あなたの疑問にお答えします 知床半島先端部地区FAQ

リスク管理とルール

計画書は必要ですか?どこに出せばいいですか?
事故を未然に防ぐためにも計画書は進んで提出しましょう。また、帰着した際にも必ず連絡を忘れないようにしましょう。

山岳部利用:ウトロ駐在所もしくは羅臼駐在所
シーカヤック利用:羅臼海上保安署

携帯電話の電波は入りますか?
携帯電話はほぼ圏外です。より有効な通信手段として衛星携帯電話があります。遭難事故は膨大な費用と時間を要し、地元関係者に多大な迷惑をかけます。救助は非常に困難です。計画書提出のほか、保険加入の検討を入念に行いましょう。
帰りは疲れるので、船で帰ろうと思っていますが?
先端部地区での野外活動は、すべて自力で往復することを原則としています。トレッキングなどで片道だけ船をチャーターして行き来するのはルール違反です。歩いて行ったら歩いて帰りましょう。

各アクティビティに必要な技術や体力、判断力を持ち、行動できる人でなければ立ち入らないことが基本の厳しい場所です。

船で遊覧した後上陸したいのですが?
観光目的による動力船での上陸は関係機関の申し合わせにより、行わないルールです。二本滝以南の決められた場所でのサケ・マス釣りの人を除いて、動力船による上陸はできません。

ヒグマ&野生動物

荷物が重いので食料やゴミを数時間だけ置いて歩いてもいいですか?
食料やゴミなどヒグマを誘引するものを含む荷物は常に持ち歩いてください。一度でも放置された荷物をヒグマが荒らしてしまうと、荷物には食料が入っていることを学習し、トレッカーをつけ狙うなど危険な行動をとる恐れがあります。
クマ鈴とラジオを鳴らしながら歩こうと思います
大きな岩が積み重なった海岸部を歩いたり、よじ登ったりする箇所は見通しが悪く、波や風の強い日は音も聞こえません。岩影や、岩の合間でヒグマに気づかず数メートルの距離でバッタリ遭遇した例が何度もあります。大きな声や音を立て、常に注意を払いましょう。
ヒグマの写真を撮りたいのですが?
過度の接近や長時間の滞在はしないでください。野生動物の行動を攪乱してしまう可能性があります。

エゾシカや漂着した海獣類等の動物の死体があった場合、ヒグマが餌付いている場合があり、エサを守ろうとするヒグマから激しい攻撃を受ける可能性があるので不用意に近づかず、すみやかに離れてください。

(イラスト)ヒグマに接近して写真を撮影している様子
気をつけるのはヒグマだけですか?
キツネの被害防止のためにもデポしないことを推奨しています。不在にしたテントの前室から靴やコッヘルを引っ張り出されたり、テント自体を破って中のシュラフを引きちぎられた事例があります。(イラスト)テントをキツネに荒らされている

現場での疑問

飲料に使える水はとれますか?
生水にはエキノコックス(寄生虫)の虫卵が入っている可能性があります。感染防止のために煮沸して飲用しましょう。なお、硫黄山西側山麓の河川の多くは強酸性で飲用に適さないので注意してください。
潮位を教えてください
海上保安庁サイトなどで予定している日程の潮位が確認できます。

リンク:第一菅区海上保安本部海上情報部

フードコンテナは大きく見えますが持っていかなければなりませんか?
コンテナは50リットル程度の大型ザックに入ります。北米ではテントを襲われた死亡事故がたくさんあります。知床半島先端部地区の海岸には、食料を吊るす高い木はほとんどありません。ヒグマにヒトの食べ物の味を覚えさせてはいけません。

ここで情報を得てから出発!

知床の2つの施設で、知床半島先端部の近況や危険箇所の情報、注意事項の提供のほか、ヒグマ対策アイテムのレンタルを行っています。準備が整ったら、出発前に必ず立ち寄って、近況をよく調べてから行きましょう。