海洋プラスチックごみのモニタリングデータ及びデータベース(AOMI)の利用拡大に向けた国際ワークショップ

海洋プラスチックごみのモニタリングデータ及びデータベース(AOMI)の利用拡大に向けた国際ワークショップ

 2024 年10 月8日、海洋プラスチックごみのモニタリングデータの更なる収集や、今年5月から運用を開始したデータベース「Atlas of Ocean Microplastic(通称:AOMI)」の更なる利用拡大を目的として、国際ワークショップ「AOMI Database Workshop: Enhancing Ocean Microplastics Monitoring」をオンラインで開催しました。
  本ワークショップでは、海洋ごみに関するデータベースやマップ等の提供により各国の政策立案等への活用を目指すUNEP Global Partnership on Plastic Pollution and Marine Litter (GPML)等の国際機関及び研究者からの取組紹介を行う他、モニタリングの拡大に向けた課題や取組についてのパネルディスカッション、AOMI の機能や利用方法に関する説明等を実施しました。

■ 開催趣旨

 近年、マイクロプラスチックを含む海洋ごみは重要かつ喫緊の問題となっています。地球規模でプラスチックごみの削減に向け、科学的知見に基づく政策を推進していくためには、海洋プラスチックごみの分布状況などの科学的な知見を世界各国で共有していく必要があります。これまで、海洋表層に漂流するマイクロプラスチックの実態調査は、調査の目的に応じて異なる調査手法が取られていたため、データの比較が困難でした。
 これらを踏まえ、環境省ではサンプリングと分析の手法を比較する実証事業を実施し、国内外の専門家による国際専門家会合での議論を経て、令和元年5月に「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」(Guidelines for Harmonizing Ocean Surface Microplastic Monitoring Methods) の初版を公開しました。
 調和ガイドラインに沿ってモニタリングすることで、漂流マイクロプラスチックの調査データを比較することが可能になりましたが、世界中のモニタリングデータは、いまだ比較可能な状態では整理されていませんでした。そこで、環境省は令和2年9月に「海洋プラスチックごみのモニタリング手法調和とデータ整備に関するG20 ワークショップ」を開催するとともに、新たな世界的モニタリングデータ共有システムを提案し、令和6年5月に海洋プラスチックごみのマッピングデータベース「Atlas of Ocean Microplastic (通称:AOMI)」を公表しました。AOMI では、世界中の研究者や機関、政府から海洋表層マイクロプラスチックのモニタリングデータを収集するとともに、粒子密度分布や調査地点等の2次元地図を提供しています。
 しかしながら、現状では、特に東南アジアやアフリカ、南アメリカ、アフリカ周辺のモニタリングデータが不足しています。そこで、環境省では、モニタリングデータの更なる収集に向け、データの利活用の重要性の理解促進及びAOMI の認知度向上を図るため、国際ワークショップ「AOMI Database Workshop: Enhancing Ocean Microplastics Monitoring」を開催しました。
 本ワークショップでは、海洋ごみに関するデータベースやマップ等の提供により各国の政策立案等への活用を目指すUNEP Global Partnership on Plastic Pollution and Marine Litter (GPML)等の国際機関及び研究者からの取組紹介のほか、モニタリングの拡大に向けた課題や取組についてのパネルディスカッション、AOMI の機能や利用方法に関する説明等を実施しました。

■ 開催概要/資料

(1)概要
   日時:2024 年10 月8日 18:00~21:00(日本時間)
   開催方法:オンライン(ZOOM)
   主催:環境省

(2)プログラム
 
(3)資料

1. 環境省_データベースプロジェクトの目的と背景説明、AOMIの運用開始のお知らせ
2. 九州大学 磯辺篤彦氏_マイクロプラスチックに関する研究活動におけるデータセットの重要性とAOMIの貢献可能性
3. モニタリングデータに関する活動と取組
3-1. (GPML) Nisha Gill Hansted氏 
3-2.  (IOC)/国際海洋データ・情報交換システム(IODE) Lotta Fyrberg氏
3-3.  (EMODNet) Matteo Vinci氏
3-4. (NOAA) Jennifer Webster氏 
4. 南アメリカ、インド、東南アジア及びアフリカ地域におけるモニタリング活動の現状共有
4-1. 国立科学技術研究評議会(CONICET)、アルゼンチン海洋学研究所 (IADO) , 南部国立大学 Andrés H. Arias氏
4-2. 農研機構動物衛生研究部門 Prasun Goswami氏
4-3. インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)海洋研究センター Muhammad Reza Cordova氏
4-4. ケープタウン大学 William Froneman氏
5. AOMIの機能とデータのアップロードについて
5-1. 九州大学 María Belén Alfonso氏_AOMIの紹介とデモンストレーション/九州大学海洋プラスチック研究センター(COPS)によるプロモーション活動
5-2. 九州大学 磯辺篤彦氏_データ処理全体ワークフローにおけるデータセットの収集・受入れ及び処理の活動紹介
5-3. 九州大学 中野知香氏_QCとデータポリシーの説明(データ提出と利用のデモンストレーション及びデータ処理手法の紹介を含む)
6. 環境省_AOMIの改修計画や今後の方向性