日中韓三カ国黄砂共同研究

黄砂対策の推進

日中韓三カ国黄砂共同研究オンラインポータル

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北東アジア地域における黄砂対策に関する政策対話を推進するため、毎年、局長級会合を開催しています。また、局長級会合の下に2つのワーキング・グループを設置し、日中韓に加えモンゴルを招請し、黄砂モニタリング・早期警報システムの構築及び黄砂の発生源対策に関する共同研究を行っています。

これまで、ワーキング・グループI(DSS WG I:黄砂モニタリング・早期警報システム構築)では、特定の黄砂事例について、日中韓の黄砂モニタリングデータの共有及びこれを活用したシミュレーションモデルの改善等が図られました。また、ワーキング・グループII(DSS WG II:黄砂の発生源対策)では、砂漠化対策技術のレビューを行うとともに、中国の砂漠化進行地域の現地視察や植生回復技術に関する現地調査を行うなど、黄砂発生源対策に有効な手法の検討が進められました。

現在は、TEMM22(2021)において採択された「環境協力に係る日中韓三カ国共同行動計画2021年-2025年」及び、各DSS WGが策定した中期行動計画(2020年~2024年)に基づいて行われています。DSS WG Iでは、2023年12月に中国がホストとなり第16回DSS WG I会合がオンライン形式により開催され、2022年の黄砂事例に関する各国の解析結果等について議論されました。また、DSS WG IIは、2023年11月に日本がホストとなり第16回DSS WG II会合がハイブリット形式で開催され、各国の発生源対策に関する最新の研究活動について議論されました。また、DSS WGII会合の前日には日本がホストとなり、両WGメンバーのほか、世界保健機構(WHO)等の関係機関を招いたDSS WG II 拡大ワークショップ(アウトリーチセミナー)を開催しました。また、TEMMの枠外の国や機関との連携も進んでいます。「三カ国+X」協力を進めるため、両DSS WGの会合へモンゴルの行政官と黄砂の専門家を招請し、日中韓の専門家との議論や研究協力を推進しています。

黄砂共同研究の成果は、2021年にオープンした「TEMM DSS Online Portal(http://temm-dss.com/)」に随時更新されています。

なお、環境省黄砂飛来情報(ライダー黄砂観測データ提供ウェブページ)では、ライダー装置を用いて、各地点のリアルタイムの黄砂の濃度を表示しています。ライダー装置では、レーザー光を地上から上空に照射し、大気中の黄砂や他の浮遊物質の多さに対応して変化する光の量を観測しています。この観測値(光の量)を、黄砂の量として計算したものを黄砂の濃度[mg/m3]としています。