〔平成一五・六・三○ 環告七二〕
平成五年四月環境庁告示第三十五号(農薬取締法第三条第二項の規定により定められた同条第一項第四号から第七号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第四号の環境大臣の定める基準を定める件)の一部を次のように改正し、公布の日から適用する。
1の表3′―クロロ―4、4′―ジメチル―1、2、3―チアジアゾール―5―カルボキサニリド(別名チアジニル)の項の次に次のように加える。
5―tert―ブチル―3―(2,4―ジクロロ―5―イソプロポキシフェニル)―1,3,4―オキサジアゾール―2(3H)―オン(別名オキサジアゾン) | 0.09mg/L |
2(133)の次に次のように加える。
(134) オキサジアゾン試験法
ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18 シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
オキサジアゾン標準品 本品はオキサジアゾン94%以上を含み、融点は89〜90℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法 溶媒抽出法
1) 試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
B法 固相抽出法
試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10〜20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
エ 測定機器の操作条件
ガスクロマトグラフ部
分離管 内径0.2〜約0.7mm、長さ10〜15mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1〜1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2〜約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20〜40cmとする。
試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200〜270℃、コールドオンカラム方式の場合は100℃〜150℃。
分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100〜約280℃の範囲で毎分10〜20℃の昇温を行う。
検出部
1)質量分析計
インターフェース部温度 200〜270℃
イオン源温度 150℃以上
測定質量数 175、258、344
感度 オキサジアゾンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
2)アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器
検出器温度 260〜300℃
ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
感度 オキサジアゾンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
オキサジアゾン標準品の0.05〜1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキサジアゾンの検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキサジアゾンの重量を求め、これに基づき、試料中のオキサジアゾンの濃度を算出する。