日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)

TEENの成り立ちと活動について

平成12年に北京で開催された第2回日中韓三カ国環境大臣会合(以下、TEMM:Tripartite Environment Ministers Meeting)において、「環境共同体意識の向上」を図るための三カ国協力プロジェクトを形成・推進していくことが決定されました。そして、同年6月の日中韓三カ国実務者会合において、TEENをプロジェクトの一つとして構築することが合意され、平成12年以降は三カ国が交替でTEENシンポジウム及びワークショップを開催しています。本会合では、環境教育の専門家や教育者、NGO代表等が三カ国から集まり、環境教育のイニシアティブについて議論や意見交換などを行っています。今年(平成30年)は、19回目の開催となりました。

第19回シンポジウム・ワークショップ

2018.10.06〜08(日本・北九州)

平成30年10月6日(土)〜8日(月)の日程で、福岡県北九州市の北九州国際会議場メインホール他にて、「第19回 日中韓環境教育ネットワーク(The 19th Tripartite Environmental Education Network: 以下、TEEN19)シンポジウム及びワークショップ」が開催されました。

三カ国からのTEEN19参加者

三カ国からのTEEN19参加者

テーマと目的

今回は、「多様な主体による持続可能な地域づくり〜SDGsの達成に向けて〜」をテーマとして、日中韓における環境教育及びESDの取組に関して実践報告と意見交換が行われました。

内容報告
一日目

開催地域の環境や文化と風土を、共通体験を通して学ぶことを目的として、初日にエクスカーションが予定されました。次世代エネルギーパークやエコタウンセンター、響灘ビオトープ、北九州市環境ミュージアムを訪問する予定でしたが、台風接近によりほとんどの施設が臨時休館とされたため、急遽予定を変更して北九州市環境ミュージアムと北九州市立いのちのたび博物館を訪問しました。北九州市環境ミュージアムでは、展示見学やDVDの視聴を通して、北九州市の公害克服の歴史や環境未来都市としての取組を学びました。また、北九州市立いのちのたび博物館では、展示見学を通して、生命の進化の道筋と人類の歴史、北九州の暮らしの変遷や文化を学びました。

北九州市環境ミュージアムの中薗館長より展示の説明を受ける参加者

北九州市環境ミュージアムの中薗館長より展示の説明を受ける参加者


夕方には、北九州ESD協議会主催による歓迎レセプションが開かれました。レセプションでは、北九州ESD協議会会員によるフードロス削減に向けた取組や北九州市立大学でESDプロモート実習を履修している大学生による取組の紹介がありました。また、北九州インタープリテーション研究会による布絵シアターの実演もあり、三カ国の参加者は北九州市における市民を中心とした環境活動についての理解を深めることができました。レセプション及び3日目のワークショップで使用された看板は、北九州市立大学の学生を中心とした北九州市のユースが毎月行っている「ESDツキイチの集い」において製作されました。このような看板は、多くの場合、一日使用されただけで廃棄されてしまうことが多いのですが、環境教育に関わる参加者の集まりなので、材料や処理についても考えようという大学生のアイディアで、材料には国産の杉の間伐材の板を利用し、会議後には本箱にリフォームされて使用されています。

レセプション参加者の記念撮影

レセプション参加者の記念撮影

二日目

政府円卓会議及び「多様な主体による持続可能な地域づくり〜SDGsの達成に向けて〜」をテーマにしたシンポジウムが行われました。シンポジウムは一般にも公開され、基調講演の他、日中韓三カ国の代表者からの実践・学術報告とパネルディスカッションが行われ、環境教育関係者や一般市民の方、学生など、北九州市内外から多数の来場者がありました。

政府円卓会議出席者

政府円卓会議出席者

基調講演:

講演者:国谷 裕子 氏(キャスター)

タイトル:SDGsの達成に向けて、今、私が一番伝えたいこと

実践報告:
(1) 日本
発表者:中薗 哲 氏 (北九州市環境ミュージアム 館長)
タイトル:公害の街からSDGs未来都市へ〜婦人会が切り拓いた環境都市への挑戦〜
概要:北九州市が公害克服に至るまでの市民、企業、行政の取組やSDGs未来都市に向けた北九州市の環境教育及びESDの取組についての発表が行われました。
(2) 中国
発表者:Ms. Jiang Xiaodi (深センOCT湿地自然学校 生態カリキュラム開発スーパーバイザー)
タイトル:海岸線から自然学校へ〜多様な主体による取組〜
概要:深センOCT湿地自然学校の概要や新たな湿地管理モデルの構築に向けた市民、企業、行政による環境教育及びESDの取組についての発表が行われました。
(3) 韓国
発表者:Ms. Kim Soyoung (SUNGDAEGOL People 代表)
タイトル:地域に根ざしたエネルギー転換の動き〜ソウル市Sung-Dae-Golエコビレッジの事例から〜
概要:エコビレッジで実践されている児童・生徒や商店等の多様な主体を巻き込んだ地域に根ざしたエネルギー転換の取組についての発表が行われました。
セッション2:学術報告
(1)日本
発表者:近藤 倫明 氏 (北九州市立大学 名誉教授、北九州ESD協議会 代表)
タイトル:北九州ESD協議会12年間の取組〜ESDそしてSDGsへ〜
概要:北九州ESD協議会のこれまでの取組をふりかえるとともに、北九州市の環境教育及びESDのさらなる発展に向けた今後の取組についての発表が行われました。
(2)中国
発表者:Mr. Huang Yu (北京師範大学 教授)
タイトル:ESD推進の地域づくり〜事例と考察〜
概要:学校における地域の活性化を目指した取組を事例に、ESDと持続可能な地域づくりの関係性に関する考察についての発表が行われました。
(3)韓国
発表者:Ms. Ju Hyungson (韓国放送通信大学校遠隔教育研究所 研究員)
タイトル:参加や協働、学習を通した持続可能な地域づくり
概要:まちづくりのプロジェクト参加者に対する調査結果をもとに、参加や協働による意識変化や、参加のための支援システムの重要性についての発表が行われました。
シンポジウムの様子

シンポジウムの様子

三日目

午前は、北九州まなびとESDステーションを会場に、TEEN共同プロジェクトとして日本側が開発を進めているファシリテーション・ガイドブックを用いたワークショップを行いました。ワークショップでは、紙芝居プレゼンテーション(KP法)やえんたくん等、日本で開発された手法を用い、三カ国の参加者で学び合う場の必要性について対話しました。また、ガイドブックに対する意見や活用方法についても話し合いました。 午後は、三日間のふりかえりを行い、北九州市の事例から「多様な主体による持続可能な地域づくり」に向けて学んだことや自国の取組にも活かせることを話し合いました。その後、TEENの今後の発展に向けた具体的な行動計画についてのアイディアを出し合いました。

ワークショップの様子

ワークショップの様子