報道発表資料

令和元年7月5日
地球環境
この記事を印刷

成長戦略・統合イノベーション戦略・AI戦略等の政府方針に位置付けられたBI-Tech(バイテック)について(ナッジ関連)

この度、日本版ナッジ・ユニットBEST(事務局:環境省)が提唱する「BI-Tech」(バイテック)が成長戦略をはじめとする各種閣議決定文書等に位置付けられ、政府として取組を推進していくことになりました。今後、社会課題の解決のためにBI-Techを用いて行動変容を促す実証事業について、公募により募集する予定です。

1.BI-Tech(バイテック)の概要

 行動変容の促進には一人ひとりに合った(パーソナライズした)働きかけが欠かせません。

 環境省では、個人や世帯のエネルギー(電気、ガス、自動車燃料等)の使用実態や属性情報等のビッグデータをIoT 技術で収集してAI技術で解析し、パーソナライズしたメッセージをフィードバックすることを通じて、その後のエネルギーの使用実態にどのような変化がもたらされるかについて、実証事業(環境省ナッジ事業)(※1)を通じて検証してきました。

 パーソナライズした働きかけには、ナッジ(英語nudge:そっと後押しする)やブースト(英語boost:ぐっと後押しする)に代表される「行動インサイト」とAI/IoT等の先端的な「技術」の組合せ(Behavioral Insights × Technology)が重要であり、日本版ナッジ・ユニットBESTではこれを「BI-Tech」(バイテック)と名付け、クロステック(※2)の新しい領域を開拓し、普及に努めてきました。

 環境省ナッジ事業におけるBI-Techの具体例は次の通りです。

 (※1)低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)等による家庭等の自発的対策推進事業(予算額:平成29年度20億円、平成30年度30億円、平成31年度30億円)

 (※2)フィンテック(FinTech、金融×技術)やヘルステック(HealthTech、健康×技術)、エドテック(EdTech、教育×技術)、ポリテック(PoliTech、政治×技術)に代表される特定の領域と技術の有機的な統合のこと(X-Tech、XT)

2.国内外への発信の状況

 これまで、例えば、情報通信学会との連携により、新時代の情報通信政策としてBI-Techに関する議論を、OECDを交えた産学官民連携の体制で実施しました。また、本年2月に環境省や地方公共団体、民間企業により設立した「行動に着目した課題解決のための官民協議会HuB」が開催した官民協働フォーラムで「行動インサイトとAI/IoT等技術の融合によるwell-beingの向上」と題した講演を行いました。

 日本版ナッジ・ユニット連絡会議では、「『ナッジvsオートメーション』について考えるべきときが必ず来る。機会学習や人工知能、ビッグデータが融合されるかどうか、そういう視点で最新の機械を入れてどこまでオートメーション化するかというのが今後重要な論点となっている。日本が何か世界を驚かせるとなると日本のテクノロジーを使う観点が必要」(第1回、京都大学依田教授)との指摘があり、また、2017年にノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学リチャード・セイラー教授と対談した際には、「今後は行動インサイトとテクノロジーのコンビネーション。気づきを与えるのか、オートメーションかという世界。BI-Techの提案はまさにそれらを体現するもの」との評価を得ています。

 さらに、本年5月に開催した国際シンポジウム「ナッジ・イノベーション・シンポジウム」では、BI-Techに関するセッションを設けるとともに、本年6月に開催されたG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合及びその準備会合において、一人ひとりの価値観に配慮した自発的な行動変容の促進に向けたパーソナライゼーションの手段としてBI-Techのコンセプトを提案し、具体例を紹介しました。各国からは概ね好評であり、成果文書(全体コミュニケ及びアクションプラン)において、行動変容の促進の重要性が認識されるとともに、奨励すべき革新的な技術・アプローチとしてライフスタイルの変容のための行動科学が位置付けられました。

3.政府方針への反映

 これまで、BI-Techを活用した取組を含む環境省ナッジ事業は、政府のAI関連予算事業として位置付けられるとともに、未来投資戦略 2018において、低炭素型製品・サービス・ライフスタイルのマーケット拡大に資するものと位置付けられました。関係し得る政策領域と技術の候補には次のようなものがあり、潜在的な市場規模は計り知れません。ナッジやブースト等の行動インサイトを用いたアプローチはもとより、その技術との融合は、新たな市場の開拓や経済の成長を生み出し得るものとして期待されています。 

      • 政策領域:行動インサイトを適用し得る、行動に起因する社会課題の解決に関するもの(実質的に、あらゆる政策領域が対象)
      • 技術:AI、ビッグデータ解析技術、ICT、IoT、センサ、カメラ、メーター、次世代半導体、エネルギーハーベスティング、5G、LPWA、ブロックチェーン、クラウド、エッジ・フォグコンピューティング、データセンター、RPA、VR/AR/MR/SR(XR)、UI/UX、スマートフォン、スマートスピーカー、ウェアラブル、その他Society 5.0及び地域循環共生圏構成技術 等(これらは例であり、また、必須とも限りません)

 そして今般、以下の閣議決定文書等にBI-Techが位置付けられ、政府として取組をいっそう推進していくことになりました。

 BI-Techは、自然科学・人文科学・社会科学にまたがる学際的な学問領域である行動科学と技術が融合したものであり、社会課題解決のためのイノベーションの創出や、STI for SDGs(国連持続可能な開発目標のための科学技術イノベーション) の実現への貢献が期待されます。

4.今後の予定

 今後、社会課題の解決のためにBI-Techを用いて行動変容を促す実証事業について、公募により募集する予定です。また、ベストナッジ賞コンテスト行動インサイト・アイデアソン等を通じて効果的なBI-Techの事例収集や認定等を実施する予定です。

 ○今年も「ベストナッジ賞」コンテストを実施します!~行動経済学会とのコラボレーション企画~(令和元年7月8日報道発表)

(参考)日本版ナッジ・ユニットBEST(Behavioral Sciences Team)について

 日本版ナッジ・ユニットBEST(Behavioral Sciences Team)は、関係府省庁や地方公共団体、産業界や有識者等から成る産学政官民連携のオールジャパンの取組です(事務局:環境省)。

 ナッジ(英語nudge:そっと後押しする)やブースト(英語boost:ぐっと後押しする)をはじめとする行動科学の知見(行動インサイト)に基づく取組が政策として、また、民間に早期に社会実装され、自立的に普及することを目的に、環境省のイニシアチブの下、2017年4月に発足しました。その後、同年10月のノーベル経済学賞の受賞分野が行動経済学であったことの後押しもあり、取組が深化し、連携体制が次第に強化されています。

 どのような取組も、地域に根付くものとするためには、関係するあらゆるステークホルダーを巻き込んでいくことが必要不可欠です。このため、行政内に限った取組ではなく、参加者が同じ立場で自由に議論のできるオールジャパンの実施体制としています。

 ○日本版ナッジ・ユニット(BEST)のウェブサイト(会議資料、報道発表等)

  <http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge.html>

 ○平成29・30年度年次報告書

  <http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/report1.pdf>

 ○我が国におけるナッジ・ブースト等の行動インサイトの活用の広がりについて

  <http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/hirogari.pdf>

連絡先

環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8339
  • 室長相澤寛史(内線 6771)
  • 室長補佐池本忠弘(内線 6731)
  • 室長補佐高橋和也(内線 7778)
  • 主任大塚智明(内線 7777)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