〔平成一四・八・二九・環告五八〕
農薬取締法第三条第二項の規定により定められた同条第一項第四号から第七号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第四号の環境大臣の定める基準を定める件(平成五年四月環境庁告示第三十五号)の一部を次のように改正し、公布の日から適用する。
1の表(E)―2―メトキシイミノ―N―メチル―2―(2―フェノキシフェニル)アセトアミド(別名メトミノストロビン)の項の次に次のように加える。
(2R,3aS,5aR,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)―2―(6―デオキシ―2,3,4―トリ―O―メチル―α―L―マンノピラノシルオキシ)―13―(4―ジメチルアミノ―2,3,4,6―テトラデオキシ―β―D―エリスロピラノシルオキシ)―9―エチル―2,3,3a,5a,5b,6,7,9,10,11,12,13,14,15,16a,16b―ヘキサデカヒドロ―14―メチル―1H―8―オキサシクロドデカ[b]as―インダセン―7,15―ジオン(以下「スピノシンA」という。)及び(2S,3aR,5aS,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)―2―(6―デオキシ―2,3,4―トリ―O―メチル―α―L―マンノピラノシルオキシ)―13―(4―ジメチルアミノ―2,3,4,6―テトラデオキシ―β―D―エリスロピラノシルオキシ)―9―エチル―2,3,3a,5a,5b,6,7,9,10,11,12,13,14,15,16a,16b―ヘキサデカヒドロ―4,14―ジメチル―1H―8―オキサシクロドデカ[b]as―インダセン―7,15―ジオン(以下「スピノシンD」という。)の混合物(別名スピノサド) | 0.6mg/L |
2(129)の次に次のように加える。
(130)スピノサド試験法
ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
アセトニトリル アセトニトリル(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
酢酸アンモニウム 酢酸アンモニウム(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
トリエチルアミン トリエチルアミン(特級)
メタノール メタノール(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
CHシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用CHシリカゲル(シリカゲルにシクロヘキシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
スピノシンA標準品 本品は、スピノシンA90%以上を含み、融点は84〜99.5℃である。
スピノシンB標準品 本品は、スピノシンB90%以上を含み、融点は75℃である。
スピノシンD標準品 本品は、スピノシンD90%以上を含み、融点は161.5〜170℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物に蒸留水、アセトニトリル及びメタノールの混液(3:1:1)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、CHシリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル及びトリエチルアミンの混液(49:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄したCHシリカゲルミニカラムに毎分10〜20mlの流速で流し入れ、次いでアセトニトリル10mlで展開し、流出液を捨てる。アセトニトリル及びトリエチルアミンの混液(49:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)と同様の操作を行う。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2〜6mm、長さ15〜30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 アセトニトリル、メタノール及び2%酢酸アンモニウムの混液(2:2:1)を用い、スピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDがそれぞれ10〜20分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長250nmで測定する。
感度 スピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDのそれぞれ4ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
スピノシンA標準品、スピノシンB標準品及びスピノシンD標準品をそれぞれアセトニトリルに溶解し、各溶液を等量ずつ合わせ取ったものをアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈し、スピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDの0.1〜2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってスピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDの検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりスピノシンA、スピノシンB及びスピノシンDの重量を求める。このスピノシンA及びスピノシンDの重量の値とスピノシンBの重量の値に係数1.02を乗じてスピノシンAの重量に換算したものとを合計し、これに基づき、試料中のスピノサドの濃度を算出する。