ページの先頭です。

エコツーリズムに取り組む地域への支援

ページの本文です。

平成24年度エコツーリズム推進アドバイザー派遣事業

報告会

アドバイザー派遣事業を通じて行われた取組を多くの方々に共有するため、事業報告会を開催しました。

本報告会では、アドバイザー派遣を活用して取組を行った2地域、現地に赴いていただいた3名のアドバイザーから、地域の取組や課題、アドバイザー派遣を通じて目指したことなどを報告していただきました。

会場
主催 環境省 (業務委託先 財団法人日本交通公社)
日時 2013年3月11日(月)13:30〜17:30
会場 大手町サンスカイルーム D会議室
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル27階
参加費 無料
関連資料 パンフレット  PDFファイル[418KB]  新規ウィンドウで開きます

環境省によるエコツーリズム推進方策について

環境省自然環境局総務課自然ふれあい推進室長 堀上 勝

堀上 勝 氏
  • 地域の自然や文化を活用しながら、ガイドの方々によってその自然や文化をきちんと解説し、観光に活用し、地域の活動を高めていくエコツーリズムの取組が各地域で行われている。
  • 環境省では「エコツーリズム推進法」に基づきさまざまな事業を実施しており、「エコツーリズム推進アドバイザー派遣事業」もその一つ。
  • 24年度は派遣を希望する団体が最も多く20団体に派遣をした。アドバイザーも過去最多の25人のアドバイザーをお願いし20地域に行っていただいた。
  • 本日の報告をさまざまな形で私どもも活用していきたい。また、各地で活用していただけるように、施策を組んでいきたい。

地域からの報告:岩手県久慈市での取組での取組

久慈市産業振興部交流促進課 総括主査 二ッ神 一洋 氏

二ッ神 一洋 氏
東日本大震災にかかる被災状況について
  • 久慈市では約310億円という甚大な被害を受け、浸水した一般の住宅等約1700棟、久慈市の死者は4人。
  • 大きな被害を受けた県南地域と比較をすれば被害が少なく、早く復旧・復興に向かっている。全国の多くの皆様からいただいた支援にお礼を申し上げたい。
ふるさと体験学習協会について
  • 教育旅行の受入にあたって行政とふるさと体験学習協会が協働して受入をしている。
  • 主な事業は、地域資源活用に係る情報収集・調査研究、体験型観光プログラムの開発・実証、インストラクター及び民泊体験受入先の養成、体験型学習の実際の受入、教育旅行及びグリーン・ツーリズムの推進等。
  • 体験プログラムは約40件。山里海の主なプログラムとして、シャワー・クライミング、琥珀採掘体験、サッパクルーズがある。
  • 平成17年度から教育旅行を受入。当時の実質人数が520名、延べ人数1,670名。23年度は、震災の影響で全てキャンセルとなった。
エコツーリズム推進アドバイザー派遣について
  • 今までエコツーリズムへの取組はほとんどなし。教育旅行と絡めた更なる地域活性化が目的。
  • 鹿児島大学名誉教授の大木公彦先生に来ていただき、市内の体験フィールド、受入施設、宿泊施設、教育旅行で活用している部分を見ていただいて、エコツーリズムに活用できないかという視点でアドバイスいただいた。
  • 大木先生からは、市内の生徒が自分の住んでいる場所の素晴しさを知ることが必要で、市内生徒を対象とした体験学習も必要で、岩手大学、県立博物館等と連携し、地元住民、教職員、生徒を巻き込んで勉強をする必要があるとの指摘を受けた。それにより、子どもたちに郷土愛が生まれ地元に定着し、地域活性化につながるということだった。
  • 体験学習の内容を深めることの必要性も指摘された。山、里、海のつながりを意識したメニューづくり、総合学習の場であることや「生きる」力を育むことを強調することの重要性を指摘された。
  • 県北の人は宮沢賢治をあまり意識していないが、エコツーリズムの原点が賢治の童話や生き方にあるという助言もいただいた。

