2010年06月30日
その他
環境省、山梨県、静岡県では、関係機関と連携して、富士山における良好な自然景観の形成及び利用者の安全と利便を確保する観点から、「富士山における標識類総合ガイドライン」及び「富士山における標識類の統合整理計画」について、平成22年3月23日(火)に開催された富士山標識関係者連絡協議会第3回総会の審議を得て、別添のとおりとりまとめましたので、お知らせします。
また、これらの策定に基づき、山梨県、静岡県等で登山道における標識類の整備を進めるほか、環境省において富士スバルライン5合目、富士宮口5合目、須走口5合目などで、今年度総合案内標識やモニュメント等の整備を行う予定です。
なお、登下山道の標識類は、9月上旬の登下山道の閉鎖に伴い撤去しますので、あらためて周知いたします。
近年、富士山の8合目以上に登った登山者数は、特に著しい増加傾向にあり、平成20年度には30万人に達しました。また、遭難事故も多発しており、遭難者のうち、十分な登山経験を持たない登山者が多くを占め、さらに、外国人登山者も多く見られる中、利用者の安全確保と適正な利用が重要な課題となっています。
登山に必要な情報を利用者に周知するためには、案内標識、道標及び注意標識などの標識類は必要不可欠ですが、近年の富士山においては標識類の乱立等が見られ、利用者への適切な情報提供と良好な風致景観の形成に支障をきたしている状況が見られました。
そこで、富士山の保護と適正な利用を推進するため、富士山の標識類を、わかりやすく、また、国際化に対応した形で、風致・景観に配慮したデザインへの統一化や集合化を図ることにより、国内外から来訪する観光客や登山者等の利用者の安全と利便を確保するとともに、秩序ある良好な風致景観を維持及び形成することを目的として、「富士山における標識類総合ガイドライン(以下、ガイドライン)」は作成されました。
ガイドラインは、上記の目的の実現を図るため、対象地域内に設置されている、もしくは今後設置される予定の標識について、配置、デザイン、用語の統一、多言語化、適切な維持管理についての方針を富士山標識関係者連絡協議会(以下、協議会。協議会の構成機関は7.のとおり。)の合意のもと、策定したものです。
関係行政機関においては、これらの方針に基づき、率先して既存の標識類も含めて見直しを図り、山小屋などの民間事業者においても、関係法令の適正な許認可を受けた上で、自主的かつ段階的に、これらの方針に基づいた標識を設置していく必要があります。
今後、協議会の構成員は、協議会において作成された「富士山における標識類の統合整理計画(以下「統合整理計画」という)」に基づき、具体的かつ適正な標識類の配置を継続的に推進していくものです。
なお、ガイドライン及び統合整理計画については、協議会において進捗状況のフォローアップを行い、必要に応じ、見直しを行っていきます。
今回、協議会の議論において、登山者の安全管理を確保する観点から、富士山の登下山道の閉鎖をあらためて周知すべきとの意見がありました。富士山の登下山道については、7月上旬から9月上旬までの期間以外は、強風や多雪による破損や事故等を防ぐため、登下山道の標識類を撤去しますので、あらためて周知いたします。
・平成21年3月9日 富士山標識関係者連絡協議会設置及び第1回総会開催
・平成21年12月24日 富士山標識関係者連絡協議会第2回総会開催
・平成22年3月23日 富士山標識関係者連絡協議会第3回総会開催
・富士山における標識類総合ガイドライン [PDF 3,324KB]
・富士山における標識類の統合整理計画 [PDF 3,238KB]
・富士山における登下山道(吉田ルート、富士宮ルート、御殿場ルート、須走ルート)の閉鎖について [PDF 85KB]