2023年7月、福島県「県民健康調査」検討委員会の下の甲状腺検査評価部会は、「甲状腺検査の先行検査から本格検査(検査4回目)までの結果に対する部会まとめ」を公表しました。本まとめにおいては、以下の疫学的解析の結果から、「先行検査から検査4回目までにおいて、甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」との所見が示されました。なお、同年11月の検討委員会において、このまとめについて報告されています。
・ 国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書で公表された推計甲状線吸収線量を用いて、横断調査の手法により解析した結果、被ばく線量と悪性ないし悪性疑い発見率との関連において、被ばく線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係(線量・効果関係)はいずれの検査においても認められなかった。
・ 個人の推計被ばく線量と悪性ないし悪性疑いの関連について、症例対照研究により解析を行った結果、先行検査から検査4回目で発見された甲状腺がん及び2018(平成30)年までのがん登録のみに登録された症例と放射線被ばくの間の関連において、被ばく線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係(線量・効果関係)は認められなかった。
本資料への収録日:2024年3月31日