を活用し、福島県外において、放射線の健康影響等に関して誤解を有する人へ発信していく仕組みを構築する必要があります。
 本研究は、まず福島県内を中心に得られた原子力災害に関する知見や、実際に福島県内で行われてきたリスクコミュニケーション活動の成果等を分析及び検証した上で、その結果を県外地域におけるリスクコミュニケーション活動へ適用する手法を検討し、その有効性を評価する研究を募集します。
 

【想定される環境保健行政への活用】

  • 県外地域の方に対するより効果的なリスクコミュニケーションに資する教材や手法として活用できること
※1 放射線リスコミセンター
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/shiencenter/

※2 ラジエーションカレッジセミナー
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/portal/communicate/riskcom/

 

(5)放射線健康影響に係る科学的根拠の構築に資する研究

【募集内容】
 本事業では、上記1.背景及び本事業の目的に記したように、令和4年度まで「線量推計に資する研究」、「身体面・心理面の健康に関する研究」、及び「事故による放射線不安への対策に資する研究」を公募・採択し、推進してきました。本テーマでは、これまでの成果を踏まえた上で、放射線生物、放射線疫学、放射線防護、環境放射線、線量評価等の領域から、広く放射線健康影響に係る科学的根拠の構築に資する研究を募集します。

 放射線健康管理担当参事官室は、放射線被ばくによる健康影響等に関するリスクコミュニケーション事業等を担当しており、これらの事業に対して、科学的根拠の構築に資する研究を求めています。
 公募テーマ(1)~(4)に該当する研究内容は、公募テーマ(5)には含まないものとします。
なお、10. 応募における留意点(3)に示すとおり、環境保健行政での活用が見込めない研究内容については、採択が見送られる可能性があります。
 
 本テーマでは令和8年度における本事業の目的を鑑み、以下要件を満たすことを求めます。

① 研究目的として環境保健行政における知見の充実を設定し、研究計画に目的到達への具体的道筋を示すこと。

② 研究期間終了時の研究成果として、速やかに環境保健行政に活用できる事が望ましく、少なくとも今後活用できる道筋を明確に示すこと。

 

【想定される環境保健行政への活用】

  • 統一的な基礎資料への反映あるいは充実につながること
  • 環境保健行政への科学的根拠の提供につながること
  • 放射線リスコミセンターの活動に研究内容及び成果を活用できること
※ 将来的に、IAEA、ICRP、UNSCEAR等の国際機関等が発表する報告書への掲載・引用につながるような研究内容、及び国際機関等が着目するような成果の発表を行うことが望ましい。

 

<用語解説>
〇環境保健行政に資する研究

 研究の成果(エンドポイント)として、個々人が暮らす生活環境における健康不安の払拭や、健康の増進等に役立つことを意味します。教育のためのコンテンツ作成をエンドポイントとすることは、環境保健行政に資するという認識ではありません。
 環境保健行政の取り組みとしては、福島県における甲状腺検査の支援を行うほか、福島県内の住民に向けた放射線健康不安軽減の取り組み、全国に向けた放射線の健康影響に関する風評払拭のための正確な情報の発信等を行っています。

〇リスクコミュニケーション

 対象のもつリスクに関連する情報を、リスクに関係する人々(ステークホルダー)に対して可能な限り開示し、関係者の間で双方向的なコミュニケーションが実施されることにより情報が共有され、互いに共考することによって、解決に導く道筋を探す思想と技術、及びその過程のこと。(木下冨雄著『リスク・コミュニケーションの思想と技術』より抜粋し、一部を編集)

〇ぐぐるプロジェクト

 東京電力福島第一原子力発電所の事故が起こった2011年当時は、放射線による健康影響や生まれてくる子どもたちへの影響について、懸念を持つ方が多くいました。
 10年以上が経過した現在までに、国連科学委員会の報告書による「放射線被ばくが直接の原因となるような将来的な健康影響は見られそうにない」との見解など、不安の解消につながる様々な調査や報告が出ています。
 しかし、“放射線”のニュースは一般になじみが薄いため、古い情報を持ったまま事故後の健康影響について不安を持ち続けている方もいます。
  現代においては、デマや風評にまどわされないためにも、多様な媒体から日々発信される情報を読み解く力も求められています。
 ぐぐるプロジェクトでは、情報を読み解く力や判断力を身につけるための取組、科学的知見に基づく情報の発信などを行っています。
 一人一人が放射線の健康影響と福島の“今”を知ることで不安や風評をなくしていき、被ばくをした方々の健やかな暮らしにつなげるための取組です。 
【参考1:ぐぐるプロジェクトHP】
  https://www.env.go.jp/chemi/rhm/portal/communicate/
【参考2:ぐぐるプロジェクト公式YouTubeチャンネル】
  https://www.youtube.com/@guguru_project
【「ぐぐるプロジェクト」問い合わせ先】
  ml-guguruproject@env.go.jp


