大気環境中へのアスベスト飛散防止対策について
「大気汚染防止法」に基づき、特定建築材料が使用されている建築物等の解体、改造、補修作業を行う際には、石綿飛散防止対策(作業基準の遵守)が義務づけられています。また、吹付け石綿、石綿含有断熱材・保温材・耐火被覆材に係る作業については事前に都道府県等に届出を行う必要があります。
石綿(アスベスト)問題への取組 | 建物を壊すときにはどうしたら良いの?
石綿の飛散防止方策に関するマニュアル、パンフレット、法令関係の情報を掲載しています。
規制の対象となる作業
石綿を飛散させる原因となる建築材料(特定建築材料といいます)が使用されている建築物又は工作物を解体、改造、補修する作業が対象となります。
特定建築材料とは、吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材、石綿含有成型板等、石綿含有仕上塗材(石綿が質量の0.1%を超えて含まれているもの)のことです。
特定建築材料に核当する建築材料の例
特定建築材料の区分 | 建築材料の具体例 | |
---|---|---|
吹付け石綿 | ①吹付け石綿、②石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式) ③石綿含有ひる石吹付け材、④石綿含有パーライト吹付け材 |
|
石綿を含有する断熱材 | ①屋根用折板裏断熱材、②煙突用断熱材 | |
石綿を含有する保温材 |
①石綿保温材、②石綿含有けいそう土保温材 |
|
石綿を含有する耐火被覆材 |
①石綿含有耐火被覆板、②石綿含有けい酸カルシウム板第2種 | |
石綿を含有する仕上塗材 | ①石綿含有建築用仕上塗材 | |
石綿含有成形板等 | ①石綿含有成形板、②石綿含有セメント管、③押出成形品 |
大気汚染防止法において、解体等工事の元請業者又は自主施工者は、建築物又は工作物の解体等を行うときは、あらかじめ特定建築材料の使用の有無を調査することなどが義務づけられています。
事前調査結果の報告について
2022年4月1日以降に着工する、一定規模以上の建築物又は工作物の解体等工事では、石綿の使用の有無を調査した結果を都道府県又は大防法政令市に報告する必要があります。
当該調査結果の報告は原則として「石綿事前調査結果報告システム」から電子申請していただきます。
作業基準について
特定建築材料が使用されている建築物等の解体、改造、補修する際には、作業の種類ごとに遵守しなければならない「作業基準」が定められています。
例) 作業内容に関する掲示、プラスチックシートによる作業場の隔離・養生、HEPAフィルタを付けた集じん・排気装置による作業場及び前室内の負圧化、薬液等による湿潤化など
詳細は、「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」(第4章 建築物等の解体等における飛散防止対策)を参照してください。
事前の届出について
吹付け石綿、石綿含有断熱材・保温材・耐火被覆材に係る作業については、作業を実施する14日前までに都道府県等に届出をしなければなりません。
- 大気汚染防止法に関する届出窓口、お問い合わせ先
- 特定粉じん排出等作業の届出様式 PDF EXCEL
最近の大気汚染防止法等の一部改正・通知について
平成17年12月改正の内容(施行期日 平成18年3月1日)
(1)大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成17年12月21日政令第378号)
[1] 特定建築材料の指定(第3条の3関係)
規制の対象となる特定建築材料として、石綿を含有する断熱材等を追加。
- 従来:
- 吹付け石綿
- 改正後:
- 吹付け石綿並びに石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材
[2] 特定粉じん排出等作業の指定(第3条の4関係)
規制の対象となる特定粉じん排出等作業について、規模等の要件を撤廃。
- 従来:
- 耐火建築物又は準耐火建築物で延べ面積が500m2以上のものを解体、改造又は補修する作業であって、その対象となる建築物における特定建築材料の使用面積の合計が50m2以上であるもの
- 改正後:
- 特定建築材料が使用されている建築物を解体、改造又は補修する作業
(2)大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令(平成17年12月21日環境省令第34号)
石綿の飛散防止のために遵守すべき作業基準を改正し、工事の施工者に対し作業の内容を見やすい場所に掲示すること等を義務付け。
- 平成17年12月15日 報道発表
- 「大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令」及び「大気汚染防止法施行規則の一部を改正する環境省令」について
- 平成18年1月11日 環境省通知(環水大大発第060111001 号)
- 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令の施行等について (通知) [PDF 21KB]
平成18年8月改正の内容(施行期日 平成18年10月1日)
(1)大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成18年8月11日政令第269号)
石綿が使用されている建築物に加え、石綿が使用されている工作物についても解体作業等による飛散防止対策を義務付け 。(第3条の4関係)
- 従来:
- 特定建築材料が使用されている建築物
- 改正後:
- 特定建築材料が使用されている建築物その他工作物
(2)大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令 (平成18年8月11日環境省令第25号)
石綿が使用されている工作物を規制の対象に追加したことに伴い、特定粉じん排出等作業実施届出書の様式等を改正するとともに、工作物に係る作業基準についても、建築物に係る作業基準の内容と同様とした。
- 平成18年8月7日報道発表
- 「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」等について
- 平成18年9月5日 環境省通知(環水大大発第060905003号)
- 石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律の施行等について(通知)(別添省略) [PDF 16KB]
平成25年6月改正の内容(施行期日 平成26年6月1日)
(1)大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成25年6月21日法律第58号)
