「内分泌かく乱作用とは」


「詳細編」
人体の内分泌器官としては、下垂体、甲状腺、副腎、卵巣、精巣(表)の他、松果体、脳、肝臓、心臓、膵臓、腎臓などがあります。これら器官から、ホルモンが、人体の発達や発育などに対応した適切な時期に、適切な量が分泌されます。ホルモンは、内分泌器官から分泌された後、主に血液の循環によって運ばれて全身の標的器官・細胞に到達して作用を発揮し、代謝・免疫・生殖といった人体の正常な機能を調節します。
(図 人(哺乳類)における内分泌系)
下図のボタンを押すと、人(哺乳類)における主要な内分泌系について動画で観ることができます。
Aボタン:視床下部-下垂体-性腺
Bボタン:視床下部-下垂体-甲状腺
Cボタン:視床下部-下垂体-副腎
人体の内分泌系の機能・調節は、実際は極めて複雑です。これら内分泌軸同士も関連していますし、内分泌系以外の免疫系や神経系とも相互作用(クロストーク)しています。
エストロジェンでの例
例えば、女性ホルモンであるエストロジェンが分泌されるには、視床下部→下垂体→卵巣の順番で内分泌系が働いています(図-ボタンA)。まず、視床下部で性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)がつくられ下垂体へと運ばれます。このGnRHの刺激によって下垂体から二種類の性腺刺激ホルモン(GSH)である卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)とが分泌されます。FSHは卵胞の成熟を促進し、LHは、成熟した卵胞に作用し、排卵を引き起こします。また、排卵後の黄体に対して作用し、プロゲステロンの産生を促進します。
ホルモンの名称 | 分泌器官 | 主な作用 |
---|---|---|
成長ホルモン | 下垂体 | 成長促進 |
チロキシン (甲状腺ホルモン) | 甲状腺 | 代謝亢進 知能・成長の調整 |
インシュリン | 膵臓 | 血糖濃度低下 |
副腎皮質ホルモン | 副腎 | 免疫・代謝の調整 ストレス応答反応 |
エストロジェン (女性ホルモン) | 卵巣 | 女性二次性徴 子宮内膜細胞の増殖 |
プロジェステロン (黄体形成ホルモン) | 卵巣 | 受精卵の着床準備 排卵抑制、妊娠維持 |
アンドロジェン (男性ホルモン) | 精巣 | 男性二次性徴 精子形成 |