報道発表資料

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2023年03月17日
  • 地球環境

第8回日本・ベトナム環境政策対話に向けた準備会合及び2050年カーボンニュートラルに向けた日ベトナム共同協力計画に基づく第2回合同作業部会の結果について

1.日本国環境省とベトナム社会主義共和国天然資源環境省は、2023年2月27日にベトナム国・ハノイで「第8回日本・ベトナム環境政策対話に向けた準備会合」及び「2050年カーボンニュートラルに向けた日ベトナム共同協力計画に基づく第2回合同作業部会」を開催しました。

2.準備会合では、海洋を含むプラスチック・廃棄物管理、水質管理、大気質管理に関して、両省の政策動向、課題及び今後の協力について意見交換を行いました。

3.第2回合同作業部会では、2050年カーボンニュートラルの実現のために、緩和、透明性、長期戦略、フロン、適応に関する両省の協力活動のアップデートを行い、新たな協力展開について意見交換を行いました。

4.また本年、日本・ASEAN友好協力50周年の節目の年を迎えるにあたり、ASEANにおける環境分野での取組を進める上で、両省の連携についても意見交換を行いました。

■ 経緯

 日本環境省とベトナム社会主義共和国天然資源環境省は、包括的な環境協力を進めていくために「日本国環境省とベトナム国天然資源環境省の間の環境協力に関する協力覚書」に2013年に署名して以降、定期的に政策対話を開催しています。今般、本年開催予定の第8回日本・ベトナム政策対話に向けて、局長級の準備会合を開催しました。
 あわせて、両省が2021年11月に署名した「2050年までのカーボンニュートラルに向けた気候変動に関する共同協力計画」(以下「共同協力計画」という。)に基づいて設置された合同作業部会の第2回会合を開催しました。

■ 開催日時

2023年2月27日(木) 9:00~12:00(第8回環境政策対話に向けた準備会合)
           15:00~17:30(第2回合同作業部会)

■ 開催場所

ベトナム社会主義共和国天然資源環境省(対面・オンラインのハイブリッド方式)

■ 主な出席者

(ベトナム側)
 天然資源環境省 クオン気候変動局長、フイ国際協力局次長 他

(日本側)
 環境省 松澤地球環境局長、西川インフラ推進官 他
 在ベトナム日本国大使館
 JICAベトナム事務所・専門家 他

■ 主な議論

1.第8回環境政策対話に向けた準備会合

両省のこれまでの協力の進捗について確認するとともに、最近の政策動向を紹介し、今後の協力について協議しました。

各分野における議論の概要は以下のとおりです。

(1) 海洋を含むプラスチック・廃棄物管理
アジア地域における海洋プラスチック問題の解決に向けた日越連携の重要性を確認し、基本合意書(LoI)に基づく海洋ごみモニタリング分野における今後の協力について意見交換を行いました。
廃棄物管理では、バクニン省での廃棄物発電プロジェクトの進捗報告を含む、廃棄物発電及び電気電子機器廃棄物(E-WASTE)に関する協力の可能性について議論を行いました。
両省は、プラスチック汚染対策に関する条約策定に向けた政府間交渉委員会(INC)での協力を確認するとともに、廃棄物発電プロジェクトの進展を歓迎し、廃棄物管理に関する合同委員会に基づく協力を継続することに合意しました。

(2) 水質管理
ベトナム側より、環境保護法に基づく水質管理や水資源法の改正の動きが紹介され、日本の水質管理の経験の共有や、排水処理技術、データ管理システムに関する協力等を要望されました。日本側から、ベトナムでの水環境改善モデル事業で実証した排水処理技術の水平展開の促進や、JICAが実施するハロン湾での協力、排水基準の改善支援等の活動について議論を行い、環境省とJICAが連携しながらベトナムにおける水環境改善の協力を進めることを確認しました。

(3) 大気質管理
日本側から、大気汚染対策と温室効果ガス排出削減を同時実現するコベネフィット実証事業や、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の下で実施されているプロジェクトについて紹介しました。また、ASEANにおける環境技術実証(ETV)事業での協力について意見を交換しました。ベトナム側から、これらの活動に対する高い関心が示され、今後の協力について意見交換を行いました。

(4) 日・ASEANの環境協力における日越の連携
本年の日ASEAN閣僚級環境協力対話や日ASEAN環境ウィークの機会を活用し、両省が連携してASEANの環境分野での取組を進めていく方向で引き続き調整していくこととなりました。

2.2050年カーボンニュートラルに向けた第2回合同作業部会

ベトナムの2050年カーボンニュートラルの実現のため、緩和、透明性、長期戦略、フロン、適応の分野について、共同協力計画に基づく両国の協力活動について進捗を共有しました。また、新規の協力提案を行い、今後、次回の政策対話での合意を目指して協議を継続することを確認しました。

各分野における議論の概要は以下のとおりです。

(1) 緩和
二国間クレジット制度(JCM)による事業の進展を確認し、今年のJCM合同委員会の開催、パリ協定6条の指針に従ったルール改訂の協議、パリ協定6条実施パートナーシップへのベトナムの参加について協議を行いました。

(2) 透明性
ベトナムで法制度整備が進められている温室効果ガス排出報告制度への協力として、「コ・イノベーションのための透明性パートナーシップ(PaSTI)」及びJICAによる技術協力プロジェクトの今後の進め方について意見交換を行い、更なる協議の必要性を確認しました。

(3) 長期戦略
アジア太平洋統合評価モデル(AIM)を活用したベトナムの長期戦略(国家気候変動戦略)策定支援の成果を確認し、AIMを活用した今後の協力を進展させるため、ベトナムの研究者の育成が必要であるとの見解で一致しました。

(4) フロン
フロン対策における日越協力の進展を確認し、ベトナムの2024年から導入される冷媒回収義務化に向けた制度構築支援や、JCMによるフロン回収・破壊設備の導入状況について意見交換を行いました。

(5) 適応
日本側から、昨年のCOP27において日本が公表した「気候変動の悪影響に伴う損失及び損害(ロス&ダメージ)支援パッケージ」に基づき、ベトナムでの早期警戒システムの導入支援について紹介し、両省で協議を進めることを確認しました。ベトナム側からは、気候変動適応における日本の取組や知見共有への期待が示されました。

連絡先

環境省地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8248
参 事 官
水谷 好洋
推 進 官
西川 絢子
参事官補佐
辻  景太郎
参事官補佐
山田 郁夫

関連情報

過去の報道発表資料 2014年08月26日 第1回 日本・ベトナム環境政策対話の結果について(お知らせ)
https://www.env.go.jp/press/18574.html
 
2015年12月24日 第2回 日本・ベトナム環境政策対話の結果について(お知らせ)
https://www.env.go.jp/press/101812.html
 
2016年12月20日 第3回 日本・ベトナム環境政策対話の結果(地球環境審議官のベトナム出張の結果等)について
https://www.env.go.jp/press/103149.html
 
2018年03月27日 第4回日本・ベトナム環境政策対話の結果について
https://www.env.go.jp/press/105310.html
 
2019年01月15日 日本・ベトナム環境ウィークの結果について
https://www.env.go.jp/press/106345.html
 
2020年08月27日 第6回日本・ベトナム環境政策対話の結果について
https://www.env.go.jp/press/108362.html
 
2021年11月25日 第7回日本・ベトナム環境政策対話の結果について
https://www.env.go.jp/press/110238.html
 
2021年12月23日 第2回日本・ベトナム環境ウィークの結果について
https://www.env.go.jp/press/110350.html