届出の義務者を発注者等に変更、受注者に対し特定建築材料の使用の有無の調査、調査結果の発注者への説明、調査結果の掲示を義務付け、都道府県知事等による立入検査等の対象の拡大など。(第18条の15、第18条の17、第26条関係)
届出 | 調査 | 調査結果の説明 | 調査結果の掲示 | |
---|---|---|---|---|
従来 | 受注者又は自主施工者が実施 | - | ||
改正後 | 発注者又は自主施工者が実施 | 受注者又は自主施工者が実施 | 受注者が実施 | 受注者又は自主施工者が実施 |
(2)大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令 (平成26年5月14日政令第182号)
大気汚染防止法の改正に伴い、解体等工事の発注者若しくは受注者又は自主施工者に係る報告及び検査について所要の事項を定めた。
(3)大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令 (平成26年5月9日環境省令第15号)
大気汚染防止法の改正に伴い、特定粉じん排出等作業実施届出書の様式等を改正するとともに、集じん・排気装置の設置が義務付けられている特定粉じん排出等作業の作業基準を改正した。
- 平成25年3月29日報道発表
- 大気汚染防止法の一部を改正する法律案の閣議決定について
- 平成26年5月9日報道発表
- 「大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令」等の閣議決定及び意見募集の結果について
- 平成26年5月7日報道発表
- 「大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令」の公布及びそれに対する意見の募集(パブリックコメント)の結果について
- 平成26年5月29日 環境省通知(環水大大発第1405294号)
- 大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行等について [PDF 131KB]
令和2年5月改正の内容(施行期日 令和3年4月1日(一部を除く))
通知
- 令和2年11月30日 環境省通知
大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行等について - 令和2年10月7日 環境省通知
特定粉じんを比較的多量に発生し、又は飛散させる原因となるものとして環境大臣が定める石綿含有成形板等 - 令和2年10月7日 環境省通知
特定建築材料が使用されているおそれが大きいものとして環境大臣が定める工作物 - 令和2年10月7日 環境省通知
設計図書その他の書面による調査及び特定建築材料の有無の目視による調査を適切に行うために必要な知識を有する者として環境大臣が定める者 - 令和2年7月1日 環境省通知
建築物石綿含有建材調査者講習登録規程の一部を改正する件 - 平成30年10月23日 環境省通知
建築物石綿含有建材調査者講習登録規程 - 平成29年11月20日 環境省通知
事前調査の不徹底により石綿含有建材が把握されずに建築物等の解体等工事が開始された事案等について - 平成29年5月30日 環境省通知
石綿含有仕上塗材の除去等作業における石綿飛散防止対策について(廃止) - 平成28年5月23日 環境省通知
石綿等が吹き付けられた建築物等からの石綿等の飛散及びばく露防止対策の徹底について - 平成26年5月29日 環境省通知
大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行等について - 平成24年3月30日 環境省通知
建築物の解体等における石綿飛散防止対策の実施について [PDF 48KB]
(建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル) - ※令和3年3月に改訂しています。
- 平成23年1月27日 環境省通知
石綿等が吹き付けられた建築物の解体等の作業等における集じん・排気装置の保守点検の徹底等について[PDF 97.7KB] - 平成23年1月27日 環境省通知
石綿等が吹き付けられた建築物の解体等の作業等における集じん・排気装置の保守点検の徹底等について[PDF 97.8KB] - 平成20年3月28日 報道発表資料
大気汚染防止法に基づく特定粉じん発生施設届出工場・事業場の状況について - 平成20年2月15日 環境省通知
大気汚染防止法に基づく特定粉じんに係る規制の徹底について [PDF 78KB]
(別添)厚生労働省通知「石綿障害予防規則第3条第2項の規定による石綿等の使用の有無の分析調査の徹底について」[PDF 202KB] - 平成18年9月5日 環境省通知
石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律の施行等について - 平成18年7月26日 環境省通知
特定粉じん排出等作業に係る指導の徹底について [PDF 17.2KB] - 平成18年1月11日 環境省通知
大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令の施行等について - 平成17年8月1日 環境省通知
特定粉じん排出等作業に係る指導の徹底について [PDF 21.5KB] - 平成17年7月12日 報道発表資料
石綿(アスベスト)問題に関する通知の発出について - 平成9年2月12日 環境省通達
大気汚染防止法の一部を改正する法律等の施行に当たっての留意事項ついて - 平成9年2月12日 環境省通達
大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について - 平成9年2月12日 環境省通達
大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について - 平成1年12月27日 環境省通達
大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行に当たっての留意事項について - 平成1年12月27日 環境省通達
大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について - 平成1年12月27日 環境省通達
大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について - 昭和63年2月1日 環境庁・厚生省通知
建築物内に使用されているアスベストに係る当面の対策について [PDF 21KB]
関係資料
- 石綿飛散防止小委員会
- 石綿飛散防止専門委員会(平成30年9月7日廃止)
- アスベスト大気濃度調査検討会
- 建築物の解体等における石綿飛散防止検討会
(平成17年9月13日~平成17年11月24日開催、平成17年11月30日結果報告)