ここから本文です。

2007年09月20日

その他

秋の利尻山を楽しむために

 色づく葉や、高く澄んだ空気。登山者も減って静かな秋山は夏とは違う魅力を感じさせてくれます。しかしこの季節は、ひとたび天気が崩れれば、一瞬にして冬山に変わります。利尻山でも、例年9月末〜10月初旬には初雪が降ります。また、海の上に突き出た独立峰なので、山頂付近では毎日のように風速20m以上の強風が吹き荒れています。<br>
 「気象遭難」を起こさないためには、天候や体調によっては登山をあきらめる判断力と柔軟性、十分な下調べと、余裕を持った登山計画、装備が必要です。もう一度確認してみましょう。

9月〜10月期における利尻山の気象

 9月初旬から10月末までにかけて、本州での台風シーズンに、利尻山は秋雨期に入り、しばしば大雨になることもあります。特に標高1,200m以上では、放射状に広がった谷が集中するために風雨が強まります。最低気温は、9月中旬で-2℃平均、10月に入ると-10℃以下に下がることもしばしばです。平地と山頂の標高差は1,700m。気温差は約10℃。また、風速1mにつき体感気温は1℃下がります。

日の出・日の入り時刻

9月15日 / 05:13(日の出) / 17:49(日の入り)
10月15日 / 05:50(日の出) / 16:53(日の入り)

※樹林帯では、上記時刻よりも前後20分ほど暗い時間が長くなります。

装備案内

服装

 全て化繊かウールで。綿は汗や雨濡れが乾きにくく危険です。上記の最低気温を目安にして、起こり得る最悪の気象条件に耐えられる服装を用意しましょう。長そでアンダーシャツ、中厚手フリースジャケット、長ズボン、ゴアテックスなど防水透湿性素材のカッパ、濡れに強い登山靴、替え下着、手袋、耳の隠れる帽子、ヘッドランプ(替え電池含)は必要です。

雨具の着用について

 登りでは、汗をかくのを嫌って着ない方もいますが、雨濡れと風冷えと、替えになるウェアの有無、風を防ぐことの出来るスペースの有無とのバランスを考えて着用のタイミングを見極めてください。また、速乾性シャツの上に直にカッパを着用すると、ゴアテックス等の素材でも、透湿性より、自分の体から出る蒸気が上回るために蒸れて、冷えてしまうことがあります。これを防止するためには、汗をかかないペースに落とすことの他に、薄手のウールやフリースなどを中間に着用して、一旦自分の体から出る水蒸気を保たせるなどの工夫が必要です。各自着用するウェアの特徴を把握して、着こなせるようにしておきましょう。


利尻速報でも、秋の利尻山登山の紹介を行っております。
こちらもあわせてご利用ください。

Get ADOBE READER
PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。
Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。