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私たち、アジア太平洋地域諸国代表(オーストラリア、バングラデシュ、ブータン、ブルネイ・ダルサラーム、カンボディア、中華人民共和国(以下、中国)2、フィジー、インド、インドネシア、日本、キリバス、韓国、ラオス、マレーシア、モルディブ、マーシャル諸島、ミクロネシア連法、モンゴル、ミャンマー、パラオ、パプアニューギニア、フィリピン、サモア、シンガポール、ソロモン諸島、タイ、東ティモール、トンガ、ツバル、ベトナム)、国際機関、二国間・多国間協議機関、調査研究機関、廃棄物管理の専門家は、2013年3月18-20日にベトナム・ハノイで開催されたアジア3R推進フォーラム第4回会合に参加し、3R(リデュース=発生抑制、リユース=再使用、リサイクル=再生利用)実施を通してアジア太平洋地域における資源効率的な社会とグリーンエコノミーを実現するため、持続可能な行動と対策によって有望な10年(2013-2023)を実現する新たなコミットメントを提示すると共に、
ヨハネスブルグ実施計画(JPOI)に銘記されている通り、環境への悪影響を最小限に抑え資源効率を高めるため、政府当局及び全てのステークホルダーの参加を呼び掛け、廃棄物を抑制・最小化し、リユース、リサイクル及び環境に優しい代替資源の使用を最大限に活用する、一致協力した取り組みの必要性を再確認し、
2011、2012年に開催された国連持続可能な開発委員会第18、第19会期で取り上げられた廃棄物セクターの主要な世界的課題 ― 廃棄物ゼロ社会移行の必要性、電子廃棄物、海洋浮遊のプラスティック、油脂・潤滑油など具体的な廃棄物に対する監視の必要性、連携・国際協力の重要な役割、行動の変化を促す教育、周知の意義など ― を銘記し、
2009年11月11-12日に東京で開催されたアジア3R推進フォーラム設立会合において、同フォーラム参加者が発表した東京3Rステートメント(同フォーラムの設立を承認し、3R分野におけるアジアの優先事項を掲げている)、及びグリーンエコノミーと循環型社会形成を見据えた3Rの取り組みを掲げ、2010年10月4-6日にマレーシア・クアラランプールで開催された同フォーラム第2回会合の成果を再確認・拡充し、
アジアにおける資源効率的社会の実現を目指して2011年10月5-7日シンガポールで開催されたアジア3R推進フォーラム第3回会合の3Rに関する勧告案 ― 議長サマリーの付属書として作成され、シンガポール政府がリオ+20の準備プロセスにインプットとして公式に提出した包括的な勧告案。3Rが本来、農業、工業、エネルギー産業など様々なセクターの資源効率に関わるという基本的理解に基づいて、資源効率的なグリーンエコノミーへの転換を目指している ― を拡充し、
持続可能な開発に資する水資源利用の改善の決定的重要性及び世界人口の3分の1が水不足の影響を受け、その状況は世界各地の河川やその流域、貴重な湿地帯で廃棄物や未処理の工場排水が投棄されているため一段と深刻化しているという事実を強調し、淡水資源の保護と統合的廃棄物管理の重要な関係を銘記し、
進展する都市化や世界的に多様化する廃棄物処理プロセス、さらには一般廃棄物の中に混在する化学製品、有害・有毒物質の増加など、地方当局・自治体が直面する複雑で困難な廃棄物管理に取り組むためには、様々なステークホルダー(政府、市民社会、民間部門、地域コミュニティー)や国連システムが協力、提携を一段と拡充して対処する必要性を銘記し、それ故にIPLA3の目的を改めて銘記し、
途上国間の全体的協力の強化及び途上国各々の具体的な開発ニーズに沿った技術・技能の集団的及び個々の吸収・適応能力の拡充を求めた、1978年のブエノスアイレス行動計画の中で認識され、国連総会(UNGA)で承認された発展途上国(TCDC)間の技術協力4の重要性を再確認し、
国連環境計画国際環境技術センター(UNEP/IETC)主宰による廃棄物管理グローバル・パートナーシップ設立に向けた進捗など、廃棄物の抑制、最小化、管理に焦点を置いた国際協力・調整を引き続き促進するUNEP理事会の決定27/12を歓迎し、
リサイクル可能な資源、エネルギー及び廃棄物由来の経済的恩恵を利用するための対策・ツールの補完的・統合的パッケージを提供する、3Rのユニークで効果的な役割を認識し、
3Rアプローチとは、基本的に資源の採掘から最終処分に至る過程において資源の有効利用を求めるアプローチであり、資源や製品のライフサイクルを通して温暖化ガス排出削減に顕著な貢献をする事実を理解し、
直近30年間のアジア太平洋地域における資源利用の急増、今後の大幅伸張の可能性を銘記すると共に、世界のエネルギー消費に占める同地域の35%超のシェアは、これまで通り(business as usual)のシナリオ5の下では加速的上昇が予想される事実を銘記し、それ故アジア太平洋地域における持続可能な開発のため資源・エネルギー効率向上の必要性を認識し、
国連総長配下のグローバル・サステイナビリティに関するハイレベル・パネルが報告書「人間の回復力、地球の復元力:選択できる未来」の中で提言した勧告 ― 各国政府はセクター横断的に持続可能な開発課題に対処するため、国家元首あるいは政府のリーダーシップの下で、政府部門が関連各省庁を絡め一体となって取り組むべきである(勧告42)― を支持し、
その狭小性、離島性、限られた資源・輸入ベース、さらには気候変動や頻繁かつ強烈な自然災害の潜在的な影響の大きさを含む、地球規模の環境問題や外部経済ショックに対する無防備な環境など、小島嶼開発途上国(SIDS)が抱えるユニークで特異な脆弱性を鑑みながら、持続可能な開発を実現するための問題や課題を認識し、
ライフサイクル・アプローチ採択の重要性や、資源効率、環境に健全な廃棄物管理に関する政策を今後作成し実施することの重要性 - かかる重要性はリオ+20 ( 国連持続可能な開発会議(UNCSD))の成果文書「私たちの望む未来」に記載されており、その中では、憂慮すべき課題となっている電子廃棄物、プラスティックなどを含め、世界の大部分の廃棄物を環境に健全な方法で、かつ、可能な限り資源として管理することを目的に、各国元首、政府は持続可能な消費と生産に関する10年間の計画枠組みを採択し、廃棄物のリデュース、リユース、リサイクル(3R)をさらに推進し、廃棄物から回収されるエネルギー量の拡大を公約している - を銘記し、
