垂直分布
屋久島には標高1,800mを超える山々があり、山頂付近は北海道の札幌と同じような気候となります。このため屋久島では、亜熱帯から冷温帯に成立する多様な植生が標高に応じて見られます。
低標高域にはガジュマルなどの亜熱帯性植物がみられ、標高800m付近まではシイ、カシ類を主とした照葉樹林が広がります。さらに標高があがると針葉樹と広葉樹が混生する針広混交林が標高1,600m付近まで広がります。標高1,600m以上になると、強い風の影響を受けた低木がみられる風衝低木林が広がり、標高1,800m以上の山頂付近ではヤクシマダケの草原帯が広がります。このように異なる植生が標高によって分布することを植生の垂直分布と呼び、それが連続して残る屋久島の「生態系」は世界遺産の顕著な普遍的価値として認められています。