環境省水・土壌・地盤環境の保全農薬対策関係水質汚濁に係る農薬登録保留基準について

水質汚濁に係る農薬登録保留基準(H18年8月3日より前の登録申請の場合)

○農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第4号の環境大臣の定める基準

[平成五・四・二八 環告三五]

改正 平五・一○・二九環告九四 平六・四・六環告三八 平六・一一・二一環告一○三 平七・四・二六環告二八 平七・一一・二八環告七四 平八・四・二五環告二五 平八・一○・二九環告七七 平九・一・三一環告二 平九・四・三○環告二一 平九・八・二九環告二八 平九・一二・二二環告一○一 平一○・四・二四環告一四 平一○・八・三一環告六三 平一○・一二・二二環告九二 平一一・四・一九環告二五 平一一・八・二四環告三九 平一一・一二・二七環告六七 平一二・四・二八環告三三〔改正文〕 平一二・八・一七環告五四〔改正文〕 平一二・一二・二一環告八一〔改正文〕 平一三・四・二六環告三二〔改正文〕 平一三・八・二二環告四九〔改正文〕 平一四・四・二四環告三六〔改正文〕 平一四・八・二九環告五八〔改正文〕 平一四・一二・二四環告八四〔改正文〕 平一五・三・一○環告二三〔改正文〕 平一五・四・一○環告六一〔改正文〕 平一五・六・三○環告七二〔改正文〕 平一六・四・三○環告三五〔改正文〕 平一六・一二・二○環告七九〔改正文〕  平成一八・八・一六 環告一二二〔改正文〕  平成二〇・一・二二環告二〔改正文〕 平成二〇・七・二三環告五九〔改正文

農薬別履歴管理表へ[Excel 60KB]

 農薬取締法第3条第2項の規定により定められた同条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件(昭和46年農林省告示第346号)第4号環境庁長官の定める基準を次のように定める。

〔目次〕

 農薬の水田における濃度
 試験法

(1) ACN試験法
(2) フィプロニル試験法
(3) プロベナゾール試験法
(4) グリホサートイソプロピルアミン塩試験法
(5) イプロジオン試験法
(6) イソプロカルブ試験法
(7) ベンタゾン及びベンタゾンのナトリウム塩の試験法
(8) メプロニル試験法
(9) イミノクタジン酢酸塩試験法
(10) キザロホップエチル試験法
(11) MCPAエチル、フェノチオール(MCPAチオエチル)又はMCPAナトリウム塩
(12) トリネキサパックエチル試験法
(13) オキソリニック酸試験法
(14) ベンフラカルブ試験法
(15) エディフェンホス試験法
(16) ピラゾスルフロンエチル試験法
(17) ブタミホス試験法
(18) EPN試験法
(19) モリネート試験法
(20) セトキシジム試験法
(21) フェントエート試験法
(22) シラフルオフェン試験法
(23) エトフェンプロックス試験法
(24) 削除
(25) プロヘキサジオンカルシウム塩試験法
(26) アニロホス試験法
(27) イマゾスルフロン試験法
(28) プレチラクロール試験法
(29) ペントキサゾン試験法
(30) 削除
(31) フラメトピル試験法
(32) チアメトキサム試験法
(33) クロチアニジン試験法
(34) 削除
(35) 削除
(36) ニテンピラム試験法
(37) チアクロプリド試験法
(38) イミダクロプリド試験法
(39) インダノファン試験法
(40) フェントラザミド試験法
(41) ウニコナゾールP試験法
(42) パクロブトラゾール試験法
(43) ペンシクロン試験法
(44) クミルロン試験法
(45) ベンゾビシクロン試験法
(46) MCPBエチル試験法
(47) テニルクロール試験法
(48) ジクロシメット試験法
(49) フェノキサニル試験法
(50) シクロプロトリン試験法
(51) イソプロチオラン試験法
(52) IBP試験法
(53) イソキサチオン試験法
(54) カフェンストロール試験法
(55) シクロスルファムロン試験法
(56) エトベンザニド試験法
(57) カルプロパミド試験法
(58) クロメプロップ試験法
(59) ジクロメジン試験法
(60) ベンゾフェナップ試験法
(61) DDVP試験法
(62) プロシミドン試験法
(63) オキサジクロメホン試験法
(64) リニュロン試験法
(65) 2,4―Dエチル、2,4―Dジメチルアミン及び2,4―Dナトリウムの試験法
(66) 削除
(67) ピラゾキシフェン試験法
(68) ピラゾレート試験法
(69) ジクロベニル試験法
(70) カルボスルファン試験法
(71) ベンフレセート試験法
(72) ピメトロジン試験法
(73) チフルザミド試験法
(74) アセフェート試験法
(75) ベンスルタップ試験法
(76) カルタップ試験法
(77) 削除
(78) ジチオピル試験法
(79) トリクロルホン試験法
(80) クロルピリホスメチル試験法
(81) チオシクラム試験法
(82) チオファネートメチル試験法
(83) ダイムロン試験法
(84) 削除
(85) 削除
(86) 削除
(87) エトキシスルフロン試験法
(88) アジムスルフロン試験法
(89) 削除
(90) フサライド試験法
(91) ピロキロン試験法
(92) チオジカルブ試験法
(93) フルトラニル試験法
(94) 削除
(95) プロメトリン試験法
(96) シメトリン試験法
(97) マラチオン試験法
(98) ビスピリバックナトリウム塩試験法
(99) ペルメトリン試験法
(100) ブプロフェジン試験法
(101) テブフェノジド試験法
(102) シハロホップブチル試験法
(104) フルアジホップ又はフルアジホップP試験法
(105) BPMC試験法
(106) ピリブチカルブ試験法
(107) クロマフェノジド試験法
(108) メトキシフェノジド試験法
(109) ブタクロール試験法
(110) ブロモブチド試験法
(111) エスプロカルブ試験法
(112) 削除
(113) メフェナセット試験法
(114) フェリムゾン試験法
(115) ヒメキサゾール試験法
(116) ハロスルフロンメチル試験法
(117) アゾキシストロビン試験法
(118) 削除
(119) ピリミノバックメチル試験法
(120) ベンスルフロンメチル試験法
(121) ジメタメトリン試験法
(122) 削除
(123) トリシクラゾール試験法
(124) ジノテフラン試験法
(125) 削除
(126) 削除
(127) 削除
(128) メタラキシル試験法
(129) メトミノストロビン試験法
(130) スピノサド試験法
(131) ピリフタリド試験法
(132) シメコナゾール試験法
(133) チアジニル試験法
(134) オキサジアゾン試験法
(135) 削除
(136) キャプタン試験法
(137) ダイアジノン試験法
(138) XMC試験法
(139) エチプロール試験法
(140) オリサストロビン試験法
(141) メタアルデヒド試験法
(142) ピラクロニル試験法
(143) ペノキススラム試験法
(144) オキサジアルギル試験法

  平成17年8月環境省告示第83号(農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件の一部を改正する件)の適用日前にされた登録の申請に関し、農薬取締法(昭和23年法律第82号)第3条第1項第7号に掲げる場合に該当するかどうかの基準については、同法第2条第2項第3号の事項についての申請書の記載に従い水田において当該種類の農薬を使用した場合に、その使用に係る水田の水中における当該種類の農薬の成分の150日間における平均濃度が、次の表の農薬の成分の欄に掲げる農薬の成分にあっては、同表の基準値の欄に掲げる濃度を超えないこととする。この場合の濃度の試験法は、2のとおりとする。

農薬の成分 基準値
2―アミノ―3―クロロ―1,4―ナフトキノン(別名ACN) 0.05mg/L
(±)―5―アミノ―1―(2,6―ジクロロ―α,α,α―トリフルオロ―p―トルイル)―4―トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール―3―カルボニトリル(別名フィプロニル) 0.005mg/L
3―アリルオキシ―1,2―ベンゾイソチアゾール―1,1―ジオキシド(別名プロベナゾール) 0.5mg/L
イソプロピルアンモニウム N―(ホスホノメチル)グリシナート(別名グリホサートイソプロピルアミン塩) N―(ホスホノメチル)グリシンとして4mg/L
N―イソプロピル―3―(3,5―ジクロロフェニル)―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミド(別名イプロジオン) 3mg/L
2―イソプロピルフェニル N―メチルカルバマート(別名イソプロカルブ又はMIPC) 0.1mg/L
3―イソプロピル―1H―2,1,3―ベンゾチアジアジン―4(3H)―オン 2,2―ジオキシドのナトリウム塩(別名ベンタゾンのナトリウム塩) 1mg/l
3′―イソプロポキシ―2―メチルベンズアニリド(別名メプロニル) 1mg/L
1,1′―イミニオジ(オクタメチレン)ジグアニジニウム トリアセタート(別名イミノクタジン酢酸塩) 1,1′―イミニオジ(オクタメチレン)ジグアニジニン(以下「イミノクタジン」という。)として0.06mg/L
エチル (RS)―2―[4―(6―クロロキノキサリン―2―イルオキシ)フェノキシ]プロピオナート(別名キザロホップエチル) 0.2mg/L
エチル 4―クロロ―o―トリルオキシアセタート(別名MCPAエチル)、S―エチル 4―クロロ―o―トリルオキシチオアセタート(別名フェノチオール又はMCPAチオエチル)又はナトリウム 4―クロロ―o―トリルオキシアセタート(別名MCPAナトリウム塩) 4―クロロ―o―トリルオキシ酢酸(以下「MCPA」という。)として0.05mg/L
エチル 4―(シクロプロピル―α―ヒドロキシメチレン)―3,5―ジオキソシクロヘキサンカルボキシラート(別名トリネキサパックエチル) 0.2mg/L
5―エチル―5,8―ジヒドロ―8―オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5―g]キノリン―7―カルボン酸(別名オキソリニック酸) 0.6mg/L
エチル N―[2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチルベンゾフラン―7―イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]―N―イソプロピル―β―アラニナート(別名ベンフラカルブ) 2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―7―ベンゾフラニル N―メチルカルバマート(以下「カルボフラン」という。)として0.05mg/L
O―エチル S,S―ジフェニル ホスホロジチオアート(別名エディフェンホス又はEDDP) 0.06mg/L
エチル 5―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルカルバモイルスルファモイル)―1―メチルピラゾール―4―カルボキシラート(別名ピラゾスルフロンエチル) 1mg/L
O―エチル O―(6―ニトロ―m―トリル) sec―ブチルホスホロアミドチオアート(別名ブタミホス) 0.1mg/L
O―エチル O―p―ニトロフェニル フェニルホスホノチオアート(別名EPN) 0.04mg/L
S―エチル ペルヒドロアゼピン―1―カルボチオアート(別名モリネート) 0.05mg/L
(RS)―2―(1―エトキシイミノブチル)―5―[2―(エチルチオ)プロピル]―3―ヒドロキシシクロヘキサ―2―エノン(別名セトキシジム) 4mg/L
S―α―エトキシカルボニルベンジル O,O―ジメチル ホスホロジチオアート(別名PAP又はフェントエート) 0.07mg/L
(4―エトキシフェニル)[3―(4―フルオロ―3―フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン(別名シラフルオフェン) 3mg/L
2―(4―エトキシフェニル)―2―メチルプロピル 3―フェノキシベンジル エーテル(別名エトフェンプロックス) 0.8mg/L
カルシウム 3―オキシド―5―オキソ―4―プロピオニル―3―シクロヘキセンカルボキシラート(別名プロヘキサジオンカルシウム塩) 5mg/L
S―4―クロロ―N―イソプロピルカルバニロイルメチル O,O―ジメチル ホスホロジチオアート(別名アニロホス) 0.03mg/L
1―(2―クロロイミダゾ[1,2―a]ピリジン―3―イルスルホニル)―3―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イル)尿素(別名イマゾスルフロン) 2mg/L
2―クロロ―2′,6′―ジエチル―N―(2―プロポキシエチル)アセトアニリド(別名プレチラクロール) 0.4mg/L
3―(4―クロロ―5―シクロペンチルオキシ―2―フルオロフェニル)―5―イソプロピリデン―1,3―オキサゾリジン―2,4―ジオン(別名ペントキサゾン) 2mg/L
(RS)―5―クロロ―N―(1,3―ジヒドロ―1,1,3―トリメチルイソベンゾフラン―4―イル)―1,3―ジメチルピラゾール―4―カルボキサミド(別名フラメトピル) 0.2mg/L
3―(2―クロロ―1,3―チアゾール―5―イルメチル)―5―メチル―1,3,5―オキサジアジナン―4―イリデン(ニトロ)アミン(別名チアメトキサム) 0.5mg/L
(E)―1―(2―クロロ―1,3―チアゾール―5―イルメチル)―3―メチル―2―ニトログアニジン(別名クロチアニジン) 2mg/L
(E)―N―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―N―エチル―N′―メチル―2―ニトロビニリデンジアミン(別名ニテンピラム) 13mg/L
3―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―1,3―チアゾリジン―2―イリデンシアナミド(別名チアクロプリド) 0.3mg/L
1―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―N―ニトロイミダゾリジン―2―イリデンアミン(別名イミダクロプリド) 1mg/L
(RS)―2―[2―(3―クロロフェニル)―2,3―エポキシプロピル]―2―エチルインダン―1,3―ジオン(別名インダノファン) 0.09mg/L
4―(2―クロロフェニル)―N―シクロヘキシル―N―エチル―4,5―ジヒドロ―5―オキソ―1H―テトラゾール―1―カルボキサミド(別名フェントラザミド) 0.1mg/L
(E)―(S)―1―(4―クロロフェニル)―4,4―ジメチル―2―(1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)ペンタ―1―エン―3―オール(別名ウニコナゾールP) 0.4mg/L
(2RS,3RS)―1―(4―クロロフェニル)―4,4―ジメチル―2―(1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)ペンタン―3―オール(別名パクロブトラゾール) 1mg/L
1―(4―クロロベンジル)―1―シクロペンチル―3―フェニル尿素(別名ペンシクロン) 0.4mg/L
1―(2―クロロベンジル)―3―(1―メチル―1―フェニルエチル)尿素(別名クミルロン) 0.3mg/L
3―(2―クロロ―4―メシルベンゾイル)―2―フェニルチオビシクロ[3,2,1]オクタ―2―エン―4―オン(別名ベンゾビシクロン) 0.4mg/L
4―(4―クロロ―2―メチルフェノキシ)酪酸エチル(別名MCPBエチル) 0.9mg/L
2―クロロ―N―(3―メトキシ―2―テニル)―2′,6′―ジメチルアセトアニリド(別名テニルクロール) 2mg/L
(RS)―2―シアノ―N―[(R)―1―(2,4―ジクロロフェニル)エチル]―3,3―ジメチルブチラミド(別名ジクロシメット) 0.1mg/L
N―(1―シアノ―1,2―ジメチルプロピル)―2―(2,4―ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド(別名フェノキサニル) 0.2mg/L
(RS)―α―シアノ―3―フェノキシベンジル (RS)―2,2―ジクロロ―1―(4―エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(別名シクロプロトリン) 0.08mg/L
ジイソプロピル 1,3―ジチオラン―2―イリデンマロナート(別名イソプロチオラン) 0.4mg/L
O,O―ジイソプロピル S―ベンジル ホスホロチオアート(別名IBP) 0.08mg/L
O,O―ジエチル O―(5―フェニル―3―イソオキサゾリル)ホスホロチオアート(別名イソキサチオン) 0.08mg/L
N,N―ジエチル―3―メシチルスルホニル―1H―1,2,4―トリアゾール―1―カルボキサミド(別名カフェンストロール) 0.08mg/L
1―[2―(シクロプロピルカルボニル)アニリノスルホニル]―3―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イル)尿素(別名シクロスルファムロン) 0.8mg/L
2′,3′―ジクロロ―4―エトキシメトキシベンズアニリド(別名エトベンザニド) 1mg/L
(1RS,3SR)―2,2―ジクロロ―N―[1―(4―クロロフェニル)エチル]―1―エチル―3―メチルシクロプロパンカルボキサミド(別名カルプロパミド) 0.4mg/L
(RS)―2―(2,4―ジクロロ―m―トリルオキシ)プロピオンアニリド(別名クロメプロップ) 0.2mg/L
6―(3,5―ジクロロ―p―トリル)ピリダジン―3(2H)―オン(別名ジクロメジン) 0.5mg/L
2―[4―(2,4―ジクロロ―m―トルオイル)―1,3―ジメチルピラゾール―5―イルオキシ]―4′―メチルアセトフェノン(別名ベンゾフェナップ) 0.04mg/L
2,2―ジクロロビニル ジメチル ホスファート(別名DDVP又はジクロルボス) 0.08mg/L
N―(3,5―ジクロロフェニル)―1,2―ジメチルシクロプロパン―1,2―ジカルボキシミド(別名プロシミドン) 0.9mg/L
3―[1―(3,5―ジクロロフェニル)―1―メチルエチル]―3,4―ジヒドロ―6―メチル―5―フェニル―2H―1,3―オキサジン―4―オン(別名オキサジクロメホン) 0.2mg/L
3―(3,4―ジクロロフェニル)―1―メトキシ―1―メチル尿素(別名リニュロン) 0.2mg/L
2,4―ジクロロフェノキシ酢酸エチル(別名2,4―PAエチル又は2,4―Dエチル)、2,4―ジクロロフェノキシ酢酸ジメチルアミン(別名2,4―PAジメチルアミン又は2,4―Dジメチルアミン)及び2,4―ジクロロフェノキシ酢酸ナトリウム(別名2,4―PAナトリウム又は2,4―Dナトリウム) 2,4―ジクロロフェノキシ酢酸(以下「2,4―D」という。)として0.3mg/L
2―[4―(2,4―ジクロロベンゾイル)―1,3―ジメチルピラゾール―5―イルオキシ]アセトフェノン(別名ピラゾキシフェン) 0.04mg/L
4―(2,4―ジクロロベンゾイル)―1,3―ジメチル―5―ピラゾリル p―トルエンスルホナート(別名ピラゾレート) 0.03mg/L
2,6―ジクロロベンゾニトリル(別名ジクロベニル又はDBN) 0.1mg/L
2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―7―ベンゾ[b]フラニル N―ジブチルアミノチオ―N―メチルカルバマート(別名カルボスルファン) カルボフランとして0.05mg/L
2,3―ジヒドロ―3,3―ジメチルベンゾフラン―5―イル エタンスルホナート(別名ベンフレセート) 0.7mg/L
(E)―4,5―ジヒドロ―6―メチル―4―(3―ピリジルメチレンアミノ)―1,2,4―トリアジン―3(2H)―オン(別名ピメトロジン) 0.3mg/L
2′,6′―ジブロモ―2―メチル―4′―トリフルオロメトキシ―4―トリフルオロメチル―1,3―チアゾール―5―カルボキスアニリド(別名チフルザミド) 0.5mg/L
O,S―ジメチル アセチルホスホロアミドチオアート(別名アセフェート) 0.8mg/L
S,S′―2―ジメチルアミノトリメチレン ジ(ベンゼンチオスルホナート)(別名ベンスルタップ) 0.9mg/L
S,S′―2―ジメチルアミノトリメチレン ビス(チオカルバマート)塩酸塩(別名カルタップ) 3mg/L
S,S′―ジメチル 2―ジフルオロメチル―4―イソブチル―6―トリフルオロメチルピリジン―3,5―ジカルボチオアート(別名ジチオピル) 0.08mg/L
ジメチル 2,2,2―トリクロロ―1―ヒドロキシエチルホスホナート(別名トリクロルホン又はDEP) 0.3mg/L
O,O―ジメチル O―3,5,6―トリクロロ―2―ピリジル ホスホロチオアート(別名クロルピリホスメチル) 0.008mg/L
N,N―ジメチル―1,2,3―トリチアン―5―イルアミンシュウ酸塩(別名チオシクラム) 0.3mg/L
ジメチル4,4′―o―フェニレンビス(3―チオアロファナート)(別名チオファネートメチル) 3mg/L
1―(α,α―ジメチルベンジル)―3―(パラトリル)尿素(別名ダイムロン) 8mg/L
1―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イル)―3―(2―エトキシフェノキシスルホニル)尿素(別名エトキシスルフロン) 1mg/L
1―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イル)―3―[1―メチル―4―(2―メチル―2H―テトラゾール―5―イル)ピラゾール―5―イルスルホニル]尿素(別名アジムスルフロン) 2mg/L
4,5,6,7―テトラクロロフタリド(別名フサライド) 1mg/L
1,2,5,6―テトラヒドロピロロ[3,2,1―ij]キノリン―4―オン(別名ピロキロン) 0.4mg/L
3,7,9,13―テトラメチル―5,11―ジオキサ―2,8,14―トリチア―4,7,9,12―テトラアザペンタデカ―3,12―ジエン―6,10―ジオン(別名チオジカルブ) 0.8mg/L
α,α,α―トリフルオロ―3′―イソプロポキシ―o―トルアニリド(別名フルトラニル) 2mg/L
2,4―ビス(イソプロピルアミノ)―6―メチルチオ―1,3,5―トリアジン(別名プロメトリン) 0.7mg/L
2,4―ビス(エチルアミノ)―6―メチルチオ―1,3,5―トリアジン(別名シメトリン) 0.3mg/L
S―1,2―ビス(エトキシカルボニル)エチル O,O―ジメチル ホスホロジチオアート(別名マラチオン又はマラソン) 0.1mg/L
2,6―ビス(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルオキシ)安息香酸ナトリウム(別名ビスピリバックナトリウム塩) 0.3mg/L
3―フェノキシベンジル(1RS,3RS)―(1RS,3SR)―3―(2,2―ジクロロビニル)―2,2―ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(別名ペルメトリン) 1mg/L
2―tert―ブチルイミノ―3―イソプロピル―5―フェニルペルヒドロ―1,3,5―チアジアジン―4―オン(別名ブプロフェジン) 0.1mg/L
N―tert―ブチル―N′―(4―エチルベンゾイル)―3,5―ジメチルベンゾヒドラジド(別名テブフェノジド) 0.2mg/L
ブチル (R)―2―[4―(4―シアノ―2―フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオナート(別名シハロホップブチル) 0.06mg/L
ブチル (RS)―2―[4―(5―トリフルオロメチル―2―ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオナート(別名フルアジホップ)又はブチル (R)―2―[4―(5―トリフルオロメチル―2―ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオナート(別名フルアジホップP) 0.3mg/L
2―sec―ブチルフェニル N―メチルカルバマート(別名BPMC) 0.2mg/L
O―3―tert―ブチルフェニル 6―メトキシ―2―ピリジル(メチル)チオカルバマート(別名ピリブチカルブ) 0.2mg/L
2′―tert―ブチル―5―メチル―2′―(3,5―キシロイル)クロマン―6―カルボヒドラジド(別名クロマフェノジド) 7mg/L
N―tert―ブチル―N′―(3―メトキシ―o―トルオイル)―3,5―キシロヒドラジド(別名メトキシフェノジド) 3mg/L
N―ブトキシメチル―2―クロロ―2′,6′―ジエチルアセトアニリド(別名ブタクロール) 0.3mg/L
(RS)―2―ブロモ―N―(α,α―ジメチルベンジル)―3,3―ジメチルブチルアミド(別名ブロモブチド) 0.4mg/L
S―ベンジル 1,2―ジメチルプロピル(エチル)チオカルバマート(別名エスプロカルブ) 0.1mg/L
2―ベンゾチアゾール―2―イルオキシ―N―メチルアセトアニリド(別名メフェナセット) 0.09mg/L
(Z)―2′―メチルアセトフェノン 4,6―ジメチルピリミジン―2―イルヒドラゾン(別名フェリムゾン) 0.2mg/L
5―メチルイソキサゾール―3―オール(別名ヒメキサゾール又はヒドロキシイソキサゾール) 1mg/L
メチル 3―クロロ―5―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルカルバモイルスルファモイル)―1―メチルピラゾール―4―カルボキシラート(別名ハロスルフロンメチル) 0.3mg/L
メチル (E)―2―[2―[6―(2―シアノフェノキシ)ピリミジン―4―イルオキシ]フェニル]―3―メトキシアクリラート(別名アゾキシストロビン) 5mg/L
メチル 2―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルオキシ)―6―(1―メトキシイミノエチル)ベンゾエート(別名ピリミノバックメチル) 0.2mg/L
メチル α―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルカルバモイルスルファモイル)―o―トルアート(別名ベンスルフロンメチル) 4mg/L
2―メチルチオ―4―(1,2―ジメチルプロピルアミノ)―6―エチルアミノ―1,3,5―トリアジン(別名ジメタメトリン) 0.2mg/L
5―メチル―1,2,4―トリアゾロ[3,4―b]ベンゾチアゾール(別名トリシクラゾール) 0.8mg/L
(RS)―1―メチル―2―ニトロ―3―(テトラヒドロ―3―フリルメチル)グアニジン(別名ジノテフラン) 6mg/L
メチル N―(2―メトキシアセチル)―N―(2,6―キシリル)―DL―アラニナート(別名メタラキシル) 0.5mg/L
(E)―2―メトキシイミノ―N―メチル―2―(2―フェノキシフェニル)アセトアミド(別名メトミノストロビン) 0.4mg/L
(2R,3aS,5aR,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)―2―(6―デオキシ―2,3,4―トリ―O―メチル―α―L―マンノピラノシルオキシ)―13―(4―ジメチルアミノ―2,3,4,6―テトラデオキシ―β―D―エリスロピラノシルオキシ)―9―エチル―2,3,3a,5a,5b,6,7,9,10,11,12,13,14,15,16a,16b―ヘキサデカヒドロ―14―メチル―1H―8―オキサシクロドデカ[b]as―インダセン―7,15―ジオン(以下「スピノシンA」という。)及び(2S,3aR,5aS,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)―2―(6―デオキシ―2,3,4―トリ―O―メチル―α―L―マンノピラノシルオキシ)―13―(4―ジメチルアミノ―2,3,4,6―テトラデオキシ―β―D―エリスロピラノシルオキシ)―9―エチル―2,3,3a,5a,5b,6,7,9,10,11,12,13,14,15,16a,16b―ヘキサデカヒドロ―4,14―ジメチル―1H―8―オキサシクロドデカ[b]as―インダセン―7,15―ジオン(以下「スピノシンD」という。)の混合物(別名スピノサド) 0.6mg/L
(RS)―7―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルチオ)―3―メチル―2―ベンゾフラン―1(3H)―オン(別名ピリフタリド) 0.1mg/L
(RS)―2―(4―フルオロフェニル)―1―(1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)―3―トリメチルシリルプロパン―2―オール(別名シメコナゾール) 0.2mg/L
3′─クロロ─4,4′─ジメチル─1,2,3─チアジアゾール─5─カルボキサニリド(別名チアジニル) 1mg/L
5―tert―ブチル―3―(2,4―ジクロロ―5―イソプロポキシフェニル)―1,3,4―オキサジアゾール―2(3H)―オン(別名オキサジアゾン) 0.09mg/L
N―(トリクロルメチルチオ)―4―シクロヘキセン―1,2―ジカルボキシミド(別名キャプタン) 3mg/L
O,O―ジエチル O―(2―イソプロピル―6―メチルピリミジン―4―イル) ホスホロチオアート(別名ダイアジノン) 0.05mg/L
3,5―ジメチルフェニル N―メチルカルバマート(別名XMC) 0.09mg/L
5―アミノ―1―(2,6―ジクロロ―α,α,α―トリフルオロ―p―トリル)―4―エチルスルフィニルピラゾール―3―カルボニトリル(別名エチプロール) 0.1mg/L
(2E)-2-(メトキシイミノ)-2-{2-[(3E,5E,6E)-5-(メトキシイミノ)-4,6-ジメチル-2,8-ジオキサ-3,7-ジアザノナ-3,6-ジエン-1-イル]フェニル}-N-メチルアセトアミド(別名オリサストロビン) 1mg/L
2,4,6,8-テトラメチル-1,3,5,7-テトラオキサシクロオクタン(別名メタアルデヒド) 0.5mg/L
1-(3-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)-5-[メチル(プロパ-2-イニル)アミノ]ピラゾール-4-カルボニトリル(別名ピラクロニル) 0.1mg/L
3-(2,2-ジフルオロエトキシ)-N-(5,8-ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン-2-イル)-α,α,α-トリフルオロトルエン-2-スルホンアミド(別名ペノキススラム) 1mg/L
5-tert-ブチル-3-[2,4-ジクロロ-5-(プロパ-2-イニルオキシ)フェニル]-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン(別名オキサジアルギル) 0.2mg/L