〇原子力防災(原子力災害後の健康管理・健康不安対策)

 環境省は、原子力災害後の中長期において、原子力被災者等の総合的な被ばく線量の評価と、原子力被災者等の健康調査・管理及び健康相談の実施について関係機関との調整を行うことを担当しています。福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原子力災害初期において災害現場でのリスクコミュニケーションを適切に行うことにより、中長期における放射線による健康不安の低減につながると考えています。

〇 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料

 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(http://www.env.go.jp/chemi/rhm/basic_data.html)は、放射線の基礎知識と健康影響に関する科学的な知見や関係省庁の取組みがまとめられた冊子で、行政や教育現場等で活用されています。
 

3.研究費・応募資格

3.1 研究費(委託費)

 本事業における令和7年度の新規公募(研究費等の上限額)は、以下の表に示すとおりです。応募者は、以下を熟読の上適切に応募してください。

 本事業で公募する研究費は、「補助金」ではなく「委託費」です。「委託費」とは、本来、国が自ら行うべき事務・事業等を効率的な執行等に鑑み、他の機関等に委託して行わせる場合にその反対給付として支出する経費をいいます。委託契約は委託費によって行われる事務・事業の給付を担保することを目的として締結するものです。このため、調査、研究等の委託費は委託契約に基づく対価的性格を有する経費であり、助成的性格をもつ補助金等とは明らかに異なるものといえます。(環境省における委託業務経費の算出等に関する基本方針(令和6年3月)より抜粋し一部を編集。https://www.env.go.jp/content/000214442.pdf

 

公募テーマ 研究費等の
年間上限額
(税込)1
年齢制限 応募者2, 3 研究期間
(最長)
採択
予定数4
(1) 800万円 なし 本人 3年 1件
(2) 800万円 なし 本人 3年 1件
(3) 800万円 なし 本人 3年 1件
(4) 800万円 なし 本人 3年 1件
(5) 800万円 なし 本人 3年 2件
 

1  「研究費等の年間上限額」とは、一般管理費・消費税等を含めた総額を指します。年間上限額に関わらず、研究内容に応じた適切な額で申請して下さい。
2 主任研究者または分担研究者として同時に複数の応募をすることはできません。ただし、継続研究課題を有する場合であっても、継続研究課題が終了する年度(研究の最終年度)は主任研究者または分担研究者として新規に応募することができます。
3 条件付き採択課題として研究が採択されている場合は、主任研究者または分担研究者として新規に応募することができません。
4 採択予定数は、あくまで目安です。令和8年度の概算要求額及び応募課題数等を基に調整予定です。
本公募は令和8年度予算の成立を前提に行うものです。したがって、採択された研究課題についても、予算の都合によりやむを得ない事情が生じた場合には、研究計画の見直しまたは中止を求めることがありますので、予めご承知おき下さい。
 

 過年度の本体研究の倍率は、以下のとおりです。

令和7年度:約3.6倍
令和6年度:約2.4倍
令和5年度:約2.5倍
令和4年度:約2.4倍
令和3年度:約2.6倍
令和2年度:約4.4倍

 

3.2 応募資格

 令和8年4月1日の時点で、以下に示す(1)~(4)の条件を全て満たす者を「本事業への応募資格を有する者」とします。

(1)研究機関(注)において、当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含むものとして、所属する者であること。ただし、常勤・非常勤を問わず、予定される研究期間(例えば、研究期間3年間の研究課題であれば3年間)について所属機関に雇用されていること。

(2)当該研究機関の研究活動に実際に従事していること。

(3)大学院生等の学生でないこと。

(4)本事業終了後も、引き続き研究調査を推進するとともに、追跡調査等環境省の求めに応じて協力できること。


(注) 研究機関とは、以下の(ア)~(オ)を指します。

(ア)国の試験研究機関

(イ)地方公共団体の附属試験研究機関

(ウ)学校教育法に基づく大学及び同附属試験研究機関等

(エ)研究や調査を主な事業目的としている一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人並びに株式会社

