日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)

TEENの成り立ちと活動について

平成12年に北京で開催された第2回日中韓三カ国環境大臣会合(以下、TEMM:Tripartite Environment Ministers Meeting)において、「環境共同体意識の向上」を図るための三カ国協力プロジェクトを形成・推進していくことが決定されました。そして、同年6月の日中韓三カ国実務者会合において、TEENをプロジェクトの一つとして構築することが合意され、平成12年以降は三カ国が交替でTEENシンポジウム及びワークショップを開催しています。本会合では、環境教育の専門家や教育者、NGO代表等が三カ国から集まり、環境教育のイニシアティブについて議論や意見交換などを行っています。今年(平成26年)は、15回目の開催となりました。


第15回シンポジウム・ワークショップ

2014.10.22 24(韓国・済州島)

平成26年10月22日(水) 24日(金)、韓国・済州島のオーシャンスイート済州ホテルにて、「第15回 日中韓環境教育ネットワーク(以下、TEEN:Tripartite Environmental Education Network)シンポジウム及びワークショップ」が開催されました。シンポジウムは一般に公開され、ワークショップは非公開で行われました。

テーマと目的

今回は、「日中韓の持続可能な環境教育の協働に向けた今後の取組みについて」をテーマとして、これまでのTEENの歩みや成果を振り返ると共に、日中韓が協働で取り組んでいく今後の5カ年の取組みの計画をまとめてTEENメンバーの国々へその経験、価値観や考え方に関して意見交換の場を提供することを目的として実施されました。

内容報告
一日目

10月22日(水)午後、公開シンポジウムが開かれました。日中韓三カ国の専門家より、日中韓の環境教育に関するこれまでの成果や現状に関する整理に基づいて、今後の三カ国協働に向けた取組みの発表が、下記の通りに行われました。また、発表後には、TEEN関係者によるパネルディスカッションが行われました。

(1) 日本
阿部治氏(立教大学、教授)
[グローカルな視点にたったTEENの推進]
これまでのTEENの成果を振返ると共に、今後の三カ国協働による取組みは、グローバルとローカルをつなぐ「グローカル」、多様な主体による「協働」をベースに、「場(どこ)」、「主体(だれ)」、「手法(どう)」に焦点を当てて実施することの必要性の提案が行われました。
公開シンポジウムにおける日本の発表

公開シンポジウムにおける日本の発表

(2) 韓国
Ms. LEE Sunkyung (清州教育大学校 教授)
[今後のTEENネットワークの可能性について 日中韓協働による環境教育の取組みに向けて]
「TEEN」と「環境と学校に関する取組み:ENSI (Environment and School Initiative)」の2つの国際的なネットワーク事業の比較検証から、今後、TEENネットワークをより一層強化していくための重要性について提案が行われました。
(3)中国
Mr. ZHU Zhenxu (中国環境保護省環境教育コミュニケーションセンター 教育部 副部長)
[持続可能な開発に向けた中国の環境教育と主要事例紹介]
中国の市民や学校レベルにおける環境教育の現状について、青年環境大使アクションプログラム、環境ビジネスリーダー育成プログラム、エコスクールプロジェクト等の事例発表や環境教育法の紹介を通じて、体験型学習等を三カ国で進めることの重要性が紹介されました。
(4)韓国:
Ms. KANG Namhwa (韓国教員大学校 教授)
[国際協働に向けた取組み 私的及び専門的経験から]
考え、流行や行動を急速に広げるための手法として有名なマルコム・グラッドウェル氏の「ティッピング・ポイント いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか」の専門書籍と自身の経験を踏まえながら、国際協働の促進の仕方について発表が行われました。
(5)中国
Ms. FENG Shudan (哈爾浜師範大学 教授)
[高等教育における民主的な環境教育システム 哈爾浜師範大学の先進的事例から]
教員養成を行っている哈爾浜師範大学で環境保全に対する意識の高い人材を育成するために開発された環境コースの紹介から、小中学校の教員レベルでの協働による取組みの可能性について発表が行われました。
(6)日本
川嶋直氏 (日本環境教育フォーラム 理事長)
[日本における参加体験型の教育手法 キープ協会(山梨県清里)での自然体験型プログラムの実例紹介から]
キープ協会(山梨県清里)での自然体験型プログラムの実例から、日本における参加体験型の教育手法の紹介及び当該手法が企業や行政など持続可能性にかかわる多様なステークホルダーの人材育成に広がっていることについて発表が行われました。
二日目

翌23日(水)午前は、「日中韓の子ども向け環境教育読本の作成に関する最終確認」をテーマに、日中韓の専門家によるワークショップが関係者のみで開催されました。日中韓が協働で開発を進めている小学生5・6年生を対象とした子ども向け環境教育読本8冊のうち、日韓が開発する読本各1冊について教材開発の進捗状況やその内容・作業工程の確認が行われました。 午後は、TEENの今後の5ヵ年計画(2015-2019)について意見交換が行われました。三カ国の共同プロジェクト案として取り組む内容としては、「新たに独立したTEENのウェブサイトの開発」、「テーマ別のショートビデオ集の作成」、「三カ国の企業がCSR活動の一環として取り組む環境教育プログラムの比較研究」などが提案され、今後の実現を目指して協議を続けることになりました。

5ヵ年計画(2015-2019年)について意見交換

5ヵ年計画(2015-2019年)について意見交換

三日目

24日(木)午前は、済州世界自然遺産センターを訪問しました。インタープリター同行のもと“Geomun-Oreum”(ムンオルム: 拒文岳)へのトレッキングを行い、済州島の自然や植生について理解を深めました。午後からは済州民俗自然史博物館を訪問し、済州島独自の歴史・文化、民俗や自然の成り立ちについて学習しました。