2 試験法

(1) ACN試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル、アセトン及びヘキサン それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラフ上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)を蒸留したもの
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ACN標準品 本品は、ACN99%以上を含み、融点は197~200℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン7mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(4:1)15mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液15mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめメタノール10ml及び蒸留水10mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 207、172、144
 感度 ACNの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ACNの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ACN標準品の0.01~0.2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってACNの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりACNの重量を求め、これに基づき、試料中のACNの濃度を算出する。

(2) フィプロニル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 フィプロニル標準品 本品は、フィプロニル99%以上を含み、融点は200~201℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)10mlで展開し、初めの溶出液10mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びメタノールの混液(1:1)5mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。メタノール8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 367、351、420
 感度 フィプロニルの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 フィプロニルの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フィプロニル標準品の0.02~0.4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフィプロニルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフィプロニルの重量を求め、これに基づき、試料中のフィプロニルの濃度を算出する。

(3) プロベナゾール試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 プロベナゾール標準品 本品は、プロベナゾール99%以上を含み、融点は138℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ5~15mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 130、103、159
 感度 プロベナゾールの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 プロベナゾールの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 プロベナゾール標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロベナゾールの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロベナゾールの重量を求め、これに基づき、試料中のプロベナゾールの濃度を算出する。

(4) グリホサートイソプロピルアミン塩試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 四ホウ酸ナトリウム 四ホウ酸ナトリウム(特級)
 9―フルオレニルメチルクロロホルマート 9―フルオレニルメチルクロロホルマート(純度97%以上のもの)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
 C18シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 N―(ホスホノメチル)グリシン(以下「グリホサート」という。)標準品 本品は、グリホサート99%以上を含み、分解点は230℃である。
ウ 試験溶液の調製
1) 試料5mlを、あらかじめメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄したC18シリカゲルミニカラムに流し入れ、次いで蒸留水5mlを流し入れ、流出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で水を留去する。
2) この残留物に0.05mol/L四ホウ酸ナトリウム溶液5mlを加えて溶かし、0.1%9―フルオレニルメチルクロロホルマートアセトン溶液5mlを加え、栓をして室温で20分間放置する。この溶液に酢酸エチル10mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取して試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 強塩基性陰イオン交換樹脂を用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶離液 0.1mol/Lリン酸二水素カリウム溶液及びアセトニトリルの混液(3:1)を用い、N―(9―フルオレニルメトキシカルボニル)―N―(ホスホノメチル)グリシンが約10分で流出するように流速を調整する。
 検出器 励起波長254nm、けい光波長315nmで測定する。
 感度 グリホサートの0.2ngから誘導されるN―(9―フルオレニルメトキシカルボニル)―N―(ホスホノメチル)グリシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 グリホサート標準品の500mg/L溶液を調製し、この1mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてウの2)と同様の操作を行い、その水層を0.05mol/L四ホウ酸ナトリウム溶液で希釈してグリホサート0.01~0.2mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってグリホサートの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりグリホサートの重量を求め、これに基づき、試料中のグリホサートの濃度を算出する。

(5) イプロジオン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 イプロジオン標準品 本品は、イプロジオン99%以上を含み、融点は135℃である。
 N―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミド標準品 本品は、N―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミド99%以上を含み、融点は200℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 イプロジオンの場合は、314、187、245、N―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミドの場合は、127、142、329、187
 感度 イプロジオン及びN―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミドのそれぞれ0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 イプロジオン及びN―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミドのそれぞれ0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 イプロジオン標準品及びN―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミド標準品のそれぞれ0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイプロジオン及びN―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイプロジオン及びN―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミドの重量を求める。このイプロジオンの重量の値とN―(3,5―ジクロロフェニル)―3―イソプロピル―2,4―ジオキソイミダゾリジン―1―カルボキサミドの重量の値を和し、これに基づき、試料中のイプロジオンの濃度を算出する。

(6) イソプロカルブ試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 イソプロカルブ標準品 本品は、イソプロカルブ99.9%以上を含み、融点は94.6~96.6℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 121、136、193
 感度 イソプロカルブの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 イソプロカルブの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 イソプロカルブ標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイソプロカルブの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイソプロカルブの重量を求め、これに基づき、試料中のイソプロカルブの濃度を算出する。

(7) ベンタゾンのナトリウム塩試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ及びメチル化装置(別図)を用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
 ジエチレングリコールモノエチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル(純度98%以上のもの)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド(純度98%以上のもの)
 ジアゾメタンジエチルエーテル溶液 本品は、以下の操作により用時調製したものであり、黄色を呈する。
 メチル化装置のジエチルエーテル管(別図の(I))にジエチルエーテル5mlを、ジアゾメタン発生管(別図の(II))にジエチレングリコールモノエチルエーテル4ml及び10mol/L水酸化カリウム溶液2mlを、反応管(別図の(III))にジエチルエーテル50mlをそれぞれ入れる。N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド2gをジエチルエーテル5mlに溶かしてジアゾメタン発生管に入れ、窒素ガスを5分間穏やかに通じて反応させた後の反応管の内溶液をとったもの
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ベンタゾン標準品 本品は、ベンタゾン99%以上を含み、融点は137~139℃である。
ウ 試験溶液の調製
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及びジエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水槽に2mol/L塩酸5ml及びジエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。残った水層にジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にジアゾメタンジエチルエーテル溶液10mlを加え、栓をして室温に30分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。ケイ酸マグネシウムミニカラムにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(95:5)20mlで展開し、初めの溶出液15mlは捨て、次の溶出液20mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にジメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 212、254、175
 感度 ベンタゾンの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ベンタゾンの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ベンタゾン標準品の500mg/Lアセトン溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。以下、この溶液についてウの2)と同様の操作を行い、残留物にアセトンを加えて溶かし50mlとする。この溶液をアセトンで希釈し、ベンタゾン0.2~4.0mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンタゾンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンタゾンの重量を求め、これに基づき、試料中のベンタゾンの濃度を算出する。

(8) メプロニル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 メプロニル標準品 本品は、メプロニル99%以上を含み、融点は92~93℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめメタノール5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。メタノール5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ5~15mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 119、91、269
 感度 メプロニルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 メプロニルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 メプロニル標準品の0.2~4mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメプロニルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメプロニルの重量を求め、これに基づき、試料中のメプロニルの濃度を算出する。

(9) イミノクタジン酢酸塩試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 塩酸グアニジン 塩酸グアニジン(純度98%以上のもの)
 クロロホルム クロロホルム(特級)
 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)
 炭酸ナトリウム 炭酸ナトリウム(特級)
 トルエン トルエン(特級)
 1,1,1,5,5,5―ヘキサフルオロ―2,4―ペンタジオン 1,1,1,5,5,5―ヘキサフルオロ―2,4―ペンタジオン(純度95%以上のもの)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水トリフルオロ酢酸 無水トリフルオロ酢酸(純度99%以上のもの)
 メタノール メタノール(特級)
 硫酸 硫酸(特級)
 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 イミノクタジン酢酸塩標準品 本品は、イミノクタジン酢酸塩98.0%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩酸グアニジン5g、水酸化ナトリウム8g及びクロロホルム100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、クロロホルム層を分取する。残った水層についても、クロロホルム100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全クロロホルム層を500mlの分液漏斗に合わせ、0.05mol/L硫酸50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。残ったクロロホルム層についても、0.05mol/L硫酸25mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全水層を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で約10mlに濃縮する。この濃縮液を少量の蒸留水で50mlのナス型フラスコに移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で約0.5mlに濃縮する。この濃縮液に二酸化炭素の発生が止むまで飽和炭酸ナトリウム溶液を滴下して加える。
2) これに飽和炭酸水素ナトリウム溶液0.2ml、トルエン5ml及び1,1,1,5,5,5―ヘキサフルオロ―2,4―ペンタジオン0.5mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら90℃で4時間加熱する。冷後これに5%炭酸水素ナトリウム溶液5mlを加え、振り混ぜた後、ヘキサン20mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン20mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を100mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて100mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、無水トリフルオロ酢酸0.2mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら25℃で6時間放置する。これを蒸留水10ml、次いで5%炭酸水素ナトリウム溶液5mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン20mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を100mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)5mlで展開し、溶出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にトルエンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ1~5mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は250~280℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 イミノクタジン酢酸塩の0.4ngから誘導されるN,N―ビス[4,6―ビス(トリフルオロメチル)―2―ピリミジニルアミノオクタメチレン]トリフルオロアセトアミドの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 イミノクタジン酢酸塩標準品の50mg/Lメタノール溶液を調製し、この1mlを50mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。以下、この残留物についてウの2)と同様の操作を行い、その残留物にトルエンを加えて溶かし10mlとする。この溶液をトルエンで希釈してイミノクタジン酢酸塩0.2~4mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイミノクタジン酢酸塩の検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイミノクタジン酢酸塩の重量を求め、これに係数0.66を乗じてイミノクタジンの重量に換算し、これに基づき、試料中のイミノクタジンの濃度を算出する。

