瀬戸内海は瀬戸と灘が交互に連続する多様な地形を有している閉鎖性海域であり、また、多数の河川が流入していることにより栄養塩が比較的豊富であるため、生産性の高い海域である。水産総合研究セ ンター瀬戸内海区水産研究所によると瀬戸内海で確認された魚種数は平成22年(2010年)時点で739種とされている。
令和2年における漁業生産量は約50万トンである。海面漁業生産量は約13万トン、海面養殖業生産量は約38万トンであり、海面養殖業生産量が海面漁業生産量の約3.0倍となっている。
瀬戸内海における漁業生産量及び海面漁業生産量は、昭和60年頃に最大となり、その後減少する傾向にある。この一因として、藻場・干潟の減少等により魚介類の生息環境が悪化していることが挙げられ、魚種別には「まいわし」、「かたくちいわし」、「いかなご」、「あさり類」の生産量が昭和60年代から急減している。海面養殖業生産量は昭和63年頃までは増加傾向にあり、近年では、概ね横ばいに推移している。
注)漁業法による瀬戸内海の範囲は、瀬戸内海環境保全特別措置法によって定められた海域から、豊後水道、響灘を除く海域となっている。
海面漁業魚種別生産量構成

注)四捨五入の関係で各項目の%の合計は100%とならない。
海面養殖業魚種別生産量構成

注)1.令和元年調査から振興局別及び大海区別の公表を廃止したため、瀬戸内海沿岸11府県の瀬戸内海以外の海域も含む生産業の合計を示す。
2.秘匿措置分については「その他」にまとめて記載した。
3.「かき類養殖」は、「むき身」を含まない値である。
- 「瀬戸内海区及び太平洋南区における漁業動向」
(農林水産省中国四国農政局統計部) - 農林水産省近畿農政局統計部資料
- 農林水産省中国四国農政局統計部資料
- 農林水産省九州農政局統計部資料
瀬戸内海における漁業生産量の推移

- 平成23、24、26、27、28年の「海面養殖計」は兵庫県の秘匿措置分を含まない値である。
- 平成25年の「海面養殖計」は兵庫県と和歌山県の秘匿措置分を含まない値である。
- 令和元年の「海面養殖計」は振興局別及び大海区別の公表を廃止したため瀬戸内海以外の海域も含む。
-
平成17年以前:「瀬戸内海区及び太平洋南区における漁業動向」
(農林水産省中国四国農政局統計部) - 平成18年、19年:農林水産省近畿農政局統計部資料
- 農林水産省中国四国農政局統計部資料
- 農林水産省九州農政局統計部資料
- 平成20年以降:農林水産省資料
瀬戸内海における魚種別生産量の推移


- 平成20年より海面漁業の統計方法が変更となったため、「こういか類」、「はまぐり類」、「わかめ類」については、「その他」にまとめて記載した。
- 平成21年の「かたくちいわし」は秘匿措置分を含まない値であり、秘匿措置分については「その他」にまとめて記載した。
- 平成21年の「ぶり類」及び平成22年の「かき類」は秘匿措置分を含まない値であり、秘匿措置分については「その他」にまとめて記載した。
- 平成23~24、26~28年の値 は秘匿措置分の兵庫県を除く瀬戸内海沿岸10府県の値である。
- 平成23~24、26~28年の各養殖魚種の値は秘匿措置分を含まない値であり、兵庫県を除く秘匿措置分については「その他」にまとめて記載した。
- 平成24年の「まあじ」は秘匿措置分を含まない値であり、秘匿措置分については「その他」にまとめて記載した。
- 平成25年の値 は秘匿措置分の兵庫県、和歌山県を除く瀬戸内海沿岸9府県の値である。
- 平成25年の各養殖魚種の値は秘匿措置分を含まない値であり、兵庫県、和歌山県を除く秘匿措置分については「その他」にまとめて記載した。
- 平成29、 30年の「のり類」は秘匿措置分を含まない値であり、秘匿措置分については「その他」にまとめて記載した。
- 令和元年以降は、令和元年調査から振興局及び大海区別の公表を廃止したため、瀬戸内海以外の海域も含む値である。
出典:平成17年以前:「瀬戸内海区及び太平洋南区における漁業動向」
(農林水産省中国四国農政局統計部)
平成18年、19年:農林水産省近畿農政局統計部資料
農林水産省中国四国農政局統計部資料
農林水産省九州農政局統計部資料
平成20年以降:農林水産省資料