地域からの報告:東京都西多摩郡檜原村での取組

NPO法人フジの森 理事・事務局長 相澤 美沙子 氏

相澤 美沙子 氏
檜原村の概況について
  • 檜原村は東京から2時間半位に位置。武蔵五日市以降はバスか車での移動が必要。
  • 9割が森林。8割が秩父多摩甲斐国立公園に属する。人口2,524人。
  • 観光客は年間37万人で「都民の森」に21万人。日帰り観光地として知られている。
  • 歴史文化の資源も豊富で、伝統工芸、式三番、神代神楽、おとう神事等、口留番所、国指定文化財の小林家住宅等。昔から林業や炭焼きが盛ん。
NPO法人フジの森の活動について
  • 体験交流事業、環境教育事業、環境保全事業、普及啓発事業等を実施。教育の森、ふるさとの森、四季の里という地産地消のレストランの3つを運営。
  • 教育の森は体験施設も兼ねており、土日のプログラムを年に90回程度実施。
  • 間伐体験、枝打ち体験、薪割り体験、川での水中生物観察、川遊び、山村の生活体験(蕎麦の種まき・刈取・石臼引き・そば打ち、草木染、手作りピザ等)、自然観察道の修繕体験、木工クラフト、サンマの炭焼き、ダッチオーブン、キャンプファイア、ハンモック等。また、野外音楽堂でのオカリナコンサート、間伐材によるログハウスづくり、ツリークライミング等、多様なプログラム実施。日帰りプログラムで毎年1000人以上が訪れている。
エコツーリズム推進アドバイザー派遣について
  • アドバイザーの真板昭夫氏には、四季の里とふるさとの森、払沢の滝を含めたエコツーリズムの可能性についての助言をいただいた。払沢の滝は日本の滝百選に入る名瀑で毎年65,000人の方が来訪している。
  • 払沢の滝では、ガイドをつけて滝の近くまでの自然や植物の案内等や歴史等が説明できることが重要であること、東京とは思えない滝の壮大さや自然のよさは観光資源として魅力があること、起伏が無いので高齢者にも訪れやすいこと、一部では安全管理や修景のための整備が必要であること等の指摘をいただいた。
  • ふるさとの森では、照葉樹林や落葉広葉樹林と人工林の両方を体験できる豊かな森で、野生動物も多く生息しており、ガイドを付けた方が楽しめること、安全のための整備やトイレの整備が必要なこと、適度の伐採が必要等の助言をいただいた。
  • その他、真板氏からは、エコツーリズムの講演と地域の宝探しの方法、二戸や南大東村等の事例を教えていただいた。

アドバイザーからの報告:熊本県八代市、茨城県行方市、岩手県宮古市

株式会社南信州観光公社 代表取締役社長 高橋 充 氏

高橋 充 氏
1)熊本県八代市への派遣について
●熊本県八代市について
  • 熊本駅からだと新幹線で20分弱、在来線でも30分位。新大阪から3時間半位に位置。沿岸部〜平地〜山間部〜山まで非常に多岐にわたる。
  • 八代よかとこ宣伝隊という八代市の観光協会の中の組織からの依頼。一所懸命、地域振興のために努力をされている。
●アドバイスの内容について
  • 交通アクセスが悪いことを心配している方もいたが、むしろ移動したからこその価値があり、普段接することのできない自然の凄さ、生きている人間のたくましさを味わえるのではないかと感じた。地理的、時間的距離感は、むしろそれをよしとできる部分がある。
  • また、地域にコーディネート組織があり行政と協働で進めており、実際にお金を払って来訪する観光客が1年度に来る予定があるということで、これから十分可能性はあるのではないかという印象を持ち、そのように伝えてきた。
2)茨城県行方市への派遣について
●茨城県行方市について
  • 比較的首都圏から近く車で2時間位。霞ヶ浦のほとりにある。
  • ここでは、有限会社くらぶコアという民間事業者が一所懸命頑張っていて、オーガニック農法で日本一の生産量・生産額を上げているが、更に6次産業の部分で何かできないかということで、アドバイザー派遣に至ったとのことである。
●アドバイスの内容について
  • 霞ヶ浦でのアウトドアスポーツ体験や、近隣の博物館等、活用の仕方によっては高い学習効果が期待できる施設もある。それらを行政とくらぶコアが当面核になって推進すれば色々な需要があるのではと感じた。
  • 教育旅行だけでなく一般の団体でもこだわりの旅を求める部分がある。地域の方と行政とくらぶコアとをつないでいけば非常に面白いと感じた。6次産業担当の方は自信が出てきたと言っていた。今後に期待している。
3)岩手県宮古市への派遣について
●岩手県宮古市について
  • 宮古市は東日本大震災で甚大な被害を受けた(田老地区他)。
  • 新幹線盛岡駅からバスで2時間。意外と近いと感じた。
●アドバイスの内容について
  • 2時間で行けるならば東京から4時間半。つまり半日で移動できると考えると、地理的なハンディは全く考えなくて良いと感じた。誘客する場合にとってはなんらハンディではないという話をした。
  • 宮古市は市町村合併をして、海の地区、森の地区、川の地区の子どもたちが互いの場所をよく知ろうということで、森、川、海の体験事業を2年ほど前に始めたとのこと。森のフィールド、あるいは川のフィールド、そして海のフィールド、それぞれ視察した。
  • 地域の中で交流事業を進めている点だけでも、既に一歩前に進んでいると感じた。
  • 将来教育旅行を誘致したいということだったので、このまま地域の中でこれを継続し、役場もその核となってやっていく覚悟を持っていると感じたので、今後は外に向けて情報発信していければ段々形になってくるだろうと感じた。
4)まとめ
  • 人の暮らしや歴史や自然を十分に深く理解しながら、地域に貢献していくというエコツーリズムの精神を考えると、3地区とも十分取り組んでいけると感じた。
  • エコツーリズムを推進していくには、以下の5つを連携していくものと常々考えて南信州地域で取り組んでいる。
  • 目指す姿に合致した基本理念の構築が事業推進の基盤
  • 適確な流通手段の選定とプロモーションにより、人を連れてくることも大事
  • 地域として譲れない一線は守る
  • 関わる人こそが最高の財産である
  • 地域の内側と外側双方の窓口を一本化し、理念の浸透やプロモーション、危機管理対応等に専心する
  • エコツーリズムがこれからますます浸透し、エコツーリズムというものの考え方自体が色々な形でこれから頼られてくると思う。
  • あるべきひとつの姿として、近年、職場内うつや予備軍の方が多いが、エコツーリズムを通じて地域で色々な方の話を聞いたり自分のことを語ることで、自分はこんな考え方ができるのか、こんなことを普段思っていたのかと、発見や刺激になる機会にもなりうると思う。
  • 例えば企業等が多少お金を出して職員のメンタルヘルス等に活かしたり、国が助成したりと、全体で社会の問題を解消し、都市も地域も豊かになるというものに将来結びついていくのではないか。