(10) キザロホップエチル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ及びメチル化装置((6)ベンタゾン及びベンタゾンのナトリウム塩の試験法の別図(以下(9)において「別図」という。)に掲げる構成のもの)を用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
 ジエチレングリコールモノエチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル(純度98%以上のもの)
 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)
 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド(純度98%以上のもの)
 ジアゾメタンジエチルエーテル溶液 本品は、以下の操作により用時調製したものであり、黄色を呈する。
 メチル化装置のジエチルエーテル管(別図の(I))にジエチルエーテル5mlを、ジアゾメタン発生管(別図の(II))にジエチレングリコールモノエチルエーテル4ml及び10mol/L水酸化カリウム溶液2mlを、反応管(別図の(III))にジエチルエーテル50mlをそれぞれ入れる。N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド2gをジエチルエーテル5mlに溶かしてジアゾメタン発生管に入れ、窒素ガスを5分間穏やかに通じて反応させた後の反応管の内容液を取ったもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 メチル (RS)―2―[4―(6―クロロキノキサリン―2―イルオキシ)フェノキシ]プロピオナート(以下「キザロホップメチル」という。)標準品 本品は、キザロホップメチル99.5%以上を含み、融点は129.4~130.3℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、6mol/L塩酸5ml、塩化ナトリウム20g並びにジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン2ml及びメタノール5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ5℃に冷却した0.2mol/L水酸化ナトリウム溶液30mlを加え、栓をして、時々振り混ぜながら30分間放置した後、6mol/L塩酸5mlを加える。この溶液を20%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジエチルエーテル2mlを加えて溶かす。
 この溶液にジアゾメタンジエチルエーテル溶液を黄色が残るまで加え、栓をして30分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)15mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液15mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 358、299、243
 感度 キザロホップメチルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 キザロホップメチルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 キザロホップメチル標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってキザロホップメチルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりキザロホップメチルの重量を求め、これに係数1.04を乗じてキザロホップエチルの重量に換算し、これに基づき、試料中のキザロホップエチルの濃度を算出する。

(11) MCPAエチル、フェノチオール(MCPAチオエチル)又はMCPAナトリウム塩

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 MCPA標準品 本品は、MCPA98%以上を含み、融点は118~119℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1)試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを1に調整する。これに、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2)この残留物にメタノール20mlを加えて溶かし、次いで1mol/L水酸化ナトリウム溶液20mlを加え、10分間振とうする。
 ナス型フラスコ中の溶液を10%塩化ナトリウム溶液100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、これにヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層を300mlの分液漏斗に入れ、4mol/L塩酸10ml及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを500mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを1に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管 温度40℃
 溶離液 メタノール、蒸留水及びリン酸の混液(60:40:0.1)を用い、MCPAが10~15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長230nmで測定する。
 感度 MCPAの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 MCPA標準品の0.05~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってMCPAの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりMCPAの重量を求め、これに基づき、試料中のMCPAの濃度を算出する。

(12) トリネキサパックエチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 固相抽出カラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 4―(シクロプロピル―α―ヒドロキシ―メチレン)―3,5―ジオキソシクロヘキサン酢酸(以下、「トリネキサパック」という。)標準品 本品は、トリネキサパック97.0%以上を含み、融点は144.4℃である。

 トリネキサパックエチル標準品 本品は、トリネキサパックエチル99.3%以上を含み、融点は36.1~36.6℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、リン酸10ml、次いでヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、4mlとしてトリネキサパックエチルの試験溶液とする。

2) 1)において残った水層を500mlの分液漏斗に取り、ジエチルエーテル及びヘキサンの混液(7:3)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、3mlとしてトリネキサパックの試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlをあらかじめメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びメタノールの混液(17:3)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。メタノール及び蒸留水の混液(13:7)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(4:1)を加えて溶かし、3mlとしてトリネキサパックの試験溶液とする。
 次いで固相抽出カラムを蒸留水及びメタノールの混液(1:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、4mlとしてトリネキサパックエチルの試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

I トリネキサパックエチル

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 0.5%リン酸及びアセトニトリルの混液(3:2)を用い、トリネキサパックエチルが10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長280nmで測定する。

 感度 トリネキサパックエチルの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

II トリネキサパック

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 0.5%リン酸及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、トリネキサパックが30~35分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長280nmで測定する。

 感度 トリネキサパックの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

I トリネキサパックエチル

 トリネキサパックエチル標準品の0.025~0.5mg/L蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトリネキサパックエチルの検量線を作成する。

II トリネキサパック

 トリネキサパック標準品の0.025~0.5mg/L蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトリネキサパックの検量線を作成する。

カ 定量試験

 トリネキサパックエチル及びトリネキサパックの試験溶液からそれぞれ40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリネキサパックエチル及びトリネキサパックの重量を求める。このトリネキサパックエチルの重量の値と、トリネキサパックの重量の値に係数1.13を乗じてトリネキサパックエチルの重量に換算したものとを合計し、これに基づき、試料中のトリネキサパックエチルの濃度を算出する。

(13) オキソリニック酸試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 クエン酸 クエン酸(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)
 テトラヒドロフラン テトラヒドロフラン(特級)
 トリ―n―オクチルアミン トリ―n―オクチルアミン(純度97%以上のもの)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 オキソリニック酸標準品 本品は、オキソリニック酸99%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、メタノール及び4mol/L水酸化カリウム溶液の混液(3:1)10ml、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン80mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にジクロロメタン80mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。この水層に塩酸6ml、蒸留水60ml及びジクロロメタン80mlを加え、振とう機を用いて激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン40mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジクロロメタン10mlを加えて溶かす。
 シリカゲルミニカラムにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン8ml、次いで8.5%リン酸0.8ml、次いでジクロロメタン15mlで展開し、初めの溶出液8mlは捨て、次の溶出液15mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及び4mol/L水酸化カリウム溶液の混液(3:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを200mlの三角フラスコに量り取り、塩酸6mlを加える。これを、あらかじめメタノール5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れる。流出液を捨てた後、アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及び4mol/L水酸化カリウム溶液の混液(3:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 0.5%クエン酸溶液、アセトニトリル及び0.3%トリ―n―オクチルアミンテトラヒドロフラン溶液の混液(8:1:1)を用い、オキソリニック酸が約6分で流出するように流速を調整する。
 検出器 励起波長270nm、けい光波長370nmで測定する。
 感度 オキソリニック酸の0.75ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 オキソリニック酸標準品の0.15~3mg/Lメタノール及び4mol/L水酸化カリウム溶液の混液(3:1)溶液を数点調製し、それぞれを5μlずつ高速クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキソリニック酸の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から5μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキソリニック酸の重量を求め、これに基づき、試料中のオキソリニック酸の濃度を算出する。

(14) ベンフラカルブ試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム(特級)
 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ20mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 0.2mol/Lリン酸緩衝液 0.2mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に0.2mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを8に調整したもの
 カルボフラン標準品 本品は、カルボフラン97.5%以上を含み、融点は153~154℃である。
 ベンフラカルブ標準品 本品は、ベンフラカルブ98%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを1Lの分液漏斗に量り取り、0.2mol/Lリン酸緩衝液20ml、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをベンフラカルブ溶出液とする。続いてヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをカルボフラン溶出液とする。
 ベンフラカルブ溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとしてベンフラカルブの試験溶液とする。
 カルボフラン溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)20mlで展開し、全溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとしてカルボフランの試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlに塩化ナトリウム10g及び0.2mol/Lリン酸緩衝液20mlを加える。この溶液を、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、A法の2)と同様の操作を行う。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約200℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 ベンフラカルブの場合は190、163、353、カルボフランの場合は164、149、221
 感度 ベンフラカルブ及びカルボフランのそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 250~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ベンフラカルブ及びカルボフランのそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ベンフラカルブ標準品及びカルボフラン標準品のそれぞれ0.05~0.1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンフラカルブ及びカルボフランの検量線を作成する。
カ 定量試験
 ベンフラカルブ及ぴカルボフランの試験溶液からそれぞれ2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンフラカルブ及びカルボフランの重量を求める。このベンフラカルブの重量の値に係数0.54を乗じてカルボフランの重量に換算したものとカルボフランの重量の値とを合計し、これに基づき、試料中のカルボフランの濃度を算出する。

(15) エディフェンホス試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 エディフェンホス標準品 本品は、エディフェンホス99%以上を含み、融点は16~17℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1)試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2)この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)8mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)8mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1)質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 310、201、173、109
 感度 エディフェンホスの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2)アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
 感度 エディフェンホスの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 エディフェンホス標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエディフェンホスの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエディフェンホスの重量を求め、これに基づき、試料中のエディフェンホスの濃度を算出する。

(16) ピラゾスルフロンエチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ベンゼン ベンゼン(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
 塩基性アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用塩基性アルミナ900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ピラゾスルフロンエチル標準品 本品は、ピラゾスルフロンエチル99.7%以上を含み、融点は181~182℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、4mol/Lリン酸2ml、塩化ナトリウム5g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にベンゼン及びメタノールの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、塩基性アルミナミニカラムにベンゼン及びメタノールの混液(9:1)10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール及び酢酸の混液(99:1)20mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水を加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを200mlの三角フラスコに量り取り、塩酸5mlを加える。これを、あらかじめメタノール10ml及び蒸留水10mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れる。流出液を捨てた後、アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水を加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(60:40:0.5)を用い、ピロゾスルフロンエチルが約4分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長254nmで測定する。
 感度 ピラゾスルフロンエチルの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ピラゾスルフロンエチル標準品の0.1~2mg/L水溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピラゾスルフロンエチルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりピラゾスルフロンエチルの重量を求め、これに基づき、試料中のピラゾスルフロンエチルの濃度を算出する。

(17) ブタミホス試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ブタミホス標準品 本品は、ブタミホス99%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料500mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム25g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料500mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 286、232、200
 感度 ブタミホスの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
 感度 ブタミホスの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ブタミホス標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブタミホスの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブタミホスの重量を求め、これに基づき、試料中のブタミホスの濃度を算出する。

(18) EPN試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 へキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 EPN標準品 本品は、EPN98%以上を含み、融点は36℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。

2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、蒸留水5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトン10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は100~150℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

検出部

1) 質量分析計

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 323、157、169

 感度 EPNの0.08ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器

 検出器温度 260~280℃

 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 感度 EPNの0.08ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 EPN標準品の0.04~0.8mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってEPNの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりEPNの重量を求め、これに基づき、試料中のEPNの濃度を算出する。

(19) モリネート試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 モリネート標準品 本品は、モリネート99%以上を含み、沸点は137℃(10mmHg)である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ5~10mの溶融シリカ製の管の内面にシリコンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 130~160℃
 試料気化室温度 250℃
 検出器温度 280℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、モリネートが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 モリネートの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 モリネート標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってモリネートの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりモリネートの重量を求め、これに基づき、試料中のモリネートの濃度を算出する。

(20) セトキシジム試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 過酸化水素水 過酸化水素水(特級)
 カタラーゼ カタラーゼ
 水酸化バリウム 水酸化バリウム(特級)
 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタ重亜硫酸カリウム メタ重亜硫酸カリウム(特級)
 ヨウ化カリウムデンプン紙 ヨウ化カリウムデンプン紙
 硫酸 硫酸(特級)
 C18シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ジメチル 3―[2―(エチルスルホニル)プロピル]ペンタン―1,5―ジオアート(以下「DME」という。)標準品 本品は、DME99%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
 試料50mlを300mlの丸底フラスコに量り取り、蒸留水50ml及び水酸化バリウム1gを加えて溶解し、還流冷却器を付して加熱する。還流が始まったら過酸化水素水5mlを加え15分間加熱還流した後、更に過酸化水素水5mlを加え15分間加熱還流する。終了後、室温まで冷却した後、1mol/L塩酸を加えてpHを6.7~7.5に調整する。これにカタラーゼ50μlを撹拌しながら徐々に滴下した後、pHが5.0~5.5となるまでメタ重亜硫酸カリウムを加える。ヨウ化カリウムデンプン紙で発色しない事を確認した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール100mlを加えて溶かす。
 この溶液に無水硫酸ナトリウム5g及び硫酸5mlを加え、30分間加熱還流する。冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液100mlを徐々に加え、ジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に移し、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水10mlを加えて溶かす。
 C18シリカゲルミニカラムにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(95:5)20ml、次いで蒸留水及びメタノールの混液(8:2)25mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液25mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて45℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 169、263、201
 感度 DMEの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 フィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。
 感度 DMEの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 DME標準品の0.5~5.0mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってDMEの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりDMEの重量を求め、これに係数1.11を乗じてセトキシジムの重量に換算し、これに基づき、試料中のセトキシジムの濃度を算出する。

(21) フェントエート試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 フェントエート標準品 本品は、フェントエート98%以上を含み、分解点は202~204℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン25ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、初めの溶出液25mlは捨て、次の溶出液15mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、7mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、7mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にジメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 274、246、320
 感度 フェントエートの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
 感度 フェントエートの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フェントエート標準品の0.01~0.2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフェントエートの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェントエートの重量を求め、これに基づき、試料中のフェントエートの濃度を算出する。

(22) シラフルオフェン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 エチルエーテル エチルエーテル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シラフルオフェン標準品 本品は、シラフルオフェン97%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20ml、次いでヘキサン及びエチルエーテルの混液(19:1)10mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合は、この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして、高速液体クロマトグラフを用いる場合は、この残留物にアセトニトリル、メタノール及び蒸留水の混液(7:2:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
1) ガスクロマトグラフ質量分析計
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 179、286、256
 感度 シラフルオフェンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
 2) 高速液体クロマトグラフ
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル、メタノール及び蒸留水の混液(7:2:1)を用い、シラフルオフェンが8~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長230nmで測定する。
 感度 シラフルオフェンの2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
1) ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合
 シラフルオフェン標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシラフルオフェンの検量線を作成する。
2) 高速液体クロマトグラフを用いる場合
 シラフルオフェン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル、メタノール及び蒸留水の混液(7:2:1)で希釈して0.2~4mg/L溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシラフルオフェンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合は2μlを、高速液体クロマトグラフを用いる場合は10μlを取り、ガスクロマトグラフ質量分析計又は高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりシラフルオフェンの重量を求め、これに基づき、試料中のシラフルオフェンの濃度を算出する。

(23) エトフェンプロックス試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 エトフェンプロックス標準品 本品は、エトフェンプロックス99%以上を含み、融点は36.4~38.0℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。ガスクロマトグラフを用いる場合は、この残留物にヘキサンを加えて溶かし、1mlとして、高速液体クロマトグラフを用いる場合は、この残留物にメタノール及び蒸留水の混液(9:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
1) ガスクロマトグラフ質量分析計
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 376、163、135
 感度 エトフェンプロックスの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 高速液体クロマトグラフ
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶離液 メタノール及び蒸留水の混液(9:1)を用い、エトフェンプロックスが8~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長225nmで測定する。
 感度 エトフェンプロックスの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
1) ガスクロマトグラフを用いる場合
 エトフェンプロックス標準品の0.2~4mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエトフェンプロックスの検量線を作成する。
2) 高速液体クロマトグラフを用いる場合
 エトフェンプロックス標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液をメタノール及び蒸留水の混液(9:1)で希釈して0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエトフェンプロックスの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から、ガスクロマトグラフを用いる場合は2μlを、高速液体クロマトグラフを用いる場合は10μlを取り、ガスクロマトグラフ又は高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりエトフェンプロックスの重量を求め、これに基づき、試料中のエトフェンプロックスの濃度を算出する。

 (24) 削除

(25) プロヘキサジオンカルシウム塩試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 ギ酸 ギ酸(特級)
 硫酸 硫酸(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 プロヘキサジオン標準品 本品は、プロヘキサジオン99%以上を含み、融点は123~125℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料100mlを200mlの三角フラスコに量り取り、硫酸3ml及びアセトニトリル1mlを加える。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、蒸留水5ml及び0.5mol/L硫酸5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを0.5mol/L硫酸5mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れる。流出液を捨てた後、アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水、アセトニトリル及びギ酸の混液(6:4:0.005)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 蒸留水、アセトニトリル及びギ酸の混液(6:4:0.005)を用い、プロヘキサジオンが約4分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長275nmで測定する。
 感度 プロヘキサジオンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 プロヘキサジオン標準品の200mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水、アセトニトリル及びギ酸の混液(6:4:0.005)で希釈して0.04~0.8mg/L溶液を数点調製し、それぞれ10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロヘキサジオンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロヘキサジオンの重量を求め、これに係数1.18を乗じてプロヘキサジオンカルシウム塩の重量に換算し、これに基づき、試料中のプロヘキサジオンカルシウム塩の濃度を算出する。

(26) アニロホス試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 アニロホス標準品 本品は、アニロホス99.5%以上を含み、融点は50.5~52.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にトルエンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同じ操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ15~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は100~約150℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

検出部

1) 質量分析計

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 334、226、125

 感度 アニロホスの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 アニロホスの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アニロホス標準品の0.05~1mg/Lトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアニロホスの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアニロホスの重量を求め、これに基づき、試料中のアニロホスの濃度を算出する。

(27) イマゾスルフロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのポリエチレン製カラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1850mgを充てんしたもの
 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン
 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル
 イマゾスルフロン標準品 本品は、イマゾスルフロン98%以上を含み、融点は183~184℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g、1mol/L塩酸5ml並びにヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル10mlを加えて溶かす。
 アルミナミニカラムにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル20ml、次いでアセトニトリル及び蒸留水の混液(8:2)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及び酢酸の混液(5:5:0.06)を用い、イマゾスルフロンが約10分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長238nmで測定する。
 感度 イマゾスルフロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 イマゾスルフロン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイマゾスルフロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりイマゾスルフロンの重量を求め、これに基づき、試料中のイマゾスルフロンの濃度を算出する。

(28) プレチラクロール試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
 プレチラクロール標準品 本品は、プレチラクロール99%以上を含み、沸点は135℃(0.133Pa)である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン100ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(95:5)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 238、162、176
 感度 プレチラクロールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 プレチラクロールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 プレチラクロール標準品の0.05~2.0mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプレチラクロールの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプレチラクロールの重量を求め、これに基づき、試料中のプレチラクロールの濃度を算出する。

(29) ペントキサゾン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ペントキサゾン標準品 本品は、ペントキサゾン95.0%以上を含み、融点は104℃である。
 N―[4―クロロ―5―(シクロペンチルオキシ)―2―フルオロフェニル]―2―ヒドロキシ―3―メチルブタンアミド(以下「メチルブタンアミド体」という。)標準品 本品は、メチルブタンアミド体99.8%以上を含み、融点は107.0~109.3℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いでアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(7:3)を用い、ペントキサゾンが10~15分で、メチルブタンアミノ体が7~10分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長290nmで測定する。
 感度 ペントキサゾン及びメチルブタンアミノ体のそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ペントキサゾン標準品及びメチルブタンアミノ体標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってペントキサゾン及びメチルブタンアミノ体の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりペントキサゾン及びメチルブタンアミノ体の重量を求める。このペントキサゾンの重量の値とメチルブタンアミノ体の重量の値に係数1.07を乗じてペントキサゾンの重量に換算したものを和し、これに基づき、試料中のペントキサゾンの濃度を算出する。

 (30) 削除

(31) フラメトピル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 フラメトピル標準品 本品は、フラメトピル99%以上を含み、融点は147.3℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10ml、次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:2)10mlで展開し、初めの溶出液10mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 157、298、291、318
 感度 フラメトピルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 フラメトピルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フラメトピル標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフラメトピルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフラメトピルの重量を求め、これに基づき、試料中のフラメトピルの濃度を算出する。

