保健・化学物質対策

「放射線の健康影響に係る研究調査事業」令和4年度新規研究課題公募のお知らせ(公募は終了しました)

  令和3年8月18日

環境省大臣官房環境保健部

放射線健康管理担当参事官室

 放射線の健康影響に関する研究調査について、令和4年度より新規に実施する研究課題を、以下のとおり公募します。(印刷用

1.背景および本事業の目的

 東日本大震災に伴って発生した東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、事故という。)は、事故後の放射線被ばくに伴う人体への健康に関して、我が国の国民に大きな影響を与えました。

 その後、原子力災害からの福島の復興及び再生に関する施策の総合的な推進を図るための基本的な方針として、平成24年7月に「福島復興再生基本方針」が閣議決定され、国内外の叡智を結集した放射線の人体への影響等に関する研究調査の重要性が指摘されています。また、同時期に公表された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会報告書や、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会報告書においても、健康影響に関する継続的な調査を行っていく必要がある旨の提言がされています。

 このような状況を踏まえ、環境省では、平成24年度より放射線の健康影響に係る研究調査として、線量評価に関する研究、健康リスクに関する研究、健康不安対策の推進に関する研究を実施しています。放射線の健康影響に係る研究調査事業(以下、本事業という。)では、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議の「中間取りまとめ」(平成26年12月。以下、「中間とりまとめ」という。)、「中間とりまとめを踏まえた環境省における当面の施策の方向性」(平成27年2月)、復興庁の「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」(平成29年12月)などの記載内容、並びに昨年度までに実施された研究内容等を踏まえ、以下の2項目を研究の主な目的としています。

  • 帰還住民及び避難中の住民、並びに事故の間接的な影響を受けた福島とその周辺地域の住民に向けた健康管理の推進
  • 帰還住民及び避難中の住民、並びに事故の間接的な影響を受けた福島とその周辺地域の住民の安心につながる対策の充実・強化

 なお、上記目的の推進に役立ち、住民の生活上参考となる基礎的な情報の収集も、目的に含みます。

 加えて、令和3年3月に、東日本大震災及び事故から10年が経過したことを踏まえ、本事業で実施される放射線の健康影響に係る研究調査が、福島の復興再生や風評の払拭等に留まらず、我が国の社会全体への還元とともに、我が国における今後の環境保健行政での利用につながる成果をもたらすことを目的とします。

2.公募テーマ・内容

 今般の事故後、周辺地域の住民の被ばく線量の把握や、放射線の健康影響を考慮した健康管理が行われてきましたが、避難指示区域の解除に伴い、帰還する方の増加が見込まれることから、健康不安対策の充実・強化が重視されるところです。また、事故後10年が経過するも、未だに残る放射線の健康影響に関する風評の払拭が喫緊の課題となっています。

 令和4年度の本事業では、2.1に示す3つのテーマでの研究課題(本体研究=3.で募集する研究)を公募します。

2.1 公募テーマ

 本事業では、以下の3つのテーマで研究課題を公募します。(1)~(3)の全てについて、「優先的に採択」する研究が示されていますが、それらに該当しないものについても採択する場合があります。また、(1)と(2)や(1)と(3)など、テーマをまたぐ研究についての応募も可能です。

 今般、環境省が「国連持続可能な開発目標(SDGs)」を推進していることを踏まえ(https://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html)、各テーマの成果とSDGsとのリンクを応募書類に記載してください(テーマ3は必須、テーマ1・2は可能な範囲で記載してください)。また、各テーマの冒頭に【出口戦略】を記載しています。応募者は、その出口戦略を踏まえて研究をデザインしてください。

(1)健康管理に資する線量評価に関する研究

(2)事故に係る身体面・心理面の健康影響及びそのメカニズムに関する研究

(3)事故による放射線不安への対策に資する研究

2.2公募内容

(1)健康管理に資する線量評価に関する研究

【出口戦略】

 被ばく線量は、放射線の健康影響を考えるうえで最も基本となる情報です。今般の事故を踏まえた被ばく線量評価では、外部被ばく線量の算定には、空間線量率と滞在時間に基づいた評価法や、個人線量計を用いた線量評価が行われています。

 また、内部被ばく線量の算定には、ホールボディ・カウンタなどでの実証とともに、放射性物質の経口または吸入による摂取量に基づく推定が行われています。そこで、これらの取組を補完し、住民の被ばく線量評価の精緻化に資する研究を募集します。

