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妙高戸隠連山国立公園の写真

公園の特長

火山・非火山の結集地
大地の営みとそれに寄り添う人々の暮らし・信仰が紡ぐ風景
指定:平成27年3月27日
面積:39,772 ha
新潟県、長野県
平成27年3月に新しく誕生した国立公園で、新潟県と長野県の県境に位置し、糸魚川市・妙高市・長野市・小谷村・信濃町・飯綱町と2県6市町村にまたがっています。
面積は小さいながらも個性的な山容の山々が密集し、山麓に点在する高原や、野尻湖などの湖沼が一体となった独特の景観が大きな魅力です。
火山性連峰やカルデラ、非火山性の孤峰、連峰など山の成り立ちは様々で各々の地域で山岳信仰も盛んです。
妙高山や高妻山など日本百名山にも数えられる名峰を有し、飯縄山など初心者が楽しめる山から急峻な戸隠連峰など上級者も楽しめる山まであり、登山のフィールドとして高い人気を誇ります。また、麓の高原では夏季は自然探勝、冬季はスキー、年間を通して温泉利用が盛んであるなど多様な利用者が訪れます。また本国立公園は豪雪地域でもあり、厳しくもすばらしい自然の営みと、そこから恵みを受けた独自の文化や山岳信仰等が相まって、独特の風景が作られてきました。

地形・景観

冬の妙高山の写真

冬の妙高山

活火山の妙高山と焼山
妙高山は二重式火山(標識的な複式火山)になっており、特徴的な山容が雄大に広がります。焼山からは今も時折噴煙があがります。
ジオサイト雨飾山の好展望地、しろ池(公園区域外)の写真

ジオサイト雨飾山の好展望地、しろ池(公園区域外)

糸魚川ジオパーク
糸魚川ジオパークは、新潟県の最西端にあり、フォッサマグナの西側の断層「糸魚川-静岡構造線(糸静線)」が通るなど、日本列島の形成を示す貴重な地質や特徴的な地形を見ることが出来ます。
鏡池より戸隠連峰の写真

鏡池より戸隠連峰

海底火山由来の戸隠連峰
戸隠山の山頂からは貝類の化石などが発見されています。これは戸隠連峰が海底火山の隆起・侵食により形成されたためで、険しく美しい非常に独特な景観を見せてくれます。
菅川林道からの野尻湖全景、左から黒姫山、妙高山の写真

菅川林道からの野尻湖全景、左から黒姫山、妙高山

黒姫山と野尻湖
黒姫山の大きな山崩れで渓谷がせき止められ、現在の野尻湖ができました。非常に複雑な湖岸はその形と美しさゆえ、芙蓉湖とも呼ばれています。

植物

火打山周辺には高山帯で見られるハイマツ群落のほか、冬の季節風や多雪の影響でミヤマハンノキなどの低木林やタテヤマアザミ、ミョウコウトリカブトなどの草原、遅くまで雪が残る雪田にはアオノツガザクラやウサギギクなどを見ることができます。
ハイマツの写真

ハイマツ

ハクサンコザクラの写真

ハクサンコザクラ

また、火打山と妙高山の間には黒沢池、高谷池、天狗の庭と呼ばれる高層湿原があり、ワタスゲやハクサンコザクラなどが見られます。大小様々な地塘が湿原植生や紅葉と組み合わさり、四季折々に美しい景観を作り出しています。
高谷池の紅葉(9月中~下旬)の写真

高谷池の紅葉(9月中~下旬)

5月初旬まで雪が残る豪雪地帯であるため、湿原が発達しており、リュウキンカやミズバショウをはじめとした多様な湿性植物を観察することができます。
リュウキンカと飯縄山の写真

リュウキンカと飯縄山

夢見平や雨飾・黒姫地域には天然のブナ林が多く現存しており、豊かな生物相を育んでいます。
ブナ林(雨飾山山麓)の写真

ブナ林(雨飾山山麓)

日本海側を代表する植物として、ユキツバキ、シラネアオイ、タニウツギなどが広く分布し、ミョウコウトリカブトやトガクシソウ(トガクシショウマ)などの固有種も自生します。

動物

火打山周辺に生息しているライチョウは日本最北端の個体群です。この個体群の生息域は標高が低いため気候変動の影響を受けやすく、個体数も少ないので絶滅が危惧されています。
ライチョウの雄の写真

ライチョウの雄

ライチョウの雌と雛の写真

ライチョウの雌と雛

戸隠高原と妙高高原は国内有数の野鳥の宝庫で、キビタキ、オオルリなど、渡り鳥、留鳥を含め、年間100種以上の鳥類が観察できます。笹ヶ峰などの標高1,000mを超える冷涼な高原ではギンボシヒョウモンやアサギマダラなどの蝶がよく見られます。点在する湖沼にはモリアオガエル、クロサンショウウオなどの両生類も生息しており、多様な野生動物を身近に観察することができます。
キビタキの写真

キビタキ

ライチョウの雌と雛の写真

モリアオガエル

文化

奥社参道の杉並木の写真

奥社参道の杉並木

山岳信仰
戸隠山や飯縄山は修験道の山として栄えた山岳信仰の盛んな地域です。戸隠の中社・宝光社地区の宿坊群は、平成29年2月に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されました。
仮山伏の演舞の写真

仮山節の演舞

関山神社で行われる「火祭り」は、妙高山を舞台に隆盛した修験道の面影を今に伝えています。
小谷温泉の写真

小谷温泉

温泉
武田信玄の家臣が発見したとされる小谷温泉は、450年以上の歴史をもつ湯治場として有名です。
燕温泉(野天風呂)の写真

燕温泉(黄金の湯)

妙高山の麓には、7つの温泉、5つの泉質、3つの湯色が楽しめる多様な温泉があり、全国的に見てもバラエティに富んだ温泉郷です。
伝説
戸隠の鬼女紅葉伝説、修験道に端を発する忍者など様々な伝説が残っており、文化の足跡をたどる楽しみもあります。