(32) チアメトキサム試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 SCXシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用SCXシリカゲル(シリカゲルにスルホフェニルプロピル基を化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 チアメトキサム標準品 本品は、チアメトキサム99.3%以上を含み、融点は139.1℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。あらかじめ、SCXシリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び酢酸エチル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(17:3)を用い、チアメトキサムが10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長258nmで測定する。

 感度 チアメトキサムの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 チアメトキサム標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチアメトキサムの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアメトキサムの重量を求め、これに基づき、試料中のチアメトキサムの濃度を算出する。

(33) クロチアニジン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80~160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 クロチアニジン標準品 本品は、クロチアニジン98%以上を含み、融点は176.8℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを500mlの分液漏斗に量り取り、酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、アルミナミニカラムに酢酸エチル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を用い、クロチアニジンが15~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長265nmで測定する。

 感度 クロチアニジンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 クロチアニジン標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(3:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクロチアニジンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロチアニジンの重量を求め、これに基づき、試料中のクロチアニジンの濃度を算出する。

 (34) 削除

 (35) 削除

(36) ニテンピラム試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計、アルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ又は紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(純度98%以上のもの)
 トリエチルアミン トリエチルアミン(純度99%以上のもの)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1850mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 スチレンジビニルベンゼン共重合体吸着剤 スチレンジビニルベンゼン共重合体(無極性、粒径250~600μm、平均孔径30nm)をアセトンで洗浄したものを同液中に保存したもの
 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ニテンピラム標準品 本品は、ニテンピラム99%以上を含み、融点は83℃である。
 N―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―N―エチルホルムアミド(以下「CPF」という。)標準品 本品は、CPF97%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
1) 試料200mlを300mlの三角フラスコに量り取り、2mol/L塩酸5mlを加える。
 あらかじめ、スチレンジビニルベンゼン共重合体吸着剤20mlをアセトンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、アセトン50ml、次いで蒸留水200mlを流し入れ、洗浄しておく。これに三角フラスコ中の溶液を毎分約5mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを0.05mol/L塩酸20mlで洗い、その洗液をクロマト管に同様に流し入れ、蒸留水50ml、次いでアセトン100mlを毎分約5mlの流速で流し入れて展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlの三角フラスコに取る。これの50mlを200mlのナス型フラスコに移し、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、アルミナミニカラムにメタノール5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール20mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合は、この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして、高速液体クロマトグラフを用いる場合は、この残留物に0.05mol/Lリン酸二水素カリウム溶液及びメタノールの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとしてニテンピラムの試験溶液とする。
2) 1)において三角フラスコに残った溶出液を50℃で90分間振とうし、溶出液中の2―[N―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―N―エチル]アミノ―2―メチルイミノ酢酸(以下「CPMA」という。)をN―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―N―エチル―N′―メチルホルムアミジン(以下「CPMF」という。)に誘導する。この溶液を200mlのナス型フラスコに移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。この濃縮液にトリエチルアミン約0.5mlを加えてpHを10に調整した後、50℃で30分間振とうし、溶液中のCPMFをCPFに誘導する。
3) この溶液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、15分間放置する。ジエチルエーテル100mlで展開し、溶出液を200mlの三角フラスコに取り、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとしてCPMA及びCPMFの試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
1) ガスクロマトグラフ質量分析計
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 ニテンピラムの場合は、169、126、207、236、CPFの場合は、126、141、169、198
 感度 ニテンピラムの0.2ng又はCPFの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) ガスクロマトグラフ
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 CPFの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
3) 高速液体クロマトグラフ
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 0.05mol/Lリン酸二水素カリウム溶液及びメタノールの混液(4:1)を用い、ニテンピラムが約8分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長270nmで測定する。
 感度 ニテンピラムの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
I ニテンピラムの検量線の作成
1) ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合
 ニテンピラム標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってニテンピラムの検量線を作成する。
2) 高速液体クロマトグラフを用いる場合
 ニテンピラム標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を0.05mol/Lリン酸二水素カリウム溶液及びメタノールの混液(4:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってニテンピラムの検量線を作成する。
II CPFの検量線の作成
 CPF標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってCPFの検量線を作成する。
カ 定量試験
 ニテンピラムの試験溶液から、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合は2μlを、高速液体クロマトグラフを用いる場合は20μlを取り、ガスクロマトグラフ質量分析計又は高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりニテンピラムの重量を求め、これに基づき、試料中のニテンピラムの濃度を算出する。
 また、CPMA及びCPMFの試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりCPMA及びCPMFから誘導されるCPFの重量を求め、これに基づき、試料中のCPMA及びCPMFから誘導されるCPFの濃度を算出する。
 このニテンピラムの濃度の値とCPMA及びCPMFから誘導されるCPFの濃度の値に係数1.36を乗じてニテンピラムの濃度に換算したものを和し、試料中のニテンピラムの濃度を算出する。

(37) チアクロプリド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 固相抽出カラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 チアクロプリド標準品 本品は、チアクロプリド98.0%以上を含み、融点は135~136℃である。

 3―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―1,3―チアゾリジン―2―イリデンアミノカルボキサミド(以下「アミド体」という。)標準品 本品は、アミド体98.0%以上を含み、融点は158~160℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを500mlの分液漏斗に量り取り、アセトン5ml、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にへキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトン及びヘキサンの混液(1:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlをあらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを加えて溶かす。以下、A法の2)と同じ操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、チアクロプリドが20~25分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長240nmで測定する。

 感度 チアクロプリド及びアミド体のそれぞれ0.5ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 チアクロプリド標準品及びアミド体標準品のそれぞれ500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、各溶液を等量ずつ合わせ取ったものを蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈し、チアクロプリド及びアミド体0.025~0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチアクロプリド及びアミド体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアクロプリド及びアミド体の重量を求める。このチアクロプリドの重量の値とアミド体の重量の値に係数0.93を乗じてチアクロプリドの値に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のチアクロプリドの濃度を算出する。

(38) イミダクロプリド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 イミダクロプリド標準品 本品は、イミダクロプリド98%以上を含み、融点は144℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(3:2)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、イミダクロプリドが8~12分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長270nmで測定する。
感度 イミダクロプリドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 イミダクロプリド標準品の500mg/lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈して0.05~1mg/l溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってイミダクロプリドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりイミダクロプリドの重量を求め、これに基づき、試料中のイミダクロプリドの濃度を算出する。

(39) インダノファン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 インダノファン標準品 本品は、インダノファン99%以上を含み、融点は61.4~62℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料100mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5gを加え、次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 ガスクロマトグラフを用いる場合は、この残留物にアセトンを加えて溶かし2mlとして、高速液体クロマトグラフを用いる場合は、この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を加えて溶かし4mlとして、試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlをあらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトン10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 ガスクロマトグラフを用いる場合は、この残留物にアセトンを加えて溶かし2mlとして、高速液体クロマトグラフを用いる場合は、この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を加えて溶かし4mlとして、試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
1)ガスクロマトグラフ質量分析計
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径O.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 341、139、309
 感度 インダノファンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2)高速液体クロマトグラフ
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を用い、インダノファンが8~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長227nmで測定する。
 感度 インダノファンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
1)ガスクロマトグラフを用いる場合
 インダノファン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってインダノファンの検量線を作成する。
2)高速液体クロマトグラフを用いる場合
 インダノファン標準品の0.025~0.5mg/L蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってインダノファンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から、ガスクロマトグラフを用いる場合は2μlを、高速液体クロマトグラフを用いる場合は40μlを取り、ガスクロマトグラフ又は高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりインダノファンの重量を求め、これに基づき、試料中のインダノファンの濃度を算出する。

(40) フェントラザミド試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ及び紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジメチルスルホキシド ジメチルスルホキシド(水分0.1%以下のもの)
 水素化ナトリウム ヘキサンで洗浄したものを同溶媒中に保存したもの
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ヨウ化メチル ヨウ化メチル(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 1―(2―クロロフェニル)―4,5―ジヒドロ―1H―テトラゾール―5―オン(以下「CPT」という。)標準品 本品は、CPT97%以上を含み、融点は120℃である。
 フェントラザミド標準品 本品は、フェントラザミド98%以上を含み、融点は79℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを1Lの分液漏斗に量り取り、1mol/L塩酸0.5ml、アセトン5ml、飽和塩化ナトリウム溶液80ml及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)80mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)50mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、これをフェントラザミド溶出液とする。続いてヘキサン、酢酸エチル及び酢酸の混液(70:30:3)50mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、これをCPT溶出液とする。
 フェントラザミド溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、4mlとしてフェントラザミドの試験溶液とする。
 CPT溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にヘキサン0.5mlを加えて溶かす。この溶液にジメチルスルホキシド0.5ml、水素化ナトリウム約20mg及びヨウ化メチル0.5mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら室温で15分間放置する。蒸留水10mlを徐々に滴下して加え、水素ガスの発生が止まった後、反応液を蒸留水30ml、次いで酢酸エチル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとしてCPTの試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸2mlを加える。これを、あらかじめ酢酸エチル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。酢酸エチル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)、3)及び4)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
I フェントラザミド
高速液体クロマトグラフ
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 50℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(60:40:1)を用い、フェントラザミドが15~20分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長210nmで測定する。
 感度 フェントラザミドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
II CPT
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 153、125、210
 感度 CPTの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 250~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 CPTの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
I フェントラザミド
 フェントラザミド標準品の0.025~0.5mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフェントラザミドの検量線を作成する。
II CPT
 CPT標準品の500mg/Lアセトン溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。以下、この残留物についてウのA法の3)と同様の操作を行い、その残留物にアセトンを加えて溶かし、50mlとする。この溶液をアセトンで希釈し、0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってCPTの検量線を作成する。
カ 定量試験
 フェントラザミドの試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェントラザミドの重量を求める。
 また、CPTの試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりCPTの重量を求める。
 このフェントラザミドの重量の値とCPTの重量の値に係数1.78を乗じてフェントラザミドの重量に換算したものとを合計し、これに基づき、試料中のフェントラザミドの濃度を算出する。

(41) ウニコナゾールP試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ウニコナゾールP標準品 本品は、ウニコナゾールP99.5%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)8mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液8mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)5ml、次いでアセトニトリル8mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液8mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 234、236
 感度 ウニコナゾールPの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ウニコナゾールPの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ウニコナゾールP標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってウニコナゾールPの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりウニコナゾールPの重量を求め、これに基づき、試料中のウニコナゾールPの濃度を算出する。

(42) パクロブトラゾール試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 パクロブトラゾール標準品 本品は、パクロブトラゾール97.0%以上を含み、融点は164~164.5℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとし試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 125、236、167
 感度 パクロブトラゾールの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 パクロブトラゾールの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 パクロブトラゾール標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってパクロブトラゾールの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりパクロブトラゾールの重量を求め、これに基づき、試料中のパクロブトラゾールの濃度を算出する。

(43) ペンシクロン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジメチルスルホキシド ジメチルスルホキシド(特級)
 水素化ナトリウム ヘキサンで洗浄したものを同溶媒中に保存したもの
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 ベンゼン ベンゼン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ヨウ化メチル ヨウ化メチル(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ペンシクロン標準品 本品は、ペンシクロン99%以上を含み、融点は132~133℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にベンゼン0.5mlを加えて溶かす。
2) この溶液にジメチルスルホキシド0.5ml、水素化ナトリウム約20mg及びヨウ化メチル0.5mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら30℃で30分間放置してペンシクロンのメチル誘導体を生成させた後、ヘキサン40mlを加えて約1分間振り混ぜる。これに5%塩化ナトリウム溶液30mlを徐々に滴下して加え、水素ガスの発生が止んだ後、少量のヘキサンで100mlの分液漏斗に移し、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン10mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を100mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にベンゼン0.5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)及び3)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 125、342、273
 感度 ペンシクロンの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ペンシクロンの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ペンシクロン標準品の500mg/Lアセトン溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にベンゼン0.5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてウのA法の2)と同様の操作を行い、その残留物をアセトンに溶かし50mlとする。この溶液をアセトンで希釈し、ペンシクロン0.2~4mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってペンシクロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりペンシクロンの重量を求め、これに基づき、試料中のペンシクロンの濃度を算出する。

(44) クミルロン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 クミルロン標準品 本品は、クミルロン99%以上を含み、融点は166~167℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)4ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)10mlで展開し、初めの溶出液4mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)5mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 120、267、149
 感度 クミルロンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 クミルロンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 クミルロン標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクミルロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりクミルロンの重量を求め、これに基づき、試料中のクミルロンの濃度を算出する。

(45) ベンゾビシクロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 固相抽出カラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ベンゾビシクロン標準品 本品は、ベンゾビシクロン99.0%以上を含み、融点は188~189℃である。

 3―(2―クロロ―4―メチルスルホニルベンゾイル)ビシクロ[3,2,1]オクタン―2,4―ジオン(以下「加水分解体」という。)標準品 本品は、加水分解体99.0%以上を含み、融点は167~168℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、酢酸1ml、塩化ナトリウム5g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(19:1:0.2)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(19:1:0.2)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(19:1:0.2)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトン、ヘキサン及び酢酸の混液(3:2:0.05)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを200mlの三角フラスコに量り取り、酢酸1mlを加える。これをあらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、1%酢酸及びアセトニトリルの混液(3:2)10mlで展開し、この流出液を捨てる。次いでアセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(3:2:0.005)を用い、ベンゾビシクロン及び加水分解体がそれぞれ10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長240nmで測定する。

 感度 ベンゾビシクロン及び加水分解体のそれぞれ1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ベンゾビシクロン標準品及び加水分解体標準品のそれぞれ500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、各溶液を等量ずつ合わせ取ったものをアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈し、ベンゾビシクロン及び加水分解体0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれ20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンゾビシクロン及び加水分解体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンゾビシクロン及び加水分解体の重量を求める。このベンゾビシクロンの重量の値と加水分解体の重量の値に係数1.26を乗じてベンゾビシクロンの重量に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のベンゾビシクロンの濃度を算出する。

(46) MCPBエチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液


 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 4―(4―クロロ―o―トリルオキシ)酪酸(以下「MCPB」という。)標準品 本品は、MCPB99%以上を含み、融点は100℃である。

 2―メチル―4―クロロフェノキシ酢酸(以下「MCPA」という。)標準品 本品は、MCPA98%以上を含み、融点は118~119℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、1mol/L塩酸20ml、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にメタノール20mlを加えて溶かし、次いで1mol/L水酸化ナトリウム溶液20mlを加え、10分間振とうする。
 ナス型フラスコ中の溶液を10%塩化ナトリウム溶液100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、これにヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層を500mlの分液漏斗に入れ、4mol/L塩酸10ml及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、3mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを500mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸20mlを加える。これを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、アセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

I MCPB

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(80:20:0.1)を用い、MCPBが10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長230nmで測定する。

 感度 MCPBの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

II MCPA

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(50:50:0.1)を用い、MC PAが8~12分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長230nmで測定する。

 感度 MCPAの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

I MCPB

 MCPB標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.025~0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってMCPBの検量線を作成する。

II MCPA

 MCPA標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.025~0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってMCPAの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から40μlを取り、I又はIIの高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりMCPB及びMCPAの重量を求める。このMCPBの重量の値に係数1.12を乗じてMCPBエチルの値に換算したものと、このMCPAの重量の値に係数1.28を乗じてMCPBエチルの値に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のMCPBエチルの濃度を算出する。

(47) テニルクロール試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
 テニルクロール標準品 本品は、テニルクロール99%以上を含み、融点は75℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(95:5)50ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ15mの溶融シリカ製の管の内面にシリコンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 230℃
 試料気化室温度 250℃
 検出器温度 250℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、テニルクロールが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 テニルクロールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 テニルクロール標準品の0.25~1.5mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってテニルクロールの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりテニルクロールの重量を求め、これに基づき、試料中のテニルクロールの濃度を算出する。

(48) ジクロシメット試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 (R)―2―シアノ―N―[(R)―1―(2,4―ジクロロフェニル)エチル]―3,3―ジメチルブチラミド(以下、「RR体」という。)及び(S)―2―シアノ―N―[(R)―1―(2,4―ジクロロフェニル)エチル]―3,3―ジメチルブチラミド(以下、「SR体」という。)の混合物(以下、「ジクロシメット」という。)標準品 本品は、ジクロシメット99.0%以上を含み、融点は161℃である。

ウ 試験溶液の調製

 A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

 B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

検出部

1) 質量分析計

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 277、221、173

 感度 ジクロシメットの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器

 検出器温度 260~300℃

 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ジクロシメットの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジクロシメットの0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にRR体のピーク高及びSR体のピーク高の和、横軸に重量を取ってジクロシメットの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロシメットの重量を求め、これに基づき、試料中のジクロシメットの濃度を算出する。

(49) フェノキサニル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 フェノキサニル標準品 本品はフェノキサニル99.4%以上を含み、融点は69~71.5℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g並びにヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 189、293、328
 感度 フェノキサニルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 フェノキサニルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フェノキサニル標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフェノキサニルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェノキサニルの重量を求め、これに基づき、試料中のフェノキサニルの濃度を算出する。

(50) シクロプロトリン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル、ジエチルエーテル及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合には、それぞれ試薬特級を用いてもよい。
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シクロプロトリン標準品 本品は、シクロプロトリン99%以上を含み、沸点は140~145℃(0.133Pa)である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)5ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)8mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液8mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)5ml、次いでアセトニトリル8mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液8mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ5~15mの溶融シリカ製の管の内面にジメチルポリシロキサンを0.1~0.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は250~280℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 200℃で2分保ち、200~約280℃の範囲で毎分10~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 250~280℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 181、245、273
 感度 シクロプロトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 シクロプロトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 シクロプロトリン標準品の0.05~1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシクロプロトリンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシクロプロトリンの重量を求め、これに基づき、試料中のシクロプロトリンの濃度を算出する。

(51) イソプロチオラン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム カラムにスチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル)又はこれと同等の性能を有するもの200~1000mgを充てんしたもの
 イソプロチオラン標準品 本品は、イソプロチオラン99%以上を含み、融点は54℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4ml(電子捕獲型検出器の場合は40ml)として試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン3mlで展開し、溶出液を10mlの試験管に取り、窒素ガス気流中で溶媒を除去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4ml(電子捕獲型検出器の場合は40ml)として試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 118、162、189、204、290
 感度 イソプロチオランの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い流量を至適条件になるように調整する。
 感度 イソプロチオランの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 イソプロチオラン標準品の0.2~4mg/L(電子捕獲型検出器の場合は、0.02~0.4mg/L)ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイソプロチオランの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイソプロチオランの重量を求め、これに基づき、試料中のイソプロチオランの濃度を算出する。

(52) IBP試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム カラムにスチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル)又はこれと同等の性能を有するもの200~1000mgを充てんしたもの
 IBP標準品 本品は、IBP99%以上を含み、沸点は126℃(5.33Pa)である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン3mlで展開し、溶出液を10mlの試験管に取り、窒素ガス気流中で溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 204、288、123
 感度 IBPの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
 感度 IBPの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 IBP標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってIBPの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりIBPの重量を求め、これに基づき、試料中のIBPの濃度を算出する。

