流氷がつなぐ豊かな生態系、火山が生んだ山々と海岸断崖が織りなす雄大な景観
指定:昭和39年6月1日
陸域:38,954ha
海域:22,353ha
北海道
アイヌ語で「地の果て」を意味する「シリ・エトク」を語源とする知床は、まさに日本の最東北端に位置します(北方領土を除く)。
知床国立公園は、火山活動や流氷などによって形成された険しく雄大な景観と、野生生物の豊かさに特徴づけられます。特にヒグマやシャチなどの大型哺乳類や、絶滅の恐れがある大型の猛禽類も多く生息し、それらを頂点として、様々な野生動物が相互に関係しあい、色濃く息づいています。
こういった生物の多様性と海・川・森の生態系のつながりが評価され、平成17年7月には知床は世界自然遺産に登録されました。
世界自然遺産
世界遺産の基準を満たすとして認められた知床の自然の特徴・価値を分かりやすく言えば、(1)流氷がもたらす海の恵み、(2)サケ類がのぼる川が結ぶ海と陸とのつながり、(3)海・川・森が支える貴重な野生生物の3つです。
<登録基準「生態系」>
・知床は北半球で最も低緯度に位置する季節海氷域であり、その影響を大きく受けた高い生産性がみられ、海と陸の生態系の相互関係の顕著な見本である。
<登録基準「生物多様性」>
・知床は海洋性及び陸上性の多くの種にとって特に重要であり、これらの中には多くの希少種が含まれている。
・知床は多くのサケ科魚類、トドやクジラ類などの海生哺乳類にとって世界的に重要である。
・知床はケイマフリなどの世界的に希少な海鳥類や、オオワシやオジロワシなどの渡り鳥の生息地として重要である。