日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)

TEENの成り立ちと活動について

平成12年に北京で開催された第2回日中韓三カ国環境大臣会合(以下、TEMM:Tripartite Environment Ministers Meeting)において、「環境共同体意識の向上」を図るための三カ国協力プロジェクトを形成・推進していくことが決定されました。そして、同年6月の日中韓三カ国実務者会合において、TEENをプロジェクトの一つとして構築することが合意され、平成12年以降は三カ国が交替でTEENシンポジウム及びワークショップを開催しています。本会合では、環境教育の専門家や教育者、NGO代表等が三カ国から集まり、環境教育のイニシアティブについて議論や意見交換などを行っています。今年(平成29年)は、18回目の開催となりました。

第18回シンポジウム・ワークショップ

2017.11.01〜03(韓国・水原)

平成29年11月1日(水)〜3日(金)の日程で、韓国・水原市の京畿道アートセンター他にて、「第18回 日中韓環境教育ネットワーク(以下、TEEN:Tripartite Environmental Education Network)シンポジウム及びワークショップ」が開催されました。

三カ国からのTEEN18参加者

三カ国からのTEEN18参加者

テーマと目的

今回は、「生物−文化多様性と地域に根ざした環境教育」をテーマとして、日中韓における環境教育及びESDの取組に関して意見交換が行われました。

内容報告
一日目

政府円卓会議及び専門家ワークショップとシンポジウムが行われました。シンポジウムは一般にも公開され、京畿道内の環境教育関係者も多く参加しました。シンポジウムでは、「生物−文化多様性と地域に根ざした環境教育」をテーマに、日中韓各国の代表者からの実践・研究発表とパネルディスカッションが行われました。

シンポジウムの様子

シンポジウムの様子

(1) 中国
Mr. Li Dihua (北京大学 教授)
「持続可能な未来への地域の知恵:中国の過去と未来の生活様式について学び、考える」
生態文明教育の概要や中国における地域の伝統的な知恵や文化を維持・発展させている事例等についての発表が行われました。
(2) 日本
内山愉太氏 (東北大学大学院環境科学研究科 産学連携研究員)
「生物−文化多様性を有する社会・生態学的ランドスケープにおける環境教育:里山、農業遺産、伝統野菜に着目して」
日本における里山イニシアティブや伝統野菜を題材として社会・生態学的ランドスケープの視点から分析を加えた環境教育についての研究発表が行われました。
(3) 韓国
Mr. Kim Eoksu (舒川エコ文化学校 事務局長)
「地域における生物文化多様性と環境教育」
ケニアやタンザニア、錦江河口域等を事例に、生物−文化多様性やその保全活動についての発表が行われました。
(4)中国
Mr. Chen Xiaoxiang (深セン塩田外国語学校学事部 副部長)
「自然探索 −私たちの周りの生物多様性を大切に−」
中国における学校環境教育の向上に取り組む教員団体「游云生態教育スタジオ(Youyun Ecological Education Studio)」の取り組みについて発表が行われました。
(5)日本
中村大輔氏 (草津市立渋川小学校 教諭)
「ESDの観点に立った環境教育の取り組み」
滋賀県の草津市立渋川小学校で実施されている生き物学習や郷土料理学習の紹介とその学習活動の効果についての発表が行われました。
(6)韓国
Mr. Lim Jonggil (Yangji高校 教諭)
「村人を導くヒキガエルの水田と生命が息づく学校の池」
学校周辺の水田に生息するヒキガエルを救うための保全活動やYangji高校でのビオトープ設置についての発表が行われました。
二日目

午前は、京畿道環境教育フェスティバルへのTEEN展示ブースの出展とフェスティバルの参観を行いました。京畿道環境教育フェスティバルでは、ステージ発表や優良実践の教師表彰などが行われた他、葉っぱや間伐材などの自然素材を使ったクラフト制作や自転車発電の体験、環境に関するボードゲーム等、約30の環境教育団体の出展ブースがあり、各ブースを回って実際に体験したり説明を聞いたりしながら、韓国の環境教育関係者との交流を深めました。TEENブースでは、TEENの概要説明やこれまでの成果についてのパネル展示、来年は日本で開催予定であることの広報活動を行いました。

TEENブースの展示

TEENブースの展示

午後は、京畿道安養市のYounhyun小学校を訪問し、日本から授業者として招へいされた柳澤智仁氏(所沢市立北秋津小学校 教諭)による、6年生がお米をテーマに三か国の違いと類似点から生物‐文化多様性を学ぶ研究授業の実施とTEEN参加者による授業研究を行いました。柳沢教諭の丁寧な教材研究と、ICTの活用や実習も取り入れた授業は、韓国の児童からは意欲が高まりわかりやすかったと好評で、授業終了後の授業研究でも参観者からの日本の環境教育手法に対する賛辞ともに活発な意見交換が行われました。

柳沢教諭による授業の様子

柳沢教諭による授業の様子

三日目

エクスカーションでは、貸し切りバスで外岩民俗村と水原華城を訪問し、韓国の歴史とその中で培われた生物−文化多様性についての理解を深めました。外岩民俗村では、屋外保存されている伝統的な家屋群と展示施設を見学した後、晒し飴作りや伝統遊び体験を行いました。その後、水原華城を訪れ、韓国の歴史と水原華城の役割の説明を聞きながら華城周辺を散策しました。

伝統的家屋が建ち並ぶ外岩民俗村

伝統的家屋が建ち並ぶ外岩民俗村