特に、

【原発事故初期の被ばく線量評価の精緻化に関する研究】

  • 様々な避難行動を考慮した被ばく線量の評価
  • 大気拡散シミュレーションなどの利用による原発事故初期の放射性物質の拡散を考慮した被ばく線量の評価

【これまでに蓄積された手法・データなどを統合した線量評価】

  • 異なる測定法によるモニタリングのデータを統合した、より合理的な線量の評価
  • 福島における線量推移の全体像把握を可能とする線量評価モデルに関する研究

【線量評価に関わる基礎的研究】

  • 風化、除染、人間活動や地表面の状況等を考慮した、長期的な線量低減効果に関する研究

などについては優先的に採択します。

(2)事故に係る身体面・心理面の健康影響及びそのメカニズムに関する研究

【出口戦略】

  • 統一的な基礎資料への反映あるいは充実につながるもの
    URL:http://www.env.go.jp/chemi/rhm/basic_data.html
  • 低線量放射線被ばくにおける健康影響の新たな知見につながるもの
  • 事故によるメンタルヘルスへの影響についての新たな知見につながるもの

 放射線の健康影響については、原爆被爆者などに関する調査をはじめとする疫学調査や、動物実験などを用いた放射線生物学のアプローチによる研究などにより、これまで様々な科学的知見の集積が行われているところです。これらの知見を踏まえ、一般住民の心身への健康管理の具体策について検討が行われています。

 そこで、今般の事故を踏まえた放射線による健康影響への不安に対して、適切な健康管理の実施に資する、低線量放射線被ばくによる身体への健康影響とそのメカニズムに関する研究、及び事故時の避難や情報の混乱などによる身体的・心理的・社会的な影響を対象とする研究を募集します。

特に、

【低線量放射線被ばくによる健康影響及びそのメカニズムに関する生物学的研究】

  • 健康影響及びそのメカニズム解明に繋がる分子・細胞レベル、組織・個体レベルでの研究
  • 分子・細胞レベルと、組織・個体レベルでの知見を結びつけ、動物における知見をヒトのリスク評価に適用するための橋渡し研究

【福島原発事故による健康影響に関する人を対象とする研究】

  • 長期にわたる低線量放射線被ばくによる健康影響に関する疫学研究
  • 放射線事故に起因する心理的・社会的影響を含む健康影響に関する研究

などについては優先的に採択します。

(3)事故による放射線不安への対策に資する研究

【出口戦略】

  • 環境省における「ぐぐるプロジェクト」の主旨を踏まえているもの

【参考1:ウェブサイト】https://www.env.go.jp/chemi/rhm/portal/communicate/

【参考2:YouTube記者発表動画】https://www.youtube.com/watch?v=hNNhdwV4uoY

【参考3:YouTube公開講座動画】https://www.youtube.com/watch?v=DtYIiOBSxLM

【「ぐぐるプロジェクト」問い合わせ先】ml-guguruproject@env.go.jp

  • 行動経済学や臨床心理学、行動科学等の視点を含めた、放射線に関する情報と人々の行動との関係性を明らかにする知見の充実に資するもの
  • 災害時の放射線リスクコミュニケーションに資するもの

 テーマ3については、環境省 大臣官房環境保健部 放射線健康管理担当参事官室が現在進めている施策の方向性を加速・充実させるものとして、以下に示す①~③に該当する研究を中心に募集します。

 ①参考2の動画に示された、令和3年7月15日に報道発表された「ぐぐるプロジェクト」の主旨を踏まえ、同プロジェクトで示される5つのアクションの中で活用可能な、実用性の高い研究を募集します。

 具体的には、放射線の健康影響に係る風評とその風評を払拭すべきターゲットを明確にし、セグメント化(細分化)した上で、それぞれのセグメントに該当する人への訴求度の高いプレゼンテーション方法や、科学的な事実と異なる主張を客観的に取り扱い、科学的な主張と対比させて聴衆へ示す手法、などが挙げられます。

 ②広く国民を対象として取り組まれてきた、食品衛生におけるリスクコミュニケーション等を踏まえ、行動経済学や臨床心理学、行動科学等の視点を含めた、放射線に関する情報と人々の行動との関係性を明らかにするとともに、それらの学問の発展(知見の充実)に資する実験・実証等を含めた、原理・原則(Principle)を明らかにする研究を募集します。