(53) イソキサチオン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム カラムにスチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル)又はこれと同等の性能を有するもの200~1000mgを充てんしたもの
 イソキサチオン標準品 本品は、イソキサチオン99%以上を含み、沸点は160℃(20Pa)である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン3mlで展開し、溶出液を10mlの試験管に取り、窒素ガス気流中で溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 105、177、313
 感度 イソキサチオンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
 感度 イソキサチオンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 イソキサチオン標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイソキサチオンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイソキサチオンの重量を求め、これに基づき、試料中のイソキサチオンの濃度を算出する。

(54) カフェンストロール試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 カフェンストロール標準品 本品は、カフェンストロール99%以上を含み、融点は117~118℃である。
 3―(2,4,6―トリメチルフェニルスルホニル)―1,2,4―トリアゾール(以下「脱カルバモイル体」という。)標準品 本品は、脱カルバモイル体99%以上を含み、融点は230~231℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、リン酸を加えてpHを3に調整した後、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(4:1)8mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液8mlを100mlのナス型フラスコに取り、これをカフェンストロール溶出液とする。続いてヘキサン及びアセトンの混液(7:3)8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、これを脱カルバモイル体の溶出液とする。それぞれ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これらの残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、それぞれ2mlとしてカフェンストロール及び脱カルバモイル体の試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、リン酸を加えてpHを3に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(70:30:0.1)を用い、カフェンストロール及び脱カルバモイル体がそれぞれ6~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長242nmで測定する。
 感度 カフェンストロール及び脱カルバモイル体のそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 カフェンストロール標準品及び脱カルバモイル体標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカフェンストロール及び脱カルバモイル体の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法のカフェンストロール及び脱カルバモイル体の試験溶液からそれぞれ20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりカフェンストロール及び脱カルバモイル体の重量を求める。このカフェンストロールの重量の値と脱カルバモイル体の重量の値に係数1.39を乗じてカフェンストロールの重量に換算したものを和し、これに基づき、試料中のカフェンストロールの濃度を算出する。

(55) シクロスルファムロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シクロスルファムロン標準品 本品は、シクロスルファムロン99.5%以上を含み、融点は160.9~162.9℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを3に調整する。これを300mlの分液漏斗に移し、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlで展開し、溶出液を捨てる。次いでアセトン及びヘキサンの混液(1:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを3に調整する。これを、あらかじめメタノール5ml、次いで0.1mol/L塩酸5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで0.1mol/L塩酸及びメタノールの混液(19:1)5mlを流し、流出液を捨てる。メタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 メタノール及び0.01mol/Lリン酸の混液(7:3)を用い、シクロスルファムロンが10~15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長260nmで測定する。
 感度 シクロスルファムロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 シクロスルファムロン標準品の0.05~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシクロスルファムロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりシクロスルファムロンの重量を求め、これに基づき、試料中のシクロスルファムロンの濃度を算出する。

(56) エトベンザニド試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(純度98%以上のもの)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 エトベンザニド標準品 本品は、エトベンザニド99.9%以上を含み、融点は92~93℃である。
 4―エトキシメトキシ安息香酸標準品 本品は、4―エトキシメトキシ安息香酸98%以上を含み、融点は123.5~128℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15ml、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)5ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)10mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合は、この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして、高速液体クロマトグラフを用いる場合は、この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を加えて溶かし、4mlとしてエトベンザニドの試験溶液とする。
3) 1)において残った水層を500mlの分液漏斗に移し、リン酸1ml及びジエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。残った水層についても、ジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、2mlとして4―エトキシメトキシ安息香酸の試験溶液とする。
B法 固相抽出法
1) 試料500mlを、1Lの三角フラスコに量り取り、2mol/L塩酸を加えてpHを3.5に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を10mlのメスフラスコに取り、アセトニトリルを加えて10mlとする。この溶液の4mlを100mlのナス型フラスコに移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
2) 1)においてメスフラスコ中に残った溶液の4mlを100mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、2mlとして4―エトキシメトキシ安息香酸の試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
1) ガスクロマトグラフ質量分析計
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 179、121、304、339
 感度 エトベンザニドの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 高速液体クロマトグラフ
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 エトベンザニドの場合はアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を用い、エトベンザニドが約10分で、4―エトキシメトキシ安息香酸の場合は蒸留水、アセトニトリル及びリン酸の混液(6:4:0.01)を用い、4―エトキシメトキシ安息香酸が約15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 エトベンザニドの場合は波長267nmで、4―エトキシメトキシ安息香酸の場合は波長250nmで測定する。
 感度 エトベンザニド又は4―エトキシメトキシ安息香酸の1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
I エトベンザニドの検量線の作成
1) ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合
 エトベンザニド標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエトベンザニドの検量線を作成する。
2) 高速液体クロマトグラフを用いる場合
 エトベンザニド標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエトベンザニドの検量線を作成する。
II 4―エトキシメトキシ安息香酸の検量線の作成
 4―エトキシメトキシ安息香酸標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μmずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取って4―エトキシメトキシ安息香酸の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法のエトベンザニドの試験溶液から、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合は2μlを、高速液体クロマトグラフを用いる場合は20μlを取り、ガスクロマトグラフ質量分析計又は高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりエトベンザニドの重量を求め、これに基づき、試料中のエトベンザニドの濃度を算出する。
 また、A法又はB法の4―エトキシメトキシ安息香酸の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線により4―エトキシメトキシ安息香酸の重量を求め、これに基づき、試料中の4―エトキシメトキシ安息香酸の濃度を算出する。
 このエトベンザニドの濃度の値と4―エトキシメトキシ安息香酸の濃度の値に係数1.73を乗じてエトベンザニドの濃度に換算したものを和し、試料中のエトベンザニドの濃度を算出する。

(57) カルプロパミド試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジメチルスルホキシド ジメチルスルホキシド(水分0.1%以下のもの)
 水素化ナトリウム ヘキサンで洗浄したものをヘキサン中に保存したもの
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ヨウ化メチル ヨウ化メチル(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 カルプロパミド標準品 本品は、カルプロパミド98%以上を含み、融点は147~149℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)20mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にヘキサン1mlを加えて溶かす。この溶液にジメチルスルホキシド1ml、水素化ナトリウム約100mg及びヨウ化メチル1mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら室温で15分間放置する。これに蒸留水10mlを徐々に滴下して加え、水素ガスの発生が止んだ後、反応液を蒸留水20ml、次いでヘキサン30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物にヘキサンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)、3)及び4)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 139、103、168、312
 感度 カルプロパミドの0.2ngから誘導されるメチル化物が十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 カルプロパミドの0.2ngから誘導されるメチル化物が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 カルプロパミド標準品の500mg/Lアセトン溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。以下、この残留物についてウの3)と同様の操作を行い、その残留物にヘキサンを加えて溶かし50mlとする。この溶液をヘキサンで希釈してカルプロパミド0.1~2mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカルプロパミドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりカルプロパミドの重量を求め、これに基づき、試料中のカルプロパミドの濃度を算出する。

(58) クロメプロップ試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 クロメプロップ標準品 本品は、クロメプロップ99%以上を含み、融点は147.5~148℃である。
 2―(2,4―ジクロロ―m―トリルオキシ)プロピオン酸(以下「クロメプロップ酸」という。)標準品 本品は、クロメプロップ酸99%以上を含み、融点は142~144℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、酢酸を加えてpHを3に調整した後、塩化ナトリウム5g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、初めの溶出液10mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、これをクロメプロップ溶出液とする。続いてアセトン10ml、次いでアセトン及び酢酸の混液(99:1)10mlで展開し、初めの溶出液10mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、これをクロメプロップ酸溶出液とする。それぞれ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これらの残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、それぞれ2mlとしてクロメプロップ及びクロメプロップ酸の試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、酢酸を加えてpHを3に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)8mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(70:30:0.1)を用い、クロメプロップ及びクロメプロップ酸がそれぞれ6~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長230nmで測定する。
 感度 クロメプロップ及びクロメプロップ酸のそれぞれ1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 クロメプロップ標準品及びクロメプロップ酸標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクロメプロップ及びクロメプロップ酸の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法のクロメプロップ及びクロメプロップ酸の試験溶液からそれぞれ20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロメプロップ及びクロメプロップ酸の重量を求める。このクロメプロップの重量の値とクロメプロップ酸の重量の値に係数1.30を乗じてクロメプロップの重量に換算したものを和し、これに基づき、試料中のクロメプロップの濃度を算出する。

(59) ジクロメジン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ジクロメジン標準品 本品は、ジクロメジン95%以上を含むものをジメチルホルムアミドで2回再結晶したものであり、高速液体クロマトグラフに注入したとき、高速液体クロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークが認められなく、融点は250.5~253.5℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)20ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)30mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液30mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を用い、ジクロメジンが約8分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長254nmで測定する。
 感度 ジクロメジンの2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ジクロメジン標準品の0.1~2mg/L蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジクロメジンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロメジンの重量を求め、これに基づき、試料中のジクロメジンの濃度を算出する。

(60) ベンゾフェナップ試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ベンゾフェナップ標準品 本品は、ベンゾフェナップ99%以上を含み、融点は133℃である。

 4―(2,4―ジクロロ―3―メチルベンゾイル)―1,3―ジメチル―5―[2―ヒドロキシ―2―(4―メチルフェニル)エトキシ]ピラゾール(以下、「還元体」という。)標準品 本品は、還元体99.0%以上を含み、融点は136.7~137.5℃である。

 4―(2,4―ジクロロ―3―メチルベンゾイル)―1,3―ジメチル―5―ヒドロキシピラゾール(以下、「水酸化体」という。)標準品 本品は、水酸化体99.0%以上を含み、融点は149.2~149.8℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 試料400mlを1000mlの分液漏斗に量り取り、1mol/L塩酸5ml、塩化ナトリウム20g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール及びアセトンの混液(4:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にメタノールを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(65:35:0.4)を用い、ベンゾフェナップ、還元体及び水酸化体が5~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長255nmで測定する。

 感度 ベンゾフェナップ、還元体及び水酸化体のそれぞれ0.8ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ベンゾフェナップ、還元体及び水酸化体標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンゾフェナップ、還元体及び水酸化体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンゾフェナップ、還元体及び水酸化体の重量を求める。このベンゾフェナップ及び還元体の各重量と、水酸化体の重量の値に係数1.44を乗じてベンゾフェナップの重量に換算したものとを合計し、これに基づき、試料中のベンゾフェナップの濃度を算出する。

(61) DDVP試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(純度98%以上のもの)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 DDVP標準品 本品は、DDVP97%以上を含み、沸点は35℃(6.67Pa)である。
ウ 試験溶液の調製
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びにヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、1%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(4:1)10mlで展開し、初めの溶出液10mlは捨て、次の溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、1%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 109、185、220
 感度 DDVPの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 炎光光度型検出器
 フィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
 検出器温度 250~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 DDVPの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 DDVP標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってDDVPの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりDDVPの重量を求め、これに基づき、試料中のDDVPの濃度を算出する。

(62) プロシミドン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン、ジエチルエーテル及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合には、それぞれ試薬特級を用いてもよい。
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 プロシミドン標準品 本品は、プロシミドン99%以上を含み、融点は165.5~167℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、1ml(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は8ml)として試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 283、285
 感度 プロシミドンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 プロシミドンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
3) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 プロシミドンの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 プロシミドン標準品の0.2~4mg/Lヘキサン溶液(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は0.025~0.5mg/Lヘキサン溶液)を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロシミドンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロシミドンの重量を求め、これに基づき、試料中のプロシミドンの濃度を算出する。

(63) オキサジクロメホン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 オキサジクロメホン標準品 本品は、オキサジクロメホン98.2%以上を含み、融点は147~149℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(97:3)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(4:1)を用い、オキサジクロメホンが10~15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長230nmで測定する。
 感度 オキサジクロメホンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 オキサジクロメホンの0.05~1mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキサジクロメホンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキサジクロメホンの重量を求め、これに基づき、試料中のオキサジクロメホンの濃度を算出する。

(64) リニュロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 硝酸 硝酸(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 リニュロン標準品 本品は、リニュロン99%以上を含み、融点は93~94℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(49:1)10mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(49:1)20ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及び蒸留水の混液(13:7)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを500mlの三角フラスコに量り取り、0.1mol/L硝酸を加えてpHを3.5に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(49:1)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶離液 メタノール及び蒸留水の混液(13:7)を用い、リニュロンが約7分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長248nmで測定する。
 感度 リニュロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 リニュロン標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液をメタノール及び蒸留水の混液(13:7)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってリニュロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりリニュロンの重量を求め、これに基づき、試料中のリニュロンの濃度を算出する。

(65) 2,4―Dエチル、2,4―Dジメチルアミン及び2,4―Dナトリウムの試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル、アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサン及びメタノール それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて2mlに濃縮し、その2μlを電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合には、それぞれ試薬特級を用いてもよい。
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(純度95%以上のもの)
 硝酸 硝酸(特級)
 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
 ブタノール ブタノール(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ブチル化試薬 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体40gとブタノール100gを混合したもの
 2,4―D標準品 本品は、2,4―D99%以上を含み、融点は138~140℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを500mlの分液漏斗に量り取り、2mol/L硝酸を加えてpHを1~2に調整する。これに、ジエチルエーテル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。残った水層についても、ジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全ジエチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム50gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液を丸底フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にメタノール25mlを加えて溶かし、次いで1mol/L水酸化ナトリウム溶液25mlを加え、丸底フラスコに還流冷却管を付し、80℃で15分間加熱還流する。終了後、室温まで冷却した後、丸底フラスコ中の溶液を10%塩化ナトリウム溶液100ml及びジエチルエーテル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を300mlの分液漏斗に分取する。これに4mol/L塩酸を加えてpHを1~2に調整した後、ジエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。残った水層についてもジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を200mlの三角フラスコに合わせ無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮し、50mlの丸底フラスコに移し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を留去する。
3) この残留物にブチル化試薬1mlを加え、丸底フラスコに還流冷却管を付け、80℃で30分間加熱還流する。終了後、室温まで冷却した後、丸底フラスコ中の溶液を5%塩化ナトリウム溶液50ml及びヘキサン50mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物にアセトンを加えて溶かし、2ml(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は10ml)として試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、2mol/L硝酸でpHを1~2に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水10mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)、3)及び4)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にジメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 276、220、185
 感度 2,4―Dの0.1ngから誘導される2,4―ジクロロフェノキシ酢酸ブチルの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
2) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 2,4―Dの0.02ngから誘導される2,4―ジクロロフェノキシ酢酸ブチルの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 
 2,4―D標準品の100mg/Lメタノール溶液を調製し、この1mlを50mlの丸底フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を留去する。この残留物についてA法の3)と同様の操作を行い、残留物にアセトンを加えて溶かし、10mlとする。この溶液をアセトンで希釈し、2,4―D0.05~1mg/L相当の溶液(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は0.01~0.2mg/L相当の溶液)を数点調製し、それぞれ2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取って2,4―Dの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線により2,4―Dの重量を求め、これに基づき、試料中の2,4―Dの濃度を算出する。

 (66) 削除

(67) ピラゾキシフェン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合には、それぞれ試薬特級を用いてもよい。
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ピラゾキシフェン標準品 本品は、ピラゾキシフェン99%以上を含み、融点は110~111℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ5~10mの溶融シリカ製の管の内面にシリコンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 250~280℃
 試料気化室温度 280℃
 検出器 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は280~300℃で操作する。電子捕獲型検出器の場合は至適電圧を与え、280~300℃で操作する。
 ガス流量 キャリヤーガスとして、アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガス又はヘリウムガスを、電子捕獲型検出器の場合は高純度窒素ガスを用い、ピラゾキシフェンが約3分で流出するように流量を調整する。アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフの場合は水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ピラゾキシフェンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ピラゾキシフェン標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピラゾキシフェンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピラゾキシフェンの重量を求め、これに基づき、試料中のピラゾキシフェンの濃度を算出する。

(68) ピラゾレート試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化p―トルエンスルホニル 塩化p―トルエンスルホニル(純度95%以上のもの)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)
 炭酸ナトリウム 炭酸ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 硫酸 硫酸(特級)
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ピラゾレート標準品 本品は、ピラゾレート99%以上を含み、融点は117~118℃である。
 4―(2,4―ジクロロベンゾイル)―1,3―ジメチル―5―ヒドロキシピラゾール(以下「DTP」という。)標準品 本品は、DTP99%以上を含み、融点は167~168℃である。
ウ 試験溶液の調製
I ピラゾレートの試験溶液の調製
1) 試料400mlを1Lの分液漏斗に量り取り、炭酸水素ナトリウム1g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。
2) 全ヘキサン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとしてピラゾレートの試験溶液とする。
II DTPの試験溶液の調製
 ウのIの1)と同様の操作を行い、残った水層に酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層を1Lの分液漏斗に移し、5mol/L硫酸2ml及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトン3mlを加えて溶かし、0.1%塩化p―トルエンスルホニルアセトン溶液1ml及び1%炭酸ナトリウム溶液0.1mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら、50℃で30分間放置する。この溶液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物を0.5%炭酸水素ナトリウム溶液25ml及びヘキサン25mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン25mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとしてDTPの試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を用い、ピラゾレートが10~17分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長260nmで測定する。
 感度 ピラゾレートの0.8ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ピラゾレート標準品の0.02~0.4mg/Lアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピラゾレートの検量線を作成する。
カ 定量試験
 ピラゾレートの試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりピラゾレートの重量を求める。
 また、DTPの試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりDTPから誘導されるピラゾレートの重量を求める。
 このピラゾレートの重量の値と、DTPから誘導されるピラゾレートの重量の値とを合計し、これに基づき、試料中のピラゾレートの濃度を算出する。

(69) ジクロベニル試験法

 第1 ガスクロマトグラフ質量分析法
ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ジクロベニル標準品 本品は、ジクロベニル97%以上を含み、融点は143~146℃である。
 2,6―ジクロロベンズアミド標準品 本品は、2,6―ジクロロベンズアミド97%以上を含み、融点は190~199℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で2mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフ質量分析計の操作条件
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 ジクロベニルの場合は、171、100、75、136、2,6―ジクロロベンズアミドの場合は、173、189、145
 感度 ジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドのそれぞれ0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ジクロベニル標準品及び2,6―ジクロロベンズアミド標準品のそれぞれ0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、オの検量線によりジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの重量を求める。このジクロベニルの重量の値と2,6―ジクロロベンズアミドの重量の値に係数0.91を乗じてジクロベニルの重量に換算したものを和し、これに基づき、試料中のジクロベニルの濃度を算出する。
 第2 ガスクロマトグラフ法
ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン、酢酸エチル及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ジクロベニル標準品 本品は、ジクロベニル97%以上を含み、融点は143~146℃である。
 2,6―ジクロロベンズアミド標準品 本品は、2,6―ジクロロベンズアミド97%以上を含み、融点は190~199℃である。
ウ 試験溶液の調製
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g、アセトン20ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で2mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとしてジクロベニルの試験溶液とする。
2) 1)において分液漏斗中に残った水層に酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で2mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして2,6―ジクロロベンズアミドの試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は、50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドのそれぞれ0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ジクロベニル標準品及び2,6―ジクロロベンズアミド標準品のそれぞれ0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 ジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの重量を求める。このジクロベニルの重量の値と2,6―ジクロロベンズアミドの重量の値に係数0.91を乗じてジクロベニルの重量に換算したものを和し、これに基づき、試料中のジクロベニルの濃度を算出する。