さらに、環境に健全な化学製品・廃棄物管理の対処能力、技術力を強化するため、リオ+20に於ける各国元首、政府の要請 - 中央・地方政府の包括的な廃棄物管理政策、戦略、法規制ならびに産業界、政府、学界、非政府ステークホルダーによる革新的な官民パートナーシップの推進と実施 - を銘記し、
資源効率的かつ強固で柔軟な社会を実現し、グリーンエコノミー移行という究極的目標に向けて、アジア太平洋地域における持続可能な3Rの目標を達成するため、以下の政策オプション、プログラム及びプロジェクトを自主的に策定、導入、実施する決意を表明する:
本付属文書は、3R・資源効率に関する具体的進捗状況をモニターするため、参加各国の参考用に諸指標の概要を示したリストである。ハノイ3R宣言は法的に非拘束かつ任意の成果文書である。それ故、参加各国がこれ以外の指標や対策を追加的、代替的に開発して、それに基づいて進捗状況をモニターしてもさしつかえない。
かかる包括的リストの目的は、所期の目標を達成するため、3R実施の客観的算定、モニタリングのためのガイドラインを提供することにある。
参加各国は、一定期間内に具体的かつ数値化可能な目標を設定するため、進捗状況の体系的なモニタリングと記録が可能な下記の推薦指標リストを利用して、独自の指標リストを作成してもさしつかえない。
目標 | モニタリング指標 |
1.都市・産業分野の3R目標 | |
a) 一般固形廃棄物の3R | |
1)国・地方レベルで各種政策、プログラム、プロジェクトを導入し、また生産のグリーン化、ライフスタイルのグリーン化、持続可能な消費を通して、生産者、消費者双方に廃棄物削減を促すことにより、一般固形廃棄物の発生量を大幅に削減 |
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2)食品廃棄物など一般廃棄物に含まれる有機物成分を貴重な資源として最大限に活用することにより、廃棄物の最終処分量削減、温暖化ガス排出の削減、資源効率の向上、エネルギー回収お及び雇用創出など複数のメリットを享受 |
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3)各種政策・対策の導入や、関係ステークホルダー(生産者、消費者、リサイクル産業、リサイクル資源のユーザー等)や近代的リサイクル産業の開発に係る融資メカニズムや制度的枠組みを構築することにより、リサイクル可能資源(プラスティック、紙、金属等)のリサイクル率を大幅に高める |
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4)廃棄物量最小化を主たる目標に掲げ、環境に健全な政策、戦略、制度的メカニズム、マルチ・ステークホルダー・パートナーシップ(民間部門の参加が重要)による「廃棄物ゼロ」を推進し持続可能都市・グリーン都市を建設する |
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b) 産業部門(中小企業含む)の3R | |
5)中小企業(SME)を含めた民間企業が資源効率・生産性を高め、適切な仕事の創出を促す施策を実施し、環境基準、クリーン技術、これまでよりもクリーンな生産方法の適用により環境に優しい慣行を強化するよう奨励する |
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6)産業、関連サプライヤー、販売業者に働きかけ、社会的に責任ある包括的な方法でバリュー・チェーンのグリーン化を促進する |
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7)適切なインセンティブ、支援を提供することにより産業共生(ある産業で生じた廃棄物をリサイクルして他産業の資源として利用すること)を促進する |
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8)民間部門(中小企業含む)がグリーン産業を育成し、適切で生産的な仕事を創出するために必要な知見、技術的スキルを取得できるよう、現在及び将来の事業者のローカル・キャパシティを構築する |
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9)有害廃棄物の健全な管理を行う前段階として、有害廃棄物の適切な分別と保管を実施する |
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2.農村部の3R目標 | |
10)食品のトータル・サプライチェーン(生産、収穫後の保管・貯蔵、加工・包装、流通)のロスを削減し、それにより消費者に届ける食品の量的拡大と品質向上を図る |
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11)適切なリユース及び/又はリサイクル対策により農業バイオマス廃棄物及び畜産廃棄物を最大限に活用し、温暖化ガス排出削減、エネルギー確保、持続可能な農村の生活様式、そしてとりわけ貧困削減など多くのコベネフィットを享受する |
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3.新規廃棄物の3R目標 | |
12)地域、国家、地方の取り組みを強化し、海洋、沿岸部の廃棄物、とりわけプラスティックの問題に対処する |
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13)回収、保管、輸送、再生、リサイクル、処理、処分など電子廃棄物の一連のプロセスにおいて、就労者の健康・安全面を含めた労働環境に十分配慮しながら、環境に健全な方法による管理を実施する |