アドバイザーからの報告:群馬県下仁田町

公益財団法人日本生態系協会 地域計画室長 城戸 基秀 氏

城戸 基秀 氏
●下仁田町について
  • 下仁田は群馬の丁度長野県と埼玉県の間位のところ。面積188平方キロ、人口は8,900人で、過疎化が進んでいる。
  • 有名なのは、下仁田ネギ、下仁田コンニャク、荒船山や妙義山等の険しい山々。
  • 下仁田では二つの大きな取組があり、一つはジオパーク、もう一つは世界遺産登録に向けた取組。下仁田のキャッチフレーズは「ネギとコンニャク・ジオパーク」。非常に一点突破的なところがあるが、幅広い資源がある。
  • ジオパークは、地質が全ての基盤になっているという考え方を持っており、エコツーリズムと非常に似ている。ジオツーリズムの定義を見ると、地形・地質を中心として生態系、更には地域の歴史・伝統・文化を対象とする観光と書いてあり、エコツーリズムそのもの。資源を保全しつつ活用することにより地域経済を活性化する、という点もよく似ている。ジオツーリズムとエコツーリズムは基本的に同じ。
  • 食や土産も、ジオ定食とかジオ田楽とかジオかつ丼等が非常に多い。町や町の皆さんが協力してやっている点に感心した。
  • ジオツアーをやっており、学校から要望を受けてから対応するやり方で、年間4,000人位に案内をしている。基本的に無料。ガイドは学校の先生等の専門的知識を持った方。
  • 下仁田ジオ・歴史遺産応援団というガイド養成組織的なものがあり、30人位で月一回勉強会をして、歴史や地理・地学的なものの講演をされているといのこと。この中にはガイドをやりたいという方、勉強をちょっとしてみたいという方も含まれている。
●アドバイスの内容について
  • 地域からは、ガイドの養成組織を1年間動かしているが、その育成方法と、地域全体が協働する推進の体制づくりをどう進めていけば良いか、現在無料でやっているエコツアーの事業化についてどう考えていくのか、といった要望があった。
  • 地質の話というのは面白いが、やや専門的で、多くの人に対してどうか、と感じた。実は、他にも非常に優れた資源があり、地質の他にも、自然も良い魅力があると感じた。地質、ジオを優先しているため活かす視点が弱いと感じた。もう少し対象を広げて取り組んだ方が発展性があると考え、対象に広がりを持たせたらどうかという話をした。対象が広がれば、地質に興味がなくても、食や文化等に興味がある人も入ってこられるので、地域住民も参加者も入りやすくなるのではとお話しした。行政内についても、ジオの推進室だけでなく幅広く関わっていただくと良いのではと思う。
  • エコツアーの位置付けについては、これからどう全体を発展させていこうか、というビジョンや目標を考える必要があると感じた。無料で小学校相手で専門的な内容にするのか、少し幅を広げて有料でやるのか、地域の人にどういうふうに入っていただくのか等、地域のツアーの目標を考えたらどうかと話をした。有料にするのか無料にするのかというのは非常に大きな問題で、一概にどちらが良いとはいえないが、継続的にやっていくためには有料にすることも視野に入れて考えた方が良いと考える。
  • ガイドの育成についても二つの方向性があり、今は、地質や世界遺産といったどちらかというと専門的なやり方。これも重要だが、できることからやっていくというやり方もあるのではと思う。飯能ではガイド養成講座を3日間受講した後、すぐにガイドの手伝いをしていただき、実践の中で育てていくことをやっている。こうした考え方も場合によっては必要ではないかと話した。専門知識の習得となると、できる人が限られるので、町全体で、今後エコツーリズム、ジオツーリズムというのはどういうふうにしていくかを考えながら決めていくことが必要ではないかと考える。
  • 取組を広げていくためにはNPOとか地域の団体にできるだけ関わっていただくということが重要。地質だけではなく、自然や歴史や文化を知っている方、団体にも、ツアーに部分的に協力してもらう等が大事ではないか。
  • 地域住民については、地質に興味が無いと自分たちのものとして捉えられないので、もう少しツアーの幅を広げ、ツアーの途中で立ち寄らせてもらうとか、自分の体験を話してもらうというような形で参加をしていただくことが大事ではないかという話をした。
  • まとめると、町でエコツアーやジオツアーの取組をどのようにしていきたいのか、再度皆さんで話をしながらやっていくことが重要ではないか、ということ。