 具体的には、放射線の健康影響に関連した人々の思考プロセス/行動プロセスの解明や意思決定の変容、また、不安払拭の前段階において必要となる科学的に妥当性のある話題の提供方法や、その提示方法などが挙げられます。

 ③福島の教訓を踏まえ、主に放射線災害の初期において必要な情報提供や、現場での混乱を回避するための緊急時のコミュニケーション(=クライシスコミュニケーション)等に資する研究を募集します。

 具体的には、災害の初期において、行政が情報発信する際に配慮すべき言葉の選別、コミュニケーションの実施に必要となる情報収集やその提供方法(どのような媒体を利用するとより効果的か)、及び放射線災害の現場における初期段階でのリスクコミュニケーションを実施できる体制の構築などが挙げられます。

 採択については、上記の出口戦略に沿った研究を優先的に採択します。

 なお、(3)における研究においては、必要に応じて統計分析等を正しく利用して、その効果を検証・評価するプロセスを研究計画に記載してください。

【用語解説】リスクコミュニケーション:

 対象のもつリスクに関連する情報を、リスクに関係する人々(ステークホールダー)に対して可能な限り開示し、関係者の間で双方向的なコミュニケーションが実施されることにより情報が共有され、互いに共考することによって、解決に導く道筋を探す思想と技術、及びその過程のこと。(木下冨雄著『リスク・コミュニケーションの思想と技術』より抜粋し、一部を編集)

3.公募枠・応募資格(本体研究)

3.1 公募枠

 本事業における令和4年度の新規公募枠(研究費等の上限額)は、以下の表に示すとおりです。応募者は、以下を熟読のうえ適切な公募枠へ応募してください。

 本事業で公募する研究費は、「補助金」ではなく「委託費」です。「委託費」とは、本来、国が自ら行うべき事務・事業等を効率的な執行等に鑑み、他の機関等に委託して行わせる場合にその反対給付として支出する経費をいいます。委託契約は委託費によって行われる事務・事業の給付を担保することを目的として締結するものです。このため、調査、研究等の委託費は委託契約に基づく対価的性格を有する経費であり、助成的性格をもつ補助金等とは明らかに異なるものといえます。

 (環境省における委託業務経費の算出等に関する基本方針(令和2年12月)より抜粋し一部を編集、URL:https://www.env.go.jp/kanbo/chotatsu/kihon_houshin_201218.pdf

 なお、研究課題応募の際には、研究の規模に応じた適正な公募枠で応募してください(例:上限1,000万円枠、500万円枠、250万円枠)。また、採択時の研究費等の上限額は、原則として3年間同じとなります(研究実施途中における上限額の引き上げはできません)。

公募枠名

研究費等の

上限額(税込)(※1)

年齢制限 応募者

採択予定数

(※2)(※3)

本体研究A 1,000万円 なし 本人 4~7件
本体研究B 500万円 なし 本人 4~7件
本体研究C 250万円

常勤ポストを有する

満39歳以下(※4)

本人 4~7件

(※1)ここに記載のある「研究費等」とは、一般管理費・消費税などを含めた総額を指します。

(※2)採択予定数は、あくまで目安です。また、テーマをまたぐ研究も採択予定数に含まれ、令和4年度の概算要求額、及び応募課題数などを基に調整予定です。

(※3)ここに示す採択予定数は、2.1で示した公募テーマ別の数ではなく、各公募枠での数です。

(※4)令和4年4月1日時点での年齢です。

 本公募においては、表に示すとおり、公募枠(研究費等の上限額)を3つ設定しています。応募者は、研究課題の規模に応じた適正な公募枠で応募してください。

【留意点】

  • 本体研究Aは、昨年度までの公募枠と同じものです。本体研究Bは、本体研究Aに対し、比較的小規模な研究を対象としています。本体研究A・Bともに、3.2の条件(1)~(3)を満たす研究者であれば、どなたでも応募可能です(年齢制限は特にありません)。
  • 本体研究Cは、3.2の全ての条件を満たした方が応募可能です。(4)を満たしている場合であっても、同一人物が応募する本体研究Cが採択される回数は、最大で2回までとします(年齢制限を満たしていれば、応募は何度でも可)。
  • 同一の研究者が、本体研究A・本体研究B・本体研究Cへ、複数の研究課題を同時に応募することはできません。

