水・土壌・地盤・海洋環境の保全
漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法の調和
これまで、海洋表層に漂流するマイクロプラスチックの調査は、その目的に応じて異なる手法が取られていたため、データの比較が困難でした。そのため、モニタリング手法の調和(モニタリング結果を比較可能にすること)が重要な課題として認識されていました。
そこで、環境省ではサンプリングと分析の手法を比較する実証事業を実施し、国内外の専門家による議論を経て、2019年5月に「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」(Guidelines for Harmonizing Ocean Surface Microplastic Monitoring Methods。以下「調和ガイドライン」という。) の初版を公開しました。.
【関連資料】
・マイクロプラスチックに関するモニタリング手法調和のためのガイドラインについて [193KB]
・Data Entry Form Sheet & Data List Sheet(V01.17) [130KB]
・How to complete this excel file [379KB]
調和ガイドラインの改訂
従来のモニタリングでは大型の観測船を用いることが一般的でしたが、大型の研究船は数が限られる上に費用もかかることから、モニタリングを広く実施することは困難でした。そのため、小型船でのモニタリングが期待されるところですが、装備の違いや波から受ける影響により、調和した手法によるモニタリングが実施できない可能性がありました。また、魚卵やプランクトンなどの浮遊物が多い海域では、ネットが詰まりやすいため対策が必要でした。そこで環境省は、調和した手法の拡大を図るため追加的な実証事業を実施し、小型船や魚卵やプランクトンなどの浮遊物が多い海域でのモニタリングにも適用できるよう、調和ガイドラインの改訂を実施し2020年6月に公開しました。
【関連資料】
・「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」(ver 1.1)
・「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」の改訂ポイント
モニタリング手法調和の普及とデータ整備について
調和ガイドラインに則ることで、漂流マイクロプラスチックの調査データを比較することが可能になりましたが、世界中のモニタリングデータは、未だ比較可能な状態では整理されていません。そこで、環境省は2020年9月に「海洋プラスチックごみのモニタリング手法調和とデータ整備に関するG20ワークショップ」を開催し、日本が新たな世界的モニタリングデータ共有システムを提案し、歓迎されました。
【関連情報】
・「海洋プラスチックごみのモニタリング手法調和とデータ整備に関するG20ワークショップ」特設ページ(英語)