(70) カルボスルファン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム(特級)
 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ20mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 0.2mol/Lリン酸緩衝液 0.2mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に0.2mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを8に調整したもの
 カルボスルファン標準品 本品は、カルボスルファン89.5%以上を含む。
 カルボフラン標準品 本品は、カルボフラン97.5%以上を含み、融点は153~154℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを1Lの分液漏斗に量り取り、0.2mol/Lリン酸緩衝液20ml、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをカルボスルファン溶出液とする。続いてヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをカルボフラン溶出液とする。
 カルボスルファン溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとしてカルボスルファンの試験溶液とする。
 カルボフラン溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)20mlで展開し、全溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとしてカルボフランの試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約200℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 カルボスルファンの場合は、160、118、323、カルボフランの場合は、164、149、221
 感度 カルボスルファン及びカルボフランのそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 250~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 カルボスルファン及びカルボフランのそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 カルボスルファン標準品及びカルボフラン標準品のそれぞれ0.05~0.1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカルボスルファン及びカルボフランの検量線を作成する。
カ 定量試験
 カルボスルファン及びカルボフランの試験溶液からそれぞれ2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりカルボスルファン及びカルボフランの重量を求める。このカルボスルファンの重量の値に係数0.58を乗じてカルボフランの重量に換算したものとカルボフランの重量の値とを合計し、これに基づき、試料中のカルボフランの濃度を算出する。

(71) ベンフレセート試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ベンフレセート標準品 本品は、ベンフレセート99%以上を含み、融点30.1℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g、3mol/L水酸化カリウム溶液50ml及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 164、121、256
 感度 ベンフレセートの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 フィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。
 感度 ベンフレセートの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ベンフレセート標準品の0.2~2.0mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンフレセートの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンフレセートの重量を求め、これに基づき、試料中のベンフレセートの濃度を算出する。

(72) ピメトロジン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 エタノール エタノール(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム(特級)
 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 リン酸緩衝液 0.025mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に0.025mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを8に調整したもの
 ピメトロジン標準品 本品は、ピメトロジン99.7%以上を含み、融点は217℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及びエタノールの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びエタノールの混液(4:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びエタノールの混液(3:2)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にリン酸緩衝液及びメタノールの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。メタノール20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 リン酸緩衝液及びメタノールの混液(4:1)を用い、ピメトロジンが10~15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長298nmで測定する。
 感度 ピメトロジンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ピメトロジン標準品の0.05~1mg/Lリン酸緩衝液及びメタノールの混液(4:1)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピメトロジンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりピメトロジンの重量を求め、これに基づき、試料中のピメトロジンの濃度を算出する。

(73) チフルザミド試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 チフルザミド標準品 本品は、チフルザミド96%以上を含み、融点は177.9~178.6℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)25mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 166、194、449、447
 感度 チフルザミドの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 チフルザミドの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 チフルザミド標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチフルザミドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりチフルザミドの重量を求め、これに基づき、試料中のチフルザミドの濃度を算出する。

(74) アセフェート試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 アセフェート標準品 本品は、アセフェート99%以上を含み、融点は90~91℃である。
 メタミドホス標準品 本品は、メタミドホス99%以上を含み、融点は44.5℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料50mlを100mlのナス型フラスコに量り取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で20mlに濃縮する。これに塩化ナトリウム5gを加えて溶かす。
 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、15分間放置する。酢酸エチル200mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ5~15mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコール20Mを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 アセフェートの場合は、136、94、125、183、メタミドホスの場合は、94、95、141
 感度 アセフェート及びメタミドホスのそれぞれ0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 炎光光度型検出器
 フィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 アセフェート及びメタミドホスのそれぞれ0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 アセフェート標準品及びメタミドホス標準品のそれぞれ0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアセフェート及びメタミドホスの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアセフェート及びメタミドホスの重量を求める。このアセフェートの重量の値とメタミドホスの重量の値に係数1.30を乗じてアセフェートの重量に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のアセフェートの濃度を算出する。

(75) ベンスルタップ試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アンモニア水 アンモニア水(特級)
 塩化ニッケル 塩化ニッケル(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 L―システイン塩酸塩 L―システイン塩酸塩(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 ネライストキシンシュウ酸塩標準品 本品は、ネライストキシンシュウ酸塩99%以上を含み、融点は168~170℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、6mol/L塩酸1ml及びL―システイン塩酸塩2gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、2%塩化ニッケル溶液5ml及びアンモニア水10mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。これにジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で10mlに濃縮する。この濃縮液を30mlの目盛り付すり合わせ試験管に移し、使用したナス型フラスコをメタノール4mlで洗い、その洗液を試験管に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で濃縮し、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコール20Mを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリアーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 149、70、103
 感度 ネライストキシンシュウ酸塩の0.2ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。
 感度 ネライストキシンシュウ酸塩の0.2ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ネライストキシンシュウ酸塩標準品の0.1~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってネライストキシンシュウ酸塩の検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりネライストキシンシュウ酸塩の重量を求め、これに係数1.80を乗じてベンスルタップの重量に換算し、これに基づき、試料中のベンスルタップの濃度を算出する。

(76) カルタップ試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アンモニア水 アンモニア水(特級)
 塩化ニッケル 塩化ニッケル(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 L―システイン塩酸塩 L―システイン塩酸塩(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 ネライストキシンシュウ酸塩標準品 本品は、ネライストキシンシュウ酸塩99%以上を含み、融点は168~170℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、6mol/L塩酸1ml及びL―システイン塩酸塩2gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、2%塩化ニッケル溶液5ml及びアンモニア水10mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。これにジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で10mlに濃縮する。この濃縮液を30mlの目盛り付すり合わせ試験管に移し、使用したナス型フラスコをメタノール4mlで洗い、その洗液を試験管に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で濃縮し、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコール20Mを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 149、70、103
 感度 ネライストキシンシュウ酸塩の0.2ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。
 感度 ネライストキシンシュウ酸塩の0.2ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ネライストキシンシュウ酸塩標準品の0.1~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってネライストキシンシュウ酸塩の検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりネライストキシンシュウ酸塩の重量を求め、これに係数1.14を乗じてカルタップの重量に換算し、これに基づき、試料中のカルタップの濃度を算出する。

 (77) 削除


(78) ジチオピル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は、アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル、アセトン及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて2mlに濃縮し、その2μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、ガスクロマトグラフ質量分析計、アルカリ熱イオン型検出器及び高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合には、それぞれ試薬特級を用いてもよい。
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(純度98%以上のもの)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ジチオピル標準品 本品は、ジチオピル99%以上を含み、融点は65~67℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料250mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1ml(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は10ml)として試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料250mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1ml(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は10ml)として試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 354、286、306
 感度 ジチオピルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器及び高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ジチオピルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
3) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ジチオピルの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ジチオピル標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は0.02~0.4mg/Lアセトン溶液)を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジチオピルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジチオピルの重量を求め、これに基づき、試料中のジチオピルの濃度を算出する。

(79) トリクロルホン試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル
 トリクロルホン標準品 本品は、トリクロルホン99%以上を含み、融点は83~84℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(7:3)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをヘキサン及びアセトンの混液(7:3)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(7:3)100ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(1:1)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、8mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ30mの溶融シリカ製の管の内面にシリコンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 100℃
 試料気化室温度 250℃
 検出器温度 280℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、トリクロルホンが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 トリクロルホンの0.5ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 トリクロルホン標準品の0.25~2.0mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトリクロルホンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリクロルホンの重量を求め、これに基づき、試料中のトリクロルホンの濃度を算出する。

(80) クロルピリホスメチル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 クロルピリホスメチル標準品 本品は、クロルピリホスメチル99%以上を含み、融点は46℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料400mlを1000mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料400mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

検出部

1) 質量分析計

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 288、286、125

 感度 クロルピリホスメチルの0.08ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器

 検出器温度 260~300℃

 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 感度 クロルピリホスメチルの0.08ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 クロルピリホスメチル標準品の0.04~0.8mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクロルピリホスメチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロルピリホスメチルの重量を求め、これに基づき、試料中のクロルピリホスメチルの濃度を算出する。

(81) チオシクラム試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アンモニア水 アンモニア水(特級)
 塩化ニッケル 塩化ニッケル(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 L―システイン塩酸塩 L―システイン塩酸塩(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ネライストキシンシュウ酸塩標準品 本品は、ネライストキシンシュウ酸塩99%以上を含み、融点は168~170℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、6mol/L塩酸1ml及びL―システイン塩酸塩2gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、2%塩化ニッケル溶液5ml及びアンモニア水10mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。これにジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で10mlに濃縮する。この濃縮液を30mlの目盛り付すり合わせ試験管に移し、使用したナス型フラスコをメタノール4mlで洗い、その洗液を試験管に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で濃縮し、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコール20Mを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 149、70、103
 感度 ネライストキシンシュウ酸塩の0.2ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。
 感度 ネライストキシンシュウ酸塩の0.2ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ネライストキシンシュウ酸塩標準品の0.1~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってネライストキシンシュウ酸塩の検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりネライストキシンシュウ酸塩の重量を求め、これに係数1.13を乗じてチオシクラムの重量に換算し、これに基づき、試料中のチオシクラムの濃度を算出する。

(82) チオファネートメチル試験法

ア 装置 けい光光度型検出器又は紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 液相分離ろ紙 化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの
 リン酸一カリウム リン酸一カリウム(特級)
 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
 リン酸二ナトリウム リン酸二ナトリウム(特級)
 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル
 メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマート標準品 本品は、メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマート99%以上を含み、融点は312℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの丸底フラスコに量り取り、リン酸一カリウム620mg及びリン酸二ナトリウム300mgを加えて溶解し、pHが6.5~7.0であることを確認した後、還流冷却管を付し、1時間加熱還流する。終了後、室温まで冷却した後、ジクロロメタン50mlで500mlの分液漏斗に移し、5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2度繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶離液 0.01mol/Lリン酸二水素カリウム溶液及びメタノールの混液(4:6)を用い、メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートが5~10分で流出するように流速を調整する。
 検出器 けい光光度型検出器の場合は励起波長285nm、けい光波長315nmで測定する。紫外分光光度型検出器の場合は波長285nmで測定する。
 感度 メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートの1.0ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマート標準品の0.1~2.0mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートの重量を求め、これに係数1.79を乗じてチオファネートメチルの重量に換算し、これに基づき、試料中のチオファネートメチルの濃度を算出する。

(83) ダイムロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ダイムロン標準品 本品は、ダイムロン99%以上を含み、融点は200~201℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)8mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlをあらかじめメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流れ入れ、次いで蒸留水及びメタノールの混液(7:3)10mlを流し、流出液を捨てた後約1分間吸引を続け水分を除去する。メタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 メタノール及び蒸留水の混液(3:2)を用い、ダイムロンが10~15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長250nmで測定する。
 感度 ダイムロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ダイムロン標準品の0.05~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってダイムロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりダイムロンの重量を求め、これに基づき、試料中のダイムロンの濃度を算出する。

 (84) 削除

 (85) 削除

 (86) 削除

(87) エトキシスルフロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(純度98%以上のもの)
 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 容量6mlのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80~160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 エトキシスルフロン標準品 本品は、エトキシスルフロン98.5%以上を含み、融点は144~147℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの三角フラスコに量り取り、リン酸を加えてpHを1に調整する。これを500mlの分液漏斗に移し、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、1%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトニトリル10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで、アセトニトリル及び蒸留水の混液(9:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、1%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。なお、試験溶液を調製した後は、速やかに定量試験を行うこととする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを500mlの三角フラスコに量り取り、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加え、pHを8に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分5~10mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。
 あらかじめアセトニトリル10mlを流し入れ洗浄したアルミナミニカラムを固相抽出カラムの下に連結する。アセトニトリル、蒸留水及び酢酸の混液(90:10:0.2)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、1%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。なお、試験溶液を調製した後は、速やかに定量試験を行うこととする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 0.1%リン酸及びアセトニトリルの混液(3:2)を用い、エトキシスルフロンが6~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長240nmで測定する。
 感度 エトキシスルフロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 エトキシスルフロン標準品の0.05~1mg/L蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエトキシスルフロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりエトキシスルフロンの重量を求め、これに基づき、試料中のエトキシスルフロンの濃度を算出する。

(88) アジムスルフロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 アジムスルフロン標準品 本品は、アジムスルフロン99%以上を含み、融点は170~173℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/Lリン酸を加えてpHを3に調整する。これを300mlの分液漏斗に移し、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物に酢酸エチル及びジクロロメタンの混液(1:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、アルミナミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びジクロロメタンの混液(1:1)10mlで展開し、溶出液を捨てる。次いでジクロロメタン、メタノール及び酢酸の混液(50:50:1)15mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/Lリン酸を加えてpHを3に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)8mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 メタノール、蒸留水及びリン酸の混液(60:40:0.2)を用い、アジムスルフロンが6~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長245nmで測定する。
 感度 アジムスルフロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 アジムスルフロン標準品の0.05~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアジムスルフロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりアジムスルフロンの重量を求め、これに基づき、試料中のアジムスルフロンの濃度を算出する。

 (89) 削除

(90) フサライド試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合には、それぞれ試薬特級を用いてもよい。
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 フサライド標準品 本品は、フサライド99%以上を含み、融点は209~210℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、1ml(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は20ml)として試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、1ml(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は20ml)として試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 243、272、270、215
 感度 フサライドの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 フサライドの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フサライド標準品の0.2~4mg/Lヘキサン溶液(電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は0.01~0.2mg/Lヘキサン溶液)を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフサライドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフサライドの重量を求め、これに基づき、試料中のフサライドの濃度を算出する。

(91) ピロキロン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ピロキロン標準品 本品は、ピロキロン99%以上を含み、融点は112℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 173、130、144
 感度 ピロキロンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ピロキロンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ピロキロン標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピロキロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピロキロンの重量を求め、これに基づき、試料中のピロキロンの濃度を算出する。

(92) チオジカルブ試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 硫酸 硫酸(特級)
 メチル チオアセトヒドロキサマート標準品 本品は、メチル チオアセトヒドロキサマート98%以上を含み、融点は93.5℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及び1mol/L硫酸5mlを加えてpH4以下に調整する。この溶液に酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物に4mol/L水酸化ナトリウム溶液20mlを加えて溶かし、空冷管を付して85℃で30分間放置する。冷後、1mol/L硫酸100mlを加え、酢酸エチル100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~15μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約200℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 105、88
 感度 メチル チオアセトヒドロキサマートの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
 検出器温度 250~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。
 感度 メチル チオアセトヒドロキサマートの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 メチル チオアセトヒドロキサマート標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメチル チオアセトヒドロキサマートの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチル チオアセトヒドロキサマートの重量を求め、これに係数1.69を乗じてチオジカルブの重量に換算し、これに基づき、試料中のチオジカルブの濃度を算出する。

(93) フルトラニル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
 フルトラニル標準品 本品は、フルトラニル99%以上を含み、融点は102~103℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサン及びアセトンの混液(9:1)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)70ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(8:2)70mlで展開し、初めの溶出液70mlは捨て、次の溶出液70mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ15mの溶融シリカ製の管の内面にシリコンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 200℃
 試料気化室温度 250℃
 検出器温度 280℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、フルトラニルが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 フルトラニルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フルトラニル標準品の0.1~2.0mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルトラニルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルトラニルの重量を求め、これに基づき、試料中のフルトラニルの濃度を算出する。

 (94) 削除

(95) プロメトリン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 プロメトリン標準品 本品は、プロメトリン99%以上を含み、融点は118~120℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)25mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

検出部

1) 質量分析計

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 241、226、184

 感度 プロメトリンの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 プロメトリンの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロメトリン標準品の0.02~0.4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロメトリンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロメトリンの重量を求め、これに基づき、試料中のプロメトリンの濃度を算出する。

(96) シメトリン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シメトリン標準品 本品は、シメトリン99%以上を含み、融点は82~83℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 213、198、170
 感度 シメトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 シメトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 シメトリン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシメトリンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシメトリンの重量を求め、これに基づき、試料中のシメトリンの濃度を算出する。

(97) マラチオン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 マラチオン標準品 本品は、マラチオン98%以上を含み、沸点は156~157℃(93.3Pa)である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)15ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)20mlで展開し、初めの溶出液15mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)5ml、次いでアセトニトリル8mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液8mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 173、125、158、285
 感度 マラチオンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 マラチオンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 マラチオン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってマラチオンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりマラチオンの重量を求め、これに基づき、試料中のマラチオンの濃度を算出する。

(98) ビスピリバックナトリウム塩試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ビスピリバックナトリウム塩標準品 本品は、ビスピリバックナトリウム塩99.5%以上を含み、融点は223~224℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを3に調整する。これを300mlの分液漏斗に移し、塩化ナトリウム5g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物に酢酸エチル10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、溶出液を捨てる。次いで酢酸エチル及び酢酸の混液(99:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを3に調整する。これを、あらかじめメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水、メタノール及び酢酸の混液(70:30:1)8mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。メタノール及び酢酸の混液(99:1)8mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(70:30:0.1)を用い、ビスピリバックナトリウム塩が約7分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長243nmで測定する。
 感度 ビスピリバックナトリウム塩の1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ビスピリバックナトリウム塩標準品の0.05~1mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってビスピリバックナトリウム塩の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりビスピリバックナトリウム塩の重量を求め、これに基づき、試料中のビスピリバックナトリウム塩の濃度を算出する。

(99) ペルメトリン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ペルメトリン標準品 本品は、ペルメトリン99%以上を含み、融点は53~55℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いでアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 183、163、165
 感度 ペルメトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) 電子捕獲型検出器
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ペルメトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ペルメトリン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってペルメトリンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりペルメトリンの重量を求め、これに基づき、試料中のペルメトリンの濃度を算出する。

(100) ブプロフェジン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ブプロフェジン標準品 本品は、ブプロフェジン99%以上を含み、融点は106℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン7mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめメタノール5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。メタノール5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 105、172、305
 感度 ブプロフェジンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ブプロフェジンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ブプロフェジン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブプロフェジンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブプロフェジンの重量を求め、これに基づき、試料中のブプロフェジンの濃度を算出する。