 過年度の本体研究の倍率は、以下のとおりです。

令和3年度:約2.6倍

令和2年度:約4.4倍

平成31年度:約2.7倍

3.2 応募資格

 令和4年4月1日の時点で、以下に示す(1)~(3)の条件を全て満たす者を「本事業への応募資格を有する者」とします。本体研究Cへの応募者は、(1)~(3)に加えて(4)を満たす必要があります。本体研究A・Bへの応募者の年齢制限はありません。

(1) 研究機関(注)において、当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含むものとして、所属する者であること

(2)当該研究機関の研究活動に実際に従事していること

(3)大学院生等の学生でないこと

(4)年齢が満39歳以下の者

(注) 研究機関とは、以下の(ア)~(オ)を指します。

(ア)国の試験研究機関

(イ)地方公共団体の附属試験研究機関

(ウ)学校教育法に基づく大学及び同附属試験研究機関

(エ)研究を主な事業目的としている一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人及び公益財団法人など

(オ)研究を主な事業目的とする独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条に規定する独立行政法人

4.本体研究の充実に寄与する若手研究者の育成(若手研究)

 本事業では、3.1に示した研究課題の公募と併せて、「本体研究の充実に寄与する若手研究者の育成」を、以下のとおり募集します。応募を検討する主任研究者等は、以下に示す目的等を十分理解した上で応募してください。

【目的】

 「放射線の健康影響」に関連し、研究者の数が少ない放射線とその周辺領域を専門とする研究分野において、同分野の将来のリーダーを育むため、彼らを育成することを本制度の目的とする。

【募集内容】

 本体研究Aあるいは本体研究Bへ研究課題を応募する研究者を対象として、「本体研究の充実に寄与する若手研究者の育成」(以下、「若手研究」という。)の募集を行います。なお、若手研究が採択されるためには、本体研究Aあるいは本体研究Bの採択が条件となります。若手研究単独での応募はできません。

 若手研究が採択された研究課題では、主任研究者または分担研究者(以下、「主任研究者等」という。)が実施する研究課題の当該年度の研究経費予定額とは別に、若手研究者の参画に係る費用の追加交付が認められます。

 追加交付は、上限額を900万円(そのうち、俸給表を基に決定する人件費の上限を600万円)とします。ただし、若手研究者が実施する研究内容に応じた、適正な研究費で応募してください。

公募枠名

研究費等の

上限額(税込)

年齢制限 応募者

採択予定数

(※a)

若手研究 900万円

常勤ポストを有さない

満39歳以下(※b)

主任研究者

等(※c)

1~3件

(※a):採択予定数は、あくまで目安です。令和4年度の概算要求額、及び応募課題数などを基に調整予定です。

(※b):令和4年4月1日時点での年齢です。

(※c):主任研究者または分担研究者を指します。

 なお、「若手研究者」とは、令和4年4月1日の時点において、以下の(a)~(e)の条件を全て満たす者とします。

(a)博士の学位を有する者、またはこれと同等以上の研究能力があると認められる者

(b)大学院生等の学生でないこと

(c)年齢が満39歳以下の者

(d)若手研究の実施期間中に、他の常勤的な職に従事しない者

(e)若手研究の実施期間中に、原則として主任研究者等と同一の研究機関・大学等に所属し、かつ主たる研究場所とする者

【留意事項】

 若手研究へ応募を検討する主任研究者等は、以下の点を踏まえて応募してください。

(1)若手研究の採択によって本体研究がどう充実するかを、若手研究の研究計画書に記載すること

(2)若手研究が採択されなくても本体研究Aあるいは本体研究Bが実施可能な体制を構築すること

(3)若手研究で採用予定の若手研究者のキャリアパス(案)を、若手研究の研究計画書に記載すること

【応募制限・採択制限】

(1)若手研究への応募は、応募する本体研究につき1件のみとします。

(2)若手研究者が年齢要件を満たしている場合であっても、主任研究者等が応募する同一人物を候補とする若手研究が採択される回数は、最大2回までとします。

【若手研究者の活用として望ましいモデル】

(1)雇用された若手研究者が、独立した一人の研究者として、「本体研究」に貢献する研究を自分自身で計画した上で主体的に実践し、主任研究者のアドバイスを得ながら研究を進める。

