報道発表資料

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2022年11月15日
  • 自然環境

鹿児島県出水市における高病原性鳥インフルエンザ発生状況について

 鹿児島県出水市において、令和4年11月1日(火)にナベヅル1羽の衰弱個体が回収され、その後死亡しました。鹿児島大学での遺伝子検査により、当該個体から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)が11月7日(月)に検出され、それ以降も、同市において、衰弱個体及び死亡個体が確認されています。令和4年11月13日(日)18時までに、出水市において、衰弱又は死亡し、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)が検出されたナベヅルは、計28羽となっています(※検査効率化のため検査対象としなかった検査個体も含め、累積回収数は108個体)。環境省、鹿児島県及び出水市では、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)の国際的に重要な湿地に登録されている当該地域での高病原性鳥インフルエンザの感染拡大の防止に向け、連携しながら対策を強化しています。
 

詳細情報

(1)高病原性鳥インフルエンザの発生状況
  日付     累積回収数 

 日別合計回収数 

 ナベヅル   簡易検査陽性   遺伝子検査陽性 
11月1日
11月2日
11月3日
11月4日 4
11月5日 11 3
11月6日 18 6
11月7日 25 5
11月8日 32 6
11月9日 39
11月10日 49 10 10 9
11月11日 65 16 16
11月12日 92 27 27
11月13日 108 16 15
※11月11日以降の簡易・遺伝子検査は、5~10羽につき1羽の検査頻度で実施
※マナヅルは2個体が回収されています。

(2)当該地域におけるこれまでの対応状況
・衰弱したナベヅル1羽を救護(11月1日)
・11月1日に救護した後に死亡したナベヅルについて簡易検査を実施し、陽性を確認(11月2日以降、回収、検査等を随時実施。回収した野鳥の検査については、「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に基づき、県と協議の上、回収された複数羽につき1羽について検査を実施するなど、効率化を図っている)
・環境省が、ナベヅルの回収地点から半径10kmを野鳥監視重点区域に指定(11月2日以降) 
・環境省、鹿児島県及び出水市が野鳥監視重点区域における野鳥監視を実施(11月3日以降、毎日継続)
・出水市が鳥インフルエンザ対策本部会議を開催し、検査状況等を共有(11月5日)
・鹿児島県高病原性鳥インフルエンザ対策本部を開催(11月7日)
・環境省、鹿児島県及び出水市が、発生状況について意見交換を実施(11月7日及び10日)
 
(3)野鳥における感染拡大防止対策の強化
 環境省、鹿児島県及び出水市では、以下の対応を連携して実施中又は今後実施予定です。
・野鳥監視重点区域内及び周辺における野鳥の監視の強化
・環境省からの専門家チームの派遣による野鳥での感染状況の把握等を目的とした鳥類調査
・野鳥のねぐらにおける流水の増量(環境水中のウイルスの密度低下)
・ツルの給餌の分散化(ツルの過密状態を避けることによる感染リスクの低減)
・越冬地利用調整事業(特定のルートでの移動、車両・靴底消毒の徹底、来訪者に対する適切な見学の案内・誘導(レクチャー))
・愛玩鳥飼養者に対し、訪問調査及び消毒液を配布
・車両消毒等の防疫対策(当該干拓地周辺の市内複数箇所において、車両用消毒マット、有人消毒ポイント、散水車による路面消毒等)
・地域住民や利用者への積極的な情報提供
 

留意事項

(1)鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等があった場合を除いて、人には感染しないと考えられています。日常生活においては、鳥の排泄物等に触れた後には手洗いとうがいをしていただければ、過度に心配する必要はありませんので、周辺地域のみならず国民の皆様におかれては、冷静な行動をお願いします。

 

(2)同じ場所でたくさんの野鳥などが死亡している場合には、お近くの都道府県や市町村役場に御連絡ください。

(参考)野鳥との接し方について

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/2017yachotonosessikata.pdf


(3)出水市は、「ツルへの配慮」「住民と来訪者との共生」「鳥インフルエンザへの防疫体制の強化」の観点から、出水ツルの越冬地への入域ルートの指定などを含む「越冬地利用調整」を実施しています。つきましては、当該利用調整の趣旨を理解・協力の上、鳥インフルエンザの感染拡大を防止する形での来訪・観察をお願いします。

(4)環境省、鹿児島県及び出水市では、ツル類の種の保存のために、分散化の手段の一つとして給餌量を順応的・計画的に調整することに取組んでいます。
一方、現在の感染状況を踏まえ、これ以上の感染拡大を防止するため、給餌方法を工夫し過密状態にならないようにするとともに、一時的に越冬地外への分散を防止する対策をとっています。
 
 

【取材について】

現場での取材は、ウイルスの拡散や感染を防ぐ観点から、厳に慎むようお願いします。


【公表について】
  令和4年10月から高病原性鳥インフルエンザ発生時の公表方法を変更しました。具体的には、各都道府県内でのシーズン初確認の場合のほか、国内希少野生動植物種での発生等、緊急性が高い場合には報道発表を行い、その他の案件等は環境省ホームページに発生状況を随時掲載することとします。
 

【参考情報】

環境省は、ホームページで高病原性鳥インフルエンザに関する様々な情報を提供しています。

 http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/index.html

「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」

 http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/pref_0809.html

連絡先

環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8285
室長
東岡 礼治
室長補佐
村上 靖典
係長
庄司 亜香音
担当
兼松 賢人

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