アドバイザーからの報告:北海道上川町、山梨県富士山及び富士北麓地域

株式会社知床ネイチャーオフィス 代表取締役 松田 光輝 氏

松田 光輝 氏
1)北海道上川町への派遣について
●北海道上川町について
  • 層雲峡は北海道の中央部、旭山動物園の近くにある。旭岳、黒岳といった高い山があり、秋は渓谷の紅葉がきれい。観光客も多い。
●アドバイスの内容について
  • 地域からの依頼は、観光客・宿泊客の減少に対し、エコツーリズムに取り組むことで宿泊客の減少に歯止めをかけられないかということ。
  • 紅葉谷は、層雲峡の温泉街から気軽に散策でき、北海道らしい森林を満喫できるコース。しかし一目で分かる資源がなく、どんどん人を呼べる資源ではない。現地で話したのは、ガイドのネタ(クマゲラの食痕、太いトドマツ等)が多くあり、ガイドが付くことで付加価値が付けられて、観光客に親しまれる場所にできるのではということ。ガイド養成が必要になると思う。
  • 大函は、柱状節理という岩と渓谷があるところで、渓谷の迫力ある景色を望める。課題は、柱状節理で崩れやすく近くで見られないことと、車から降りて簡単に眺望できるので滞在時間が短いこと。宿泊者を増やすには滞在して楽しめる資源がなければならない。流星・銀河の滝という迫力ある滝もあるが、ここも車を降りてすぐ見られる。層雲峡にはそうした資源が多い。
  • 旭ヶ丘に上川町がオーベルジュと花のガーデンを作っているとのこと。ガーデン系は北海道で今人気があるが維持管理に相当なお金がかかる。魅力あるものを作っていこうとするとそれなりに維持管理がかかる。維持コストの捻出がキーポイントになると思った。
  • 層雲峡の資源は簡単に見られるものが多いが、自然資源の魅力を高めるためにはストーリーをガイドとして大事にしている。簡単に見られるものは、感動はそんなに大きくない。
  • 感動を生む上ではルート作りも大事。知床五湖には原生林の中に五つの湖があるが、このコースでは観光客は非常に感動する。理由の一つは森を歩いて湖に着くと急に目の前が開けて湖ごしに山が見えるから。駐車場を降りてぱっと湖と山が見えても、そんなに感動は大きくないと思う。上川町も見せ方を考えていくべきと思った。
  • 限られた観光資源を活用するためには自然ガイドが有効。ガイドが魅力をストーリーで伝える、それが今まで使っていた資源の付加価値を高められる。層雲峡でも何名かガイドがいるが食べられなくて続かないとのこと。他地域も同様ではないか。しかし、エコツーリズムは経済と両輪。ガイドが生業として食べていける仕組を育てないと継続的に取り組めない。
  • ただし、北海道は、遠くからお客様が来るので有利。距離が離れるほどお金を使うから。うまく地域として取り組んでいけば、ガイドが食べられる仕組はできるのではないか。
  • 宿泊者を増やすには、宿泊しなければ体験できないメニューをラインアップする必要性がある。夜や早朝のプログラムは泊まらないと参加できない。知床では、夜のプログラムが売れるようになれば宿泊者は増えるという話をして宿にも協力いただいている。実際にスター・ウォッチングの需要はどんどん増えている。 
2)山梨県富士山及び富士北麓地域への派遣について
●山梨県富士山及び富士北麓地域
  • 富士風穴に行ったが、平坦な地形で、高齢者から子どもまで気軽に奥深い森を体感できる良いコースと感じた。
●アドバイスの内容について
  • ここで起きている代表的問題として、コースの踏み外しと、それにも付随してコケ等植生保護が課題に出ているとのこと。
  • 駐車場問題と利用制限の話があったが、まず駐車場自体も問題があり、ルート入口の駐車スペースが限られていて、車が数台停められるが、そこが埋まっていると、だいぶ離れたところに車を停めて歩かなければならない。しかも道路幅が狭く非常に危険だと思った。駐車場も安全に利用していただくためには対策が必要だと思った。利用人数については、駐車場のつくり方でもコントロール可能。キャパシティは駐車場でだいたい決まる。知床五湖では駐車場に入れなかったらそれ以上利用人数は増えない。利用人数をコントロールしたい場合は駐車場のキャパも考えていけば良い。そういう工夫も必要。
  • 富士風穴の穴へ上り下りするところはルート整備をもう少ししないと今後崩落等が起きる可能性があるので、持続的に使っていくためには、最低限の整備が必要だと思った。
  • 野生動物に餌付けして見せているガイドがいることは問題と感じた。知床では4月からヒグマ餌やり禁止キャンペーンを展開する。ヒグマが餌付けされ、観光客の方が襲われれば観光にもダメージがあるし、観光地と隣接して人が住んでいるので、地域住民に何かあれば、これも問題になるからだ。観光も一次産業も自然とともに生きており、地域の自然を受け入れていく覚悟を持って生活していかなければならない。そのためには地域に住んでいる人間が自分たちの言葉で声を出し行動を起こすことが大事。これによって、住民も含めて自然とともに生きていく地域だというブランドになっていくと思う。観光としての売りにもなる。そういう視点からも、自然との接し方や姿勢も地域で大事。富士風穴は非常に良い環境のある場所であり、自然価値の向上のための利用方法、利用のあり方をまずみんなで話し合っていくべき。
  • 資源価値を損なわないためのルール作りの必要性も感じた。作るだけでなく、一般利用者やガイドへのルールの周知も必要。方法はさまざまだが、一つは自然ガイドを登録制にして講習を受けてもらい、ルールの周知をして利用してもらう仕組を作っていくのも有効。特にこの地区は、他の町からもガイドが来ているようなので、そういった枠組みが必要ではないかと感じた。
  • 安全にかつ適正に利用するための施設整備や、どういった利用が良いのかということは、モニタリングが非常に大事になってくると思う。専門家と日常的に使うガイドが協力し合うようなモニタリング体制を作っていくことで、資源価値を損なわない利用を進めていけると思う。
  • 利害関係者を集めて県の方が協議会を作っているが、行政と民間がタッグを組むことが重要。ぜひ引き続き、県の方には頑張っていただきたい。
  • 価値を上げるという部分で言うと、知床では利用調整地区制度といって、人数を制限しつつ、季節によってガイド同行、レクチャー受講等を義務付け、閑散期は自由利用期にする等、季節によって利用形態を変えている。それで価値を維持したり、一般の方が自由に入るよりは安全に利用できるという仕組を作っている。

