環境省水・土壌・地盤環境の保全農薬対策関係水質汚濁に係る農薬登録保留基準について

○水質汚濁に係る農薬登録保留基準の一部を改正する件

〔平成二〇・七・二三 環告五九〕

 平成五年四月環境庁告示第三十五号(農薬取締法第三条第二項の規定により定められた同条第一項第四号から第七号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第四号の環境庁長官の定める基準を定める件)の一部を次のように改正し、公布の日から適用する。

 1中「農薬取締法」を「平成17年8月環境省告示第83号(農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件の一部を改正する件)の適用日前にされた登録の申請に関し、農薬取締法(昭和23年法律第82号)第3条第1項第7号に掲げる場合に該当するかどうかの基準については、同法」に改め、「平均濃度は」を「平均濃度が」に改め、「超えることとなってはならない」を「超えないこととする」に改める。

 1の表3、4-ジクロロプロピオンアニリド(別名DCPA又はプロパニル)の項を削る。

 1の表3-(2、2-ジフルオロエトキシ)-N-(5、8-ジメトキシ[1、2、4]トリアゾロ[1、5-c]ピリミジン-2-イル)-α、α、α-トリフルオロトルエン-2-スルホンアミド(別名ペノキススラム)の項の次に次のように加える。

5-tert-ブチル-3-[2,4-ジクロロ-5-(プロパ-2-イニルオキシ)フェニル]-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン(別名オキサジアルギル) 0.2mg/L

 2(66)を次のように改める。

 (66) 削除

 2(143)の次に次のように加える。

 (144) オキサジアルギル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
リン酸 リン酸(特級)
固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
オキサジアルギル標準品 本品は、オキサジアルギル99.9%以上を含み、融点は131℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法

1) 試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、ヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取 する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(6:4)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法

 試料200mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水5mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(60:40:0.1)を用い、オキサジアルギルが13~18分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長230nmで測定する。
感度 オキサジアルギルの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オキサジアルギル標準品の500mg/lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(6:4)で希釈して0.1~2mg/l溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってオキサジアルギルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキサジアルギルの重量を求め、これに基づき、試料中のオキサジアルギルの濃度を算出する。