2009年03月26日
結果報告
沼津自然保護官事務所では,平成21年3月7日(土)に,城ヶ崎海岸(富士箱根伊豆国立公園,伊豆半島地域)において子どもパークレンジャーを開催しました。今回は伊東市内の子ども達12名が参加してくれました。
※子どもパークレンジャーとは?
城ヶ崎は,伊豆半島東海岸の伊東市に位置し,大室山から流れ出た溶岩流が浸食されて形成された海岸です。一帯は,断崖絶壁が続き,出入りの多い海岸線となっています。
前日までは菜種梅雨を思わせるような長雨が続いていましたが,写真のように,この日は目の覚めるような快晴となりました。奥にうっすらと見える島は伊豆大島です。
参加者のみなさんと活動するスタッフ,レンジャー,アクティブレンジャーが紹介されました。
「アイスブレイク」とは,心の氷を溶かす,つまり,初対面のスタッフや参加者同士がお互いの抵抗感を減らすためのものです。今回は簡単なゲームを行いました。
レンジャーから,子どもパークレンジャーに任命されました。
城ヶ崎海岸は,切り立った断崖の上に成立したクロマツ林が景観を引き締めていますが,松枯れ病の発生により,場所によっては,既にマツが枯死していることもあります。マツ林は,地元の方々によって保護活動が行われています。
「城ヶ崎海岸の松と自然環境を守る会」世話人の金子さんが,城ヶ崎海岸におけるマツの話,松枯れ病について,「城ヶ崎海岸の松と自然環境を守る会」のマツ林保全活動について,話をしてくれました
続いて同じく世話人の日吉(淑)さんが,マツを保全するための作業について,話をしてくれました。冬の寒い朝,マツの樹幹に穴を空け,このように予防薬を注入します。
※参考: 2009年1月19日のAR日記
地元の皆さんと協力して,みんなでマツノザイセンチュウ抵抗性クロマツの苗を植えます。このマツが大きくなったら,この場所はより魅力的な景観となることでしょう。
捨てられたゴミが生きものを傷つけることがあることなどを説明し,スタッフと参加者みんなで歩道上のゴミを拾いました。
小さなゴミも見逃さず,熱心に拾い集める子ども達が印象的でした。
あ,タイワンリスだ!城ヶ崎海岸とその周辺には,特定外来生物のタイワンリスが逸出・増加しています。今回は,タイワンリスがどんなことをしているのか調べました。
今回,樹木上を移動するタイワンリスを何度か観察することが出来ました。写真の樹木に残る傷跡は,タイワンリスによるものです。子ども達は傷が残った樹皮を見て衝撃を受けているようでした。
城ヶ崎海岸を形成している大室山溶岩には,「かんらん石」が多く含まれることが特徴です。「いがいが根」では,斉藤先生の解説で,ルーペを使ってかんらん石の観察を行いました。日光を当ててルーペで覗いてみると,黄緑色に光ってとてもきれい。中には,肉眼でも容易に分かるような大きなものを見つけた子もいました。
みんなが今まで歩いてきたところは,日本を代表する自然である,国立公園だったのです。
レンジャーの説明に,みんな興味津々で聞いていました。
今回は盛りだくさんな内容となりました。比較的長い距離を歩いたので,参加してくれた子ども達は少し疲れたようでしたが,みんな楽しく仲良く参加できたようで何よりです。
おかげさまで,イベントは無事成功に終わらせることが出来ました。今回協力して下さった皆様には,心からお礼申し上げます。