ディスカッション

パネリスト
  • 久慈市産業振興部交流促進課 総括主査 二ッ神 一洋 氏
  • NPO法人フジの森 理事・事務局長 相澤 美沙子 氏
  • 株式会社南信州観光公社 代表取締役社 高橋 充 氏
  • 公益財団法人日本生態系協会 地域計画室長 城戸 基秀 氏
  • 株式会社知床ネイチャーオフィス 代表取締役 松田 光輝 氏
  • 環境省自然環境局総務課自然ふれあい推進室 堀上 勝 氏
司会
  • 財団法人日本交通公社 主任研究員 大隅 一志
ディスカッション
会場参加者
  • 観光協会で仕事をしており、修学旅行受入準備に向けて旅行業法資格を取るべきか悩んでいる。どのように将来的に取り組んでいった方が良いか助言いただきたい。
高橋氏
  • 民泊やプログラムのインストラクター等の調整をする分には不要。教育旅行の受入に加えて、着地型ツアーを作り事業を展開しようと考えていく場合は、旅行業法資格を取得しても良いと思う。
松田氏
  • 資格を持つにもそれなりにお金と覚悟が必要。オペレーションも大変。地域で将来どういった観光を目指すかによって変わる。まずは地域でそのあり方を描いてから、考えた方が良いと思う。
会場参加者
  • 修学旅行で農業体験等を受け入れる中で、修学旅行が集中する時期に本業の農業が忙しくて手が付けられないという話を聞いた。久慈市や南信州観光公社ではどのように対応しているのか。(参加者)
二ッ神氏
  • 兼業農家は対応が難しいので、規模の大きいホウレンソウの専業農家に受入をお願いしている。現在2軒。今後生徒数が増えた場合も考えて、更に受入先を確保したい。
高橋氏
  • 南信州地域の場合は果樹栽培をしている方が多いが、4月末〜5月の農家の繁忙期は修学旅行や教育旅行とは重ならない。それが過ぎてからお願いしている。
  • 田植え体験等は個人ではなく、地域の遊休耕農地や、地域活動の一環として取り組んでいるグループの方々と調整している。
  • 体験料も反収の2、3倍位になるレベルで受入できるような料金設定もしているので、お互い補完し合ってお願いしている。
会場参加者
  • 地域に多くのエコツアー団体があり、受付、金額、内容、レベルがバラバラ。地域で一つの受付窓口を作って、レベルや、金額の統一を進めたいと考えているが、必ず利益分配の公平性が問題になると思う。うまく利益分配をしたり、公平性をうまく保っている事例等があれば教えていただきたい。(参加者)
松田氏
  • ガイドの質を統一できるかどうか。完全に内容や質を統一できれば料金もある程度統一することはできるかもしれないが難しいと思う。
  • 別の例で、観光協会の窓口で宿を紹介しているが、お客様に最終的に選んでいただくことにしている。それでも一部の宿からは、この宿ばっかり紹介している、といったクレームが来る。私は、宿ごとに何が売りなのか出してもらい、選んでもらうのが良いと思っている。
  • 平等を重視すると、お客様ではなく観光協会員に目が行ってしまう。観光協会は組合ではなく、お客様のための存在であるべき。そのためには、平等な利益分配等を考えてしまうと、お客様のためのメリットにならない可能性がある。そのことも踏まえて慎重に検討された方が良いと思う。
司会
  • 南信州観光公社では、多くの農家が協力していると思うが、公平性に気を使うことはあるのか。飯能市ではどうか。(司会)
高橋氏
  • 基本的に、一軒一軒の農家の皆さんと話をしながらやっている。元々ガイド等がなかったところから始めているので山梨県とは事情が違うが、できるだけ一人一人の協力者と話をしながらお願いをしていることで、結果的に公平に接していると思う。
城戸氏
  • 飯能市では、行政が窓口になってツアーのとりまとめをしているが、行政は広報だけをして、受付はそれぞれのツアーの事業者がやっている。
  • 行政の場合、ツアーの質が問われるので、広報するツアーについては全て事前協議をしてエコツーリズムの考え方から外れないようにしている。
  • ウェブサイトでエコツアーの紹介のサイトを立ち上げて、受付はそちらにする、料金設定も事業者がやるというような形を取る、というのも行政が関わる一つのやり方かと思う。
堀上氏(環境省)
  • 城戸氏がお話されたことは、エコツーリズム関係者が集まる組織の中での合意があってできていることではないかと思う。全くそういうことがなくて、それぞれ業としてやっている人たちを単に窓口として束ねるというのは中々難しいと思う。