(2)学会での口頭発表や論文執筆などを通して、積極的な対外発表を行う。また、ワークショップ等に参加し人的ネットワークを広げる。

(3)本事業で雇用された3年の後、任期の有無を問わず大学等の常勤ポストに着任する。

【その他】

 若手研究では、「競争的研究費においてプロジェクトの実施のために雇用される、若手研究者の自発的な研究活動等に関する実施方針」(令和2年12月18日改正)を適用することが可能です。

(URL:https://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/jisshishishin.pdf

 上記のURLで言う「競争的研究費」を「本事業」、「プロジェクト」を「本体研究」と読み替えてください。

【参考】

 令和3年度に若手研究が採択された主任研究者、及び若手研究者へ送付した「若手研究者の活用・育成に関する文書」はこちら(PDF)です。応募を検討する主任研究者等は、必ず一読してください。

5.研究期間

 採択された研究の実施期間は、原則として最長で3年間とします(2年間の研究計画でも応募可能です)。

 当該年度の研究成果については本事業の評価委員会にて、2年目以降の研究計画については本事業の推進委員会にて、それぞれの委員会に属する有識者が、毎年評価を行います。評価結果によっては、次年度の継続を認めないことがあります(詳細については、9.研究の評価と管理をご確認ください)。また、諸般の事情により、3年未満で本事業を終了する場合もあります。

(※)若手研究に応募する場合

 若手研究の実施期間は、採択された研究課題(本体研究Aあるいは本体研究B)に準じます。採択された研究課題が3年間継続される場合、原則3年間となります。

 なお、本公募は令和4年度予算の成立を前提に行うものです。したがって、採択された研究課題についても、予算の都合によりやむを得ない事情が生じた場合には、研究計画の見直しまたは中止を求めることがありますので、予めご承知おき下さい。

6.応募方法

 応募の際に、主任研究者は、「10.添付書類」に示す様式をダウンロードした上で、研究計画書作成要領に従って必要事項を入力したのち、メールに添付して以下のアドレスへ送付してください(詳細については、「10.添付書類」をご確認ください)。

【送付アドレス】

TO:環境省大臣官房環境保健部放射線健康管理担当参事官室

radiation_research_23@env.go.jp

CC:日本エヌ・ユー・エス株式会社(令和3年度 本事業委託先)

rad-kenkyu-chosa@janus.co.jp

 なお、4MB以上の電子ファイルを送付する場合は、事前に環境省へご連絡ください。

(※)応募期間の〆切後、応募いただいたメールを受理した旨を、環境省よりメールにて返信いたします。応募後5日が経過しても受理メールが届かない場合は、お手数ですが環境省までお電話ください(03-3581-3351(内線6394))。 

7.応募期間

 令和3年8月18日(水) ~ 9月21日(火) 正午まで

8.研究の採択(若手研究を含む)

 研究の採択につきましては、送付された研究計画書に基づき、今後開催する本事業の推進委員会において、研究課題の審査・評価方針に従って、以下の5項目について審査され、採択の可否が決定されます。

① 研究内容の倫理性

② 環境保健行政課題との関連性

③ 研究の学術的な側面

④ 研究計画の妥当性・効率性

⑤ 研究遂行体制・能力

 若手研究の審査においては、研究計画書の記載に加え、若手研究者の役割が明確かつ妥当なものか、また、4.に記載してある【留意事項】がきちんと踏まえられているか等を審査します。

【留意事項】

 以下の(1)~(5)の留意事項については、しっかりとご一読ください。

(1)一部の研究課題については、審査の際にヒアリングを行う可能性があります。ヒアリングは、対面あるいはWeb形式で実施する予定です。

(2)採択時の評価によっては、「Feasible Study(条件付き採択)」となる場合があります。当該課題については、採択通知においてはじめの1年の間に改善すべき点(条件)が示されます。1年目の成果発表会において、採択時に指摘された条件に対する対応状況や今後の研究計画などについて、本事業の評価委員から評価を受けます。その評価に基づき、評価委員会において2年目以降の継続可否が判断されます。