(オ)研究を主な事業目的とする独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第二条に規定する独立行政法人及び国立研究開発法人等
 

4.研究期間

 採択された研究の実施期間は、原則として最長で3年間とします(2年間の研究計画でも応募可能です)。

 当該年度の研究成果、並びに2年目以降の研究計画については本事業の研究調査事業運営委員会(以下、「運営委員会」という。)にて、毎年評価を行います。評価結果によっては、次年度の研究継続を認めないことがあります(詳細については、8.研究の評価と管理をご確認ください)。また、諸般の事情により、3年未満で本事業を終了する場合もあります。

 

5.応募方法

 応募の際に、主任研究者は、9.添付書類に示す様式をダウンロードした上で、研究計画書作成要領に従って必要事項を入力したのち、メールに添付して以下のアドレスへ送付してください(詳細については、9.添付書類をご確認ください)。

 

【送付アドレス】

TO:日本エヌ・ユー・エス株式会社(令和7年度 本事業委託先)

  rad-kenkyu-chosa@janus.co.jp

CC:環境省大臣官房環境保健部放射線健康管理担当参事官室

  radiation_research_23@env.go.jp

 

 応募〆切後、申請を受理した旨を、日本エヌ・ユー・エス株式会社からメールにて返信いたします。応募後5日が経過しても受理メールが届かない場合は、お手数ですが再度ご連絡ください。
 

6.応募期間

 令和7年8月21日(木) ~ 9月25日(木) 正午まで
 

7.研究の採択

 研究の採択につきましては、送付された研究計画書に基づき、今後開催する本事業の運営委員会において、研究課題についての審査・評価方針に従い、以下の5項目について審査され、採否が決定されます。
 

① 研究の環境保健行政への貢献の可能性

② 研究の学術的有用性

③ 研究計画の妥当性・効率性

④ 研究遂行体制・能力

⑤ 研究内容の倫理性

 

【留意事項】

(1)書面による事前評価の結果を基にヒアリング対象として選ばれた研究課題に対して、ヒアリング審査が行われます。ヒアリングは、対面あるいは Web 形式で実施する予定です。

(2)採否については環境省より御連絡いたします。

(3)採択時の評価によっては、「Feasible Study(条件付き採択)」となる場合があります。当該課題については、採択通知においてはじめの1年の間に改善すべき点(条件)が示されます。1年目の成果発表会において、採択時に指摘された条件に対する対応状況や今後の研究計画等について、本事業の評価専門委員あるいは運営委員から評価を受けます。その評価に基づき、運営委員会において2年目以降の継続可否が判断されます。

(4)採択された場合でも、各研究費は申請額と異なる(減額となる)ことがあります。
 

8.研究の評価と管理

8.1 キックオフミーティング

 新規に採択された主任研究者には、研究開始前年度の2月に開催予定のキックオフミーティングにおいて、研究構想/研究計画を発表していただきます(旅費等は、主催側の負担となります)。
 

8.2 中間評価及び最終評価

 全ての研究課題について、中間評価(最終年度の場合は、最終評価)のために、年に1回開催される成果発表会にて、年度当初の計画と比較した研究の進捗状況、外部発表、研究方法論の妥当性等を含めた、研究成果を報告していただきます。成果発表会における各主任研究者からの報告ののち、本事業の運営委員会による評価を行い、次年度の研究計画の見直しや変更、当該年度での打切り等を判断します。
 

8.3 研究継続の可否

 研究継続の可否は、8.2 中間評価及び最終評価に記載した成果発表会における各主任研究者からの報告を踏まえ、運営委員会によって判断されます。当該年度の成果や次年度以降の研究計画等が芳しくない研究課題に対して、「打切りが妥当」と判断される場合があります。

 

8.4 追跡アンケート

 研究終了の翌年度からおよそ3年程度、研究期間終了後における、本事業で得られた成果の活用や社会への還元等について、追跡アンケートを予定しています。
 

8.5 研究進捗管理

 本事業における研究が、問題なく円滑に進むことを目的として、本事業内にプログラムオフィサー(PO)を配置しています。採択された研究課題においては、研究の推進や環境省との情報共有を目的として、研究班会議を開催してください。PO は、研究班会議へ参加し研究の進捗や実施状況を確認し、必要に応じ委員会からの意見の伝達を行う等、適切な研究管理を実施します。課題が採択された主任研究者は、PO との綿密なコミュニケーションと積極的な意見交換をお願いします。
 