  • これまでは観光協会がそういった役割を果たしてきたが、エコツーリズムは幅広く色々な方が関わるため、行政がある程度出ていく必要がある。そのときに協議会のような組織を作り、その中である程度合意を取っていかないと不公平感が出ることもある。
司会
  • エコツーリズムの視点から地域資源を見たときに、当たり前だった資源が見方が変わってくる、ということがあると思うが、アドバイザーに入っていただいて地域資源の見方が変わった点等があればお聞かせいただきたい。(司会)
相澤氏
  • NPO法人フジの森の事務局はほとんど、村外の人間が事務局をやっている。
  • 真板氏が、我々は風の人で、風を吹かせることはできるが、土の人たちの地域の人たちが誇らしいものを自分から発信していくことが大切だと言っていた。
  • 丁度風の人間から土になりつつある若い人材がいるので、その若い人たちに少し風を吹かせつつ、本物をこの場所で根付かせたいと思っている。
二ッ神氏
  • 大木先生からアドバイスをいただいた「宮沢賢治」については関係者の頭の中にはなかった。外部の方を呼んで意見を伺うというのは改めて重要だと思った。
  • 今日紹介したシャワー・クライミングも外部の方から意見をいただいてできたプログラム。旅行会社の方々に助言をいただいて、今一番人気のプログラムになった。首都圏の子どもは川に入ったこともない人が多く、厳しい自然を体感して味わった達成感が人気につながっていると思う。
司会
  • アドバイザーの方々は、どんなふうに資源に対してアプローチしているか。(司会)
松田氏
  • 自分の地域を知るだけではなく、他の地域のことをよく知るのも大切。他の地域も知ることで比較ができる。
  • もうひとつは、スタッフ同士のミーティング。仕事上の連絡事項だけではなく、自然に関する情報をお互いに発表している。その蓄積がプログラムのアイデアにつながっている。
城戸氏
  • エコツアーをやるときに資源を発掘しようといって、町の全体を見てリスト化したりするが、正直言うとあまり使えない。ツアーを作ることを考えながら、何がツアーに使えそうかを見て歩く中で、地域の人たちも初めて見るような、今までそれほど気に留めてなかったものが分かるとか、そういうことが大事ではと思う。
  • エコツーリズムを推進する上では、エコツアーをやらないといけないと思う。ツアーをやるということとセットにして探すというのが大事だと思う。
高橋氏
  • 南信州でのプログラムは今180種類位あるが、大きく分けると郷土の料理や伝統工芸、農林業の体験、アウトドアの体験等があり、共通しているのは元々この南信州地域でそれを生業にしていたり、地域の中で長年培ってずっと連綿と続けられてきた習慣といったものであること。それをずっとやってきた地域の人たちと一緒に初めてする人たちが体験をともにして、色々な触れ合い、交流が生まれるというのが本物の体験だろうということから始めている。地域にある色々なものが体験プログラムになるという考え方。
  • 地域の特徴というか、南信州、飯田あたりでは一本桜の桜がたくさんあって、それを一本一本、旬の見頃の桜を案内するという案内人を養成すれば、良いプログラムになるし、和菓子屋が市内に十数店舗あり、それぞれ独自カラーを持っていれば一軒一軒案内して食べてみるといったことで、プログラムができ上がる。
  • そういったガイド案内向けにやりやすい地域資源と、いわゆる体験というものと2通りあるが、基本的には必ず地域の人が間に入って、インストラクターやガイド案内人をやり、五感を使ってしっかり楽しんで理解してもらうものにしている。
司会
  • 南信州観光公社のプログラムはグリーン・ツーリズム型の体験がベースにあると思うが、ここにエコツーリズムの視点をうまく加えていくやり方とか、実際にこんなものを普通の体験から一歩違う形でやっているというような事例があれば紹介していただきたい。(司会)
高橋氏
  • お客様にじっくりと味わっていただくという視点では、例えば干し柿を作るところを、農家の人も大変なときだが、一緒にそれを手伝って、普通の里山を歩いてもらったり、そういったことを一日しっかり時間を使って、料金設定もバス会社等の価格帯の倍以上するような金額設定で年に10回程度開催しているというのがある。
司会
  • 会場にいらしていただいたアドバイザーの渡辺氏(アイ・エス・ケー合同会社 代表)からもお願いしたい。(司会)
渡辺氏(アドバイザー)
