報道発表資料

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2002年03月22日
  • 自然環境

新・生物多様性国家戦略(案)について

昨年10月に中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会に諮問した生物多様性国家戦略の見直しについて、平成14年3月25日に開催予定の同部会で答申を得るとともに、3月27日に予定されている地球環境保全に関する関係閣僚会議において、新・生物多様性国家戦略が決定される見込みです。
 新しい国家戦略の案の作成経緯と概要について、下記のとおりお知らせします。
  1. 国家戦略見直しの経緯
     
    平成7年10月に策定された現行の国家戦略において、5年後程度を目途に見直すことが規定。
    昨年3月から懇談会を実施。10月10日付けで中央環境審議会に諮問、今年2月15日に生物多様性国家戦略小委員会で見直し案をとりまとめ、パブリックコメント募集を実施。平成14年2月18日から3月11日までの間で、意見提出者数1,029名、延べ意見数約2,000件(詳細は整理中)。
    案の作成作業は、生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議(9省庁で構成。事務局は環境省)の構成省庁が連携・協力して実施。
     
  2. 新・国家戦略のポイント
     
    「自然と共生する社会」実現のための政府全体のトータルプランとして国家戦略を位置付け。
    絶滅回避・原生的自然保護から、里山・干潟など国土全体における生物多様性保全を体系化。
    生物多様性の問題点を、次のとおり「3つの危機」として整理。理念と方針を明確化し、具体的施策を提示。
...生物多様性の問題点...   ...問題点に対応する具体的施策...
第1の危機
開発、乱獲等による種の減少・絶滅、生態系の破壊による生息・生育地の減少
「トキが最後の1羽に」
第2の危機
里地里山における生産様式の変化や人口減少などにより、人間の働きかけにより成立してきた自然の質が変化し、特有の動植物が減少
「メダカが激減」
第3の危機
人間により国外から持ち込まれる移入種による在来種の捕食、交雑など、日本固有の種への影響
「ブラックバスの影響」
絶滅防止・生態系保全
  保護増殖事業の実施、国立公園など保護地域の拡充強化、干潟等の湿地保全の強化
自然再生・生物多様性の回復
  各省連携・市民参加による自然再生事業の推進、森林の整備・保全、都市緑化の推進
里地里山の保全
  里山保全モデル事業の実施、里山管理協定制度の拡充、環境に配慮した生産活動の推進
移入種対策
  侵入実態把握調査の実施、要注意種リストの作成、飼養動物管理の強化
生物多様性全国調査の推進
  モニタリングサイト1000、浅海域生態系調査
NPO・市民参加
  里山再生活動や自然環境調査への参加促進

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
課  長:小野寺  浩(内線6430)
 企 画 官:渡辺 綱男(内線6490)
 課長補佐:堀上  勝(内線6428)
 

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