報道発表資料
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の第13回年次会合(政府間会合(IGM)と科学企画グループ(SPG)会合の合同会合)が、3月18~20日、神戸において開催されました。
APNは、アジア太平洋地域における地球変動研究の推進を目的として1996年に我が国のイニシアティブで発足した政府間組織で、現在は、地域内21カ国が参加し、日本(環境省・兵庫県)、米国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国からの財政支援を得て、主に公募型共同研究プログラム(ARCP)及び開発途上国の研究能力開発・向上プログラム(CAPaBLE(ケイパブル))の2タイプのプログラムにおけるプロジェクトに対して支援を行っています。
年次会合は、APNの最高意思決定機関であり、参加各国の政府代表及び科学者が参加して、予算・決算、活動計画の策定、支援プロジェクトの選定、重点的に取り組む科学分野の選定等を行っています。12年間の活動を通じてAPNが推進してきたアジア太平洋地域における研究ネットワーク作りと研究能力向上の実績は国際的に高い評価を得ています。今年の年次会合の結果、2008年度支援プロジェクトとして、公募型共同研究プロジェクト18課題、能力開発プロジェクト15課題が採択されました。
1. 開催日時・場所
平成20年3月18~20日、神戸ファッションマート
2.出席者
- (1) APN加盟国の政府代表/科学企画グループメンバー
- オーストラリア、バングラデシュ、カンボジア、中国、フィジー、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、韓国、ロシア、スリランカ、タイ、米国、ベトナム(計20か国)。政府代表・運営委員である環境省地球環境局の塚本直也研究調査室長が本会合の議長を務めた。他にも我が国からは、水・大気環境局の竹本和彦局長、同局の藤塚哲朗地下水地盤環境室長らが、また科学企画グループメンバーである茨城大学の三村信男教授が出席した。
- (2) 関係国際機関等
- 生物多様性科学国際共同プログラム(DIVERSITAS)を代表して北山兼弘京都大学教授ほか、地球変動に関する分析・研究・研修システム(START)、地球システム科学パートナーシップ(ESSP)等の代表者、また、兵庫県を代表して八木英樹環境政策課長らの出席があった。
3.主な成果
(1) 平成20年度にAPNが支援するプロジェクト
- ○ 公募型共同研究プログラム(ARCP)
-
公募型共同研究については、新規35課題の応募があり、科学企画グループ会合による厳格な審査の後、本政府間会合において、新規分10課題、継続分8課題を含め、18課題が支援プロジェクトとして採択された。
採択課題のテーマは、以下に掲げる事項に係るものであり、一覧は別紙のとおりである。
- 気候変動:影響、適応、モニタリングデータへのアクセスと応用の向上、ヒマラヤ氷河への影響評価、洪水リスクの管理
- 生物多様性
- 衛星データの利活用
- 土地利用、土地利用変化、都市化
- 政策との関連と持続可能性 等
- ○ 開発途上国の研究能力開発・向上プログラム(CAPaBLE(ケイパブル))
- CAPaBLEについては、新規30課題の応募があり、科学企画グループ会合による厳格な審査の後、本政府間会合において、新規分10課題、継続分5課題を含め、15課題が支援プロジェクトとして採択された。
採択課題のテーマは、以下に掲げる事項に係るものであり、一覧は別紙のとおりである。
- 気候変動:沿岸大都市における適応能力の強化、科学と政策のリンケージ、生物多様性や土地利用などとの分野横断的課題、水・食糧の安全保障問題 等
(2)第2次戦略計画の評価
2005年4月の第10回政府間会合にて策定された第2次戦略計画の評価を開始し、2010年3月までに完了することで合意した。さらに、2010年3月までに、その評価結果も踏まえて第3次戦略計画を策定することとされた。
(3) その他
東南アジア地域グループ及び南アジア地域グループより、地域グループとして共同研究の推進プロジェクトを実施することを検討している旨が報告された。今後、運営委員会と地域グループとの間で、具体的方法について整理を行い、次回の政府間会合でその結果が発表されることとなった。
また、政府間会合において、我が国(環境省・兵庫県)を始めとする資金拠出国、及び会議・事務所経費等の現物出資に対し、格別の謝意が表明された。
※詳細については、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)事務局にお問い合わせ下さい。
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-5-1 IHDセンタービル
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)事務局
TEL:(078)230-8017 FAX:(078)230-8018
Email:info@apn-gcr.org
Website:http://www.apn-gcr.org
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課研究調査室
代表:03-3581-3351 室長:塚本 直也(内線6730)
補佐:世一 良幸(内線6731)
担当:有井 大介(内線6733)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成19年3月29日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)第12回政府間会合 / 科学企画グループ会合の開催結果
- 平成18年3月29日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)第11回政府間会合 / 科学企画グループ会合及び関連ワークショップの開催結果
- 平成17年11月22日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)国際ワークショップ「アジア太平洋地域における地球観測及び能力開発ニーズに関するスコーピングワークショップ:気候に焦点をあてて」の開催結果
- 平成17年4月18日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)第10回政府間会合の結果について
- 平成17年3月22日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)科学シンポジウム「アジア太平洋地域の脆弱性評価と適応対策(沿岸域を中心に):APNの貢献」の開催について