(3)研究課題の規模に対して、それに適する研究費での応募でなかった場合、応募した上限額と異なる額での採択となる可能性があります。

(4)採択数が当初の予定数に届かなかった場合、二次募集を実施する可能性があります。実施の際には、別途環境省ホームページ上にお知らせします。二次募集が実施される場合、一次募集(本公募)で落選した応募者も、再応募可能です(二次募集実施の時期については、11月中旬~下旬頃を予定しています)。

(5)採択の可否については環境省より御連絡いたします。

9.研究の評価と管理

9.1 キックオフミーティング

 新規に採択された主任研究者と若手研究者には、研究開始前年度の3月に開催予定のキックオフミーティングにおいて、研究構想/研究計画を発表していただきます(旅費等は、主催側の負担となります)。

9.2 成果発表

 全ての研究課題について、年に1回開催される成果発表会にて、年度当初の計画と比較した研究の進捗状況、外部発表、研究方法論の妥当性等を含めた、研究成果を報告していただきます。若手研究と共に採択された研究課題については、当該計画を実施する若手研究者にも、成果発表会にて研究成果を報告していただきます。成果発表会における各主任研究者からの報告ののち、本事業の評価委員会による評価を行い、次年度の研究計画の見直しや変更、当該年度での打切り等を判断します。また、毎年度末に提出する年次報告書も、年度の成果の1つと見做します。

9.3 研究継続の可否

  研究継続の可否は、9.2に記載した成果発表会での発表を踏まえ、評価委員会によって判断されます。当該年度の成果や次年度以降の研究計画等が芳しくない研究課題に対して、「打切りが妥当」と判断される場合があります。

 また、若手研究の成果は、本体研究とともに評価されます。若手研究の成果が芳しくない場合には、主任研究者の評価が落とされる可能性があります。若手研究を伴う本体研究が打切りとなった場合、若手研究も自動的に打切りとなります。

(※)若手研究への応募を検討する主任研究者等は、若手研究の目的等を十分理解した上で応募してください。

9.4 事後評価と追跡アンケート

 研究終了の翌年度には、研究期間を通じて得られた研究成果について、評価委員会による事後評価が実施されます。

 研究終了の翌年度からおよそ3年程度、研究期間終了後における、本事業で得られた成果の活用や社会への還元などについて、追跡アンケートを予定しています。

9.5 研究進捗管理

 本事業における研究が、問題なく円滑に進むことを目的として、本事業内にプログラムオフィサー(PO)を配置しています。採択された研究課題においては、研究の推進や環境省との情報共有を目的として、研究班会議を開催していただきます。POは、研究班会議への参加や研究実施場所での現地ヒアリングなどを行うことにより、研究の進捗や実施状況を確認し、必要に応じ委員会からの意見の伝達を行うなど、適切な研究管理を実施します。課題が採択された主任研究者は、POとの綿密なコミュニケーションと積極的な意見交換をお願いします。

10.添付書類

 以下に掲載する資料をダウンロードして、ご使用ください。

【提出書類】(詳細については、研究計画書作成要領をご確認ください)

主任研究者(本体研究A, B, C):【様式1】と【様式4】

分担研究者がいる場合、研究者ごとに【様式2】と【様式4】

若手研究へ応募する場合、【様式3】と【様式4】

【留意事項】

【様式1】~【様式4】は、作成したファイルをPDF化せず、WordあるいはExcelにてご提出ください。

【様式1】~【様式4】は、それぞれのファイル名の先頭に、主任研究者のフルネームを記載してください(例:【環境太郎】【様式1】...)。

【様式4】は、一緒に送付する【様式1】~【様式3】のどれと対応するのか一目で分かるよう、【様式】の後ろに当該研究者の氏名や通番、アルファベットを振るなどしてください。

11.応募における留意点

(1)3.2 応募資格に記載された条件を満たしていない、あるいは提出した研究計画書に不備などがある場合は、審査の対象とならないことがあります。

(2)研究計画書だけでは十分な技術的裏付けが得られない場合、技術的な根拠となる書類などを追加で提出していただく場合があります。

(3)一人の研究者が主任研究者として応募できるのは、1研究課題のみです。主任研究者として同時に複数の応募をすることはできません。既に主任研究者として継続研究課題を有する場合、継続研究課題の期間中は主任研究者として新規に応募することはできません。

