平成20年2月27日時点での、利尻山北稜ルートの状況をお知らせします。
◆ ルート状況
[標高200m付近の樹林帯]
- 積雪1m50cm程度(笹藪が埋まっている程度)。山スキーならラッセルなし。
[標高600m森林限界付近]
- 稜線で積雪1m50cm程度。雪質は、靴のつま先がちょうど良く刺さる程度。
- 沢沿いルートなら、つぼ足の場合で膝上のラッセル。
- 沢の中にデブリは見られないが、東側斜面の雪質はゆるそう。
[標高1200m付近(長官山〜避難小屋付近)]
- 稜線の東側斜面は吹き溜まり。1m程度の雪庇あり。
- 稜線の雪質はアイゼンの爪がよく効く程度。

[避難小屋〜山頂(北峰)]
- 稜線沿いは西側のトビウシナイ沢からの吹き上げ風が強い。雪質はアイゼンの爪がよく効く程度。
- 山頂は風が弱く、積雪2m程度あり。(夏と同じで、北東、南西どちらの風でもあまり強くあたらないため、雪が溜まりやすいものと思われる。)
◆ 避難小屋の状況
- 出入りは北側に付けられた2階ドアから。積雪は3m程度。
- ドアは押し開きタイプで、掛け金を外して開ける。ドアの位置は下写真の通り。
- 位置は、ほぼ稜線上の最低鞍部で周囲の雪は固い。視界の悪い時(特に北稜を下降路として利用する場合)は、東側の吹き溜まり斜面に踏み込みやすく、見つけにくいこともありますが、雪質と風の強さも発見のヒントになるかと思います。
【避難小屋利用の注意】
- ドア掛け金のかかりが渋くなっているので、使用後の閉め忘れに注意してください。

◆ 利尻山の気象
- この冬は降雪が少なく、山麓部では笹藪が出ていましたが、2月中旬〜末までの連日の降雪で、現在は、ほぼ例年通りの積雪量(上記参考)になっています。
- 北海道中央部と比べると、気温は高い(厳冬期でも山頂でマイナス20度を下回ることは少ない)のですが、日本海上の離島にあるため、季節風は強烈です。
- 3月に入り、山頂部まで見える程の晴天と降雪(山麓部では雨)を交互に繰り返しているので、積雪状況は上記の情報と大きく異なっていることが予想されます。

◆ その他