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14)有害・電子廃棄物など、不法、不適切な廃棄物の輸出入(中継貿易を含む)を防止する制度的メカニズムの有効な実施 |
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15)新たな廃棄物、就中、電子廃棄物の回収、リサイクル、処分に係る責任を果たすよう生産者、輸入業者、小売業者、その他関係ステークホルダーに求めることにより、「拡大生産者責任(EPR)」の漸進的実施を図る |
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16)保健関連廃棄物管理の分野で3Rの考え方を促進する |
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4.分野横断的課題の3R目標 | |
17)グリーン・ジョブを全国の経済・開発セクターに遍く行き渡せることにより、資源効率及び資源生産性を高める |
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18)地域の大気、淡水・海水、土壌汚染に対する廃棄物管理技術及びグローバルな気候変動に対する廃棄物管理技術に由来するコベネフィットを最大化する |
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19)政府、地方自治体、民間部門、科学者グループなどステークホルダー全体の有効かつダイナミックな連携を促進することにより、3R・資源効率に関する国・地方の情報ベース及び研究ネットワークを強化する |
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20)国民の意識を高め、3R、持続可能な消費と生産及び資源の効率性を推進する際に中央・地方政府、市民社会、民間部門などマルチ・ステークホルダーによる提携を強化し、国民の行動変化や生産方式の変更に繋げる |
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21)「持続可能な開発のための教育」に沿って、3Rを正規の初等、中等、高等教育、ならびに地域学習・開発など非正規の教育に取り入れる |
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22)資源効率的、廃棄物ゼロの社会への転換を目指し、環境省、農林水産省、産業省、貿易・通商省、エネルギー省、水資源省、運輸省、保健省、建設省、財務省、労働省、国土・都市開発省、文部省、その他関連省など主要省庁の関連政策・計画で示される3Rのコンセプトを統合する |
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23)全政府部門でグリーンで社会的に責任ある調達を促進し、環境に優しい商品・製品に係る3R産業・市場を創造・拡大する |
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24)資源(原材料、水)・エネルギーの持続可能な使用に弊害となる補助金を漸次解消し、解放された資金を3Rや資源・エネルギー効率の向上策の実施に活用する |
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25)違法な海洋・屋外投棄をゼロにし、都市・農村部の野焼きを取り締まることにより、淡水・海洋資源を含め、住民の健康及び生態系を保護する |
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26)諸国間の合意及び国際・国内法、とりわけバーゼル条約に従って、再利用・リサイクル可能な資源や再生製品の国際循環を促進し、環境負荷の低減と資源の有効管理に貢献する |
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27)廃棄物管理及び資源効率の現状を把握するため、廃棄物や3Rに関する統計データの収集、編纂・共有、公表、活用を促進する |
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28)再使用・リサイクルが不可能で、適切かつ持続可能な管理が保証されない廃棄物については、熱回収(廃棄物発電)を推進する |
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29)政府、自治体、産業、企業・研究所、NGOなど、各セクターにおける様々な関係に基づいて、網羅的な地域協力及びマルチ・ステークホルダーの連携を促進する。また3Rを推進するため、先進国による発展途上国への技術移転及び技術的、財政的支援を後押しする |
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30)持続可能な開発を目指す際には、小島嶼開発途上国(SIDS)を含めた途上国が直面している問題・課題に特別な注意を払う |
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31)SIDS、とりわけアジア太平洋地域において、リサイクル産業が存在しない、市場規模が限られているなどの理由でリサイクルが難しい場合には、3R+「還元」のコンセプト(リデュース、リユース、リサイクル、プラス「還元」を表す)を広く浸透させる |
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32)インフォーマルな廃棄物セクターにおける子どもたちの違法就労を完全に排除し、健康保険の制定を含め、全労働者の労働条件や生活保障を改善する |
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33)ジェンダー(性差)を考慮し3Rを推進する |