(4)推進委員会及び評価委員会の委員は、委員として知り得た情報を、委員の職にある期間だけでなく、その職を退いた後についても、正当な理由なく第三者に漏洩または使用しないこととしています。また、推進委員会及び評価委員会の委員のうち審査の対象となる課題の主任研究者等と利害関係がある委員は、当該研究課題の審査を棄権します。

(5)推進委員会及び評価委員会の委員、環境省、あるいは本事業の委託先関係者などへ採択の陳情を行うことは厳に慎んでください。なお、仮に応募課題の関係者から陳情等があった場合には、陳情者が当該研究課題に参画予定の研究者本人か否かを問わず、応募された研究課題を審査対象から除外します。また、採択に係る通知の発出前に、関係者へ採否の感触を照会するなどの行為についても厳に慎んでください。

12.FAQ(随時更新します)

(1)

【質問】環境保健行政に資するとは、どういうことか。

【回答】研究の成果(エンドポイント)として、個々人が暮らす生活環境における健康不安の払拭や、健康の増進等に役立つことを意味します。教育をエンドポイントとすることは、環境保健行政に資するという認識ではありません。

(2)

【質問】送付した書類に記載してある個人情報についてはどう扱うか。

【回答】「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」及び「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律施行令」に基づき、適切に取り扱います。

(3)

【質問】研究の採択/不採択の通知タイミングはいつか。

【回答】令和3年度であれば、早くて10月下旬、遅くとも11月下旬を予定しています。

(4)

【質問】若手研究への応募を検討している。応募時点で採用予定者が現在D3であり、令和4年4月1日時点では博士を取得予定であるが、それで問題ないか。

【回答】問題ありません。

(5)

【質問】採用された若手研究者が、研究の途中で正規のポストに着任することになった。この場合、若手研究はどうなるか。

【回答】状況によって異なるため、環境省へ連絡してください。

(6)

【質問】3.1に記載の研究費等の上限(税込)は、研究期間全体を通しての額か、それとも各年度の額か。

【回答】「研究費等の上限額(税込)」は、各年度の上限を指します。応募を検討されている研究計画が3年のものであれば、上限額●●●万円(税込)/年×3年=■■■万円(税込)となります。

(7)

【質問】同一人物が複数のグループ(そのうち1つは自分のグループ)の研究協力者となっている状況で、研究計画書を出すことは可能か。

【回答】同一人物が、研究協力者として複数の応募課題へ参加することは可能です。付いては、現在作成中の研究計画書をご提出くださって構いません。

(8)

随時更新します。

<参考>

  • 過去に本事業にて採択された研究の報告書

http://www.env.go.jp/chemi/rhm/reports.html

  • 「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の中間とりまとめ

http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/tyuukanntorimatomeseigohyouhannei.pdf

  • 中間とりまとめを踏まえた環境省における当面の施策の方向性

http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/torimatome1412/post_1.html

  • 風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略

https://www.fukko-pr.reconstruction.go.jp/2017/senryaku/

  • 研究開始までの大まかな流れ

日程

予定される主なスケジュール

8/18


9/21

新規課題公募に対する申請

  • 研究計画書【様式1】、研究経費内訳シート【様式4】の提出
  • 必要あれば【様式2】【様式3】の環境省への提出

10月中旬~

11月上旬

推進委員会における審査

  • 応募があった新規課題採択に係る審査の実施
  • 場合によっては、ヒアリングの実施
  • 採択の可否や研究計画に対するコメント・質問事項等の決定

10月下旬~

11月下旬

審査結果通知

  • 審査結果及び推進委員からのコメントを環境省より送付
  • 採択された課題については、採択に係る条件や推進委員会からの質問事項を併せて送付

(二次募集の開始)

1

採択条件に係る研究計画の修正および質問事項への回答の提出

・研究計画の修正や、質問への回答が不十分と判断された場合、追加での対応が発生

2月

研究費上限額の確定通知

3月

キックオフミーティングの開催

4月

委託事業者との契約手続き、研究の開始

  • 委託事業者と研究機関との間で、契約に係る手続きの開始
  • 課題が採択された研究者は、4月から研究の開始が可能

本事業に関する問い合わせ先

環境省 大臣官房環境保健部 放射線健康管理担当参事官室

担当:小川、アミール、永田

100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2

[電話]03-3581-3351(内線6394

E-Mail]radiation_research_23@env.go.jp