(101) テブフェノジド試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジメチルスルホキシド ジメチルスルホキシド(水分0.1%以下のもの)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 ベンゼン ベンゼン(特級)
 ヨウ化メチル ヨウ化メチル(特級)
 液相分離ろ紙 化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 水素化ナトリウム へキサンで洗浄したものを同溶媒中に保存したもの
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 テブフェノジド標準品 本品は、テブフェノジド99%以上を含み、融点は191℃である。
ウ 試験溶液の調製
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にベンゼン0.5mlを加えて溶かす。その溶液にジメチルスルホキシド0.5ml、水素化ナトリウム約50mg及びヨウ化メチル0.5mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら40℃で1時間加熱し、テブフェノジドのメチル誘導体を生成させた後、ヘキサン40mlを加えて約1分間振り混ぜる。これに5%塩化ナトリウム溶液30mlを徐々に滴下して加え、水素ガスの発生が止んだ後、少量のヘキサンで100mlの分液漏斗に移し、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン10mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を100mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて100mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 134、105、310
 感度 テブフェノジドの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるよう感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 テブフェノジドの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 テブフェノジド標準品の500mg/Lアセトン溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。以下、この溶液についてウの2)と同様の操作を行い、残留物をアセトンに溶かし50mlとする。この溶液をアセトンで希釈し、0.2~4.0mg/L溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってテブフェノジドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりテブフェノジドの重量を求め、これに基づき、試料中のテブフェノジドの濃度を算出する。

(102) シハロホップブチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高度液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シハロホップブチル標準品 本品は、シハロホップブチル99%以上を含み、融点は48~49℃である。
 (R)―2―[4―(4―シアノ―2―フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオン酸(以下「シハロホップモノアシド体」という。)標準品 本品は、シハロホップモノアシド体99%以上を含む。
 (R)―2―[4―(4―カルボキシ―2―フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオン酸(以下「シハロホップジアシド体」という。)標準品 本品は、シハロホップジアシド体99%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、酢酸1ml、塩化ナトリウム5g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10ml、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)5ml、次いで酢酸エチル及び酢酸の混液(100:1)10mlで展開し、初めの溶出液10mlは捨て、次の溶出液15mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを300mlの三角フラスコに量り取り、酢酸1mlを加える。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(80:20:1)5mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル及び酢酸の混液(100:1)8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を用い、シハロホップブチルが約7分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長248nmで測定する。
 感度 シハロホップブチル、シハロホップモノアシド体及びシハロホップジアシド体のそれぞれ3ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 シハロホップブチル標準品、シハロホップモノアシド体標準品及びシハロホップジアシド体標準品のそれぞれ0.1~2mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを30μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシハロホップブチル、シハロホップモノアシド体及びシハロホップジアシド体の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から30μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりシハロホップブチル、シハロホップモノアシド体及びシハロホップジアシド体の重量を求める。このシハロホップブチルの重量の値とシハロホップモノアシド体及びシハロホップジアシド体の重量の値にそれぞれ係数1.19及び1.12を乗じてシハロホップブチルの重量に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のシハロホップブチルの濃度を算出する。

(104) フルアジホップ又はフルアジホップP試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 (RS)―2―[4―(5―トリフルオロメチル―2―ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオン酸(以下「フルアジホップ酸」という。)標準品 本品は、フルアジホップ酸99%以上を含み、融点は102~103℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩酸を加えてpHを1以下に調整した後、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール25mlを加えて溶かす。
2) 1mol/L水酸化ナトリウム溶液25mlを加え、1分間振とうした後、25℃で5分間放置する。この溶液を蒸留水100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層に塩酸を加えpHを1以下に調整した後、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル、蒸留水及び酢酸の混液(50:50:0.1)を加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを300mlの三角フラスコに量り取り、塩酸を加えてpHを1以下に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及び酢酸の混液(50:50:0.1)を用い、フルアジホップ酸が8~12分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長270nmで測定する。
 感度 フルアジホップ酸の4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フルアジホップ酸標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.2~4mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルアジホップ酸の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルアジホップ酸の重量を求め、これに係数1.17を乗じてフルアジホップ又はフルアジホップPの重量に換算し、これに基づき、試料中のフルアジホップ又はフルアジホップPの濃度を算出する。

(105) BPMC試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 BPMC標準品 本品は、BPMC98%以上を含み、融点は28~32℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトン5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 121、150、91
 感度 BPMCの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 BPMCの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 BPMC標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってBPMCの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりBPMCの重量を求め、これに基づき、試料中のBPMCの濃度を算出する。

(106) ピリブチカルブ試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ピリブチカルブ標準品 本品は、ピリブチカルブ96.5%以上を含み、融点は85.7~86.2℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン7mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(4:1)20mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトン5ml、次いでメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(7:3)5ml、次いでヘキサン20mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 165、108、181
 感度 ピリブチカルブの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ピリブチカルブの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ピリブチカルブ標準品の0.025~0.5mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリブチカルブの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリブチカルブの重量を求め、これに基づき、試料中のピリブチカルブの濃度を算出する。

(107) クロマフェノジド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80~160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 クロマフェノジド標準品 本品は、クロマフェノジド98%以上を含み、融点は186~189℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlをあらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、クロマフェノジドが15~20分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長250nmで測定する。
 感度 クロマフェノジドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 クロマフェノジド標準品の0.05~1mg/Lアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクロマフェノジドの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロマフェノジドの重量を求め、これに基づき、試料中のクロマフェノジドの濃度を算出する。

(108) メトキシフェノジド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 メトキシフェノジド標準品 本品は、メトキシフェノジド99.8%以上を含み、融点は204~206℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、アセトン5ml、飽和塩化ナトリウム溶液80ml及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを、あらかじめメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。メタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、メトキシフェノジドが15~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長210nmで測定する。

 感度 メトキシフェノジドの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メトキシフェノジド標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメトキシフェノジドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりメトキシフェノジドの重量を求め、これに基づき、試料中のメトキシフェノジドの濃度を算出する。

(109) ブタクロール試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計、アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ブタクロール標準品 本品は、ブタクロール99%以上を含み、融点は4~5℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、アセトン10ml、飽和塩化ナトリウム溶液70ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン60mlで展開し、流出液を捨てる。次いで、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)40mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを300mlの三角フラスコに量り取る。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェイス部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 311、237、176
 感度 ブタクロールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器及び高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ブタクロールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ブタクロール標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブタクロールの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブタクロールの重量を求め、これに基づき、試料中のブタクロールの濃度を算出する。

(110) ブロモブチド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
 ブロモブチド標準品 本品は、ブロモブチド99%以上を含み、融点は182.5~183.5℃である。
 (RS)―N―(α,α―ジメチルベンジル)―3,3―ジメチルブチルアミド(以下「ブロモブチド脱臭素体」という。)標準品 本品は、ブロモブチド脱臭素体99%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(30:1)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(30:1)110ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(5:1)40mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、8mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ15mの溶融シリカ製の管の内面にシリコンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 200℃
 試料気化室温度 250℃
 検出器温度 280℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、ブロモブチドが約7分、ブロモブチド脱臭素体が約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体のそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ブロモブチド標準品及びブロモブチド脱臭素体標準品のそれぞれについて0.05~2.0mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体の検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体の重量を求める。このブロモブチドの重量の値とブロモブチド脱臭素体の重量の値に係数1.34を乗じてブロモブチドに換算したものとを和し、これに基づき、試料中のブロモブチドの濃度を算出する。

(111) エスプロカルブ試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ150~180μm)
 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン
 エスプロカルブ標準品 本品は、エスプロカルブ98%以上を含み、沸点は135℃(46.7Pa)である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。
 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。
 分離管 内径2~3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。
 分離管槽温度 200~220℃
 試料気化室温度 250℃
 検出器温度 280℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、エスプロカルブが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 エスプロカルブの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 エスプロカルブ標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエスプロカルブの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエスプロカルブの重量を求め、これに基づき、試料中のエスプロカルブの濃度を算出する。

 (112) 削除

(113) メフェナセット試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メフェナセット標準品 本品は、メフェナセット99%以上を含み、融点は134~135℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ10~20mの溶融シリカ製の管の内面にシリコンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 220~240℃
 試料気化室温度 250℃
 検出器温度 280℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、メフェナセットが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 メフェナセットの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 メフェナセット標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメフェナセットの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメフェナセットの重量を求め、これに基づき、試料中のメフェナセットの濃度を算出する。

(114) フェリムゾン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸アンモニウム 酢酸アンモニウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 テトラヒドロフラン テトラヒドロフラン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 フェリムゾン標準品 本品は、フェリムゾン99%以上を含み、融点は176~177℃である。
 (E)―2′―メチルアセトフェノン 4,6―ジメチルピリミジン―2―イルヒドラゾン(以下「フェリムゾン(E体)」という。)標準品 本品は、フェリムゾン(E体)99%以上を含み、融点は111~112℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)75ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)60mlで展開し、初めの溶出液75mlは捨て、次の溶出液60mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に0.05mol/L酢酸アンモニウム溶液及びテトラヒドロフランの混液(1:1)を加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 45℃
 溶解液 0.05mol/L酢酸アンモニウム溶液及びテトラヒドロフランの混液(1:1)を用い、フェリムゾンが約5分、フェリムゾン(E体)が約6分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長273nmで測定する。
 感度 フェリムゾン及びフェリムゾン(E体)のそれぞれ0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 フェリムゾン標準品及びフェリムゾン(E体)標準品のそれぞれ0.02~0.4mg/L0.05mol/L酢酸アンモニウム溶液及びテトラヒドロフランの混液(1:1)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフェリムゾン及びフェリムゾン(E体)の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェリムゾン及びフェリムゾン(E体)の重量を求める。このフェリムゾンの重量の値とフェリムゾン(E体)の重量の値を和し、これに基づき、試料中のフェリムゾンの濃度を算出する。

(115) ヒメキサゾール試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトン アセトン(特級)
 エチルエーテル エチルエーテル(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
 炭酸カリウム 炭酸カリウム(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ヒメキサゾール標準品 本品は、ヒメキサゾール99%以上を含み、融点は86~87℃である。
ウ 試験溶液の調製
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム50g、25%炭酸カリウム溶液2ml及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層に6mol/L塩酸約5mlを加えてpHを2以下に調整した後、エチルエーテル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残った水層についてもエチルエーテル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全エチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で2mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ5~10mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコール20Mを0.5~1.5μmの厚さで被覆したものを用いる。
 分離管槽温度 130~150℃
 試料気化室温度 150℃
 検出器温度 280℃
 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、ヒメキサゾールが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ヒメキサゾールの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ヒメキサゾール標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってヒメキサゾールの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりヒメキサゾールの重量を求め、これに基づき、試料中のヒメキサゾールの濃度を算出する。

(116) ハロスルフロンメチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 ぎ酸 ぎ酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用アミノプロピル(NH)シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ハロスルフロンメチル標準品 本品は、ハロスルフロンメチル99%以上を含み、融点は175~178℃である。
 メチル 3―クロロ―5―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルアミノ)―1―メチルピラゾール―4―カルボキシラート(以下「ハロスルフロンメチル転位体」という。)標準品 本品は、ハロスルフロンメチル転位体99%以上を含み、融点は140~141℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、6mol/L塩酸1ml、塩化ナトリウム5g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムに酢酸エチル及びぎ酸の混液(100:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びぎ酸の混液(100:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを200mlの三角フラスコに量り取り、6mol/L塩酸1mlを加える。これを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで0.1mol/L塩酸及びアセトニトリルの混液(7:3)10ml並びに蒸留水10mlを流し入れる。流出液を捨てた後、アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(60:40:0.1)を用い、ハロスルフロンメチル及びハロスルフロンメチル転位体がそれぞれ10~15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長245nmで測定する。
 感度 ハロスルフロンメチル及びハロスルフロンメチル転位体のそれぞれ1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ハロスルフロンメチル標準品及びハロスルフロンメチル転位体標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってハロスルフロンメチル及びハロスルフロンメチル転位体の検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりハロスルフロンメチル及びハロスルフロンメチル転位体の重量を求める。このハロスルフロンメチルの重量の値とハロスルフロンメチル転位体の重量の値に係数1.33を乗じてハロスルフロンメチルの重量に換算したものとを合計し、これに基づき、試料中のハロスルフロンメチルの濃度を算出する。

(117) アゾキシストロビン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 アゾキシストロビン標準品 本品は、アゾキシストロビン99%以上を含み、融点は116℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトン5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、アゾキシストロビンが約20分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長235nmで測定する。
 感度 アゾキシストロビンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 アゾキシストロビン標準品の0.05~1mg/Lアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアゾキシストロビンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりアゾキシストロビンの重量を求め、これに基づき、試料中のアゾキシストロビンの濃度を算出する。

 (118) 削除

(119) ピリミノバックメチル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ピリミノバックメチル(E体)標準品 本品は、ピリミノバックメチル(E体)99%以上を含み、融点は107~109℃である。
 ピリミノバックメチル(Z体)標準品 本品は、ピリミノバックメチル(Z体)99%以上を含み、融点は70℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)8ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)8mlで展開し、初めの溶出液8mlは捨て、次の溶出液8mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)8mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル8mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 302、256、330、361
 感度 ピリミノバックメチル(E体)及びピリミノバックメチル(Z体)のそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ピリミノバックメチル(E体)及びピリミノバックメチル(Z体)のそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ピリミノバックメチル(E体)標準品及びピリミノバックメチル(Z体)標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリミノバックメチル(E体)及びピリミノバックメチル(Z体)の検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリミノバックメチル(E体)及びピリミノバックメチル(Z体)の重量を求める。このピリミノバックメチル(E体)の重量の値とピリミノバックメチル(Z体)の重量の値を和し、これに基づき、試料中のピリミノバックメチルの濃度を算出する。

(120) ベンスルフロンメチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ベンスルフロンメチル標準品 本品は、ベンスルフロンメチル98.0%以上を含み、融点は185~188℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを3に調整する。これを300mlの分液漏斗に移し、塩化ナトリウム5g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(7:3)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(1:1)10mlで展開し、溶出液を捨てる。次いでアセトン及び酢酸の混液(99:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料100mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸を加えてpHを3に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れる。使用した三角フラスコを蒸留水20mlで洗い、その洗液を固相抽出カラムに同様に流し入れ、次いで蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(70:30:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル及び酢酸の混液(99:1)10mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び0.1%リン酸二水素カリウム溶液の混液(7:3)を用い、ベンスルフロンメチルが約7分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長235nmで測定する。
 感度 ベンスルフロンメチルの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ベンスルフロンメチル標準品の0.05~1mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンスルフロンメチルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンスルフロンメチルの重量を求め、これに基づき、試料中のベンスルフロンメチルの濃度を算出する。

(121) ジメタメトリン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ジメタメトリン標準品 本品は、ジメタメトリン99%以上を含む。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、飽和塩化ナトリウム溶液80ml、アセトン5ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、A法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 212、255、240
 感度 ジメタメトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 280~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 ジメタメトリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 ジメタメトリン標準品の0.05~1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジメタメトリンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジメタメトリンの重量を求め、これに基づき、試料中のジメタメトリンの濃度を算出する。

 (122) 削除

(123) トリシクラゾール試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタノール メタノール(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル
 トリシクラゾール標準品 本品は、トリシクラゾール99%以上を含み、融点は187~188℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをヘキサン及びアセトンの混液(9:1)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)80ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)100mlで展開し、初めの溶出液80mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順次流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びメタノールの混液(7:3)3mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にジメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 189、162、118
 感度 トリシクラゾールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 トリシクラゾールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 トリシクラゾール標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトリシクラゾールの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリシクラゾールの重量を求め、これに基づき、試料中のトリシクラゾールの濃度を算出する。

(124) ジノテフラン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ジノテフラン標準品 本品は、ジノテフラン99.8%以上を含み、融点は107.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びジエチルエーテルの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムに酢酸エチル及びジエチルエーテルの混液(1:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びジエチルエーテルの混液(1:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びジエチルエーテルの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水、アセトニトリル及びメタノールの混液(90:7:3)を用い、ジノテフランが9~14分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長270nmで測定する。

 感度 ジノテフランの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジノテフラン標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を蒸留水で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジノテフランの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりジノテフランの重量を求め、これに基づき、試料中のジノテフランの濃度を算出する。

 (125) 削除

 (126) 削除

 (127) 削除

(128) メタラキシル試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 メタラキシル標準品 本品は、メタラキシル99%以上を含み、融点は71~72℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
検出部
1) 質量分析計
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 206、160、132、249
 感度 メタラキシルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
2) アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
 検出器温度 260~300℃
 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
 感度 メタラキシルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 メタラキシル標準品の0.2~4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメタラキシルの検量線を作成する。
カ 定量試験
 A法又はB法の試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメタラキシルの重量を求め、これに基づき、試料中のメタラキシルの濃度を算出する。

(129) メトミノストロビン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
 固相抽出カラム 内径10mm、長さ10mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)265mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 メトミノストロビン標準品 本品は、メトミノストロビン99.0%以上を含み、融点は87~89℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)を用い、メトミノストロビンが20~25分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長230nmで測定する。
 感度 メトミノストロビンの2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
 メトミノストロビン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(11:9)で希釈して0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメトミノストロビンの検量線を作成する。
カ 定量試験
 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりメトミノストロビンの重量を求め、これに基づき、試料中のメトミノストロビンの濃度を算出する。

(130) スピノサド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸アンモニウム 酢酸アンモニウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トリエチルアミン トリエチルアミン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 CHシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用CHシリカゲル(シリカゲルにシクロヘキシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 スピノシンA標準品 本品は、スピノシンA90%以上を含み、融点は84~99.5℃である。

 スピノシンB標準品 本品は、スピノシンB90%以上を含み、融点は75℃である。

 スピノシンD標準品 本品は、スピノシンD90%以上を含み、融点は161.5~170℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物に蒸留水、アセトニトリル及びメタノールの混液(3:1:1)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、CHシリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル及びトリエチルアミンの混液(49:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄したCHシリカゲルミニカラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いでアセトニトリル10mlで展開し、流出液を捨てる。アセトニトリル及びトリエチルアミンの混液(49:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、メタノール及び2%酢酸アンモニウムの混液(2:2:1)を用い、スピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDがそれぞれ10~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長250nmで測定する。

 感度 スピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDのそれぞれ4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 スピノシンA標準品、スピノシンB標準品及びスピノシンD標準品をそれぞれアセトニトリルに溶解し、各溶液を等量ずつ合わせ取ったものをアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈し、スピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDの0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってスピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりスピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDの重量を求める。このスピノシンA及びスピノシンDの重量の値とスピノシンBの重量の値に係数1.02を乗じてスピノシンAの重量に換算したものとを合計し、これに基づき、試料中のスピノサドの濃度を算出する。

(131) ピリフタリド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはカラムスイッチングシステム及び紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ(別図)並びに紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 酢酸ナトリウム 酢酸ナトリウム(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 固相抽出カラム[1] 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム[2] 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 0.1mol/L酢酸緩衝液 0.1mol/L酢酸溶液に0.1mol/L酢酸ナトリウム溶液を加えてpHを4.6に調整したもの

