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放射線に関する『よくある質問』

健康影響
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- 放射線を浴びると体に良くないと聞きました、どのくらい浴びると影響がありますか。
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どのくらい量の放射線を受けると影響が出てくるかは、放射線を受ける組織・臓器や個人によって異なります。
例えば、皮膚に短い時間で3,000ミリグレイ以上の量を受けると数週間後に紅斑と呼ばれる症状が現れます。また、長い期間でゆっくりと放射線を受ける場合、がんの死亡リスクが1%増える量は200ミリシーベルトであり、100ミリシーベルト以下の量ではがんを含めて影響が出ることは確認されていません。参考リンク
- 同じ線量でも内部被ばくと外部被ばくで影響は違いますか。
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人の体に与える影響の大きさを表す単位としてシーベルトがあります。
その数値が同じであれば内部被ばくと外部被ばくで人の体に与える影響は同じ程度になります。参考リンク
- 放射線から受ける影響は、大人よりも子どもの方が大きいですか。
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子どもは成長の過程で細胞分裂が盛んに行われるため、大人より影響を受けやすいです。
ただし、100ミリシーベルト以下の放射線によるがんのリスクは観察されていないので、大人と子どもの影響の受けやすさの差は認められていません。
数百ミリシーベルト以上の被ばくの場合は、臓器によって異なりますが大人よりも子どもの方が最大2倍程度大きくなります。特に甲状腺がんは子どもの方が3倍以上高くなります。参考リンク
- 被ばくによる遺伝性の影響はありますか。
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被ばくを受けた人や動物の子孫への影響を遺伝性影響といいますが、人についてはこれまでの被ばく調査からは確認されていません。
参考リンク
- 体の内に取り込まれた放射性物質は、代謝等で体から出ていくという話ですが、甲状腺に放射性物質が溜まるということを聞いたことがあります。
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体内に取り込まれた放射性セシウムは、全身の筋肉などに溜まりますが、代謝によって徐々に体の外に出されます。
放射線ヨウ素の場合は、同じように代謝によって徐々に体外に出るのですが、体内に取り込まれた後、30%程度が甲状腺に集中して溜まり、甲状腺での被ばく線量が高くなる懸念があります。ただし、既に甲状腺に安定ヨウ素(放射線を出さないヨウ素)が十分に有れば放射性ヨウ素の溜まる割合が少なくなり、大部分がそのまま体の外に出されます。参考リンク
- 福島県内の子どもたちに甲状腺の検査をした結果、甲状腺がんが見つかっていますが、どういう状況ですか。
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通常、甲状腺の超音波検査は自覚症状や臨床症状がある場合に行い、何も症状がない人に対しては実施されない検査です。
今回の甲状腺検査で甲状腺がんが確認されていますが、見つかったがんが以前からある程度の割合で罹患していた原因が特定できない甲状腺がんである可能性があるので、放射性ヨウ素の被ばくに伴う甲状腺がんであるかは、検討する必要があります。参考リンク