  • 地域資源の発掘について、皆さんがおっしゃったように、地域の方に探していただくという作業をきちっとした上で、それが今度は商品になるんだろうかという目線で商品を作っていくということが大切だと思う。
  • 観光事業者だけでなく、いろいろな住民の方に広く参加していただいて、これが我が地域の売りだというものを出していただき、みんなでワークショップをしながら商品になるかどうか見極めていくのだと思う。
  • 現在、茨城県のひたち太田市や、京都府の京丹後市でジオツーリズムというような形で取り組んでいるが、素晴しい商品が出て来ていて、丹後ではジオツーリズムで、漁師さんが出していた小船に乗って海から柱状節理の切り立った岩を見るツアーを開発したり、ジオトレッキングですとか、地元の方が地元でジオをエコを学ぶ中で、これが売りになるのではないか、というものを商品化し、右肩上がりでツアー参加者が増えてきている。
  • 今日参加して思ったのは、資源が発掘されてメニューがプログラムの企画までいって、それが推進された後、流通をどうしていくのかについて、具体事例に焦点を当てて紹介していただければ、取り組んでいる地域の皆さんも、どこに向かってやっているのかが具体的になるように思う。それが課題であり目標なのではないかと感じた。
司会
  • 実際にそれぞれの地域の中でエコツアーが売れるかどうかという話がある。誰に対して商品を作るか、事業に乗るかどうかの見極めも重要。地域資源とマーケットとのマッチングの考え方についてアドバイザーからコメントをいただきたい。(司会)
高橋氏
  • 南信州は教育旅行中心だが、一般のバスツアーにも対応できるように取り組んだ中で、スノーシューを履いて里山を歩くツアーを十数年前に手掛けたときに、予想外に集まってくれたことがある。
  • スキーは楽しいが、それ以外は、雪は生活のやっかいもので、わざわざスノーシューを履いて里山にお金を払ってまで歩きに来るだろうか、というのが企画側の正直な感想だったが、お客様と話をしたところ、「冬山に憧れていたものの不安で尻込みしていたが、そういうバスツアーでスノーシューも用意してあり現地のガイドも付いて楽しめると聞いたから」と。諦めていたものが、そういうツアー商品を見て、自分もできると思えたのかなと、そのときに感じた。
  • そういったものをこれから企画できれば良いのではと。話には聞いていてやってみたいけど、どうやったら良いかわからない、というところをうまく用意できると良いのだろうと思っている。
  • 趣味の世界を取り入れることができると良いと思う。歩くのが好きだが色々なところに行き飽きたと。でも穴場でこういうところがある、ということをちゃんと提供できればやっぱり来るし、プロの写真家の方が良い場所を案内しますと言ったら多少高くても来てくれる。
城戸氏
  • 飯能は里地里山で都市に近く、ツアーをやる方がそれで生計を立てようという感じではない。ツアーをやって、来た方が喜んでくれて、それなりの対価が入るという位で良しとしている。
  • 都市から近いからか、金額が非常に大きく響く。食事を付けて5,000円にするんだったら、減らして3,500円にした方が人が来る、ということがある。
  • 特に人気があるのは、地元の方と触れ合える、ただハイキングに来ただけだとできないことができる、普段入れないところでも、人の家の裏庭とか、そういったところに入れる、そういったものは人気がある。普段できない体験ができるということが売れるものの一つかと思う。
松田氏
  • 今、スター・ウォッチングは売りに考えている。今までは知床は、動物ウォッチングで売れていたが、シカが増えすぎたということで駆除を始めたため多分シカはあまり見られなくなる。そうなると動物ウォッチングのツアーが成り立たない可能性がある。そこで、夜のプログラムで星を考えているが、星も満月が出ているとほとんど見えない。そのため、スター・ウォッチングとムーンウォッチングの日を設定している。
  • 商品をどういう売り方をするかというと、まずターゲットを決めて、ターゲットに合わせたチャンネル戦略を考える。どういう商品がお客様が興味を持つかは、私どもの会社ではお客様アンケートから情報を得ている。もう1つの情報源はリピーターのお客様。他の地域も行っている方々もいるので、コミュニケーションから情報を得たりもしている。
司会
  • 最後に、地域でエコツーリズムに取り組むときに、どうやって人を育てたら良いのか、発掘していけば良いのか。一言ずつコメントでもいただきたい。(司会)