 0.01mol/L酢酸緩衝液 0.1mol/L酢酸緩衝液に蒸留水を加えて10倍に希釈したもの

 0.1mol/Lリン酸緩衝液 0.1mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に0.154mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを6.8に調整したもの

 0.01mol/Lリン酸緩衝液 0.1mol/Lリン酸緩衝液に蒸留水を加えて10倍に希釈したもの

 ピリフタリド標準品 本品は、ピリフタリド99.6%以上を含み、融点は163.4℃である。

 1―メチル―3―オキソ―1,3―ジヒドロ―イソベンゾフラン―4―スルホン酸(以下「スルホン酸体」という。)標準品 本品は、スルホン酸体58%以上を含み、融点は250℃以上である。

 4,6―ジメトキシ―ピリミジン―2―オール(以下「ピリミジン体」という。)標準品 本品は、ピリミジン体99%以上を含み、融点は242℃である。

ウ 試験溶液の調製

 I ピリフタリドの試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料400mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を加えて溶かし、1ml(高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合はトルエンを加えて溶かし、3ml)として試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料400mlを1Lの三角フラスコに量り取り、0.1mol/L酢酸緩衝液40ml及びメタノール20mlを加える。これを、あらかじめメタノール5ml、次いで0.1mol/L酢酸緩衝液5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラム[1]に毎分10~20mlの流速で流し入れ、0.01mol/L酢酸緩衝液10ml、次いで0.01mol/L酢酸緩衝液及びメタノールの混液(3:1)5mlを流し、流出液を捨てる。次いでメタノール及び0.01mol/L酢酸緩衝液の混液(4:1)5mlで展開し、溶出液を100mlの分液漏斗に取る。これに酢酸エチル10ml、0.01mol/L酢酸緩衝液6ml及び飽和塩化ナトリウム溶液4mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル10mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を100mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム10gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、100mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

 II スルホン酸体及びピリミジン体の試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

 IのA法の1)と同様に操作を行い、その残留物に0.01mol/Lリン酸緩衝液及びメタノールの混液(4:1)を加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料400mlを1Lの三角フラスコに量り取り、0.1mol/Lリン酸緩衝液40mlを加える。これを、あらかじめメタノール及びジクロロメタンの混液(4:1)5ml、次いで0.01mol/Lリン酸緩衝液5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラム[2]に毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで0.01mol/Lリン酸緩衝液15mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。メタノール及びジクロロメタンの混液(4:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に0.01mol/Lリン酸緩衝液及びメタノールの混液(4:1)を加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

エ 測定機器の操作条件

 I ピリフタリドの測定機器の操作条件

1) 高速液体クロマトグラフ

 装置 カラムスイッチングシステム及び紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

 分離管[1] 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管にシリカゲルにフェニル基を化学的に結合させたものを充てんして用いる。

 分離管[2] 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管にシリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを充てんして用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液[1] メタノール、蒸留水及びリン酸の混液(550:450:1)を用い、ピリフタリドが分離管[1]を7.5~8.5分で流出するように流速を調整する。

 溶離液[2] メタノール、蒸留水及びリン酸の混液(600:400:1)を用い、ピリフタリドが分離管[2]を12.5~16.5分で流出するように流速を調整する。なお、溶離液[1]の流速と溶離液[2]の流速は同一とする。

 カラムスイッチングシステム 注入からピリフタリドが分離管[1]を流出する直前まで分離管[1]及び分離管[2]に別々に溶離液を流し、ピリフタリドが分離管[1]から流出している間は、分離管[1]と分離管[2]を連結した状態で溶離液を流す。ピリフタリドが分離管[1]から流出を終了した以降は分離管[1]及び分離管[2]に別々に溶離液を流す。

 検出器 波長240nmで測定する。

 感度 ピリフタリドの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) ガスクロマトグラフ

 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ピリフタリドの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

 II スルホン酸体及びピリミジン体の測定機器の操作条件

 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 0.01mol/Lリン酸緩衝液及びメタノールの混液(4:1)を用い、スルホン酸体が3~5分で流出するように流速を調整する。

 検出器 スルホン酸体は波長235nmで測定する。また、ピリミジン体は波長265nmで測定する。

 感度 スルホン酸体及びピリミジン体の各2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 I ピリフタリド検量線の作成

1) 高速液体クロマトグラフ

 ピリフタリド標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(3:1)で希釈して、0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリフタリドの検量線を作成する。

2) ガスクロマトグラフ

 ピリフタリド標準品の0.025~0.5mg/Lトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリフタリドの検量線を作成する。

 II スルホン酸体及びピリミジン体検量線の作成

 スルホン酸体標準品及びピリミジン体標準品をそれぞれメタノールに溶解し、各溶液を等量ずつ合わせ取る。これを0.01mol/Lリン酸緩衝液及びメタノールの混液(4:1)で希釈し、スルホン酸体及びピリミジン体の0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってスルホン酸体及びピリミジン体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 I ピリフタリド

1) 高速液体クロマトグラフ

 ピリフタリドの試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリフタリドの重量を求め、これに基づき、試料中のピリフタリドの濃度を算出する。

2) ガスクロマトグラフ

 ピリフタリドの試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリフタリドの重量を求め、これに基づき、試料中のピリフタリドの濃度を算出する。

 II スルホン酸体及びピリミジン体

 スルホン酸体及びピリミジン体の試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりスルホン酸体及びピリミジン体の各重量を求める。このスルホン酸体の重量の値とピリミジン体の重量の値にそれぞれ係数1.40及び2.04を乗じてピリフタリドの重量に換算し、これに基づき、試料中のピリフタリドの濃度を算出する。

 III Iのピリフタリドの濃度の値とIIのスルホン酸体若しくはピリミジン体から算出されるピリフタリドの濃度のいずれか大きい値を和し、試料中のピリフタリドの濃度を算出する。

(別図)高速液体クロマトグラフ(カラムスイッチングシステム)流路図

手順1 試料注入時から目的物質が分離管[1]から溶出する直前まで

手順3 目的物質が分離管[1]から溶出を終了した後

手順2 目的物質が分離管[1]から溶出している間

(132) シメコナゾール試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80~160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シメコナゾール標準品 本品は、シメコナゾール99%以上を含み、融点は118.5~120.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトン及び蒸留水の混液(19:1)5ml並びにヘキサン5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlをあらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、シメコナゾールが15~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長210nmで測定する。

 感度 シメコナゾールの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シメコナゾール標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシメコナゾールの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりシメコナゾールの重量を求め、これに基づき、試料中のシメコナゾールの濃度を算出する。

(133) チアジニル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ぎ酸 ぎ酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 固相抽出カラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 チアジニル標準品 本品は、チアジニル95%以上を含み、融点は112.2℃である。

 4─メチル─1,2,3─チアジアゾール─5─カルボン酸(以下「カルボン酸体」という。)標準品 本品は、カルボン酸体97%以上を含み、融点は198.1℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、ぎ酸1ml及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをチアジニル溶出液とする。続いてアセトン10mlで展開し、流出液を捨てる。ヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(60:40:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをカルボン酸体溶出液とする。
 チアジニル溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
 カルボン酸体溶出液に2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを200mlの三角フラスコに量り取り、ぎ酸1mlを加える。これを、あらかじめメタノール5ml及び1%ぎ酸5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで1%ぎ酸10mlで展開し、流出液を捨てる。メタノール、蒸留水及びぎ酸の混液(80:20:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 [1]  アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、チアジニルが10~15分で流出するように流速を調整する。

 溶離液 [2]  0.1%リン酸及びメタノールの混液(4:1)を用い、カルボン酸体が10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 チアジニルは波長275nmで測定する。また、カルボン酸体は波長270nmで測定する。

 感度 チアジニル及びカルボン酸体のそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

1) チアジニルの検量線の作成

 チアジニル標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40 μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチアジニルの検量線を作成する。

2) カルボン酸体の検量線の作成

 カルボン酸体標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(3:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40 μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカルボン酸体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から40 μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアジニル及びカルボン酸体の重量を求める。このチアジニルの重量の値とカルボン酸体の重量の値に係数1.86を乗じてチアジニルの重量に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のチアジニルの濃度を算出する。

(134) オキサジアゾン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18 シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 オキサジアゾン標準品 本品はオキサジアゾン94%以上を含み、融点は89~90℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~15mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は100℃~150℃。

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分10~20℃の昇温を行う。

検出部

1)質量分析計

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 175、258、344

 感度 オキサジアゾンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

2)アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器

 検出器温度 260~300℃

 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 オキサジアゾンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オキサジアゾン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキサジアゾンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキサジアゾンの重量を求め、これに基づき、試料中のオキサジアゾンの濃度を算出する。

 (135) 削除

(136) キャプタン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン及びヘキサン それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて2mlに濃縮し、その2μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合は、それぞれ試薬特級を用いてもよい。

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 キャプタン標準品 本品は、キャプタン98.6%以上を含み、融点は172~173℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを500mlの分液漏斗に量り取り、リン酸1ml、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。

2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを200mlの三角フラスコに量り取り、リン酸1mlを加える。これをあらかじめアセトン5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトン10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は100~150℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

検出部

1) 質量分析計

 インターフェイス部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 149、264、117

 感度 キャプタンの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) 電子捕獲型検出器

 検出器温度 260~300℃

 ガス流量 追加ガスとして高純度窒素ガスを用い、流量を至適条件になるように調整する。

 感度 キャプタンの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 キャプタン標準品の0.01~0.2mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってキャプタンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりキャプタンの重量を求め、これに基づき、試料中のキャプタンの濃度を算出する。

(137) ダイアジノン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ダイアジノン標準品 本品はダイアジノン99%以上を含み、沸点は83~84℃(0.0267Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びへキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、へキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。

2) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃。

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

検出部

1) 質量分析計

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 304、179、137

 感度 ダイアジノンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器

 検出器温度 260~300℃

 ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 感度 ダイアジノンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ダイアジノン標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってダイアジノンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりダイアジノンの重量を求め、これに基づき、試料中のダイアジノンの濃度を算出する。

(138) XMC試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計、アルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ又は紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 XMC標準品 本品は、XMC98%以上を含み、融点は99~100℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる場合は、この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる場合は、この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 測定機器の操作条件

1) ガスクロマトグラフ

ガスクロマトグラフ部

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は100~150℃。
 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

検出部

質量分析計

インターフェイス部温度 200~270℃
イオン源温度 150℃以上
測定質量数 122、107、179
感度 XMCの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器

検出器温度 280~300℃
ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
感度 XMCの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) 高速液体クロマトグラフ

充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、XMCが5~8分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長210nmで測定する。
感度 XMCの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

1) ガスクロマトグラフを用いる場合

 XMC標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってXMCの検量線を作成する。

2) 高速液体クロマトグラフを用いる場合

 XMC標準品の0.05~1mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってXMCの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液からガスクロマトグラフを用いる場合は2μl、高速液体クロマトグラフを用いる場合は20μlを取り、ガスクロマトグラフ又は高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりXMCの重量を求め、これに基づき、試料中のXMCの濃度を算出する。

(139) エチプロール試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸 酢酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 エチプロール標準品 本品は、エチプロール99%以上を含み、分解点は164.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g並びに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間通気又は遠心分離を行い水分を除去する。アセトニトリル及び蒸留水の混液(6:4)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(550:450:2)を用い、エチプロールが約15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長275nmで測定する。
 感度 エチプロールの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 エチプロール標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して、エチプロール0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってエチプロールの検量線を作成する。

カ 定量試験

 A法又はB法の試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりエチプロールの重量を求め、これに基づき、試料中のエチプロールの濃度を算出する。

(140) オリサストロビン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

アセトニトリル アセトニトリル(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
オリサストロビン標準品 本品は、オリサストロビン99.4%以上を含み、融点は98.4~99.0℃である。
(2E)-2-(メトキシイミノ)-2-{2-[(3E,5Z,6E)-5-(メトキシイミノ)-4,6-ジメチル-2,8-ジオキサ-3,7-ジアザノナ-3,6-ジエン-1-イル]フェニル}-N-メチルアセトアミド(以下、「5Z異性体」という。)標準品 本品は、5Z異性体99.7%以上を含み、融点は95.3℃である。
(2E)-2-(メトキシイミノ)-2-{2-[(3E,5E,6Z)-5-(メトキシイミノ)-4,6-ジメチル-2,8-ジオキサ-3,7-ジアザノナ-3,6-ジエン-1-イル]フェニル}-N-メチルアセトアミド(以下、「6Z異性体」という。)標準品 本品は、6Z異性体99.0%以上を含み、融点は115.6℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法
試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g並びにヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法
試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間通気又は遠心分離を行い水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、オリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体がそれぞれ11~17分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長250nmで測定する。
感度 オリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体のそれぞれ1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オリサストロビン標準品、5Z異性体標準品及び6Z異性体標準品のそれぞれ500 mg/lアセトニトリル溶液を調製し、各溶液を等量ずつ合わせ取ったものをアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈し、オリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体の0.025~0.5mg/l混合溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってオリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 A法又はB法の試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体のそれぞれの重量を求める。このオリサストロビンの重量の値、5Z異性体の重量の値及び6Z異性体の重量の値を和し、これに基づき、試料中のオリサストロビンの濃度を算出する。

(141) メタアルデヒド試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 メタアルデヒド標準品 本品は、メタアルデヒド99%以上を含み、融点は246℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で約10mlに濃縮する。この濃縮液に酢酸エチルを加え、20mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフ質量分析計の操作条件

 分離管 内径0.2~約0.3mm、長さ20~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.2~0.3mmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
 キャリヤーガス ヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.3mmの分離管に対して線速度を毎秒30~60cmとする。
 試料導入部温度 スプリットレス方式を用い、150℃に設定する。
 分離管槽昇温プログラム 50℃で1分保ち、50~約200℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。
 インターフェース部温度 200~270℃
 イオン源温度 150℃以上
 測定質量数 89、45
 感度 メタアルデヒドの0.005ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メタアルデヒド標準品の0.005~0.1mg/l酢酸エチル溶液を数点調製し、それぞれを1?lずつガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってメタアルデヒドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から1μlを取り、ガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、オの検量線によりメタアルデヒドの重量を求め、これに基づき、試料中のメタアルデヒドの濃度を算出する。

(142) ピラクロニル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 アセトン アセトン(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 ヘキサン ヘキサン(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10㎜、長さ25㎜のカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910㎎を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 固相抽出カラム 内径15㎜、長さ65㎜のカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000㎎を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ピラクロニル標準品 本品は、ピラクロニル99.9%以上を含み、融点は93.1~94.6℃である。
 1-(3-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)-5-(メチルアミノ)ピラゾール-4-カルボニトリル(以下、「脱メチルアセチレン体」という。)標準品 本品は、脱メチルアセチレン体98.5%以上を含み、融点は178~180℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、ピラクロニル及び脱メチルアセチレン体が5~10分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長235nmで測定する。
 感度 ピラクロニル及び脱メチルアセチレン体のそれぞれ1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ピラクロニル標準品及び脱メチルアセチレン体標準品をそれぞれアセトニトリルに溶解し、各溶液を等量ずつ合わせ取ったものをアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈し、ピラクロニル及び脱メチルアセチレン体の0.05~1mg/l溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってピラクロニル及び脱メチルアセチレン体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりピラクロニル及び脱メチルアセチレン体の重量を求める。このピラクロニルの重量の値と脱メチルアセチレン体の重量の値に係数1.14を乗じてピラクロニルの重量に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のピラクロニルの濃度を算出する。

(143) ペノキススラム試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)
 塩酸 塩酸(特級)
 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
 リン酸 リン酸(特級)
 固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
 ペノキススラム標準品 本品は、ペノキススラム99.1%以上を含み、融点は212℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

 試料200mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/l塩酸を加えてpHを3に調整する。これを500mlの分液漏斗に移し、酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(55:45)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/l塩酸を加えてpHを3に調整する。これを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(55:45)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
 分離管槽温度 40℃
 溶離液 蒸留水、アセトニトリル及びリン酸の混液(55:45:0.1)を用い、ペノキススラムが10~15分で流出するように流速を調整する。
 検出器 波長285nmで測定する。
 感度 ペノキススラムの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ペノキススラム標準品の500mg/lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(55:45)で希釈して0.1~2mg/l溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってペノキススラムの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりペノキススラムの重量を求め、これに基づき、試料中のペノキススラムの濃度を算出する。

(144) オキサジアルギル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
リン酸 リン酸(特級)
固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
オキサジアルギル標準品 本品は、オキサジアルギル99.9%以上を含み、融点は131℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、ヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取 する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(6:4)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(60:40:0.1)を用い、オキサジアルギルが13~18分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長230nmで測定する。
感度 オキサジアルギルの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オキサジアルギル標準品の500mg/lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(6:4)で希釈して0.1~2mg/l溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってオキサジアルギルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキサジアルギルの重量を求め、これに基づき、試料中のオキサジアルギルの濃度を算出する。

前文(平成5年環境庁告示第94号)抄
〔前略〕平成5年11月1日から適用する。

前文(平成11年環境庁告示第67号)抄
〔前略〕公布の日〔平成11年12月27日〕から適用する。

前文(平成12年環境庁告示第33号)抄
〔前略〕公布の日〔平成12年4月28日〕から適用する。

前文(平成12年環境庁告示第54号)抄
〔前略〕公布の日〔平成12年8月17日〕から適用する。

前文(平成12年環境庁告示第81号)抄
〔前略〕公布の日〔平成12年12月21日〕から適用する。

前文(平成13年環境省告示第32号)抄
〔前略〕公布の日〔平成13年4月26日〕から適用する。

前文(平成13年環境省告示第49号)抄
〔前略〕公布の日〔平成13年8月22日〕から適用する。

前文(平成14年環境省告示第36号)抄
〔前略〕公布の日〔平成14年4月24日〕から適用する。

前文(平成14年環境省告示第58号)抄
〔前略〕公布の日〔平成14年8月29日〕から適用する。

前文(平成14年環境省告示第84号)抄
〔前略〕公布の日〔平成14年12月24日〕から適用する。

前文(平成15年環境省告示第23号)抄
〔前略〕公布の日〔平成15年3月10日〕から適用する。

前文(平成15年環境省告示第61号)抄
〔前略〕公布の日〔平成15年4月10日〕から適用する。

前文(平成15年環境省告示第72号)抄
〔前略〕公布の日〔平成15年6月30日〕から適用する。

前文(平成16年環境省告示第35号)抄
〔前略〕公布の日〔平成16年4月30日〕から適用する。

前文(平成16年環境省告示第79号)抄
〔前略〕公布の日〔平成16年12月20日〕から適用する。

前文(平成18年環境省告示第122号)抄
〔前略〕公布の日〔平成18年8月16日〕から適用する。

前文(平成20年環境省告示第2号)抄
〔前略〕公布の日〔平成20年1月22日〕から適用する。

前文(平成20年環境省告示第59号)抄
〔前略〕公布の日〔平成20年7月23日〕から適用する。