報道発表資料

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2022年06月16日
  • 自然環境

北海道における高病原性鳥インフルエンザウイルス検査陽性事例に係る野鳥監視重点区域の解除及び野鳥サーベイランスの対応レベル引き下げについて

北海道札幌市における高病原性鳥インフルエンザウイルスの検出(野鳥国内64例目を始めとする計11事例)を受け、それぞれ一部が重複する野鳥監視重点区域を指定し、野鳥監視を強化してきました。 その後、いずれの区域内においても野鳥の大量死等の異常は確認されなかったため、令和4年6月15日(水)24時に当該区域を解除しました。 また、設定されている野鳥監視重点区域が1箇所となったことから、「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に基づき、野鳥サーベイランスにおける全国の対応レベルを「対応レベル2」に引き下げます。

経緯

令和4年4月4日(月)

~5月9日(月)

・ 北海道札幌市で回収された死亡野鳥から計11事例で高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型及びH5N1亜型)が検出(※1)

・ 各事例の周辺10km 圏内を野鳥監視重点区域に指定し、野鳥の監視を強化(※2)

4月12日(火)

~5月18日(水)

・ 道内のハシブトガラスでの続発事例(※3)として、範囲が重なる野鳥監視重点区域の各々で、上記の発生事例とは別に複数日にわたり合計23羽、1羽、10羽、13羽のハシブトガラスの死亡個体を回収

6月15日(水)24時

・ いずれの区域内においても野鳥において異常が確認されなかったことから、上記11事例及び死亡個体回収に係る野鳥監視重点区域を解除(※4)

※1 北海道札幌市では、野鳥国内64、67、68、71、78、80、81、82、83、89、100例目(計11事例)となる高病原性鳥インフルエンザが確認されました。

 

※2 北海道では令和4年4月5日(火)~4月7日(木)及び5月10日(火)、環境省では4月15日(金)~17日(日)に野鳥緊急調査を実施するとともに、その後も野鳥の監視を継続しましたが、野鳥の大量死等の異常は確認されませんでした。

 

※3 北海道内のハシブトガラスの続発事例への対応については、北海道からの要請を受け、令和4年4月12日(火)~5月25日(水)の期間、以下のとおりとしています。

① 野鳥重点監視区域指定期間中は重点監視(週2回程度)を行い、地元市町村にも協力を求め死亡個体状況把握と回収に努める。

② 簡易検査の陽性率が100%に近いことから、検査の効率化を目的として、10羽以上の大量死があった場合や30羽の回収ごとに検査を実施する。

③  最後に死亡野鳥が回収された次の日を1日目として、28日間新たな確認事例が無くなった場合には、環境省で野鳥重点監視区域指定を解除する

 

※4 「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に基づき、野鳥監視重点区域は、以下を1日目として28 日目の24 時に解除することとしています。

- 野鳥及び飼養鳥の場合は、回収日の次の日を1日目とする

- 家きんの場合は、防疫措置完了日の次の日を1日目とする

- 環境試料(糞便、水等)の場合は、採取日の次の日を1日目とする

また、複数発生で野鳥監視重点区域の範囲が重なる場合は、最後の区域が解除されるときに同時に解除することとしています。

今後の対応

  • 野鳥サーベイランスにおける全国の対応レベルは、設定されている野鳥監視重点区域が1箇所となったことから「対応レベル2」※5とし、全国での野鳥の監視強化を継続します。

※5「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」において、対

応レベルの設定は、以下を基本とすることとしています。ただし、近隣国発生情報等に

より、国内での発生状況に関わらず、対応レベルを上げることもあり得ます。

対応レベル1

発生のない時(通常時)

対応レベル2

国内単一箇所において、国内の野鳥、家きん及び飼養鳥で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された場合(国内単一箇所発生時)

対応レベル3

国内単一箇所発生から28日以内に国内の他の箇所において、国内の野鳥、家きん及び飼養鳥で感染が確認された場合(国内複数箇所発生時)

対応レベルに応じた各調査の実施基準は下表のとおり。

対応レべル

鳥類生息状況等調査

ウイルス保有状況の調査

死亡野鳥等調査

糞便採取調査

検査優先種1

検査優先種2

検査優先種3

その他の種

対応レベル1

情報収集

監視

1羽

以上

3羽

以上

5羽

以上

5羽

以上

10月から12月にかけて飛来状況に応じて糞便を採取

対応レベル2

監視強化

1羽

以上

2羽

以上

5羽

以上

5羽

以上

対応レベル3

監視強化

1羽

以上

1羽

以上

3羽

以上

5羽

以上

野鳥監視重点区域

監視強化

緊急調査

発生地対応

1羽

以上

1羽

以上

3羽

以上

3羽

以上

 

【参考情報】

環境省は、ホームページで高病原性鳥インフルエンザに関する様々な情報を提供しています。

http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/index.html

「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」

http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/pref_0809.html

連絡先

環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8285
室長
東岡 礼治 (内線 6470)
室長補佐
村上 靖典 (内線 6675)
専門官
庄司 亜香音 (内線 6473)
係長
福田 真 (内線 6670)