「内分泌かく乱作用とは」


「入門編」
"内分泌かく乱作用"が関係すると考えられる野生生物の変化はいくつか知られています。例えば、下水処理排水による川魚の性の変化、TBTによる海産の巻貝の異常などです。
環境省では、女性ホルモン(エストロジェン)や、合成女性ホルモンがもつ"内分泌かく乱作用"を、メダカを使って確かめることができる試験法を開発しました。この試験法で、化学品についても調べたところ、3つの化学品 (4-ノニルフェノール、4-t-オクチルフェノール、ビスフェノールA)については、内分泌かく乱作用をもつと考えられました。(参照 : 化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-ExTEND 2005-)
また、"内分泌かく乱作用"がヒトに与える影響についても、調査研究が進められました。これまでのところ、かつて医薬品として使われたことがあるDES (ジエチルスチルベストロール)での例を除き、明らかに有害な影響が認められたことはありません。特に内分泌系の一つである生殖器への影響が心配されましたが、はっきりとした結論は出ていません。また免疫系・神経系など、内分泌系と関わりのある体内システムへの影響については、調査や研究が進められている段階です。