自然環境・生物多様性
どんな生き物? 身近だけど、ヤバイ奴!
アメリカザリガニ基本情報 <ポイント>
- 生態系への影響は甚大 → 詳細は被害に関する情報
- 2023年6月1日に「条件付特定外来生物」に指定 → 規制に関する情報
- 日本国内には、アメリカザリガニのほか、ウチダザリガニ、ニホンザリガニが生息(一部にミステリークレイフィッシュの確認情報あり)。在来種はニホンザリガニのみ。→ 詳しい分布に関する情報
アメリカザリガニ基本情報概要版 2021.3.23改訂
1. 基本情報
- 原産地:ミシシッピ川流域を中心としたアメリカ南東部からメキシコ北東部。
- 大きさ:全長が通常10cm程に成長し、最大で15cm。
- 色:成体は赤~赤褐色。若齢個体は淡褐色、黄褐色、緑泥色。
- 寿命:4~5年(海外の研究例:野外では死亡率が高く平均寿命としては12カ月に満たない。多くの個体は3年程度、大型個体は4~5年は生存。12年近く生きた例もある)。
2. 生態
- 生息環境:河川・湖沼・池をはじめ、農業水路や水田、ため池など、さまざまな水域に生息。高水温・低酸素・水質汚染にも耐性があり,劣悪な水環境であっても定着し増殖することが可能。寒冷な北海道では、下水や温泉などの温排水により水温が安定している場所に定着。
- 餌:雑食性で、陸生植物の落ち葉、藻類や水草等の植物や水生昆虫、オタマジャクシ、魚類等の動物など、さまざまな動植物を捕食する。
- 繁殖:抱卵するメスは一年中見られる。水温が18~25℃の温暖な時期に産卵する個体が多い。たとえば関東では、6月と9月に抱卵した個体の出現頻度が高くなり、秋に産卵した個体は抱卵したまま越冬して翌春に卵がふ化する。1回の産卵で抱く卵の数は200~1000個。室内の飼育観察によると成熟サイズに達したメスは1年に1度だけ繁殖し、交尾した1~3カ月後に産卵。
3. 国内に生息するザリガニ
- 日本唯一の在来種のニホンザリガニ(Cambaroides japonicus)が北海道と東北北部に生息。
- アメリカザリガニと同じく北米原産の外来種としてウチダザリガニ(タンカイザリガニ含む、以下ウチダザリガニ)が北海道、福島県、栃木県、群馬県、千葉県、新潟県、長野県、滋賀県に定着。
- アメリカザリガニの大型個体は赤みがあり他のザリガニと間違える可能性は低いが、小型個体は、ウチダザリガニの小型個体やニホンザリガニと混同される恐れがある。
- 生息環境の相違からアメリカザリガニは、冷水性のニホンザリガニやウチダザリガニと同じ場所で捕獲されることはほとんどない。ただし、北海道ではアメリカザリガニとウチダザリガニが同じ場所に生息している場所がある。
- ごく一部の水域で、ミステリークレイフィッシュの生息が確認されている。