水・土壌・地盤・海洋環境の保全
海洋プラスチックごみに関する各種調査ガイドライン等について
1.背景・概要
海洋ごみ対策については、「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境並びに海洋環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律(平成21年法律第82号)」(海岸漂着物処理推法)等に基づき、回収・処理を始め各種対策が進められてきましたが、世界の海洋プラスチックごみの約8割は陸域から発生しているとも言われており、より一層対策を進めていくためには、流域圏で内陸から沿岸及び海洋にわたる関係主体が一体となって発生抑制対策等を行うことが不可欠です。
こうしたことを踏まえ、環境省では、内陸から河川を経由して海洋へ流出するプラスチック等を含むごみの量・組成等を経年的に把握するため、地方公共団体や研究機関等で活用いただくため、調査ガイドラインや事例集等を作成しました。
2.海洋プラスチックごみに関する各種ガイドライン等イメージ図

3.海洋プラスチックごみに関する各種ガイドライン等一覧
名称 | 対象者 | 目的・対象 | 期待される活用方法 |
自治体、地方環境研究所、自治体からの発注を受けて調査を実施する調査機関・事業者等
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陸域や河岸・河川敷に散乱するごみの実態の把握 | 散乱ごみ対策の実施場所、対象や方向性、実施した対策の効果検証、対策効果の長期的なモニタリング等への活用 | |
陸域から海域へ流出する河川を浮遊するごみ(原則、長径25mm以上)の実態の把握 | 河川ごみの実態把握とその対策の対象や方向性、具体的な対策の指標、さらには実施した対策の長期的な評価指標を得る | ||
③河川・湖沼マイクロプラスチック調査ガイドライン(令和6年3月版に改訂) |
陸域から海域へ流出するマイクロプラスチックのうち、河川・湖沼水中におけるマイクロプラスチックの実態の把握 | 調査結果を基に、地方自治体が関係機関や住民等と連携すること等により、マイクロプラスチックの発生源対策等の推進 | |
各地方公共団体の海岸において、長期的に、継続して漂着ごみの組成や存在量の実態、それらの経年変化の把握 | 漂着ごみ対策の対象や方向性、具体的な対策の指標、さらには実施した対策の長期的な評価指標を得る | ||
都道府県 | 海岸漂着物処理推進法に基づく地域計画の作成又は変更 | 地域における海岸漂着物対策の総合的かつ効果的な推進 | |
⑥海洋ごみ発生抑制対策等事例集 | 自治体、NPO、自治会等 | 海洋ごみの発生抑制対策等の効果的な実施 | 新たな海洋ごみの発生の抑制や回収の促進 |
⑦漁業者と自治体協力による海洋ごみ回収マニュアル ■リーフレット ・漁業者向けリーフレット ■パンフレット ・漁業者向けパンフレット ・自治体向けパンフレット |
自治体、漁業者、漁業協同組合等 | 漁業者と自治体の協力による海洋ごみ回収の効率的・効果的な実施 ※リーフレット・パンフレットの内容と対象者 ■漁業者向けリーフレット(見開き1枚) 内容:漁業者と自治体の協力による海洋ごみ回収取り組みの紹介 対象者:海洋ごみ回収未実施の漁業者または漁業者へ海洋ごみ回収の相談をしたい自治体 ■パンフレット 内容:簡易的なマニュアル本編の紹介 対象者:これから海洋ごみ回収に取り組もうとしている漁業者 /自治体 |
海洋ごみ回収から処理までに発生する課題の解決、より効率的・効果的な回収、自治体から漁業者への発信・展開、海洋ごみの発生源特定等の検討 |
⑧リモートセンシング技術を用いた海洋ごみモニタリング調和ガイドライン(令和6年7月第1版) ■概要資料 ・日本語 ・English ■日本語 ・ガイドライン本編 ・附属書 ・附属書別添資料 ■English ・Guideline ・Annex ・Appendix |
学術/研究機関、自治体、地方環境研究所、自治体からの発注を受けて調査を実施する調査機関・事業者等 | リモートセンシング技術を用いた海洋ごみの調査・モニタリングの効率的な実施 | ・海洋ごみ調査の省人化による効率化 ・実施が難しく課題となっていた複雑に入り組んだ海岸等の人が立ち入れない地域での調査や陸域から海域までの経路を一体的に捉えた調査への活用 |
⑨漂流マイクロプラスチックのモニタリング調和ガイドライン(English only) | 学術/研究機関、自治体、地方環境研究所、自治体からの発注を受けて調査を実施する調査機関・事業者等 | 海洋表層マイクロプラスチックの調査および分析の効率的な実施 | 海洋表層マイクロプラスチックの比較可能なデータの収集・蓄積(AOMIのデータ拡充)による、分布や挙動の解明、発生抑制対策の推進 |
【関連リンク1】
国立環境研究所のII型実施共同研究「河川プラスチックごみの排出実態把握と排出抑制対策に資する研究(2021年度~2023年度)」の成果として③河川マイクロプラスチック調査ガイドラインの電子動画マニュアルが掲載されています。
4.報道発表資料
海洋プラスチックごみに関する各種調査ガイドライン等の公表について