8.6 意見交換会

 本事業における研究で得られた知見が環境保健行政へ活用されることを促進するとともに、類似分野の研究課題において研究者間の知見共有や交流等を行うことを目的として、各研究課題の研究者及び環境省との意見交換会に年1回程度(対面又はオンライン形式、半日)出席していただきます。
 

9.添付書類

 以下に掲載する資料をダウンロードして、ご使用ください。


【提出書類】(詳細については、研究計画書作成要領をご確認ください)

  • 【様式1】
  • 【様式2】


【留意事項】

  • 【様式1】と【様式2】は、作成したファイルをPDF化せず、WordあるいはExcelにてご提出ください
  • 【様式1】と【様式2】は、それぞれのファイル名の先頭に、主任研究者のフルネームを記載してください(例:【環境太郎】【様式1】...)。

10.応募における留意点

(1)3.2 応募資格に記載された条件を満たしていない、あるいは提出した研究計画書に不備等がある場合は、審査の対象とならないことがあります。

(2)令和8年度は、若手研究の公募はありません。

(3)研究期間内(原則3年間)で、確実に環境保健行政に資する一定の成果の取得が期待できる研究計画を募集します。研究計画の段階で、環境保健行政での活用の見込みが無いと判断される場合、採択が見送られる可能性があります。
(4)本事業は環境保健行政の重要課題に対応するための研究調査を実施するものであり、行政への貢献と学術的成果の両方が重視されます。研究期間内に、環境保健行政に活用できる確実な成果を得るとともに、研究成果を論文や学会発表を通じて発信することが求められます。

(5)研究計画書だけでは十分な技術的裏付け等が得られない場合、根拠となる書類等を追加で提出していただく場合があります。

(6)評価専門委員及び運営委員会の委員は、委員として知り得た情報を、委員の職にある期間だけでなく、その職を退いた後についても、正当な理由なく第三者に漏洩または使用しないこととしています。また、評価専門委員及び運営委員会の委員のうち審査の対象となる課題の主任研究者等と利害関係がある委員は、当該研究課題の審査を棄権します。

(7)評価専門委員及び運営委員会の委員、環境省、あるいは本事業の委託先関係者等へ採択の陳情を行うことは厳に慎んでください。なお、仮に応募課題の関係者から陳情等があった場合には、陳情者が当該研究課題に参画予定の研究者本人か否かを問わず、応募された研究課題を審査対象から除外します。また、採択に係る通知の発出前に、関係者へ採否の感触を照会する等の行為についても厳に慎んでください。
 

11.FAQ


【質問】送付した書類に記載してある個人情報についてはどう扱うか。

【回答】「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」及び「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律施行令」に基づき、適切に取り扱います。


【質問】研究の採択/不採択の通知タイミングはいつか。

【回答】10月下旬~12月上旬を予定しています。

 

<参考>

  • 過去に本事業にて採択された研究の報告書

http://www.env.go.jp/chemi/rhm/reports.html

 
  • 研究開始までの大まかな流れ

日程

予定される主なスケジュール

8/21

9/25
正午

 公募期間

  • 研究計画書【様式1】、研究経費内訳シート【様式2】の提出

10月中旬~

11月上旬

 評価専門委員及び運営委員における審査

  • 書面審査
  • ヒアリング(対象者には別途通知)

~12月上旬

 

 審査結果通知

  • 審査結果及び運営委員会からのコメントを環境省より送付
  • 採択課題には、採択条件や運営委員会からの質問事項を送付

1月頃

 応募研究計画書の修正及び質問事項への回答の提出

  • 研究計画書の修正や、質問への回答が不十分と判断された場合、追加での対応が発生

2月頃

 令和8年度研究費の通知(申請額と異なることがある)

2月

 キックオフミーティングの開催

4月~

 委託事業者との契約手続き、研究の開始

  • 委託事業者と研究機関との間で、契約に係る手続きの開始
  • 課題が採択された研究者は、4月から研究の開始が可能

 

【本公募に関する問い合わせ先】

 環境省 大臣官房環境保健部 放射線健康管理担当参事官室
 担当:田村、西館
[住所]
〒100-8975  東京都千代田区霞が関1-2-2
[電話]
03-3581-3351
[E-Mail]
radiation_research_23@env.go.jp