放射線に身体がさらされることを「放射線被ばく」といいます。放射線被ばくには「外部被ばく」と「内部被ばく」の2種類があります。
地表にある放射性物質や空気中の放射性物質、あるいは衣服や体表面に付いた放射性物質等から放射線を受けることが外部被ばくです(上巻P25「外部被ばくと皮膚」)。
一方、内部被ばくは、①食事により飲食物中の放射性物質を体内に取り込んだ場合(経口摂取)、②呼吸により空気中の放射性物質を体内に吸い込んだ場合(吸入摂取)、③皮膚から吸収された場合(経皮吸収)、④傷口から放射性物質を体内に取り込んだ場合(創傷侵入)、また、⑤診療のための放射性物質を含む放射性医薬品を体内に投与した場合に起こります。一旦放射性物質が体内に入ると、排泄物と一緒に体外に排泄され、時間の経過と共に放射能が弱まるまで、人体は放射線を受けることになります(上巻P26「内部被ばく」)。
外部被ばくと内部被ばくの違いは、放射線を発するものが体外にあるか、体内にあるかの違いであり、体が放射線を受けるという点では同じです(上巻P24「様々な被ばく形態」)。
この区別は自然界からの放射線、事故由来の放射線、医療放射線といった区別とは関係なく用いられる言葉です(上巻P63「自然・人工放射線からの被ばく線量」)。
本資料への収録日:2013年3月31日
改訂日:2019年3月31日