松田氏
  • どうやって人を育てるかは、毎日悩んでいる。スタッフにも色々なことにできるだけチャレンジをさせている。チャレンジをさせるという部分では、人との交流も大事だと思う。
  • 来ていただいた方とコミュニケーションを取ることで、可能性とか未来とかがイメージできる機会を作ってあげることが人を育てるきっかけにはなるのではないかと思っている。
城戸氏
  • やはり人が重要でこれは間違いのないこと。飯能市のツアーは、全部地域住民の方、地域のNPOの方、自然保護団体の方等にやっていただいている。
  • 年間120件のツアーをやっているが、何故それだけのものが動くかというと、最初はツアーをやってくださいというお願いをしに行って「お手伝いしますからやってください」と。何回かやりだすと、地域の方から今度は「こういうのをやりたい」というのが上がってくる。自然保護団体の方でも、ムササビのツアーから始めたら、次は星のツアーをやって、次は足跡のツアーをやるみたいなことを向こうから言ってきてくれる。まさに地域の方々が動かしている。
  • 私どもはそういったことを最初にお手伝いをしてあげる。エコツアーはやっている人も楽しいのが原則なので、どんどん回り出すということがある。ツアーをやっていただいて、それに対して行政なり、専門家なりがお手伝いをしてあげて、ということが大事ではないかと思う。
高橋氏
  • たくさんの方に協力をしていただいているが、一番は現場が人を鍛えるというか、現場が人を育てる。そういう現場を作らないと話にならないと思う。それを作るためにはきちんとした考え方をきちんと持って、なおかつ、それが地域の中で受け入れられて、訪れる方にとっても魅力的であるということを芯を通して進めていくことが大事かと思う。
  • その中で段々とコーディネート役をやってくれる人も出てくるし、担い手としてやってくれる方も出てくる。窓口もきちんと覚悟を持ってやらなければならないが、そういうものを含めて、現場が人を鍛えるのかなと思っている。
相澤氏
  • 檜原村で25年間活動をしてきて、最初にあった冬雷塾という組織がもう70代になっている。やはりそこの思いは、次の世代に引き継ぐ村おこしだった。私たちが風になり、少しずつだが30代の次世代に引き継ぐ若者たちが徐々に増えてきたので、その方たちにバトンタッチする役割ができればと考えている。
二ッ神氏
  • 良い意味で「馬鹿」になれる人が必要。大木先生からもエコツーリズムに取り組むに当たり「馬鹿を3人準備してください」という話もあった。やっぱり熱心、良い意味で馬鹿になれる人が必要。
  • 私も交流事業が大好きであり、行政なのでいつかは異動するがこの事業を一生やっていきたいつもりでいる。そういう人間に付いてきてくれる人々を育てることも必要。その方法は勉強会、講習会、視察、研修等。地方はお金が無い時勢なので引き続き支援をいただきたい。
司会
  • 今日の報告会のまとめとして、最後に環境省の堀上室長にコメントいただきたい。
堀上氏(環境省)
  • 東北の東海岸では、復興の一貫として「復興エコツーリズム推進モデル事業」を5地域でやっている。その一つが久慈市、今日会場に来ている洋野町だが、今年度から3カ年は必ずやるということで予算を入れているところ。
  • 最近そういう事業を見て気付くのは、非常にやる気がある方が多いが、やる気のある人たちが見えづらいところもある。説明会をするときに、学校形式でやるときには発言なさらない人が多いが、ワークショップでグループに分かれたり、座談会形式で車座になると、みんな意見を出す。
  • 人材はいないのではなく発掘していないのだろうと思った。やり方の問題も一つ。そういう場を行政なのか、コーディネーターなのか、作らなきゃいけないということを痛感している。
  • アドバイザー派遣事業は地域にとっても非常に有用だと思うが、まだまだ行き届いていないというところと、結果がちゃんとフィードバックできているかというところが気になっている。せっかくこういう会をやるのであれば、地域で参加する人を増やしたり、地域ごとにまとめてやっても良いのではないかと思う。
  • どこまでできるか分からないが、来年度はブロックに分けて各地で事例発表なり、意見交換なりをもうちょっとできるように、アドバイザーやコーディネーターの方々には、アレンジしていただきたいと思っている。

▲ ページの上部へ